駅前不動産屋今日も回りは敵だらけ

株式会社 ハウスショップ 東京都町田市

覚悟を決めた人の気迫

2021年10月04日 | プライベート

去年と今年

二人の息子が入籍しましたが

大変残念な事に結婚式ができません

一生に一回ですから

お嫁さんには晴れ姿を披露させたかったのですが

この時世ではそれは叶いませんでした。

結婚式はできませんが

せめて両親の顔合わせ位は

と思って段取りをしましたが

一人は関東の出身なので

緊急事態の間隙を縫って

それができましたが

もう一人の息子の嫁さんは

四国の出身なので

何度も飛行機の予定を入れてはキャンセル

その繰り返しでした。

でおととい

やっと緊急事態宣言が明けましたので

地元の懐石料理店で

私の家族全員と顔合わせが出来ました。

で四国から来たのは

お嫁さんのお母さん一人です。

残念ながらご主人は7年前に亡くなり

今は一人暮らしです。

住まいは四国の山間部

限界集落の村だそうです。

村人は70人ほどいますが

高齢化が進んで

外で活動できるのは25人だそうです。

そのお母さんはもちろんその25人のうちの一人ですが

もう70歳を過ぎたのに若手だそうです。

私達が知らない地方の現実

これが伝わってきますよね。

その話を皮切りに

更に話を進めていきました。

7年前にご主人が亡くなった時に

葬儀を切り盛りしてくれたそのお母さんの弟さん

大変頼りにしていましたが

その葬儀からたった5日後

山から滑落して亡くなったそうです。

まぁショックだったでしょうね。

ご主人が亡くなり

これからは弟さんが心の支え

そう思ってたのに

運命に翻弄された訳です。

一人娘つまり私の息子の嫁は

大学の進学で四国を離れ関東に来た訳ですが

いずれ四国に戻る

そう期待してたら

そのまま就職して

私の息子と結婚した訳です。

言葉にはしませんでしたが

これも大変ショックだったと思います。

つまり

これからの人生は

その限界集落で一人で終える

これが決定づけられたのが

今回の一人娘の結婚な訳です。

まぁ申し訳ない気持ちになりましたね。

しかもその限界集落

元々ご主人の出身地なので

50歳を過ぎてから戻りましたが

奥さんにとっては全く知らない地だそうですからね。

どんなに淋しいだろう?

って想像しますが

幸いそのお母さんはとても明るい方で

そんな空気は一切出しませんでした。

頭も良い方なので

四国の歴史だとか偉人

そんな話題で盛り上がって

あっと言う間に時間が過ぎました。

で最後に

ご挨拶をして

お別れって事になったのですが。

一度お店の中でご挨拶をしたのに

外に出て

また私の所に駆け寄ってきました。

つまり

私が一人でいるのも見計らって

大切な話をしに来たのです。

それまで

目を細めて穏やかな表情で話してたのに

その時には一変して

厳しい表情で

私の目を強く見て言いました。

一言です。

“これから娘をよろしくお願いします”

その一言

凄かったですね。

思いが瞬時に全て伝わって来ました。

つまり

自分は娘の幸せのために

馴染みのない限界集落で一人で余生を送る決断をしたので

必ず娘を幸せにしてください

そう言ってる訳です。

多分その言葉を発するために

一人でわざわざ遠くから来たんですね。

すごい気迫でしたから

私も返す言葉がすぐには思い浮かびませんでしたし

何も言っても軽い

そう直感しましたので

言葉では

分かりました

とだけ発して

心の中では

”分かりました!これからは自分の息子より大切にします”

そうつぶやきました。

どうやら

私は一生自分のために生きる

なんて日は来ない

それを同時に思い知らされた瞬間でもありました。

死ぬまで頑張るしかありません。

コメント (2)
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