ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ジウ/警視庁特殊犯捜査係』#02―2

2018-11-11 18:25:08 | 多部未華子









 
立てこもり犯=岡村(深水元基)が「4月の黒星」と呼ばれる未解決の男児誘拐事件と関わってた事が判明し、彼を逮捕した立役者=伊崎基子(黒木メイサ)の処分は見直される事になりました。

SIT交渉班を仕切る前島主任(阿南敦子)は、心身共に傷ついて療養中の門倉美咲(多部未華子)をケアするよう、基子に依頼するのですが……

「たかが下着姿撮られた位で傷つくも何も無いでしょう。交渉に失敗した事を悔やむんだったら解りますけど」

「おいっ、そんな言い方無いだろう!?」

美咲の事になるとやたらムキになる「チクビ刑事」こと園田巡査部長(小柳 友)が怒鳴りますが、半開きの口に威厳はありません。

なぜ、基子は人に対してこれほど冷血に振る舞うのか? 本作をレビューするにあたって「理由は忘れました」じゃさすがにアレなんでw、彼女が過去のトラウマを吐露する第4話をわざわざ観直しました。

高校時代、柔道部にいた基子は、外部コーチの青年と恋に落ちるんだけど、その青年が実は既婚者で、妊娠中の妻とチョメチョメ出来ない欲求不満を基子で処理してただけ、という事実を知ってしまう。

そして柔道の取り組み中、基子は締め技で彼を死なせてしまう。それはたぶん事故なんだけど、自分は平気で人を殺せる悪魔なんだと思い込むことで、基子は愛する人を死なせてしまったショックから逃避してるワケです。

だから、この第2話で岡村の生命を救ってしまった自分自身に失望したワケですね。自分は冷血な悪魔でないといけないのに!って事で……

なんだか解ったような解んないような、屈折しすぎて共感しようがない心理ゆえ、すっかり私の記憶から抜け落ちてましたw とにかく、根っこの部分が人一倍弱いからこそ「愛」を否定し、極端に尖った生き方をしてる人なんです。

さて、そんな基子が警備部部長の太田警視監(石丸謙二郎)と特殊急襲部隊=「SAT」第一小隊長の小野警部補(光石 研)から直々に辞令を受けます。

基子の並外れた戦闘能力を高く評価し、なんとSAT初の女性隊員として迎えようと言うのです。非情とも言える冷静な判断力や、家族との繋がりが希薄な事も、命懸けの特殊部隊にはうってつけってワケです。

「SATでやってみる気はあるかね?」

「よろしくお願いします」

一方、美咲は所轄への左遷という名目で柿の木坂署への異動が決まり、殺人犯三係の東主任(北村有起哉)の下で働く事になりました。SITの麻井係長(伊武雅刀)が美咲に「やってもらいたい仕事」と言ってたのは、岡村が関わってるらしい「4月の黒星」の真相究明だったのです。

柿の木坂署の東主任と言えば、かつて会議で出会って以来、なぜか美咲が異性として意識しちゃってる人だったりします。演じてるのは北村有起哉さん。ホントに、なぜなんでしょうか?w

美咲は実家の門倉豆腐店に立ち寄ると、お母ちゃん(松本じゅん)に部署の異動を報告します。ただし、いつものごとく心配させないよう「少年係だよ」と嘘をついて。

この後の美咲とお父ちゃん(不破万作)の会話が良かったですね。新しい部署に慣れるまで「当分、帰って来れないかも知れないの」って言う美咲に、普段ぶっきらぼうなお父ちゃんが言うんです。

「お前、もしも……」

「なに?」

「もしも、ここに帰るんだったらよ、ホラあれだ、リホームっての、してやるよ」

「…………」

「隣の兄ちゃんの部屋の壁ぶち抜いてな、広くしてやるよ。……狭かったもんな」

「ありがと。でも私、ずっとこのままがいいよ。……ずっとこのまま……」

「…………」

ふと不安そうな顔をするお父ちゃんは、美咲が危険な任務に就いてる事を薄々分かってるのかも知れません。

「カンヌぅ~!」

翌日、SITの刑事部屋でお別れの挨拶をする美咲に、チクビ刑事が泣き真似をしながらハグしようとしますが、同僚たちに全力で阻止されます。本当にどうしょうもない腐れ乳首野郎です。

藤田巡査部長(姜 暢雄)は、立てこもり事件で岡村の人質にされた江藤久子が、あのとき美咲は犯人に何もされなかったと証言してくれた事を伝えます。そして、美咲への感謝の言葉も。

「あの刑事さんが強く手を握ってくれたから、気持ちが落ち着いたって。頑張ろうと思えたって」

美咲の眼からまた涙が零れます。カンヌ(=嘘泣きの名人)ってあだ名がホント邪魔ですよねw 美咲は、純粋に情に厚くて涙もろい人なんです。

相手がそんな美咲だからこそ、藤田は今まで誰にも言えなかった真実を告白します。

「俺はな、門倉……俺はお前に、謝らなければならない事がある」

「はい?」

「あの時、岡村が『いるじゃねえか』って怒鳴ったのは、俺が岡村に見つかったからなんだ」

「……え?」

かねてから基子に対して強いライバル心を抱いてた藤田は、あのとき街灯の光で自分の影が映ってることに気づかないまま、つい前に出てしまった。

「俺のせいだ。俺が手柄を立てようと焦ったばっかりに、お前が斬られて……」

「待って下さい、藤田さん」

「この通りだ、許してくれ!」

「やめて下さい、藤田さんのせいじゃないんです。私が、ちゃんと交渉出来てれば一番良かったワケだし、だから、謝るなんて……」

どこまでも謙虚で優しすぎる、ドM刑事の美咲です。藤田は思わず、そんなドMな美咲の肩をつかんで詰め寄ります。

「すまん、門倉っ!」

「い、痛いですっ、藤田さん」

岡村に斬りつけられ、縫ったばかりの傷口を思い切り掴まれるというSMプレイに、思わず美咲は身をよじらせます。

「はっ、すまん!」

「どさくさに紛れて何やってんのよ!」

「す、すみません!」

「なんだ藤田、今日は10年分ぐらい謝ってんな」

「すみません!」

前島&川俣(モロ師岡)両主任からツッコまれ、大真面目にコントさながらのリアクションをする藤田に、チクビ刑事らが口を開けて笑います。

そんな様子を扉の向こうで聞いていた基子は、ふと寂しげな顔をして立ち去ります。彼女も一応、別れの挨拶をするつもりだったのかも知れません。

そして警視庁の建物を背に歩く基子を、花束を抱えた美咲が無邪気に追いかけて来ます。

「伊崎さん! 良かった、もう会えないかと思ってた」

どんだけ基子に冷たくあしらわれても、こうして笑顔で話し掛ける美咲って、やっぱドMですよねw 冷たくされるのがキモチイイとしか思えません。

「伊崎さんも異動になったんだって?」

「まぁね」

「どこに異動になったの?」

「私の行き先なんか別にどこだっていいでしょ」

「寮を出ちゃうの?」

「出ないよ」

「良かった。じゃあ、また一緒にご飯食べられるね」

「……あのさぁ」

「ん?」

基子は立ち止まって、美咲と向き合います。

「あんた西脇部長に睨まれて所轄に飛ばされたんだろ? そんなヘラヘラすんのよしなよ」

「……私って、そんなにヘラヘラしてるかな?」

「それから、江藤久子のお見舞いに行こうとしてるんだったら、迷惑だからやめた方がいい」

「あ、違うの。この花はね、二係で……」

基子は心底ウンザリした様子で、また歩き出します。その気持ち、よ~く解りますw 多少ムリをして人間嫌いを貫いてる基子にしてみれば、誰とも壁を作らない美咲の「愛されキャラ」ほど目障りなもんは無いでしょう。

「江藤さんはもう元気にしてるみたいだし、見舞いには行かないよう係長からも言われてるから」

「泣いたみたいだねぇ、送別会で。感動の涙?」

「……うん、ちょっとね。泣いちゃった」

「人前で泣いて見せるってさぁ、私なんかにすりゃ恥ずべき行為なんだけど」

「……それは」

「それって、負け犬根性ってヤツがあんたのカラダに染み着いてるからじゃないの? 警察はね、負けちゃ駄目なんだよ。世間にも、犯罪者にも、自分にも……」

「……伊崎さん。私ね、警察が勝つとか負けるとか、そういう風にあまり考えたこと無いの。ホシを自白させれば、警察が勝ちって事になるのかも知れないけど、じゃあそれでホシが負けた事になるかって言うと、そうじゃないと思うし……」

「言ってる意味が解らないんだけど」

「ホシはホシなりに苦しんで、罪を告白して認めるワケでしょ? それってさぁ、1つの困難を乗り越える作業なんじゃないかって、わたし思うんだよね」

「困難を乗り越える? ホシが?」

「泣いちゃうよ、時には。ホシが犯罪に至るまでのいきさつとか聞いたりしたらさ。罪を犯す理由って、必ずあるものだし。だから……人前で泣くのは格好悪い事かも知れないけど、恥ずべき行為ではないと思う。それでホシと心の交流が出来るなら、私は涙を堪えないよ」

「心、ですか」

どれだけ否定され、傷つけられても自分の信念を曲げず、前を向いて一直線に生きてる美咲って、多部ちゃんがインタビューで言ってた通り「究極に強い女性」なのかも知れません。

それに対して基子は、過去のトラウマから逃げる為に自分自身を否定する、究極に弱い女。だからこそ肉体を鍛えて相手を攻撃し、本当の自分を必死に隠そうとする。

「あんたさぁ、警察官辞めてシスターにでもなれば?」

「…………」

捨て台詞を吐いて独り立ち去る基子と、黙ってその後ろ姿を見送る美咲。自分の生き方を全面的に否定されたにも関わらず、美咲の表情には一点の翳りも見えません。

肉体的な強さじゃ基子に適わないけど、精神的にはずっと美咲の方が強いって事を、多部ちゃんは完璧に理解して演じてるのだと思います。

さて、このあと第3話から美咲と基子はそれぞれ違う職場で働き、例の「4月の黒星」から連なる誘拐&猟奇殺人事件の真相を追い、やがて「ジウ」と呼ばれる恐るべき殺人鬼(笑)と対決する事になります。

美咲は直属の上司となった東主任に片想いし、基子はSATの同僚=雨宮(城田 優)とセフレ関係になって、少しだけ女の子らしさを取り戻すんだけど、その雨宮もジウに惨殺され……という展開になって行きます。

謎めいた存在だったジウの正体が、明らかになればなるほどツッコミ所が増えて行く困ったドラマだけどw、やっぱ女の子が主役なだけに、それぞれの恋愛模様が良いスパイスになってたような気がします。北村さんも城田さんも実に良い味を出されてました。

もちろん、エモーショナルな部分を一手に引き受けた多部ちゃんの名演と、殺気のこもったアクション&セクシーなベッドシーンで身体を張ってくれたメイサの熱演も、本当に素晴らしかった!

それら全てを、肝心のジウが台無しにしちゃうんですよねぇ…… 演じたL君は今、韓国で何やってんでしょうか? 全然興味無いけどw
 
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『ジウ/警視庁特殊犯捜査係』#02―1

2018-11-11 15:15:18 | 多部未華子









 
多部ちゃんファンの間じゃ既に忘れ去られてる……どころか無かった事にされかねない『ジウ』ですがw、私は好きです。私だけは『ジウ』の味方です。


☆第2話『脱げ!女刑事VS凶悪犯…密室15分!! 体の交渉』

(2011.8.5.OA/原作=誉田哲也/脚本=菱田信也/演出=片山 修)

「脱げ!」だの「体の交渉」だのと、昭和のお色気ドラマを彷彿させるサブタイトルがまた、多部ちゃんファンにはすこぶる不評でしたが、もちろん私は嫌いじゃありませんw

たぶん初回の視聴率がイマイチ(9.4%)だった為のテコ入れと思われ、その甲斐あってか第2話は10.0%に上昇し、気を良くして第3話『監禁された女刑事の白肌!』第4話『裸の女刑事・衝撃の告白!!』と続くんだけど、いずれも7%台まで落ちちゃったもんでw、第5話からは普通のサブタイトルになりました。

さて……「脱げ!」ってのは人質を取って公民館に立てこもった犯人=岡村(深水元基)が、食事を運んで来たSIT交渉班の刑事=門倉美咲(多部未華子)に言い放った言葉です。

「刑事にも、あんたみたいな可愛らしいのがいるんだな」

異議なし!

「脱げ」

しかし、こうして多部ちゃんを露骨に性の対象として扱った作品って、この『ジウ』が初めてだったんじゃないでしょうか?

岡村は人質に包丁を突きつけ、更に恫喝します。

「脱げ! 早くっ!!」

ある程度の覚悟は決めて来た筈の美咲ですが、さすがに躊躇します。あるいはブラウスに仕込んだ隠しマイクに気づかれるのを警戒してるのか?

「……………分かりました」

いよいよ美咲が、ジャケットを脱ぎ、ブラウスのボタンに手を掛けます。しかし岡村は待ちきれずにブラウスをボタンごと引きちぎり、仕込まれてた隠しマイクを踏み潰す! どうやら最初から見抜いてた模様です。

音声を聴いてた捜査本部の面々、とりわけ美咲に交渉役を命じたSITの麻井係長(伊武雅刀)は動揺を隠せません。岡村は交渉役に「若い女」を指名し、今こうして服を脱がせたとなると、やる事は1つしか無い。

美咲は下着姿に……と言っても厚手のスリップというノンセクシーな出で立ちで、我々タベリストとしては残念なようなホッとしたような、非常に複雑な心境でした。

だけど岡村はどうやらご満悦で、美咲の全身を舐め回すように眺めてから、こんな面白い台詞を吐きました。

「結構いいカラダしてんじゃねえか」

異議あり!w ……いや、私にとってはこの上なく素晴らしい多部ちゃんのボディだけど、一般的にエロい意味で「いいカラダ」っていうのは、ごにょごにょ……

「後ろ向け」

んなこたぁどーでも良いとばかりにエロ剥き出しの岡村って、非常に動物的で何だかステキですw

「そのまま低くなれ。床に膝を着けろ」

ここはちょっとドキッとしましたね。多部ちゃんのヌードは有り得ないって分かってたけど、そういう切り口によるエロは予想外でした。

「顔を床に着けて、ケツを出せ。……早くしろっ!」

その姿を想像するとちょっと興奮しちゃいますがw、公には見せて欲しくない。幸いな事に、ここで場面は建物の外へと切り替わりました。

裏手にはチクビ刑事こと園田巡査部長(小柳 友)をはじめとするSIT制圧班が、口を半開きにしながら待機中です。

「カンヌ……うまく交渉してますかね?」

「いくらカンヌでも、こんな経験無いからな」

多部ちゃんの事は俺が一番よく解ってんだと言わんばかりのチクビ刑事に、なんとなくイラッとしちゃうのは私だけでしょうかw 川越における悪行三昧を私は決して忘れませんw

さて、再び場面が屋内に切り替わると、美咲は人質の久子と背中合わせにロープで縛られてました。チクビ刑事が外で口を半分開いてる間に、いったい何があったのか?

岡村はテーブルで食事しながら、時おり立ち上がって外の様子を警戒します。そんな岡村を観察し、美咲は交渉のチャンスを伺うのですが……

「なに見てやがんだよ」

「あなたの要求通り、捜査員は全員すでに撤退しています。だから安心して……」

「余計なこと言うんじゃねえっ!!」

美咲の言葉を最後まで聞かずに、岡村は椅子を蹴って威嚇するばかり。どう見てもマトモに交渉出来る相手じゃありません。

恐怖で震えが止まらない久子の手を、美咲は優しく握って力づけます。

「立て、こら」

しかし美咲の言葉を信じたのか、岡村は2人を連れて、SIT制圧班の伊崎基子(黒木メイサ)と藤田巡査部長(姜 暢雄)が待機する玄関へと向かいます。

どうせなら、美咲が「カンヌ」って呼ばれる由来となった「泣きの芝居」を、ここで活かせば良かったのにって思いますよね。美咲の見事な交渉術によって岡村が外に出る展開でも全然良かった筈です。

それはともかく、玄関前に停めてある乗用車の陰に潜む基子は、街灯の光で自分の影が見切れてる事に気づき、車の反対側へと移動します。

すると玄関から、岡村に包丁を突きつけられた久子と、下着姿の美咲が出て来て、さすがの基子も動揺します。

「門倉……」

裏手から見てるチクビ刑事はもっと動揺し、半開きの口が更に開きます。と、その時!

「いるじゃねえか! ぶっ殺すっ!!」

何かに気づいた岡村が興奮状態で包丁を振り上げ、とっさに人質を庇った美咲が斬りつけられます。

「カンヌ!?」

開いた口が塞がらないチクビ刑事ら男性陣は、犯人の岡村には目もくれずw、倒れた美咲に駆け寄ります。

ただ1人、岡村めがけて突進した基子は、得意の格闘技で包丁を弾き飛ばすと、愛銃ベレッタ92Fを構えて岡村を追い詰めます。

建物内で逃げ場を失った岡村が、自分の首にナイフを突きつけたと同時に、銃声が鳴り響き……

幸いにも軽傷で済んだ美咲が救急車で手当てを受けていると、建物から基子が出て来ます。

「伊崎さん」

救急車を降りて基子に歩み寄ると、美咲は単刀直入に尋ねます。

「撃ったの?」

「…………」

基子は見事な腕前で岡村の右腕を撃ち抜き、ナイフで自殺しようとした彼の生命を救ったんだけど、彼女にとってそれは不本意な結末だったみたいです。

翌日の警察幹部による記者会見では、基子の発砲の是非&美咲が下着姿になった経緯に、マスコミの質問が集中する事になりました。

美咲は人質の生命を、基子は犯人の生命をそれぞれ救ったにも関わらず、警察幹部は2人を処分する事でメンツを保つべく、それぞれの異動を画策するのでした。

美咲には更に、殺人犯10係の遠山警部補(野間口 徹)による、事情聴取という名のセクハラが待っていました。

SITの刑事部屋に乗り込んで来た遠山は、美咲が岡村から何を言われ、何をされたのかを、根掘り葉掘り聞き出そうとします。

「ほ~、あんたみたいな可愛らしいのがいるんだな、と。他には?」

「……その後……服を脱げと」

「高圧的に脅されたのか?」

「そうです」

「それでキミは服を脱いだ。それで? 岡村は服を脱いだキミに何か言わなかったのか?」

「……いいカラダしてるじゃねえか……」

ここで遠山がニヤリ……いや、ニタ~っと笑います。画像をご覧下さい。ここまで露骨にいやらしく笑う人間がいるもんでしょうか?w

「いいカラダ、と」

明らかに楽しみながらパソコンに文字を打ち込む遠山を見て、部屋にいたチクビ刑事の口がまた開きます。

「なるほどね。つまり、岡村にはキミをレイプする意志が強くあったという事だな。それで?」

「……それでとは?」

「岡村は実際にそれを実行に移したのか?」

「移していません」

「本当か? ウヒヒヒ」

「実行には移していません!」

一番聞きたかった部分が聞けなくて残念そうな遠山は、悔しまぎれにスポーツ新聞の記事を美咲に見せつけます。

「こういう事は周りでヒソヒソやられてから知るのはかえって良くない。当事者は知っといた方がいいだろう」

その記事は「警視庁お色気捜査員!」だの「体を張った潜入捜査で見事解決!」だのといったスキャンダラスな見出しが躍っており、SITの仲間たちが苦労して美咲に見せないようにしてた物。

「ウヒヒ」

SITの現場を仕切る川俣主任(モロ師岡)が、思わず顔を真っ赤にして遠山に掴みかかりますが……

「主任、やめて下さい! 私は大丈夫です」

屈辱を受けた張本人である美咲が、川俣はじめイキり立つ男どもをなだめるのでした。やはり門倉美咲という人は、ドM刑事ですw

「遠山さん。今後、こういう事が捜査の中でも起こり得る事だと、肝に銘じておきます。ですから……ありがとうございました」

美咲は涙を堪えながら、深々と頭を下げます。キャラクターとしてはあまりに優等生過ぎて、普通ならかえって共感出来なくなりそうなもんだけど、多部ちゃんが演じる事によって救われてますよね。

どんなにステレオタイプなキャラでも、多部ちゃんが演じると人間味やリアリティが加味され、知らず知らず共感してしまう。この『ジウ』や『東京バンドワゴン』『ラストホープ』等のドラマは、それでかなり救われてたんじゃないでしょうか?

一方、処分が決まるまで自宅謹慎を命じられた基子は、いつものスポーツジムでサンドバッグをがむしゃらに殴り続けるのでした。

「なんで私は……なんで助けた?」

どうやら基子は、自殺しようとした凶悪犯の生命を救う行動を取った自分自身に、深く失望してるみたいです。

つまり、彼女は根っからの人間嫌いじゃなくて、多少ムリをして冷血さを装い、他者との交流をあえて避けてるのかも知れません。

「すまん! 本当に、何と詫びればいいのか……」

美咲に交渉役を命じた麻井係長が、結果的に負傷&あらぬ汚名まで着させてしまった事を謝ります。

「ツラかったら、そう言えばいい。理不尽だと抗議してもいい。キミは……キミはよくやった」

美咲の眼から、堪えてた涙がポロポロとこぼれ落ちます。いつもながら完璧なタイミングですw

「キミは、身を挺して人質の命を守った。それは警官として、誇れる結果だと私は思っている」

「係長……」

「キミは、私の期待に立派に応えてくれた」

「ありがとうございます。私は、大丈夫です。交通課もけっこう楽しいですし……」

「キミの異動は受け止められないが、異動先ならまだどうにでもなる」

「係長、私の為にご無理をなさらないで下さい」

「違うんだ。キミにやってもらいたい仕事がある」

「え?」

ここでようやく、物語は動き始めます。じゃあ今までは何だったの?って話ですがw、まぁ言わば美咲と基子の人物像を紹介する序章って所でしょうか。

……このレビュー、読んでて面白いですか?w 正直、自信がありませんm(_ _)m でも、とにかく最初の2話だけはレビューすると決めたんで、やり遂げようと思ってます。

(つづく)
 
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『デカワンコ』#02―2

2018-11-11 11:11:35 | 多部未華子









 
ワンコ(多部未華子)の嗅覚を全く信じてなかった筈の小松原刑事=コマさん(吹越 満)ですが、彼女のあまりに一生懸命な姿にほだされたのか、はたまた刑事としてのカンが働いたのか、自身も大林(水橋研二)の捜査に乗り出します。

まずは、大林の犯行動機と思われる、交通課婦警=琴美(渡辺直美)に関するデータをパソコンで調べ、その顔写真を見てみます。

「……こりゃストーカーはねえなぁ」

私もそう思いますw だけど異性の好みは十人十色で、マイノリティな性癖を持った人が存在するのも事実。例えば、たまたまコマさんの横にいた柳刑事=ヤナさん(大倉孝二)です。

「おわっ、いい女じゃないスか! コ、コマさん、どういう関係なんスかっ?」

「…………」

…………w 以降、ヤナさんは琴美を見る度に眼の色を変えて自分をアピールしますが、相手にされませんw ちなみに原作マンガの柳刑事は知的でクールなイケメン刑事。琴美も原作ではアイドル顔の美少女で、キャスティング自体がギャグになってますw

さて、ワンコは徹夜で大林のアパート張り込みに臨んだのですが、夜が明ける頃には民家の壁にもたれて熟睡してましたw

で、ズルッと滑って目を覚ますワケですが、その滑り具合がまた絶妙なんですよね! 下にマットが敷いてあったとしても怪我しそうな勢いで滑りつつ、全くわざとらしく見えない。抜群の身体能力があればこそだと思います。

「張り込み1日目終了。……あ、証拠だ」

ケータイを置いて大林の部屋の前でポーズをとり、セルフタイマーで写メを撮ろうとするワンコですが(別に自分まで写す必要は無いと思うw)、ちょうど大林が出掛けるタイミングと被ってしまい、ワンコはケータイを置いたまま彼を尾行する事に。

大林は人けの無い空き地の掘っ建て小屋に入り、ついて来たワンコを捕獲します。第1話でガラさん(佐野史郎)にもツッコまれたように、あの服装で尾行されて気づかないヤツはいないのですw

かくして美少女がロープで縛られ、密室に監禁されるワケですが、ワンコに限っては全く貞操の危機を感じませんw いつもなら「そこで乳揉むやろ!」「なぜ服を脱がさんっ!?」ってハイパー激怒する私ですが、この時に限ってはノークレームでしたw

「ホントに目障りなんだよね、キミ。死んでくれる? 杉田先生のように」

「それって、自白ですか?」

「そうだよ」

「大林タカシ、殺人容疑で逮捕する!」

「ふふ……逮捕する? どうやって?」

「ほ、ほどいて下さい!」

「明日が終わるまでは、だーめ」

明日と言えば、琴美が交通課の代表として参加する、小学校の自転車教室の日です。

「僕は、あの人を永遠に自分のモノにするんだ」

「あの人……自分のモノにって、どういう意味ですか? 絶対逮捕します! 誰か! 誰か聞こえませんかーっ!?」

↑ このワンコの叫び声を聞いた時に、私はなぜかキュンと来たんですよねw 自分が多部ちゃんに萌えてる事に、初めて気づいた瞬間でした。

今あらためて聞くと、別に何てこと無い普通の多部ちゃんボイスなんだけど、たぶん女性が助けを呼ぶ時に発する声の(自分の中にある)イメージと違ったんですね。あまりに品があると言うか優しいと言うか……

理屈じゃどうにも説明出来ないんだけど、要するに多部未華子という女性のお人柄が、この時の声を通じて私のハートに入って来たように感じたんです。これぞまさに「ビビッと来た」ってヤツでしょうか?

んな事はどーでもよくて、ワンコと連絡がつかなくなったコマさんは胸騒ぎを覚え、GPS機能を駆使して彼女のケータイを見つけ出します。

その場所が容疑者のアパート前となれば、何かが起こったとしか思えず、警察犬ミハイル号の出動となったのですが……

「ミッハイル、どうした? イヤなのか?」

警察犬係の田村さん(田口トモロヲ)だけ、いつも「ミハイル」じゃなくて「ミッハイル」って呼ぶんですよね。たぶんドイツ語の発音にこだわっておられるのでしょうw

「なんか、意識してるんですよね。ミッハイル」

「……気持ちは解る。だけど生命が危ないかも知れないんだ。探してくれ!」

いつになく必死なコマさんの頼みに応え、ミハイルはワンコの匂いを追って掘っ建て小屋まで辿り着きます。

「ワンコ!? ワンコーっ!!」

「はっ、おはようございます! 寝てました!」

「寝てんじゃねえーっ!!」

縛られて立ったままの状態でも熟睡するワンコって、ある意味カッコイイですよねw 演じる多部ちゃんからして何処ででも眠れる人らしいしw

ともかくワンコは無事に救出され、大林は緊急逮捕されました。重村主任=落としのシゲさん(沢村一樹)の取り調べテクを駆使するまでもなく、大林は恋路を邪魔されたから杉田教諭を殺した事をアッサリ自白します。

「あの人は女神……」

女神…… 琴美が女神…… 違和感は拭えませんw

「花森くん、自分を犠牲にしてよくやった!」

門馬係長=ボス(升 毅)は殺人事件のスピード解決に浮かれっ放しですがw、13係の部下たちは皆、一様に浮かない顔。

「なんかヘンです」

「ヘン?」

大林があまりにアッサリ逮捕され、アッサリ自白したのもヘン、ワンコを監禁しながら呑気にバイトに行ってたのもヘン。琴美の件も含めて違和感があり過ぎるワケです。

「ちょっと、なに言ってんの。容疑者は逮捕したんですよ? 自転車教室は安全、安全♪」

部下が全員「おかしい」って言ってるのに、このボスのノーテンキぶりw かくして翌日、自転車教室は予定通り決行されるのですが……

ワンコが監禁された小屋の現場検証写真を見て、何やら胸騒ぎを覚える2人の刑事がいました。それがコマさんとシゲさん(吹越さんと沢村さん)。

文字数を少なくし、レビューをスムーズに進める為に今まで省略してたんだけど、この第2話ではコマさんとシゲさんの対立が冒頭から描かれてました。

猪突猛進型で捜査も荒っぽいコマさんと、冷静沈着で理知的な捜査を好むシゲさんは、取り調べの方針も真逆ゆえに水と油。しかも同期で階級も同じなのにシゲさんが主任になって、コマさんは面白くないワケです。

だけどこの2人、互いに最も信頼出来る同僚でもある事が、この場面で判ります。

写真に写ってたのは、大林がホームセンターで買い集めてた木炭、肥料、硫黄粉末…… コマさんとシゲさんが顔を見合わせます。

「これで黒色火薬が作れる!」

次の瞬間、2人は「あうん」の呼吸ですぐさま行動開始、コマさんは電話で自転車教室の中止を要請し、シゲさんは大林を取調室に放り込みます。

そう、大林は「女神」を永遠に自分のものにすべく、校庭の何処かに爆弾を仕掛けた。コマさん流の荒っぽい取り調べをさんざん批判してた筈のシゲさんが、大林を壁に叩きつけて自白を迫ります。

「貴様、爆弾を何処に仕掛けた!?」

たまたまかも知れないけど、このドラマがオマージュを捧げる刑事ドラマのパイオニア『太陽にほえろ!』も、第2話は街の何処かに仕掛けられた爆弾の在処を犯人に自白させるべく、落としの山さん(露口 茂)が大奮闘するお話でした。

しぶとく口を割らない大林ですが、シゲさんは学校以外にも爆弾が仕掛けられてる事を見抜き、小学校に向かってるコマさんに伝えます。2人共、その爆弾が例の掘っ建て小屋にある事を直感するのですが、ワンコが今、手掛かりを求めてその小屋を調べている!

「ワンコ、其処からすぐ逃げろ!」

コマさんから電話を受けたワンコですが、ちょうど怪しいプラスチックケースを見つけた所でした。

「何かあります。ちょっと待って下さいね」

もちろん、その中身は……

「うあっ、爆弾です!」

「逃げろぉーっ!!」

ケータイから凄まじい爆発音が聞こえて、コマさんの顔が凍りつきます。

「ワンコ…… ワンコォォォォオーッ!!」

しばしの静寂の後、再びワンコの声が聞こえて来ます。

「コマさん、ビックリしました!」

間一髪で小屋を飛び出し、ワンコは無事でした。

「俺もビックリしたんだよぉーっ! 東東京小学校へ急げ!!」

学校では生徒たちが避難の真っ最中、ワンコに続いて警察犬ミハイルも到着しました。

「チャンコさん、私も行きます!」

「危険だ。ミハイルに任せろ」

「大丈夫です」

何が大丈夫なのかよく解んないけどw、心配する和田刑事=チャンコ(石塚英彦)や桐島刑事=キリ(手越祐也)を尻目に、ワンコは校庭に出て爆弾を探します。

「あの人は女神……」

ふと、大林の言葉がワンコの脳裏をよぎります。女神…… 琴美が女神? やっぱり、どう考えても違和感がw

「あの時、琴美を見てたんじゃない……?」

大林がフェンスの外から校庭を見つめてた時、琴美のすぐ横には若くて美人な高橋先生(原 史奈)がいました。そう、大林の狙いは琴美じゃなくて、高橋先生だった! そりゃそうやろ!w

かくして高橋先生も無事に保護され、後は爆弾を見つけるのみ。ここでワンコとミハイルが手を組み、あうんの呼吸を見せます。普段はライバルどうしでも、いざとなれば最も信頼出来るパートナー。コマさん&シゲさんと同じです。

「ミハイル、探すわよ!」

思いっきり匂いを吸い込むワンコに合わせて、何気に田村さんも一緒になって匂いを吸い込んでるのが笑えますw  そんなアホらしいアドリブをかます田口トモロヲさんが、後に多部ちゃん主演の映画『ピース オブ ケイク』を監督されるんですよねw

ミハイルと共に走り、匂いを嗅ぎまくるワンコは遂に、横断旗を入れる箱の中に隠された時限爆弾を発見します。爆破時刻まで残り数十秒しかありません。

「おいっ、危ねえぞ! 爆発物処理班に任せろ!」

「大丈夫です、習いましたから! 青いコードと赤いコード、どちらかを切れば……はっ、黄色と緑とオレンジ!? ど、どれ!?」

「おいっ!」

コマさんが爆弾をワンコから取り上げ、投げ捨てたと同時に大爆発! あわやのところで、誰も怪我すること無く事件は収束しました。

「ミハイル、ありがと」

夕陽をバックに見つめ合うワンコとミハイルの間には、種族を超えた信頼と友情が芽生えた模様です。似た者どうしですもんねw

「こっちは片づいた。シゲ、大林のヤロー締め上げてくれ」

「言われなくてもやってるよ」

コマさん顔負けの荒っぽさで大林を締め上げるシゲさん。この2人も実は似た者どうしなのかも知れません。

事件解決で平和が戻った13係の刑事部屋に、松田警視総監(伊東四朗)がひょこっと顔を出して、なついて来るワンコに声を掛けました。

「どうですか、13係は?」

「はい。信頼の匂いがします!」

「けっこう」

どうやらワンコも、13係の一員として信頼されつつ……あるのかな?w
 
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『デカワンコ』#02―1

2018-11-11 07:00:11 | 多部未華子









 
初回を観て、想定外の面白さと多部ちゃんの演技に衝撃を受けた私ですが、更にこの第2話を観た時には、演技うんぬんを超えて1人の女性として、自分が多部ちゃんに「萌えている」事実にも気づかされました。

今あらためて観ても、とにかく多部ちゃんの表情や動き、そして声に眼と耳が釘づけになります。ゆえに画像も多部ちゃんオンパレードになっちゃう事をお許し下さいw


☆第2話『狙われた婦警さん』

(2011.1.22.OA/脚本=伴 一彦/演出=中島 悟)

本庁の刑事さん達には「在庁番」という、所轄署からお呼びがかかるまで待機するだけの日があるそうで、刑事部捜査一課第八強行犯捜査殺人捜査第13係のメンバー達も今回はその状態。

数々の刑事ドラマを観て来た私ですが、在庁番なんて言葉は『デカワンコ』で初めて聞いたように思います。刑事部屋でただ待機してるだけじゃドラマになりませんからw、普通の番組には出て来ない設定です。

だけど『デカワンコ』は普通じゃない。何しろ最終回をまるまる慰安旅行記に費やしちゃった番組ですからねw すっかり事件(謎解き)が主役の捜査ドラマが主流になってる中、本当の意味での刑事ドラマ(あくまで刑事が主役)である『デカワンコ』ならではの作劇です。

それはともかく、やる気満々な花森一子=ワンコ(多部未華子)にとって、在庁番なんか退屈以外の何ものでもありません。

仕方なく、親友の交通課婦警=琴美(渡辺直美)と一緒に柴又を散歩し、琴美が「私のパワースポット」だと言う寅さんの銅像を参詣しますw

葛飾の下町が舞台に設定された事も、このドラマの癒し効果を倍増させてますよね。原作マンガは普通に都心部が舞台だったように記憶します。

で、幼い兄妹が迷い犬の「さくら」を探して欲しいとワンコに懇願して来ます。皆さんご存知でしょうけど「さくら」ってのは寅さんの妹と同じ名前です。

警察犬にも匹敵するらしい自慢の嗅覚を駆使し、あっさり「さくら」を見つけるワンコですが、ついでにそこで他殺死体まで発見しちゃう。

すぐさま所轄署の捜査員たちが駆けつけ、殺人事件と断定された時点で在庁番の13係にもお呼びがかかります。

「ワンコ、お前なんで此処にいるんだ?」

「第一発見者ですぅ~」

死体を見つけた時に気絶しちゃったワンコは、いちおう殺人捜査課の刑事ですw それにしても泣きの入った多部ちゃんの表情がいちいち可愛くて、萌えますw

「早引きしてもいいですか?」

「バカ、刑事の仕事ナメんなよ」

「やっぱり!」

更に警察犬のミハイル号も駆り出されますが、歓迎するワンコをなぜかミハイルは無視します。第1話で嗅覚競争をして以来、ミハイルはワンコをライバル視してるんですねw

今回も犯人のものと思われる足跡から、競い合うように匂いを追跡し、ミハイルは被害者の杉田教諭が勤めてた小学校に辿り着き、ワンコは凶器と思われるナイフを発見します。

そして捜査の結果、被害者と金銭トラブルで揉めてた同僚教諭=佐久間が容疑者として浮上するのですが……

「違う……匂いが違う」

取り調べを受ける佐久間教諭の匂いを嗅いで、真犯人は他にいると主張するワンコ。だけど彼女の嗅覚をまだ信じてない13係の仲間たちは、ちっとも相手にしてくれません。

意気消沈するワンコですが、買い物に行ったスーパーのアルバイト店員=大林(水橋研二)の匂いを嗅いで愕然とします。それは、犯人の足跡と同じ匂いなのでした。

「大林さん、杉田先生殺したでしょう!」

単刀直入にも程があるワンコの職務質問にw、顔色1つ変えない大林は逆に怪しいです。

「なに言ってるんですか、ヘンなこと言わないで下さい。通報しますよ」

「どこに?」

「警察」

フッと鼻で笑いながら警察手帳を出そうとするワンコですが……

「しまった、普段着だ!」

「出てって下さい」

あっさり追い出されたワンコは、素早くロリータピンクのケータイで大林の姿を写メすると、実に素晴らしい「どや顔」を披露しますw(画像7番目)

あんな顔が出来る女優さんが、他にいるでしょうか?w 男優さんでもジム・キャリー位しか見当たりませんw だから多部ちゃんだけはいくら見てても飽きないし、もっとコメディーで使わなきゃ勿体無いって言うんです。

それはともかく、今回も残念ながら13係の仲間たちは誰も信じてくれません。唯一、ワンコの能力を認めてくれた先輩刑事の五十嵐=ガラさん(佐野史郎)は現在、殺人容疑で拘置所のオリの中w

「君の嗅覚の鋭さはみんなが認めたと思っていたんだが……」

「私もそう思ってました」

拘置所の面会室で、ワンコはガラさんにいきさつを伝えます。例え殺人犯だとしても、ワンコにとってガラさんは刑事としての師匠であり、良き相談相手なのです。(レクター博士&クラリス捜査官のパロディ?)

「しかし匂いが証拠にならないのも事実だ。匂い以外の証拠を掴まないと」

匂い以外の手がかりと言えば、犯行時に「邪魔をするな」という男の声が聞こえたという通行人の証言だけ。そんな捜査情報を殺人容疑者にペラペラ喋って良いのでしょうか?w

「大林は杉田先生に何を邪魔されたんでしょうか?」

「考えるな、調べろ。鼻だけじゃない、眼、耳、手、足、口、全部使って調べて調べて調べ尽くせ。考えるのはその後だ」

「はい!」

ジーパン刑事のテーマが流れ、ワンコの捜査が再開されます。そして、殺された杉田教諭の勤務先である小学校のフェンス越しに、校庭を見つめる大林の姿を目撃するのでした。

「琴美……?」

大林の視線の先には、明後日に行われる自転車教室の準備で、女性教師(原 史奈)と打ち合わせする琴美の姿がありました。もしかすると、大林の狙いは琴美?

その話をワンコから聞いて、琴美は以前から彼の視線を感じていたと言い出します。以下、ワンコと琴美の会話ですが、琴美を演じてるのが渡辺直美さんである事を念頭に置いてお読み下さいw

「ストーカー?」

「罪な女? わたし」

「…………」

「そっか! 邪魔するなっていう犯人の声! あいつ、私に一目惚れして近づこうとした。それに気づいた杉田先生が警告した。あの美女に手を出すなって」

「…………」

「だから邪魔するなって、あいつキレたんだ。なるほどねーっ!」

「…………」

黙って聞いてる多部ちゃんの表情が、実にビミョーで可笑しいですw

何か違和感を覚えながらもw、とにかくワンコは大林を尾行します。大林は仕事帰りにホームセンターで木炭や肥料、硫黄粉末などを買い集めると、安アパートに帰宅します。

「ちぇっ、張り込むか……」

ちぇって言いながら、嬉しさを隠せないワンコの表情がまた、可笑しくて素晴らしいですw

小学生の頃から『太陽にほえろ!』にハマってた私は、友達とよく「尾行ごっこ」や「張り込みごっこ」をしたもんですが、刑事ドラマに憧れて刑事になったワンコにとっても、尾行や張り込みはそれと同じ感覚なんでしょう。

そういうニュアンスを、表情と台詞回しだけで的確に伝えてくれる多部ちゃんの演技が本当に素晴らしい!

やっぱり多部未華子を主役にキャスティングしなかったら『デカワンコ』は成功しなかったって、あらためて思います。いやぁホント、愛してますw

(つづく)
 
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『西部警察』#50

2018-11-11 00:00:09 | 刑事ドラマ'80年代








 
☆第50話『少女の叫び』(1980.9.28.OA/脚本=峯尾基三/監督=宮越 澄)

古いドラマを観てると、意外な方がゲスト出演されてて驚く事がよくあります。この『西部警察』第50話には当時13歳の内海和子さんが出ておられました。

内海和子さんは'80年代後半に一世を風靡した、集団アイドルグループの元祖「おニャン子クラブ」会員番号13番、最初期中心メンバーの1人だった方です。

元々は児童劇団に所属する子役さんで、『超人バロム・1』『愛の戦士レインボーマン』『仮面ライダー・スーパー1』等の特撮ヒーロー物や、『特捜最前線』第188話にもゲスト出演されてました。

どうやら今回の『西部警察』が子役として最後のお仕事だったらしく、高校受験を機に芸能活動を休止し、卒業後にフジテレビの新番組『夕やけニャンニャン』のオーディションを受け、第1回から出演される事になったそうです。

子役で鍛えただけあって演技力や歌唱力には定評があり、可愛さだけで売ってるイメージが強かったおニャン子の中で、実力で勝負する数少ないメンバーとして注目されてました。

おニャン子クラブ卒業後はタレント活動と並行してカーレーサーとしてもご活躍。ヌード画像は26歳頃に撮られた写真集から。とても立派なお尻をされてます!

さてドラマの内容ですが、目の前で強盗犯(福本清三)に父親を殺された少女(内海さん)がショックで前後の記憶を失い、鬼の大門団長(渡 哲也)があえて事件と向き合わせることで、彼女の記憶を取り戻そうとするお話。

冒頭で足をナイフで刺され2階から転落するわ、病室に時限爆弾を仕掛けられ更に重傷を負うわ、極秘で河口湖のペンションに避難してもまた襲われるわで、とにかく内海さんが悲惨な目に遭い続けます。

だから、非力な少女をろくに守ってやれない大門軍団がアホみたいに見えちゃうんですよね。別に知能犯ってワケでもない敵に裏をかかれてばっかりで。

特に、ずっと少女に付き添ってるリュウ(加納 竜)のマヌケさが、なまじ顔が整ってるだけに際立ちますw

ペンションでは犯人に電話線を切られ、携帯電話も無い時代ですから車の無線しか使えないって事で、少女を部屋に1人残して出て行っちゃうんですよね。完全に犯人の思う壺。

しかも「何かあったらこれを使え」って、自分の拳銃を彼女に預けちゃう。中学生の女の子がいきなり拳銃なんか渡されても使えるワケがない!

案の定、その拳銃を犯人に奪われて絶体絶命。そりゃそうなるやろw で、いつも通りスーパーマシンで駆けつけた大門団長が少女を救い、いつも通り1人でカッコ良く犯人をフルボッコ。

『西部警察』って、どの刑事が主役であろうと、一番の見せ場は必ず団長が独り占めするんですよねw そのルールだけは絶対に破られないもんで、展開が100%予測出来ちゃうw 『水戸黄門』と同じで、その安心感こそが高視聴率の秘訣なんでしょうけど。

で、最後にリュウが少女に「早く笑顔を取り戻すんだよ」って、思いっきり二枚目を気取りながら言うんだけど、お前がマヌケやから酷い目に遭うんやろ!ってw ほんと顔が整ってるぶん無能感がハンパないw

とまあ、ツッコミどころ満載なのがまた『西部警察』の楽しさだったりするんですよね。ストーリーはあって無いようなもんなので、レビューを書くのもラクですw

ただ1ヶ所だけ感動したのが、団長にフルボッコにされる場面における、福本清三さんのやられっぷり。とにかく動きが速くて、シャープかつダイナミック!

元々シャープな渡哲也さんのアクションが、福本さんの受けによって更に速く見えちゃう。それで主役の強さがより際立ちますから、福本さんが「やられ役」「斬られ役」だけでスターになられた理由がホントよく解ります。

あとはやっぱり、冒頭からラストまでずっとパジャマ姿の内海和子さん。ブラジャーが見える場面もあり、ファンにとってお宝満載のエピソードと言えましょう。

画像にどアップで写ってる「足の裏」も、内海さんのです。裸足で逃げ回った直後なもんでドロドロに汚れてますが、もしかするとフェチな方にはかえって喜ばれるかも?と思い、試しに載せてみましたw どうでしょう?
 
コメント (2)
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