ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『山田太郎ものがたり』#06―3

2018-11-28 12:25:19 | 多部未華子









 
池上隆子(多部未華子)は、山田太郎(二宮和也)が主演する自主映画に、その相手役として出演する事が決まりました。引っ込み思案な隆子にとっては大きな前進です。だけど……

「いいんだよね、私……玉の輿よりもこの恋を選んで……」

大貧民の太郎と暮らして行く事はすなわち、現在の小市民ライフから脱出するという、長年の夢を諦める事を意味します。別につき合ったからって結婚するとは限らないんだけどw

まだ迷いを吹っ切る事が出来ないでいる隆子を、今度は母親のまりあ(柴田理恵)が、強引に太郎を池上家(公団住宅)に招待するという形で後押しします。

まりあはスーパーで最安値の買い物をするスペシャリストで、太郎には「師匠」と呼ばれ崇められる存在なのですが、そもそも隆子はそんなオトナになりたくないからこそ、ずっと玉の輿を夢見てたワケでw、母には関わって欲しくない様子。

山田ファミリーほどじゃないけど、隆子の両親(父親役は六平直政)のラブラブおしどり夫婦ぶりや押しの強さも又、なかなかどうして(ビジュアル的にも)気持ち悪いですw

「池上さんは、いい奥さんになると思うんです」

「えっ?」

両親に対して太郎がサラッと言った言葉に、隆子はドキッとするのですが……

「師匠とそっくりの」

「が~ん!」

隆子がモノローグで言う「が~ん!」は毎回のお約束ですが、何となくやる気なさそうな多部ちゃんの言い方がツボですw(多分、数パターン録音した中で、いちばん気を抜いて言ったバージョンを、あえて逆に使ったのではないかと)

で、すぐさま妄想モードに入るのも隆子のお約束で、数年後に六平さん&柴田さんソックリな(?)夫婦になった二宮くん&多部ちゃんが、2枚目と3枚目の画像です。

「そんなのイヤ! もうやめてよ! やっぱりムリ! 私、貧乏な人はイヤ!」

「た、隆子……」

いきなり失礼なことを叫ぶ我が娘に、父母は驚くのですが……

「あ、今のはたぶん映画の台詞です。池上さん、もう憶えたんだ」

朝ドラのヒロイン並みに鈍感&プラス思考な太郎にw、救われる隆子なのでした。そして……

まだ隆子が迷いを吹っ切れない内に、いよいよ映画の撮影がスタートしちゃいます。

学生が撮る自主映画なんて、普通はキャスト&スタッフ合わせて5人~10人程度なのに、まるでメジャースタジオの大作映画並みの大人数を仕切ってる小谷カンヌ監督(水川あさみ)は、ただ者じゃありませんw

「いやぁ~、あの2人には、古き良き日本映画の雰囲気を感じるなぁ~」

古風な学生服の衣裳に身を包んだ太郎&隆子を見て、一ノ宮校長(宇津井 健)が懐かしそうに眼を細めます。確かに『伊豆の踊子』みたいな昭和の文芸作品が似合いそうなカップルです。

「どんなラストシーンが待ってるのかな、あの2人には」

「え?」

隣にいる御村託也(櫻井 翔)に、思わせぶりなことを言う校長先生。何も知らない筈なのに何でも解ってる勿体ぶったキャラって、少女マンガに必ず出て来ますよねw

「キミは、それを見に来たんだろ?」

図星を突かれて苦笑する託也ですが、彼自身が心から太郎を愛してる事までは、さすがの校長先生も見抜けなかったようですw

ちなみに、カンヌ監督からレフ板係を命じられた杉浦くん(忍成修吾)は、太郎にハグされて以来、彼が気になって仕方がないという、どうやら真性のゲイと思わしき描写があり、たいへん気持ち悪いですw

いや、愛の形は様々であって良いと思いますから、決して同性愛を否定するつもりはありません。むしろレズは大歓迎だしw

「気持ち悪い」を連呼してる私自身だって、実は俳優としての二宮和也くんがかなり好きだったりします。映画『青の炎』は松浦亜弥さん目当てで観た筈なのに、気がつけば二宮くんに眼が釘づけになってました。

卓越した演技力もさることながら、二宮くんには人を惹きつける不思議な吸引力、何やら性別を超えた魅力があるんですよね。あるいは、私自身にも実はゲイの素質があるのか?

んな事はどーでも良くて、撮影は順調に進み、自転車に2人乗りしたり相合い傘したり抱擁したり等、ラブラブな太郎&隆子の姿が美しい自然を背景に描かれていきます。

「池上さんって、なんかいい匂いだね」

「えっ?……あ、ありがとう……」

太郎のキラースマイルにメロメロの隆子、そして私。(うそw)

撮影の帰りに、隆子は初めて山田家の食卓に招かれ、あの気持ち悪い……じゃなくて、可愛い可愛い弟妹たちと対面する事になりました。

ギャラ代わりに監督から貰った高級ホットケーキを細かく切って、仲良く分け合って食べる弟妹たちは、本当に幸せそうに見えます。そんな気持ち悪い……じゃなくて、健気な弟妹たちの姿を見て、隆子の心にも変化が訪れます。

「私……間違ってた。お金が無くたって幸せになれる。ホットケーキ1枚を、みんなで分ける幸せが、此処にはある」

たかがホットケーキ1枚に感動し、幸せを感じられるなんて、お金持ちには決して出来ない事です。ここで隆子は、ついに迷いを吹っ切りました。

「私、今ならもう、自信を持って言える……」

そして撮影最終日、隆子は渾身の想いを込めて、クライマックスの台詞を叫ぶのでした。

「たとえ貧しくても、私……あなたが好き!」

それは、役を超えた隆子自身の心の叫びであり、カンヌ監督も大絶賛の名演技だった……のですが……

「オレはキミ無しでは生きて行けない」

肝心の主人公=太郎が棒読み台詞でNG連発、カンヌ監督もお冠です。この二宮くんの棒読み芝居がまた素晴らしい! 下手な芝居で笑わせるっていうのは、本当に上手い俳優にしか出来ない芸当なんですよね。

しかし、これじゃいつまで経っても撮影が終わらないって事で、愛する太郎の為に託也が助け舟を出します。託也から何やら耳打ちされた太郎は、見違えるように気持ちのこもった演技を披露し、見事OKを勝ち取るのでした。

大喜びのカンヌ監督は、太郎にこんな言葉を残して大学へと帰って行きました。

「私、いつか有名になってハリウッドで戦争映画撮るのが夢なの。そん時は日本兵士役、よろしく」

ちょうどクリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』が公開されてた時期なんですよねw 二宮くんはまさに日本兵士役でした。

「池上。第3段階も頑張れよ」

「えっ?」

例によって託也は、勿体ぶった台詞と思わせぶりな笑顔を残して、キザに去って行くのでした。気持ち悪いですw

「私ね……山田君と一緒だったから、楽しかった」

「ほんと?」

すっかり夜になって、イルミネーションの光に包まれ、ムード満点な雰囲気の中、太郎と隆子が2人っきりで歩きます。

「このままずっと、撮影が続いたらって、思った」

「うん。このままずっと、夏休みが終わんなきゃいいなぁ……」

想いを伝えるのは、今しか無い! 隆子は勇気を振り絞って、いよいよ正直な気持ちを太郎に告白します。

「私……たとえ貧しくても、あなたが好き!」

「そうそう、あの台詞。なかなか上手く言えなくてさぁ、あん時、御村くんにアドバイス貰ったの」

「えっ?」

隆子がまた映画の台詞を言ったものと勘違いした太郎は、託也から耳打ちされた例のアドバイスをここで披露するのでした。あの時、託也はこう言ったのです。

「キミ無しではのキミを、何でもいいからお前の好きな料理に置き換えてみろ」

「料理? ハンバーグでいい? オレは、ハンバーグ無しでは生きて行けない……なるほど!」

……と、いうワケで、今のところ太郎の頭の中には、食い物=ファミリーの生活の事しか無いみたいです。

「ハンバーグに、負けた……」

隆子の想いが伝わる日は、いつか来るのでしょうか? 来ないような気がしますw

そんなワケで、この第6話をレビューに選んだのは、実質的な主役が隆子=多部ちゃんだったから。しかも、太郎への想いが玉の輿の夢より勝った、ターニングポイントと言えるエピソードなんですよね。

さらに、私も昔やってた自主映画の撮影が描かれて、しかも好きな女優さんの1人である水川あさみさんが監督役ってのもポイント高いです。おまけに山田ファミリーの出番が少ない!w

二宮和也と多部未華子がカップルを演じてること自体、今思えばかなり贅沢な映像だし、この2人のクラシックな制服姿が見られる点でも、非常に美味しいエピソードだったんじゃないかと思います。
 
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『山田太郎ものがたり』#06―2

2018-11-28 00:00:15 | 多部未華子









 
『山田太郎ものがたり』のオープニングタイトルは、本当に素晴らしいと思います。ここだけは気持ち悪くありませんw

まず楽曲が良い!(嵐の『Happiness』) まさか自分がジャニーズの曲を絶賛する日が来るとは夢にも思ってなかったけどw、良いものは良いんだから仕方がない、大霊界はあるんだから仕方がない。

そしてキャスト陣が順番にエアギターをかき鳴らし、次の人にバトンを回して行くミュージカル的な構成。エアギターなのに、まるで本当にギターを持ってるように見える!(CGで描いてあるんだけどw)

で、みんな本当に楽しそうに躍動してて、観てるこっちまで元気になって来ます。多部ちゃんや、あの宇津井健さんまでノリノリでエアギターですからねw

ここ数年で、連ドラのオープニングタイトルはすっかり寂しいものになっちゃいました。長くても10秒程度で、キャスト&スタッフのクレジットはエンディングに回されてます。

それも予算削減の為なんでしょうか? あるいは、その方が映画っぽくてカッコイイみたいに勘違いしてる?(たぶん前者だろうと思いますが)

私は断然、この『山田太郎ものがたり』みたいにちゃんとしたオープニングタイトルを見せて欲しいです。その方がキャストの顔と名前を覚え易いメリットもあるし、何と言ってもオープニングは番組の顔なんだから!(乳首)

それはともかく、本編のつづき。自主映画監督・小谷カンヌ(水川あさみ)が撮ろうとしてる新作は、貧しい少年と大金持ちの令嬢との切ないラブストーリー。彼女はそのキャストをスカウトする為にやって来たのです。

「ウチの生徒はお金持ちが多いですからねぇ。貧乏が似合う子なんて……はっ!」

そんな子はいないと言いかけて、ホンモノの貧乏である山田太郎(二宮和也)の存在を思い出したのは、彼の担任教師である鳥居先生(吹石一恵)。極端な妄想癖があるドMな人、つまりド変態女教師ですw

「大丈夫、あえて逆いきますから。あえて逆に、一番御曹司っぽくて上品な子を起用するんです。もう見つけました」

ド変態に教えてもらうまでも無く、カンヌ監督は既に太郎をチェック済みでした。(ただし金持ちのボンだと思い込んでる様子ですが)

彼女は「あえて逆」を狙うのがお好きなようで、だから自主映画監督という超サブカル人間なのに、ファッショナブルなセクシー美女という「あえて逆」のキャラクターになってるワケですね。

そんな話が水面下で進んでるとも知らず、太郎は再び御村託也(櫻井 翔)の住む豪邸に招待され、ドキドキしながら例の「いい匂いがする」女性(霧島れいか)と対面します。

ところが、彼女は御村家のメイドさん達にケーキ作りを教える料理の先生で、太郎が反応してたのは彼女から漂うケーキの匂いだった……つまり恋じゃなかったという、微笑ましくも腹立たしい、実に幼稚なオチがつきましたw

翌日、託也は池上隆子(多部未華子)にその顛末を伝えます。

「安心した?」

「えっ? いや、別に私は……」

「ふふ、お前は判り易いなぁ。そういうとこアイツにそっくりだ」

「え?」

「俺には2人が……」

「?」

「……ま、いいや」

「えっ、なに?」

「ま、頑張れ」

私はハッキリ言って、こんな風に格好つけて勿体ぶって、思わせぶりなことを言うキザ野郎が大嫌いですw だけど櫻井くんが演じると、それほど嫌味に感じないから不思議です。

「頑張れ、か…… 私、頑張っちゃおうかな?」

キザ野郎の思惑通り、太郎の恋話に心を乱された隆子は、彼への想いをあらためて自覚したみたいです。

「これで第2段階成功だな」

そう呟く託也は、本気で太郎と隆子をくっつけようとしてるのでしょうか? 何の為に、そんなお節介を? それは多分、愛する太郎の幸せな姿が見たいからw

託也があの2人を掌で転がして「面白がってる」ように見えるのは、彼自身も自分の想いに気づいてないからでしょう。彼は自分の事よりも、太郎を幸せにする事しか考えてない。だから嫌味っぽく感じないワケですね。

これぞ無償の愛、究極の愛と言えましょう。いやぁ~美しい! 実に美しくて素晴らしいんだけど、気持ち悪いですw

さて、ようやく太郎にアタックする気になった隆子ですが、カンヌ監督が彼と話してる姿を見ただけで意気消沈しちゃいます。カンヌ監督は出演交渉してただけなのですが……

「誰だろ……綺麗なひと……」

映画出演なんかよりもバイトがしたい太郎ですが、一流ホテルの高級ホットケーキをエサにされ、あっさり出演契約を結びますw そのホットケーキは、太郎の気持ち悪い……じゃなくてw、可愛い弟妹たちにとって高嶺の花、いつかは食べてみたい憧れの逸品なのでした。

主演男優を確保したカンヌ監督は、次にヒロイン女優を決めるべく女子生徒たちを集め、オーディションを開きます。学園きっての王子様の相手役だけに、学校じゅうの女子が殺到し、ここでも隆子は気後れしちゃうのでした。

「やっぱり私、ムリ……」

すごすごと部屋を出て来た隆子に、再び託也がお節介を焼きます。

「また逃げて来たんだ。勿体ないなぁ……」

「あのさぁ、御村くん。何なの? 私をどうしたいワケ? 色んなこと吹き込んでさぁ……」

キザ野郎の真意がよく解んないもんだから、隆子もちょっと不機嫌モード。よもや彼が心から太郎を愛してるからだとは、さすがに誰も気づきませんw

「御村くんは、ゲームでもやってるつもりかも知んないけど……私さぁ、いちいち、いっぱいいっぱいなんだよな」

こういう台詞を言わせたら、多部ちゃんの右に出る若手女優はいません。巧い! 本当に巧い! 愛してますw

「……俺は、2人がうまくいったらいいなって、ホントに思ってるよ」

「どうして?」

「それは……面白そうだから」

……ていうのは決して託也の真意じゃないんだけど、真に受けた隆子はその場を立ち去ろうとします。すると託也は彼女を引き止め、こんな言葉を掛けました。

「すぐに諦めるのやめたら、もっといい事あんじゃないの?」

憎いこと言いますよねぇ~w 隆子の気持ちをよく理解し、彼女が羽ばたけるよう、さりげなく背中を押す。

つまり御村託也っていうのは、誰が好きとか嫌いとか関係なく、みんなが幸せになれるよう手助けしないではいられない、究極の優しさを持った天使みたいな男……なのかも知れません。

だけど、そんな結論に収まっちゃったら面白くも何ともないのでw、やっぱ全ては愛する太郎の為、太郎の笑顔が見たいが為にやってる、究極のボーイズラブに違いありません。いやはや全く、気持ち悪いですw

そうとも知らずに隆子は、今度こそ「すぐに諦めるの」をやめて、オーディション部屋に飛び込みます。そんな彼女を見て、カンヌ監督は何かを感じた様子。

「あなた、ちょっといい匂いするね。読んでみて」

それはまるで、最初から隆子の為に用意されてたような台詞なのでした。

「この世に、お金より大事なものなんて無いわ!」

「あなたに決定!」

ご令嬢の役を、よりによって隆子に?と、落選した女子たちがブーブー言うのですが……

「私はあえて逆に、この中でいちばん庶民的なあなたに、ヒロインを演ってもらいます」

私の眼から見ると、多部ちゃんほどご令嬢役が似合いそうな人はいないと思うんだけど、確かに見方を変えると一番庶民的にも感じるし、美人にも不美人にも見える。そんなファジーさこそが、実は多部ちゃん最大の武器なのかも知れません。

何はともあれ、仲良しの隆子が相手役に決まって、太郎も嬉しそうです。部屋の隅っこからその様子を見て、託也もニコニコ笑ってる。気持ち悪いですw

(つづく)
 
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