「実効ある有期労働規制を求める共同集会」での決議文 4月25日 ほか

2012-04-26 17:50:01 | 労働運動
 「この国は非正規問題を解決する気があるんですかね」

 2008年のリーマンショックの影響による非正規労働者の大量の雇い止めが起こった。これを機に立ち上がった元派遣労働者は、労働者派遣法改正案が国会を通過した際、怒りで声を震わせた。「必ず抜本改正を実現します」と約束した与党だったが、改正は製造業務派遣、登録型派遣の原則禁止という縛りをなくし、底抜けの改正に止まった。裏切りに声を震わせた仲間は「それでも、闘わなければならない」と何とか次の言葉を絞り出した。

 今日、この集会に集まった私たちは、彼ら、彼女らの震える声に、応えて行かなければならない。もちろん、共に闘わなければならない。震える声に耳を貸すこともなく採決を強行した人々を、私たちは忘れはしない。

  有期雇用法制についても、私たちは、共に闘ってきた仲間たちの声に耳を澄ます。5年を超えて更新を繰り返した有期労働者は、期間の定めのない雇用に転換するという。ある労働法学者は、無期転換が入ったことを「画期的だ」と評しているという。確かに無期転換が入りはしたが、5年の間に雇い止めにされる不安を持つ労働者が非常に多い。正社員の求人がなくなるのではないかと心配する若年労働者もいる。また、「期間の定めを除く労働条件」は「特段の定めがない限り従前のまま」とされるのだ。

 なぜ、仲間たちは不安なのか。答えは明らかだろう。労働者派遣法においても有期雇用法制においても、「入り口規制」はなされなかったのだ。有期の仕事が臨時的、一時的な仕事だとは明らかにしていない。これからも、有期として使い続ける意志が透けて見えてくるからだ。

 私たちは彼ら、彼女らの声に耳を澄まし、仲間として共に闘い、共に声を上げて行く。今日の集会で学んだことを確信に、より力強い活動を展開しよう。緊迫した国会情勢をふまえ、共同の取り組みをいっそう広げよう。

 安定した雇用、生活できる賃金、モノ扱いさせず人として尊厳のある労働を獲得する。そんなささやかで、当たり前で、けれど、この国の中ではとても獲得することが難しくなっている。私たちは今後も全力でこの問題に取り組んで行こう。物わかり悪く、諦めず、粘り強く歩を進めて行こう。彼ら、彼女らの涙、悔しさ、切なさ、怒り……。それらを無かったことにはしたくない。働く者たちの連帯を信じ、前に進もう。

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27日の「有期労働契約法制を考える」研究会のユーストリーム中継/高須裕彦

(27日)の夜に開催します「有期労働契約法制を考える」研究会をユーストリーム
で中継することとなりました。初めての試みでうまくいくかどうかわかりませ
んが、研究会に出席できない方で、インターネットのアクセスできる方は是非ご覧下
さい。アーカイブス(録画)を残す予定なので、後日、ご覧いただくこともできる
はずです。

以下のURLです。時間は18時半からです。現在のところ報告部分(~19時半頃まで)の予
定ですが、出席者の了解が得られれば、質疑議論の部分も中継します。
http://www.ustream.tv/channel/labor-now-tv

今回は試行的な実験なので失敗もあり得ますが、ご了解下さい。

もちろんネット上での視聴だけでなく、研究会へ直接出席いただくことも大歓迎です。
出席希望者は今日中にご一報下さい。
よろしくお願い致します。

高須裕彦
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一橋大学大学院社会学研究科
フェアレイバー研究教育センター
http://www.fair-labor.soc.hit-u.ac.jp/
Labor Now
http://www.jca.apc.org/labornow/

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4/27 日・独・仏・EUとの比較から有期労働契約法制を考える
………………………………………………………………
第21回社会運動ユニオニズム研究会のご案内
http://socialmovementunionism.blogspot.jp

3月17日に開催しました「有期労働契約法制と『有期』という働き方を考える」研究会
では、多数の方が出席され、有期契約労働者の雇用を安定させ、権利を確立さ
せていくには何が必要か、今回の労働契約法改定は現場にどのような影響を与えるの
か、などについて活発に議論を行いました。特に、有期労働契約で働く当事者から
「無期契約への転換制度は、5年までの雇い止めを増加させるのではないか」「転換が
進まず副作用の方が多く出るのではないか」など危惧の声が出ました。
http://socialmovementunionism.blogspot.jp/2012/02/blog-post.html

3月23日には、2月に出された法案要綱に沿って労働契約法改定案が閣議決定され国会
に提出されました。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/180.html

そこで、次回研究会では、独・仏・EUなどの有期労働契約規制と比較しながら、今回
の労働契約法改定案について、継続して議論したいと思います。ご参加下さい。

………………………………………………………………

日・独・仏・EUとの比較から有期労働契約法制を考える

日時:2012年4月27日(金)18:30~20:40
会場:明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン9階309E教室
地図:http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

報告(1)労働契約法改定案の概要:森崎巌さん(全労働省労働組合)
  (2)日・独・仏・EUとの比較から有期労働契約法制を考える:
       田端博邦さん(元東京大学社会科学研究所教授、比較労働法)

共 催:一橋大学社会学研究科フェアレイバー研究教育センター
   http://www.fair-labor.soc.hit-u.ac.jp/
    明治大学労働教育メディア研究センター
   http://www.kisc.meiji.ac.jp/~labored/
    Labor Now http://www.jca.apc.org/labornow/

参加申込み:資料準備の都合上、4月26日までに事務局・高須にご一報下さい。
      h_takasu(a)jca.apc.org (a)を半角の@に置き換えて送信下さい。


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