ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『GO HOME/警視庁身元不明人相談室』2024

2024-07-20 16:56:05 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年夏シーズン、日本テレビ系列の土曜夜9時「土ドラ9」枠でスタートした、日テレ&AX−ON制作によるオリジナル企画の警察ドラマ。

警視庁の窓際部署「身元不明人相談室」の捜査官たちが、身元不明の御遺体を特定し、関係者のもとへと帰すために奮闘する姿が描かれます。



今シーズンもどうせ不作だろうと思いつつ、一縷の望みを託したのがこの作品でした。

なぜなら、全てを観てきたワケじゃないけど「小芝風花主演作にハズレなし」っていう伝説が自分の中で築かれてるのと、2020年以降わずか3本しか出てないホームラン作『MIU404』『ハコヅメ』『ラストマン』がいずれもバディ物だから。



しかも女性どうしのバディ物刑事ドラマはあまり例がない。

戸田恵梨香&永野芽郁の『ハコヅメ/たたかう!交番女子』(’21) は舞台が派出所で正確には刑事物じゃないし、黒木メイサ&多部未華子の『ジウ/警視庁特殊犯捜査係』(’11) はそれぞれ所属部署が違うからバディバディ詐欺だったし、それ以外の女性バディ物は言っちゃ悪いけどお年を召したコンビだったりして、少なくとも私向けじゃありませんでした。



それが今回、まず主人公=三田桜を演じるのが前述のとおり「主演作にハズレなし」の小芝風花。彼女は必要以上に身元不明者の心に寄り添っちゃうキャラクター。



そしてその“10歳差の同期生バディ”となる月本 真(つきもと まこと)役が、異色の刑事物『ヤメゴク/ヤクザやめて頂きます』(’15) で主役を張った元AKB48のエース=大島優子。自身の恋人が失踪したままになってる彼女は、残された遺族の心に寄り添います。



お二人とも芸達者で、しかも揃ってビューティフルボインのオーナー。ストレス発散のキックボクシングが少々へなちょこでもボインぼよよ~ん!でお釣りが出るワケです。



そんな2人のおっぱいを密かに喜ばないワケがない、室長の利根川に吉田鋼太郎。



同僚の堀口捜査官に戸次重幸、武藤捜査官に半海一晃。



捜査一課のホープだけど私にとってはどうでもいい存在の手嶋刑事に、どうでもいいアイドルグループ“Snow Man”の阿部亮平。(同シーズン放映の『ギークス』にレギュラー出演してる同姓同名のベテラン俳優とは別人だけど、どうでもいい)



主役コンビと警察学校で同期生だった“科捜研”の芹沢研究員に、柳 美稀。その上司で利根川室長と同期生だった早瀬所長に、高島礼子。



そして失踪した夫(浅利陽介)の帰りを健気に待ち続ける、初回のゲストヒロインに仁村紗和。



「ソツはなし」と言えるキャスティングで、ドラマの内容も実際「ソツはなし」って感じだけど、だからこそ私は物足りない!

「女性どうしのバディ物は珍しい」っていう以外の見どころが「揺れるおっぱい」だけじゃ物足りるワケがない! (もちろん脱いでくれりゃ話は別だけど100%あり得ないゴートゥーヘルな時代)

なぜ私がこんなに物足りなく感じるのか、大きな理由が2つあります。

まず1つ目は、このドラマが明らかに「大多数(主に女性)の視聴者を気持ちよく泣かせること」を目標にして創られてるから。

つまり「泣けるラストシーン」から逆算して脚本が書かれてるから、このストーリーで最後に泣くとすればどういう展開だろう?って考えれば容易に先が読めちゃう。そりゃどんな名優が演じたって物足りないに決まってます。

本当の涙って、不意を突かれた時にこそ流れるもんだと私は思うので、さあ今から泣かせまっせ、ハンカチ用意しなはれやって空気を漂わせるのは完全に逆効果。

それでも積極的に泣きたい観客は条件反射的に泣けるみたいだけど、そんな予定調和な涙は心の浄化にもストレス発散にもならんでしょう。

笑いに関しても全く同じことが言えて、このドラマは笑いの取り方も型に嵌まってて私は全然笑えない。不意を突いてくれないから。



2つ目の理由は至極単純、身元不明遺体を窓際部署の刑事たちが成仏させるっていう、企画そのものに新鮮味が無いから。『遺留捜査』シリーズを筆頭に同じような警察ドラマが山ほど存在するのに!

そうした過去作を観てない世代には新鮮かも知れないけど、そんな若い人らが果たして王道まっしぐらな本作に興味を持つだろうか?

やれ予定調和だのゲーム感覚だの女子供に媚び過ぎだのと我ながらうるさい客だと思うけど、愛あればこそです。冒険させてもらえない現状はよく解るけど、それでも年に1本はホームランが出てるんだから「次はオレたちがキメてやる」っていう気概を持って欲しい!

いや、ホームランには及ばずとも、せめて新鮮なものを見せて欲しい。それだけで結果としてホームランになる可能性があるんですから、このジャンルは。



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『降り積もれ孤独な死よ』2024

2024-07-18 06:00:04 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年夏シーズン、日本テレビ系列の日曜夜10時30分「日曜ドラマ」枠でスタートした、読売テレビ&ファインエンターテイメントの制作によるミステリードラマ。

井龍一氏(原作)&伊藤翔太氏(漫画)の人気コミックを橋本夏氏が脚本化、エンディング主題歌をあいみょん氏が担当されてます。

2017年、山梨県にある邸宅で13人の子供たちの白骨遺体が発見された通称「灰川邸事件」が、7年の時を経た2024年に再び動きだす!

果たして真犯人はいったい誰なのか!? そしてその動機は? トリックは? 乳首は? 足の裏は?

2017年に灰川邸事件を担当した山梨県警富士山北署の元刑事で、現在は警備会社に勤めてるけど否応なく事件に引き戻されちゃう主人公=冴木 仁に、成田 凌。



富士山北署で冴木の良き先輩だった警部補=五味明日香に扮するのはなんと!


『ジウ/警視庁特殊犯捜査係』(’11) から『オトナ高校』(’18) を経て再び刑事ドラマの世界にカムバックしてくれた、黒木メイサ!

ご無沙汰だったのは赤西仁とやらと結婚して子育てに忙しかったからで、昨年めでたく離婚! 久々にキレのいいアクションを(ちょっとだけ)見せてくれました。動ける女優さんは大歓迎、あとは脱ぐだけです!


その上司で、夜な夜なVR世界に癒やしを求めてるに違いない川相警部を演じるは、VRおじさんを除けばいつも「だいたい刑事か殺人鬼の役ばかり」とトーク番組で自白した、野間口 徹。


2017年と2024年をつなぐ役割を担う雑誌記者=森燈子に、乃木坂46を卒業したばかりの山下美月。


かつて灰川邸で“保護”されてた家出娘で、実質のヒロインとなる(つまり真犯人である可能性も高い)蓮水花音に、2006年放映のNHKドラマ『対岸の彼女』が女優デビュー作(当時は吉田里琴名義)だった、吉川愛。


そして灰川邸の持ち主でいかにも怪しい風貌の第一容疑者=灰川十三に、小日向文世。



ジメッとしたダークな作風は悪くないし、オトナ高校を卒業して色っぽくなったメイサや、成田凌くんの“はぐれ刑事”っぷりも魅力的なんだけど……

如何せん何度も何度も何度も同じこと書いて来て常連読者さんもウンザリされてるように、私は「犯人当てゲーム」にまったく興味が湧きません。

特にコミック原作と聞くと、偏見を承知の上で「どうせ最初からドラマ化狙いでしょ」なんて穿った見方をしてしまう。

事件の背景に「親から子への虐待」があるっていう構図も各番組で使われすぎて、今やすっかり飽和状態。このご時世、使っちゃいけないネタが多すぎて、同じネタを乱用するしかない裏事情も透けて見えます。

だから、現在のテレビ番組に新鮮なものを求める私自身が一番どうかしてる。無いものねだりにも程がある。無難につくるしか無いんだから。寄ってたかって誰かを攻撃したくてウズウズしてる、ヒマ人たちが手ぐすね引いて待ってるんだから!

そういう状況下でドラマを創らなきゃいけないスタッフさんの身になれば、おいそれと悪口も書けなくなっちゃう。こうして毎回同じこと書くぐらいなら、刑事ドラマを追いかけ続けるのもいい加減やめるべきかも?

だけど、ごく稀にホームランが生まれるから、やっぱりやめられない。2020年以降だと『MIU404』『ハコヅメ』『ラストマン』の3本で、ほぼ年に1本ペース。大多数の凡打や三振があればこその喜びがクセになってる。さて、今年はどうなのか? 打率は下がる一方だけど。

セクシーショットは吉川愛さん、山下美月さん、そしてお帰りなさいの黒木メイサさんです。

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『ギークス/警察署の変人たち』2024

2024-07-14 19:19:04 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年夏シーズン、フジテレビ系列の木曜夜10時「木曜劇場」枠でスタートした、共同テレビ制作による連続ドラマ。

“GEEK(ギーク)”とは賢いオタク、人とのコミュニケーションが苦手な者という意味だそうで、頭脳は明晰だけど人間関係に難がある小鳥遊警察署勤務の女性職員3人が、ディナーの井戸端会議で事件解決に貢献していくというコメディータッチのミステリー。



バツグンの記憶力と証拠分析能力を持つ鑑識官ギーク=西条唯に、松岡茉優。



心理分析に長けた産業医ギークの吉良ます美に、田中みな実。



やたら地理に詳しい交通課員ギークの基山伊織に、滝沢カレン。



ほか、強行犯係の刑事に中村蒼、若林時英、鑑識係の職員にマギー、泉澤祐希、交通課員に阿部亮平、署長に徳井優、そして経費にうるさい警務課の事務職員にあのちゃん、といったレギュラーキャスト陣。



……に加え、ヒロインと不器用なラブコメを繰り広げる、謎の爽やかイケメンを白洲迅が演じてる点からも判るように、まあ徹頭徹尾「女性視聴者ファースト」な内容で私などお呼びじゃありません。



民放のテレビ各局が年配層(特に男性)を切り捨てにかかってるって、数年前から書いて来たけど本当にそうなってますね!

前回レビューした実写版『ブラック・ジャック』などは例外中の例外で、単発スペシャルだからこそ許されたんでしょう。連ドラはもう、どれもこれも恋愛ゲームか謎解きゲームばかりで、私はちょっと観るに耐えません。

この『ギークス』も松岡茉優さんの演技以外には何ら見どころが見い出せない。



その松岡さんの演技にしたって、生活安全課の刑事を演じられた『初恋の悪魔』(’22) と少しキャラが被ってる(ドラマ自体の作風まで似てる)もんで新鮮味に欠けるんですよね。そうなるともう、私が本作を観る理由がほぼ無くなっちゃう。

刑事ドラマだけは責務として、少なくとも初回は観てレビューしなくちゃいけない(と勝手に思ってる)ワケですが、各番組がどんどん無個性になってるから書くことも無いんです。

あっ! 無個性と言えば、第2話に登場した犯人役の若手俳優。刑事役の中村蒼くんと顔の作りがそっくりで、これは一人二役かと思うほど紛らわしかった! 何故わざわざそんなキャスティングをする!? (ギャグのつもりなら100%スベってるぞ!)

そう見えたのは自分が老いてるせいなのか、それとも若者たちの顔がどんどん均一化してるからなのか? まあ、その両方なんでしょうけど、韓国の男性アイドルグループなんかマジで全員アンドロイドか誰かのクローンにしか見えないんですよね! YES,高須クリニック!?



感想はそれぐらい。作品として突出したものが見当たらず、ほんと整形しまくりイケメンの顔みたいにのっぺらぼう。世間から「オワコン」呼ばわりされてる事実を、一体どこまで深刻に受け止めておられるのか甚だ疑問です。

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『イップス』2024

2024-04-14 16:16:27 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年春シーズン、フジテレビ系列の金曜夜9時「金曜9時枠の連続ドラマ」枠でスタートした、コメディ仕立てのミステリードラマ。

過度のプレッシャーにより、それまで出来てたことが出来なくなっちゃう「イップス」を抱え、新作を書けなくなってる人気ミステリー作家=黒羽ミコ(篠原涼子)と、同じくイップスにより犯人を逮捕できなくなった警視庁捜査一課の敏腕刑事=森野徹(バカリズム)が殺人事件の現場で運命的に出逢い、コンビを組んで事件の謎を解いて行くというストーリー。



いかにも“バカリズムっぽい”企画だけどシナリオは別の作家さんたちが書かれてます。そのせいか初っ端から「凡庸な出来」と言わざるを得ず、今回も画面撮りをサボってネットから画像を拝借してます。

誰が犯人かを先に明かしてから主人公を登場させる“倒叙法”を使ってるだけに余計、我々は『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』といったテレビドラマ史に残る傑作と比較しちゃう。

もっとも、今のテレビ局は若い視聴者しか相手にしてないから、我々(昭和世代)がどう感じようが関係無いんでしょう。それはそれで良いと思います。

ただ、もうちょい上手くやってくれないと倒叙法の面白さが若い人らに伝わらない! 単に篠原涼子vsバカリズムの掛け合いで笑わせる「ちょっと凝ったコント」としか、少なくとも私には感じられませんでした。

大袈裟すぎる演技は昨今のコメディ系ドラマ全てがそうだから諦めてるけど、それにしたって篠原さんの空回りぶりはちょっと痛々しい。こういうのは本当に上手な人にやらせないとダメですよ!



そもそも、篠原さん&バカリズムさんという組み合わせが根本的に間違ってないか?と私は思いました。書けないミステリー作家=篠原涼子と、逮捕できない刑事=バカリズムって、失礼ながら見た目のイメージそのままですよね。いかにもデキそうに見える人がデキないっていうギャップが無いと意味が無いのでは?

最終的にそれぞれ立ち直り、イメージと真逆のキャラクターになるにせよ、そこで初めてギャップが生まれても遅すぎる。もっと予想の斜め上をいくオチが用意されてるかも知れないけど、まずはそこまで我々を引っ張ってくれないと!

例えば黒木華さん&竹野内豊さんぐらいの演技力、そして振り幅の大きさもしっかり併せ持ったコンビでないと、少なくとも私は続けて観る気になれません。



染谷将太、渡辺大知、勝村政信、角田晃広、矢本悠馬、味方良介etc…と役者は揃ってるけど「揃えただけ」みたいになってるし。

それだけコメディってジャンルは難しい。倒叙ミステリーと笑いを高レベルで両立させた三谷幸喜さんが、いかに凄い作家さんかって結論ですよね。



セクシーショットは初回のスペシャルゲスト、すなわち犯人役第1号のトリンドル玲奈さん。最近になってセクシーグラビアを解禁され、載せる機会をずっと待ってました。

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『約束/16年目の真実』2024

2024-04-14 10:40:07 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年春シーズン、日本テレビ系列の深夜枠「木曜ドラマ」でスタートした、読売テレビ&ホリプロの制作によるミステリードラマ。

以下、公式サイトより抜粋。

「“主人公を含めた登場人物全員が容疑者候補”という完全オリジナルの心理サスペンス作品。主人公の中村アンやバディ役の横山裕をはじめとした本作のキャストには“連続殺人事件の真犯人が誰なのか”を伝えずに撮影を進めており、このことについてプロデューサーの多鹿雄策は『中村さん、横山さんも本当に“真犯人は誰なんだろう”というのを、まさに自分の心情を乗っけてそのままお芝居をしている』とコメントしている。」


16年前に発生した連続猟奇殺人事件の犯人として逮捕された父親の無実を証明すべく、刑事となって故郷に帰ってきた主人公の桐生葵に、中村アン。


その相棒を務める望野警察署・捜査一係の無愛想な刑事=香坂に、横山裕。


そして課長に岡部たかし、本庁の刑事部長に杉本哲太、葵の同級生に細田善彦、佐津川愛美、織田梨沙、森永悠希らが扮してます。

労を費やす“画面撮り”を避け、ネットから拾ってきた画像を載せてるのは、私が本作をまったく気に入ってないから。

その理由はもう、常連読者さんなら冒頭に載せたプロデューサーのコメントだけで解って頂けると思います。要するに“犯人当てゲーム”だけを目的にした番組作りで、そういう需要があるなら勝手にやってくれればいい、けど私は乗りませんってこと。



ただ、中村アンっていうファッションモデル出身の女優さんは不思議な方で、どう見ても演技はヘタくそだと私は思うのに、なぜだか応援はしたくなる。失礼ながら不器用さがストレートに伝わって来るからこそ、守護本能をくすぐられちゃう。

制作協力のホリプロに所属されてるワケでもないし、ましてや“枕営業”なんて通用しないご時世(になったと信じたい)ですから、相当な努力を積んでここまで来られたと勝手に思うワケです。

で、これも勝手な想像だけど、たぶん過去にもSNSなんかで彼女の演技力がネタにされて来て、それも計算に入れての主役抜擢なのかも知れません。まさにそういう下世話なネット民こそがターゲットの番組でしょうから。

そんな「とにかく話題性ありき」の制作姿勢も嫌いだから第2話以降は観ないけど、中村アンさんには是非とも頑張って頂きたい。いつか、もっと志の高い作品で再会できることを願ってます。

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