ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『中学一年コース』1979年8月号

2023-06-07 18:55:06 | エンタメ全般

児童誌、学年誌、とても懐かしいです。『小学○年生』『科学』『学習』『中学○年時代』etc……

中でも『中学○年コース』を私がよく買ったのは、『太陽にほえろ!』の特集記事が他誌よりも充実してたから。特に『中一コース』は付録の小冊子を丸ごと『太陽にほえろ!』のノベライズにしちゃう等、かなり優遇してました 。



当時の『太陽〜』は民放ドラマ視聴率キングの座を独走してましたから、当然と言えば当然なれど、特に中1ぐらいの子(まさに私)たちが熱狂的に支持してたのかも知れません。



しかし番組の公式本(ノベライズや写真集)は今も大切に保管してあるけど、さすがに雑誌はキリが無いからほとんど処分しちゃいました。先にご紹介した付録の小冊子も、これからご紹介する本誌(’79年8月号)も、近年になってネットオークションで購入したものです。



巻頭グラビアは『太陽にほえろ!』ではなく、水谷豊さんの『熱中時代 刑事編』。劇中どおりに水谷さんとミッキー・マッケンジーさんが結婚されて話題になったけど、後年……



そしてボインぼよよ〜ん!と現れた榊原郁恵さんの『ナッキーはつむじ風』。



夏休みはちゃんと計画を立てて有意義に過ごしましょう!ってことで、先輩中学生たち(サクラ?)が成功談、失敗談を語るおせっかいな投稿が載ってます。



学生時代の私には絶望的に縁が無かった、異性との想い出づくり。これが『GORO』とか『スコラ』だったら「HOW TO SEX」一色になっちゃうけど、さすがに学年誌は健全で面白くも何ともありませんw



もちろん、ちゃんと勉強のページもあるけど、私は一瞥もしませんでした。



当時話題の映画はアニメ『銀河鉄道999』。私も父と一緒に大阪の劇場で鑑賞しました。



というワケでゴダイゴが大人気だった当時の歌謡界。サザンが『いとしのエリー』でグイグイ頭角を表す一方、ピンクレディーの人気が急降下してました。爆発的に売れたのって2年間ぐらい?



化粧品メーカーのCMでは「燃えろいい女」の小野みゆきさんを筆頭に、中島はるみさん、紺野美沙子さん、浅野ゆう子さん等が注目されてました。



ところで私がオークションでこの号を選んだ理由は、最も愛した刑事キャラクター「ボン」こと田口刑事(宮内 淳)の殉職記事もさることながら……



それ以上に、これをもう一度読みたかったから!


昭和『ウルトラマン』シリーズ等の脚本家として知られる佐々木守さんが連載された、学園サスペンス小説『白夜学園』。

なんと! ボンを演じられた宮内淳さんと、当時の私や大槻ケンヂさんの身体の一部を大いに熱くしてくれた、石野真子さんが夢の共演!!



と言ってもブロマイド写真をコラージュしただけ、みたいな仮想出演なんだけど、それでも宮内淳&石野真子というキャスティングはあまりに私を狙い撃ちし過ぎ!

ちなみに宮内さんは主役カップルの担任教師役、真子さんはその恋人かつヒロインの姉役でした。主役カップルが異父兄妹だったりして、やはり佐々木さんが脚本を書かれた大映ドラマ『赤いシリーズ』を彷彿させる内容です。



連載マンガはあだち充さんの『おいら放課後若大将』。もちろん『みゆき』や『タッチ』を大ヒットさせる前の作品です。



「睡眠学習」なんていう超いかがわしい広告も載ってます。そういや私も英会話のカセットテープを買った記憶が、いま蘇りましたw



裏表紙はラジカセの広告。正式名称は「コンパクト・ラジオカセッター」だったんですね!



文通コーナーも載せたかったけど、いくら40年以上前とはいえ個人情報(住所に本名、顔写真まで!)モロ出しなんで、さすがに無理。ホント平和な世の中でした。



今回はセクシーショットも『中学○年コース』にちなんで、中二コース11月号における手塚理美さんの伝説的ノーブラ写真!

小学生時代からジュニアモデルとして活躍し、中1のときにユニチカ2代目マスコットガールに抜擢されて一気にブレイク。この表紙カットもその頃に撮られたものでしょう。

’81年にヌードを披露されてから朝ドラ『ハイカラさん』や『ふぞろいの林檎たち』等で女優業に邁進。だけど理美さんは「手塚さとみ」名義だった少女時代の方が圧倒的にエロいです。


 

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『プレイボーイ』1994年12/20&27号

2023-06-04 15:45:10 | エンタメ全般

いつもこのブログに載せてるセクシーショットは、大抵ネットで拾わせて頂いた画像なんだけど、古いドラマに登場する女優さんの場合、せっかく素晴らしいグラビアを発表されてるのに、まともな画像がアップされてないことも、ままあるワケです。

そんなとき、私はネットオークションを活用し、その写真が掲載された古雑誌を(ときには写真集まで)購入したりする。

いつぞや「ブログはお金がかからない趣味」って書きましたが、実はそういう部分で地味にお金をかけてます。ここでレビューする為に買ったDVD-BOXなんかも少なからずありますから。

まさにプロフェッショナル! ハリソン・フォード中のハリソン・フォード! 一銭のトクにもならないのに! なんでそこまでするのか自分でもサッパリ解らない!w

まあ単純に、楽しいからでしょう。それをちゃんと心底から楽しむべく、働いて給金を稼がなきゃいかんワケです。仕事における「やり甲斐」とはそういうもんでしょう。



というワケで週刊プレイボーイの1994年(平成6年)12月20日&27日合併号です。

総理大臣が細川護熙→羽田孜→村山富市と変遷し、松本サリン事件が起こり、巨人の槇原投手が完全試合を達成した’94年。バブル時代の象徴たる「ジュリアナ東京」が閉店したりもしてます。

エンタメ界ではドラマ『家なき子』がヒットして「同情するならカネをくれ」が流行語大賞を獲得し、刑事物だと『古畑任三郎』シリーズがスタートした年。ヒット曲は『ロマンスの神様』『恋しさと せつなさと 心強さと』『がんばりましょう』『春よ、来い』など。

今回のプレイボーイ誌から話題を拾えば、王貞治さんがダイエーホークスの監督に就任され、米米CLUBの石井竜也さんが映画『河童』を監督されたりしてます。

表紙と巻頭グラビアは、当時CMとドラマで引っ張りだこだった、一色紗英さん。



2番手は清純派からセクシー路線にシフトしつつあった時期の、喜多嶋舞さん。



3番手はヌードル(ヌード・アイドル)と称された三浦綾音さん。



なぜか女性からのバッシングが凄かった、裕木奈江さんの写真集告知を絡めたグラビアも載ってます。



タバコの広告における杉本哲太さんがやたら若い!



驚きなのは、永瀬正敏さんが洋酒、タバコ、腕時計など、男性向けアイテムの広告キャラに起用されまくってること。我々世代にとってのショーケンさんや優作さんみたいな存在?



映画『ゴジラVSスペースゴジラ』とJOMOステーションのコラボ広告には、中村雅俊さんや地井武男さんのお姿も。



集英社の新雑誌広告には牧瀬里穂さんも。

 

マニア誌以外にもトイガンの広告が載ってた時代です。



連載マンガは池沢さとしさんの『モデナの剣(サーキットの狼2)』ほか。



正月映画の目玉はキアヌ・リーブス&サンドラ・ブロックの『スピード』!



ジャッキー・チェンの『酔拳2』!



アーノルド・シュワルツェネッガーが妊娠しちゃうコメディー『ジュニア』に……



トム・クルーズ&ブラッド・ピット競演の『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』!



そして当時の正月興行に欠かせない存在だった私こと、ハリソン・フォード主演のジャック・ライアン シリーズ第2弾『今そこにある危機』! まだまだ洋画優勢の時代でした。



綴じ込み付録の1995年カレンダーには、葉月里緒奈、ともさかりえ、吉川ひなの、高橋かおり、篠原涼子、宝生舞、小島聖、吉野公佳、雛形あきこ、坂井真紀、鈴木杏樹、瀬戸朝香と、当時「旬」だった女性たちがズラリと勢揃い!



そして間もなく、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件の’95年がやって来るワケです。皆がまだノーテンキでいられた、これが最後の年末だったかも知れません。いつかまた、明るい時代が訪れるんでしょうか?(……虚)


 

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『スクリーン』2023年7月号

2023-06-03 15:00:11 | エンタメ全般

やっぱり、職には就いとくに越したことありません。この休日の解放感だけは、ふだん仕事に縛られてないかぎり絶対に味わえない。

そして安定した収入が無いと、モデルガンを買うにしても常に背徳感がつきまとい、心から楽しめない。

普通に町を散歩するだけでも、職に就いてるか否かで歩く姿勢もなぜか違ってくる。やっぱプータローだと胸が張れないワケです。

だから、全然違う誰かの噂話をしてただけであろう女性たちを、自分の悪口を言ってると思い込んじゃったニート野郎の気持ちも、まぁ解らなくもない。

ただし「独りぼっち」の一体なにがそんなに恥ずかしい?とは思う。仮に本当にそう言われたんだとしても、殺しちゃうほど腹を立てる心理が私には理解できない。

長年に渡って「独りぼっちは哀れで惨めなもの」だと世間に植え付けてきた、これは完全にメディアの罪でしょう。

職に就いてないと肩身が狭く感じてた私も、しっかり洗脳されちゃってるワケです。しばらくプータローでいられる余裕はあったのに、どうしてもそれが楽しめない日本人のDNA。

働かなくたって何も悪くないんだと理屈で解ってても、どうしても気持ちが落ち着かないから仕方なく職に就く。うまいこと躾けられたもんです。

それはもう、いくら抵抗したって無駄ですから、受け入れるしかありません。楽しみたい事をちゃんと心から楽しむために、これからも頑張って働くとします。



さて、いよいよ公開が迫る『インディ・ジョーンズ/運命のダイヤル』をフィーチャーした表紙に釣られ、めちゃくちゃ久し振りに月刊誌『スクリーン』を買いました。女性向けのオシャレ仕様にリニューアルされてからだと初の購入です。

’90年代までは『キネマ旬報』『ロードショー』『ビデオDVDでーた』等の映画雑誌をしょっちゅう買ってたけど、近年は『映画秘宝』 以外には眼もくれてませんでした。その秘宝すら現在休刊中で、映画雑誌を買うこと自体が久し振り。

買ったところで、興味をそそられる記事が……というよりスターが載ってないワケです。ハリソン・フォードを筆頭に、スタローンとかシュワちゃん、メルギブ、イーストウッド等、興味をそそられるスターは皆さん既にご老人ですからw

それはともかく、インディ最新作の正式邦題は『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』です。気に食わん!💨

これまで『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』等ときて、なんで今さら「と」を付ける!?💢

原題に「and」が付いてるのは勿論知ってるけど、それは魔宮や聖戦とて同じこと。めちゃくちゃ違和感があって気持ち悪い! まさか『ハリー・ポッターと何たらかんたら』にあやかってる? インディ様がポッターごときに!?👊💥



そもそも、私は何十年も前から『インディ・ジョーンズ』っていう邦題に違和感を覚え続けてるんです。原題は主人公の氏名そのまんま『Indiana Jones』です。

「インディ」は氏名をひっくるめて略したニックネームだから、そこに苗字をわざわざ付け足すセンスが解らん!💨💨 だって「ガッキー結衣」とか「木村キムタク」なんてアホな呼び方しないでしょう?

だからホントは『インディアナ・ジョーンズ/運命のダイヤル』って書きたかったけど、それもシリーズとして整合性がつかないから『インディ・ジョーンズ/運命のダイヤル』で妥協したワケです。

それでも「と」だけは死んでも付けたくない。最も愛するシリーズだからこそ、日本のアホな配給会社には意地でも合わせたくない!💨💨💨



↑近年はネット配信も含むTVドラマがかなり幅を効かせてるようで、私の本名を名乗るソックリさんも本格的に参入された模様。確か俳優デビューはTVドラマだし、『ヤング・インディジョーンズ』等にもゲスト出演されてるから初めてじゃありません。



↑シュワちゃんも最近はドラマで活躍されてるご様子。すっかり時代が変わりました。



↑映画の新作情報では、テレビ版とは違うスーパーガールや、マイケル・キートンのバットマンも登場するD.C.ユニバースの『ザ・フラッシュ』や……



↑アンジーとハル・ベリーが初共演するスパイアクションにちょっとそそられました。



↑どうでもいいけど、最近やたら湧いて出てくるこのテの整形イケメンたちがもう、気持ち悪くて気持ち悪くて見るに耐えません。

整形したい人はすればいいし、中性的なルックスを否定するつもりも無いけど、とにかく生理的にどうしても受けつけない。こういう顔が10人ぐらい集まったアイドルグループなんか見た日にゃあ、マジで嘔吐しそうになっちゃうからテレビも慎重に観なくちゃいけない。

男がこういう美を売りにするっていう行為が、その価値観が、百万歩譲っても一生理解できそうにない。だったら見なけりゃいいって言われても、他に観たい番組があるんだから何とかして欲しい。あ〜やだやだ! マジ気持ち悪い!😱



お口直しに、ホラー映画に主演されてる生駒里奈さんのグラビアを。この人の持つ雰囲気がたまらなく好きです。


 

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『これ描いて死ね』01~03

2023-04-19 10:20:04 | エンタメ全般

マンガ本は滅多に買わないんだけど、大童澄瞳さんの『映像研には手を出すな!』はNHKのアニメ版にハマって、そして とよ田みのるさんの『これ描いて死ね』は朝の情報番組で紹介されてるのを観て、つまり両方ともテレビに影響されて買いました。

『これ描いて死ね』は「マンガ大賞2023」で大賞を獲ったばかりだけど、それはまったく関係ありません。テレビで紹介された粗筋にビビッと来たワケです。



いずれも女子高生グループが主人公で『映像研〜』は映像(アニメ)研究会を、そして『これ描いて〜』は漫画同好会を、それぞれゼロから立ち上げていくストーリー。

つまり創作の楽しさに目覚め、没頭していく「クリエイターの初期衝動」を活き活きと描いた作品であり、エロ描写はいっさい期待できない点も共通してますw

こういう作品に私が強く惹かれるのは、かつて自分自身が自主映画創りに没頭してたからだけど、単に創作の楽しさや苦しさを描いただけのストーリーなら、たぶん購入には至ってません。

『映像研〜』と『これ描いて〜』が私のハートを大きく揺さぶった最大のポイントは、先にも書いた「クリエイターの初期衝動」の活写だと思います。それは先日から記事にしてる庵野秀明さんや岡本太郎さんの話題にも通じること。



『これ描いて死ね』の主人公=安海 相(やすみ あい)は、東京都の離島・伊豆大島に住むマンガ大好き高校生。

特に『ロボ太とポコ太』って作品にどっぷりハマってるんだけど、なぜかマンガを忌み嫌う担任の手島先生にいつも叱られ、マンガなんてロクなもんじゃないと説教されてばかり。



そんなある日、相は知ってしまいます。この10年間、ずっと休止してた『ロボ太とポコ太』の新刊が、東京で開催されるコミティア(同人誌即売会)で販売されることを!

それで初めて1人で東京へ出向いた相は、恐らく彼女の人生を変えることになる、2つの大きな衝撃と出くわすことになります。

まず1つ目は、コミティアで同人誌を手売りしてる人たちが皆、そのマンガの作者であったこと。つまり、それまで相にとって「読むもの」でしかなかったマンガが、実は自分で描こうと思えば描けるものだった!という衝撃。



今さらかいっ?って思うけど、こういうキッカケが無ければ意外と気づかないもんかも知れません。

そして2つ目の衝撃。『ロボ太とポコ太』の新刊を手売りしてる女性=ずっとずっと憧れ続けてきたその作者が、実は担任の手島先生だった!



ええーーっ!? あんなにマンガを否定してたのにーっ!?💦

だけどそんな事より、10年ぶりの新作を読めるのが嬉しくてたまらない相は、憧れの先生に「マンガの描き方を教えて下さい!」と懇願するのでした。

最初はきっぱりと断る手島先生だけど、相が初めて自分で描いてきたマンガを読んでみて、これまた大きな衝撃を受けてしまう。



それはとてつもなく稚拙な作品なんだけど、作者のマンガに対する愛情がこれでもかと溢れまくってて……



思わず先生の涙腺が決壊してしまう!

10年前に先生がマンガ界を離れた理由は今のところ謎だけど、たぶん、プロになって締切りに追われながら、読者や編集者のニーズに合わせて描き続けることに疲れ果て、このままじゃマンガを嫌いになっちゃう!って感じたからでしょう。

だけど最初は……ただ趣味として描いてた頃は、今の相みたいにキラキラした眼をしてたはず。

手島先生は漫画同好会の顧問を引き受けるんだけど、1つだけ絶対的な条件を出します。それは……



「これ描いて死ね」などと、マンガに命を懸けないこと。教え子にはずっと、マンガを大好きなままでいて欲しいんでしょう。

10年前に手島先生が見失い、今の相をキラキラ輝かせてるのが、つまり「初期衝動」だと私は思うワケです。

『映像研には手を出すな!』の主人公=浅草氏には天才的な素質も見え隠れしてたけど、相にはそれが無いw だからこそ尚更、単純に好きだから描きたい!っていう衝動が際立って見える。

私もウルッと来ちゃいました。主人公よりも手島先生の側に感情移入してるワケです。

かつて……昭和の時代、高校生だった頃、初めて自主映画を撮ったときの私は、やっぱり輝いてたと思います。単純に好きなことを、ただ無邪気にやってただけだから。

それが2作目、3作目と続けて行くうち、色んな欲や打算、つまり邪気が沸いて来ちゃう。こればっかりは誰も避けられない。

だから、よく云われるように、ものを創る人は自分の処女作を永遠に超えられない。上達すればするほど、初期衝動のキラキラを失ってしまう。

まあ、ノスタルジーですよね。



これも勝手な憶測だけど、庵野秀明さんや岡本太郎さんがクリエイターの中でも特に異彩を放っておられるのは、この初期衝動ってヤツを決して諦めず、処女作の輝きを絶対に超えてやる!って、常にそう思いながら作品を創っておられる(おられた)からじゃないかと。

そんなのどう考えたって不可能なんだけど、あの人たちに常識は通じない。うまくあるな、きれいであるな、ここちよくあるな、マイナスにとび込めタローマンですよ!



『シン・仮面ライダー』のドキュメンタリーでチラッと紹介されてた、庵野監督が高校生時代に撮られた8ミリ映画『ナカムライダー』は処女作かどうか判らないけど、まさに初期衝動の塊みたいな作品で、無邪気そのもの!

自ら怪人を演じる庵野少年の、心底から楽しそうなあの姿!(タローマンにちょっと似てたw)

その新鮮さを無謀にも超えようとし続ける庵野秀明ってクリエイターは、やっぱり『エヴァンゲリオン』の碇ゲンドウと同じ究極のモラトリアム人間なんだと思います。

岡本太郎さんはまぁ、モラトリアムと言うより「奇才」そのものって感じだけど、初期衝動の爆発力みたいなもんを追い続けてた点で、庵野さんと凄く似てる気がするんですよね。なんだこれはっ!?


 

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『TAROMAN/岡本太郎式特撮活劇』

2023-04-17 23:30:04 | エンタメ全般


爆発だ! 爆発だ! 爆発だ! 芸術だ!

べらぼうな夢はあるか? でたらめをやってごらん

自分の中に毒を持て 自分の運命(さだめ)に盾を突け

うまくあるな きれいであるな ここちよくあるな

マイナスにとびこめ! タローマン (なんだこれはっ!?)

……というイカした歌詞の主題歌で始まる、1970年代に放映された特撮ヒーロー番組『タローマン』を、皆さんご存知でしたか? 私はつい最近までまったく知りませんでした。



第1話『でたらめをやってごらん』では、べらぼうにでたらめな怪物=飛行奇獣「森の掟」が突如出現、街の人々を「なんだこれはっ!?」と驚かせます。

するとそこに、シュールレアリズム星からやってきた巨大ヒーロー「タローマン」が降臨!



奇獣よりでたらめな動きを見せるタローマンは、街の人々を「なんだこれはっ!?」と困惑させます。

「芸術は爆発だ!」



タローマンがその場の思いつきで放った芸術エネルギーにより、特に悪い事してなかった「森の掟」は一瞬で粉砕され、地球防衛軍の戦闘機も吹っ飛ばされるのでした。なんだこれはっ!?



第4話『自分の歌を歌えばいいんだよ』では、通行人から罵声を浴びせられてた路上ミュージシャンたちの前に、梵鐘奇獣「歓喜」が出現! なんだこれはっ!?



手強い敵に見えた「歓喜」だけど、タローマンのまったくでたらめなドラミング攻撃により、あえなく粉砕!

そう、自由こそ無敵。でたらめでも何でも、自分の歌を歌えばいいんだ!



第7話『一度死んだ人間になれ』では、未来スコープを操る予知奇獣「未来を見た」が街の人々に彼らの(どうせ冴えない)未来の姿を見せ、みんなを無気力にしてしまう! こいつは悪い!

未来を予測できる奇獣だから、地球防衛軍の攻撃もスイスイ避けてしまう!



ところが! タローマンの未来だけは見ても(あまりにでたらめ過ぎて)意味が解らず、さすがの「未来を見た」も為す術なし! なんだこれはっ!?

自分の未来を知ったからってどうだと言うんだ。一度死んだつもりになって自由に生きれば何も怖くない!

負けるかも知れない相手と闘うからこそ楽しいのではないか。ただ間違いないものが間違いない結果を出したところで、退屈であるに過ぎないのだ。そう岡本太郎も言っていた!



第9話『同じことをくりかえすくらいなら、死んでしまえ』では、街に癇癪奇獣「駄々っ子」が出現し、駄々っ子のように暴れ回る!

そこにタローマンが「いつものように」現れ、街の人々は「いつものように」奇獣を倒して!と声援を送るんだけど、そこで急に戦意を失くしたタローマンは、自分で自分の攻撃を受けて倒れてしまう!



タローマンにとっては「予定調和」こそが最大の敵! だから「いつものように」奇獣を倒すルーティンがイヤになっちゃったのでした。



瀕死のタローマンに新たな生命を授けるべく、シュールレアリズム星から心強い仲間=タローマン2号が駆けつけます。ところが!

「芸術は爆発だ!」



「予定調和」以上に「自己模倣」が許せないタローマンは、駄々っ子もろともタローマン2号を粉砕しちゃいます。同じことをくりかえすくらいなら、死んでしまえ!



第12話『真剣に、命がけで遊べ』では、高速奇獣「疾走する眼」が街中を猛スピードで疾走! それをタローマンが必死に追う!

ところが、それは戦闘ではなく、ただの鬼ごっこだった! 遊びとは、真剣に、生命のすべてをぶつける行為なのだ!



第15話『美ってものは、見方次第なんだよ』では、ファッションモデルの写真を見て「こんな綺麗な顔に生まれたかったわ」とため息をつく地球防衛軍のマミ隊員(小笠原皆香)を、タローマンがいきなり拉致し、惑星ゲルダへと連れ込みます。

そこでは小型奇獣「みつめあう愛」たちが、同じように自分の容姿を嘆いているのでした。


「なに言ってんの、みんな同じ顔してるじゃない!」



第20話『好かれるヤツほどダメになる』では、すっかり人々の人気者となったタローマンが、双腕奇獣「赤い手・青い手」にまったく歯が立たず、いびつな姿に変えられちゃう。

そんな不甲斐ない姿を見た人々は、手のひらを返したようにタローマンをバッシングし始めます。なんだこれはっ!?



第23話『孤独こそ人間が強烈に生きるバネだ』では、剛腕奇獣「傷ましき腕」が有名な画家や作家ばかり誘拐し、カプセルに閉じ込めて孤立させちゃう。



ところが、それは皮肉にも彼らにとって理想的な創作環境だった! 芸術とか哲学とか思想なんてものは、みんな孤独が生み出した果実なのだ!



第25話『なま身の自分に賭ける』では、地球侵略を企てる知能奇獣「午後の日」たちが宇宙船内で会議ばかり繰り返し、保身を気にするあまり何も決められないでいる内、タローマンに爆殺されちゃいますw



自分で指一本動かさず、自分の責任において何もしない。組織の人間関係に血道を上げていないで、賭けるなら自分自身に、生身の自分に賭けるしかないんだ!



第30話『芸術は爆発だ』(最終回) ではついに、べらぼう奇獣「太陽の塔」が出現!

もちろんラスボスゆえ、これまでの奇獣たちとはレベルが違う! タローマンが真っ二つに切り裂いた太陽の塔は2つに増殖し、バラバラにすればバラバラにした数だけまた増殖してしまう!



お前のせいで災いが増えちゃったじゃないか!と、これまで護ってもらった恩も忘れてタローマンに罵詈雑言を浴びせる地球人たち。



だけど、そんなことでタローマンは悩まない。行き詰まった時はくよくよせず、さらに大きな悩みを求めて体当たりすればいい。

宇宙に飛び出したタローマンは、渾身の必殺技「芸術は爆発だ」を地球に向けて放ち、全人類もろとも粉々に吹っ飛ばすのでした。



人類全体の運命も、いつかは消える。それで良いのだ。無目的に膨らみ、輝いて、最後に爆発する。

そして平然と人類がこの世から去るとしたら、それがぼくには栄光だと思える。そう岡本太郎も言っていた。(完)



ご存知の方は少ないと思いますが、このテレビ番組は実在します。私はBlu-rayとオフィシャルファンブックを買いました。

放映されたのが1970年代、っていうのだけウソだけど、あとはいっさい改変してません。本当に最終回で地球は滅びます。主役のヒーローの手によってw

「NHKタローマン」で検索すれば詳細はすぐ判るし、いつでも視聴可能かと思います。多くは語りません。とにかく凄い作品です! なんだこれはっ!?


 

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