ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『マジンカイザー』―1

2018-11-14 17:00:20 | アニメーション









 
2001年から2002年にかけて全7話+スペシャル1話がリリースされたOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)です。後に深夜枠でテレビ放映もされました。

「マジンカイザー」とは、ゲームソフトの人気シリーズ『スーパーロボット大戦』にて初登場した「究極のマジンガー」で、勿論デザインは永井 豪さんによるもの。

マジンガーZを改造した機体であり、兜 甲児が操縦するっていう設定は、先の記事でご紹介した、幻の『ゴッドマジンガー』企画を復活させたような感じです。

私はゲームをやらないし、やたらゴツゴツしたマジンカイザーのデザインは好きじゃないんだけど、パイロットの兜甲児にはとても強い思い入れがあるもんで、このOVAは全巻購入しました。

兜甲児だけじゃなくて、弓さやかやボス、剣 鉄也に炎ジュンといったマジンガーシリーズのキャラクター達、そしてマジンガーZ&グレートマジンガーも登場するとあっては無視出来ません。

後にTVシリーズとして製作された『真マジンガー/衝撃!Z編』では声優陣が一新されちゃいますが、この『マジンカイザー』は兜甲児=石丸博也、弓教授=八奈見乗児、ドクターヘル=富田耕生、あしゅら男爵=柴田秀勝&北浜晴子と、旧シリーズの声優陣が再登板されてます。

これはとても重要な事で、特に兜甲児の魅力的なキャラクターは、石丸博也さんの声、あの独特な台詞回しがあればこそだった事を実感させられます。

だから『真マジンガー』よりも『マジンカイザー』の方が「21世紀のマジンガー」と呼ぶに相応しいアニメだと私は思います。これぞ本来あるべきだったマジンガーシリーズ第3弾、言わば『真ゴッドマジンガー』です。

ただし、キャラクターのデザインや性格描写が、旧アニメシリーズより永井豪さんの原作漫画に近くなってるのは『真マジンガー』も『マジンカイザー』も同じです。

特筆すべきは『マジンカイザー』版のマジンガーZで、原作初期のデザインが忠実に再現されてるんですよね。思い入れの無い人が見ても何がどう違うのか判んないでしょうけど、顔もプロポーションもカラーリング(ホバーパイルダーが白い!)もかなり違います。

私は思い入れが強い分だけ旧アニメ版のマジンガーZが一番カッコイイと思うけど、レトロ感が味わい深い『マジンカイザー』版のZも好きです。第1話であっさり破壊されちゃうのは残念でした。

OVA『マジンカイザー』は原作版『マジンガーZ』をベースにしつつ、そこに最初から剣鉄也と炎ジュン、そしてグレートマジンガーも存在するというパラレルワールドになってます。

グレートマジンガーはマジンガーZの開発者=兜十蔵博士が弓教授に託した設計図を元に、光子力研究所で造られたという設定になってるもんで、あんまり強くありませんw

その代わり、十蔵博士はマジンカイザーを密かに開発していた。(マジンガーZを改造した機体というゲーム版の設定とは異なります)

博士がいつ、どうやって亡くなったのかは不明ですが、ホログラフに遺された甲児へのメッセージは「(マジンカイザーに乗れば)お前は神をも超え、悪魔をも倒せるのじゃあ~!」でしたw

これは原作版の十蔵博士が甲児にマジンガーZを託す時の「お前は神にも悪魔にもなれるのじゃあ~!」を更にパワーアップした台詞ですが、いずれにせよイカレてますw

その言葉通り、マジンカイザーは圧倒的に強い機体として描かれ、機械獣たちをほとんど一撃で倒して行きます。それはそれでカタルシスがあるんだけど、アクション物としてはイマイチつまんない。だから、兜甲児がマジンカイザーに乗るまでのドラマをどう描くか?がポイントになって来ます。

むらた雅彦監督はじめ本作の創り手たちは、マニアが好む深刻ぶった人間ドラマや、もったいぶった謎かけ(設定遊び)を捨て、永井豪ワールドらしいストレートなアクション活劇&明るいエロを再現するという、実に正しい選択をしてくれました。

そんなワケでOVA『マジンカイザー』は私のお気に入りです。特に第4話『さやか救出作戦』が色んな意味で最高です。そこで何が描かれてるか、もうお判りかと思いますがw、次回ご紹介します。

なお、数年後に新たなるOVA『マジンカイザーSKL(スカル)』もリリースされましたが、そっちは兜甲児も弓さやかも登場しないとの事なので、興味ありません。
 
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『真マジンガー/衝撃!Z編』―2

2018-11-14 11:14:20 | アニメーション









 
画像が全てを物語ってますw 『真マジンガー/衝撃!Z編』が真に素晴らしかったのは、永井 豪さんの原作漫画における屈指のセクシー描写を、深夜枠とは言え地上波のTVアニメで忠実に再現してくれた事です。

要するに「さやかさんのヌード」です。

たかが絵に描いたヌードとは言え、多感な少年期に『マジンガーZ』を観て育った男子の多くは、弓さやかに恋をし、生まれて初めてエロを感じたりしたワケです。そんな彼女の裸はまさに精液、いや、聖域なんです。

原作漫画で特に我々をドキドキ、そしてモヤモヤさせたのが、敵の要塞に囚われた弓さやかを救出すべく、潜入した兜 甲児がベッドのシーツをめくったら、さやかが全裸だった!っていうシチュエーション。(これはOVA『マジンカイザー』でも再現されてるので、今回は割愛)

そしてもう1つが、画像にある温泉のシーンです。さやかが間違って男湯に入ったら甲児も入って来て、身を潜めたものの甲児の独り言に思わず反応し、裸を見られちゃうというシチュエーション。

結果的に甲児は、さやかに至近距離でティンコを見せつけた上、それで元気になっちゃったに違いないティンコを、彼女の生オッパイに密着させるというw、エロ漫画も真っ青な展開が描かれました。

登場人物は無意識にやってるワケだけど、描いてる永井さんは明らかにエロを狙ってる。我々も子供ながらに作者の意図を汲み、身体の一部をHot!Hot !! にさせてたワケです。

その場面を、構図からカット割りから忠実に再現して見せた『真マジンガー』は大したもんです。それだけで賞賛に値します。

ただし、本作の甲児&さやかにはキャラクターとしての魅力が希薄だった為、大してドキドキもモヤモヤも出来なかったのは残念でした。

やっぱHシーンにせよ戦闘シーンにせよ、登場人物に感情移入してナンボなんですよね。旧作ファンの方には是非、旧アニメ版の甲児&さやかに置き換えて観て頂ければと思います。
 
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『真マジンガー/衝撃!Z編』―1

2018-11-14 04:44:28 | アニメーション









 
2009年の4月から9月にかけて、全26話が土曜深夜枠(テレビ東京系列)で放映されたアニメ作品です。『マジンガーZ』が現代のアニメ技術で蘇るとあって、私は大いに期待してました。

幼少期(’70年代)に夢中になって観たアニメは、作画も動きも粗くてクオリティーに難があり、内容的にも大人の鑑賞に耐えるもんじゃなかったからです。(劇場版『マジンガーZ 対 暗黒大将軍』だけは別格)

その点においては、確かに雪辱を晴らしてくれた感がありました。「超合金魂」など新たな玩具展開もあって楽しかったです。

だけど作品として面白かったかと言えば、残念ながら答えはノーになっちゃいます。脚本と監督を一手に引き受けられた、今川泰宏さんの作家性があまりに強すぎて、我々ファンのニーズは完全に無視された印象です。

永井 豪さんの原作漫画をベースにし、『マジンサーガ』や『Zマジンガー』の設定もミックスさせたのは良かったけど、更に『バイオレンスジャック』や『キューティーハニー』等のマイナーな脇役キャラまで次々登場し、大して活かされもせず収拾もつかず、肝心の主人公・兜 甲児(声=赤羽根健治)や弓さやか(声=本多陽子)に全く魅力が無かったのは致命的でした。

その分、敵キャラの「あしゅら男爵」がやたらクローズアップされ、彼(彼女?)が背負う過去の悲劇がストーリーの核になってたり、やたらどんでん返しを繰り返す設定遊びにも、我々ファンは(少なくとも私は)「だから、何?」とシラケる一方でした。

昨今の窮屈なテレビ業界において、独自の作家性を発揮すること、それが許されること自体は素晴らしいと思うんだけど、そこに原典『マジンガーZ』への愛が感じられなきゃ何の意味もありません。

どう見ても今井泰宏さんは、マジンガーZにも兜甲児にも弓さやかにも、全く思い入れが無さそうです。あしゅら男爵にしか興味が無いんでしょう。そんな人にリメイクを丸投げしちゃった製作陣も同罪です。

マジンガーZの復活という、幾多のファンにとっての一大イベントを、たった1人のアニメ作家のマスターベーションに利用された屈辱、その怒りは今でも……いや、最近は忘れてましたけどw、こうして回想すると収まりません。

そんなワケで非常に残念な内容だった『真マジンガー/衝撃!Z編』(『G編』はどうなった?)ですが、それでも無視出来ないのは、やっぱ最新アニメ技術によるマジンガーZを見せてくれたこと。

そして最新アニメ技術による、弓さやかのあんな姿やこんな姿が観られた事ですねw 唯一その点だけは我々ファンのニーズを解ってらっしゃいました。(詳しくは次回にて)
 
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『UFOロボ・グレンダイザー』

2018-11-14 00:00:11 | アニメーション









 
マニアの間じゃよく知られてる事ですが、『マジンガーZ』の続編は当初『ゴッドマジンガー』というタイトルになる予定でした。(数年後に他局で放映される、古代ムー大陸が舞台の『ゴッドマジンガー』は全くの別物です)

だけど当時『仮面ライダー』シリーズの敵組織名が「ゴッド」だった為、『グレートマジンガー』に名称変更されたという経緯がありました。そしてその『グレートマジンガー』が終了を迎え、シリーズ第3弾は今度こそ『ゴッドマジンガー』になる筈でした。

ミケーネ帝国の総攻撃により科学要塞研究所は破壊されるんだけど、光子力研究所の弓教授が開発した新エネルギーでマジンガーZが大幅改造され、グレートマジンガーをも凌ぐ最強のスーパーロボット=ゴッドマジンガーが誕生する。

だけど、その改造途中に敵の攻撃を受けて炎ジュンが殉死。グレートマジンガーも大破して剣鉄也は半身不随の身になっちゃう。

地下に砦を築いたマジンガーチームは、車椅子の鉄也を司令塔に結束を固め、兜甲児が操縦するゴッドマジンガーで闇の帝王との最終決戦を繰り広げるという、かなりハードなストーリーが用意されてたそうです。

だけど様々な「大人の事情」から『ゴッドマジンガー』の企画はNGとなり、東映まんがまつりで上映されたオリジナル映画『宇宙円盤大戦争』をベースにした『UFOロボ・グレンダイザー』が、マジンガーシリーズ第3弾に決定した次第です。(当時は空前のUFOブームだったんですね)

『グレンダイザー』も決して悪くはないんだけど、世界観が前2作とはかなり違った為、多くのマジンガーファンは上記の『ゴッドマジンガー』こそが観たかった!って、まぁ少なくとも私は強く思ってます。「闇の帝王」との決着もつかないままだし。

それに、何しろ『グレンダイザー』の主人公=デューク・フリード(声=富山 敬)は、遠い銀河の惑星=フリード星の王子様なんです。(従ってグレンダイザーも地球のメカじゃないワケです)

別に宇宙人だからって差別するつもりは無いけど、貴公子然とした正当派イケメンキャラで来られると、私は感情移入しづらいんですねw

しかも! 我らがマジンガーZのパイロット=兜 甲児(声=石丸博也)がなぜか助演のポジションで再登場したのは良いんだけど、随分と子供っぽいキャラに退化したばかりか、まるでボスボロットの不在を補うかのように、三枚目のコメディーリリーフとして扱われてる!

更に、なぜか最後までマジンガーZが登場しない! 甲児はTFOなる自家製の小さい円盤に乗るだけでほとんど戦力にならず、王子様=デューク・フリードの引き立て役に徹してる!(製作陣が『ゲッターロボ』のスタッフにチェンジしたもんで、Zや甲児への思い入れが無かったんでしょう)

『グレートマジンガー』最終章における大活躍が、まるで嘘だったかのような甲児の扱われぶりに、生粋のマジンガーファンは再び(あの大惨敗以来の)屈辱を味わったワケです。

他にも、敵キャラ(イケメン)に悲劇性を持たせたり、フリード王子様のくっさいメロドラマがやたら描かれたりと、新たな客層(要するに女性客)をターゲットにしたストーリーが目立ったのも、我ら少年ファンをシラケさせました。

ただしヨーロッパ諸国で『グレンダイザー』は異例の大ヒット、視聴率70%以上を記録した国もあるそうです。女性客にウケなければ、これだけの数字は稼げない筈です。

そんなワケで、私は前2作に比べて『グレンダイザー』への思い入れはかなり浅いんだけど、メカデザインだけは気に入りました。幻の『ゴッドマジンガー』用に描かれたデザインよりずっと格好良いし、スペイザー(UFOユニット)との合体システムにも唯一無二の面白さがあります。

そして番組後半から甲児が乗る新メカ「ダブルスペイザー」もかなり格好良くて、少しだけ溜飲が下がりました。(上の画像でグレンダイザーと合体してるヤツです)

あと、やはり番組後半から登場するデューク・フリードの妹=マリア・グレース・フリードが、弓さやかを彷彿させる勝ち気なキャラクターで、萌えましたw 彼女が甲児に惚れちゃう展開もマジンガーファンにとって救いになりました。(さやかはどうなってる!?って想いもあったけどw)

そんなこんなで、女性客を開拓したロボットアニメとして画期的と言えなくもない『グレンダイザー』だけど、マジンガーシリーズの完結編としては、様々な悔いが残る作品でもありました。

だからこそマジンガーシリーズは、多くの二次創作やリメイク作が創られ続けてるんですよね。あのまま終わらせてたまるか!っていう想いが、ファンの胸に強く残ってるから。
 
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