ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『熱中時代/刑事編』#08

2018-11-07 17:25:11 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第8話『熱中刑事ついに結婚』

(1979.5.26.OA/脚本=布施博一/演出=新沢 浩)

行方不明の父親を探して日本へとやって来たテキサス娘・ミッキー(ミッキー・マッケンジー)は、詐欺に遭ったのをきっかけに大門警察署捜査一係の新米刑事・早野 武(水谷 豊)と出逢い、何かと面倒を見てもらう内に彼を愛するようになりました。

一方の武も明らかにミッキーに惹かれてるんだけど、本国の叔母から帰国を促された彼女を、日本に引き留めるだけの覚悟がなかなか持てません。

で、武は自らの想いを押し殺して空港へと見送りに行くんだけど、予定した飛行機に乗らず駆け寄って来たミッキーに、思わず「結婚しよう!」と叫んでしまうのでした。

そんないきさつが第7話まで様々な事件と並行して描かれ、ついにこの第8話で2人は結婚することになります。そこは急展開なんだけど、ミッキーが観光ビザで来日してる(ゆえに滞在期間が限られてる)事情によるスピード結婚。何しろ国際結婚ですからそれだけの勢いも必要だった事でしょう。

で、あっという間に挙式当日になるんだけど、紋付き袴姿で整髪に出掛けた武は、そこで指名手配中の結婚詐欺常習犯を見つけちゃう。

刑事として見過ごすワケにはいかず、武は犯人を追いかけ、泥まみれになって格闘し、みごと逮捕するんだけど、そのせいで自分の結婚式には間に合いませんでした。

携帯電話が存在しない当時の刑事ドラマでは、主人公が捜査に振り回されて身内の大事なイベントに間に合わない(その事情を知らない身内たちはヤキモキする)ってのが定番パターンなんだけど、よりによって自分の結婚式まですっぽかしちゃうのは珍しかったと思いますw

そこはやっぱり「熱中」刑事ですから、新婚初夜でも事件が起これば新妻をホテルに残して出動しちゃう仕事バカっぷりで、その後も似たようなことが度重なって離婚の危機を迎える等、刑事であるがゆえの波乱万丈が描かれていく事になります。

日本女性でもそんな夫婦生活は耐えられないかも知れないのに、アメリカ人のミッキーが夫の性格と刑事の職務を懸命に理解し、支えようとする健気な姿には胸を打たれるし、萌えますw

本作は、そんな応援せずにいられない可愛い2人の日常生活を描いたホームコメディであり、たまたま主人公の職業が刑事であるだけというスタンス。扱う事件も窃盗とか詐欺がほとんどで、凶悪殺人犯の類いはほとんど出てきません。

だけど、それでいてアクティブで、武はよく走るし、プロレス技を駆使した格闘シーンも毎回観られて、ほんと楽しいドラマです。

今回は武の故郷から兄(佐藤 允)が結婚式に駆けつけ、早野家の両親と兄弟5人全員が警察官であることも明かされますw(みんな事件に追われて1人しか上京出来なかったというw)

で、正式な挙式は出来なかったけど、仲人の潮田係長(藤岡琢也)宅で契りを交わし、めでたく2人はゴールイン。

刑事事件を扱いながら殺伐とした描写は皆無で、普通なら退屈しそうなもんだけど、芸達者なキャストたちによる掛け合いだけで充分楽しませてくれる、近作で言えば『デカワンコ』みたいな癒し系の刑事ドラマですね。

セクシーショットは、武の下宿先のオヤジ=乙吉(伴 淳三郎)の孫娘=美弥役でレギュラー出演された神保美喜さん、当時18歳。

テレビ番組『スター誕生!』から生まれたアイドル歌手で、デビュー当時から女優としても活躍。本作の翌年にスタートした刑事ドラマ『爆走!ドーベルマン刑事』では黒バイ刑事部隊の一員・白鳥冴子役でレギュラー出演されてました。
 
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『熱中時代/刑事編』1979

2018-11-07 13:00:14 | 刑事ドラマ HISTORY









 
1979年の4月から10月まで、日本テレビ系列の土曜夜9時「土曜グランド劇場」枠にて全26話が放映された刑事ドラマ。(つまりTBS系『Gメン’75』の裏番組でした)

説明するまでも無いとは思いますが、視聴率40%超えを果たした大ヒット学園ドラマ『熱中時代』のシリーズ第2弾です。(教師編とストーリー上の繋がりはありません)

主演は勿論、前作に続いて水谷 豊さん。刑事役は『夜明けの刑事』で経験済みだけど、後の『ハロー!グッバイ』や『刑事貴族』シリーズ等へと継承される陽気で破天荒な刑事キャラクターの原点は、間違いなくこの『熱中時代/刑事編』だろうと思います。

東京・大門警察署捜査第一係に赴任した新米刑事=早野 武(水谷さん)の成長と、第1話で出逢ったアメリカ人女性=ミッキー(ミッキー・マッケンジー)との恋愛→結婚→新婚生活がコメディタッチで描かれ、刑事物と言うよりは「刑事を職業とする男の国際結婚を描いたホームドラマ」でした。

短気で陽気な係長・潮田が藤岡琢也、子沢山な部長刑事・菅谷が宍戸 錠、ベテラン刑事・矢頭が小松方正、マダムキラー刑事・前原が細川俊之、中堅刑事・間が森本レオ、若手刑事・千馬が谷 隼人、婦警・花江が木内みどり、といった大門署の面々はなにげに豪華キャスト。

さらに武の下宿先のオヤジが伴 淳三郎、その孫娘が神保美喜、潮田係長の娘が竹井みどり、矢頭の妻が片桐夕子、菅谷の妻が宇都宮雅代、そして喫茶店「竹の子」のママが草笛光子、店員が松金よね子と、脇に至るまで華やか&芸達者な顔ぶれが揃ってました。

水谷さんが唄う主題歌『カリフォルニア・コネクション』も大ヒットしましたね。とても憶え易く唄い易いメロディーで、私のカラオケ・レパートリーの1曲ですw

このドラマ、とにかく面白かったです。後の『相棒』みたいな謎解き要素はほとんど無く、新米刑事・早野武の成長過程と私生活の描写に力点が置かれ、なおかつアクティブで、プロレス技を駆使した楽しい格闘シーンが毎回の名物になってました。ただ突っ立って謎解きするだけの杉下右京とは大違いでw、本作を見ると水谷さんの身体能力の高さがよく分かります。

そして、後に水谷さんと本当に結婚しちゃうミッキーとの、可愛くて微笑ましい愛妻ストーリー。実際に撮影現場で愛が芽生えてた事や、残念ながら後に離婚しちゃう現実なども踏まえて観ると、より味わい深いものがあります。(未だにDVD化されないのは、そのせいなんでしょうか?)

とにかくキャストが芸達者揃いで、その掛け合いを観てるだけで面白いですから、事件や犯人はオマケみたいなもの。刑事ドラマがそもそも好きじゃないと仰る方でも楽しめるんじゃないでしょうか。

また、本作でしか見られないミッキー・マッケンジーさんや、まだ初々しい神保美喜さん、竹井みどりさんなど女優陣の可愛らしさも大きな見所になってます。

加えて、水谷豊さん独自のセンスによる「ゴキゲンだぜ!」等の決め台詞、オンボロだけどオシャレな武の愛車=スバル360、伴淳三郎さんのトボケた味わい等、一つ一つの要素が個性的かつ魅力的で、忘れられない作品です。

なお、'79年は他に名高達郎・金子信雄『おやこ刑事』(東京12ch)、近藤正臣・国広富之『怒れ兄弟!』(日テレ)、国広富之・松崎しげる『噂の刑事トミーとマツ』(TBS)、荻島真一・夏樹陽子『手錠をかけろ!』(フジ)、そして石原裕次郎・渡 哲也『西部警察』(テレ朝) 等の刑事ドラマが新たにスタート。国広富之さんが同時期に2本の刑事ドラマに主演されてるのが驚きです。
 
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『大都会 PART III 』#34

2018-11-07 08:55:41 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第34話『ストリート・ガール』

(1979.5.29.OA/脚本=柏原寛司/監督=櫻井一孝)

長谷直美さん(当時23歳)のゲスト回です。既に『俺たちの朝』で注目され、『太陽にほえろ!』のセミレギュラーを務めながら『大追跡』のレギュラーを終え、タイミング的には『俺たちは天使だ!』に出演される直前ぐらいでしょうか?

脚本の柏原寛司さんが長谷さんファンで、長谷さんの新たな魅力を引き出すべく「売春婦」という思い切った役柄を「あて書き」されたんだそうです。

「ベンケイ」こと宮本刑事(苅谷俊介)が風紀課に頼まれて買春男を装い、摘発しようとしたストリートガール(長谷さん)が逃走中に殺人現場を目撃してしまう。

犯人は現金輸送車襲撃を企む凶悪な犯罪グループで、口封じに命を狙われる彼女を守ろうとしたベンケイが負傷。

そんなベンケイを献身的に看病し、また彼に手柄を立てさせようと危険を冒し、犯人グループから情報を探りだすストリートガール。

もちろん、クライマックスはいつもの暴力と大味な銃撃戦で万事解決。主役は完全にベンケイなのに、最後は例によって黒岩デカチョウ(渡 哲也)のカッコいい独り歩きで幕を下ろします。

売春婦を演じても爽やかな長谷さんと、あんな厳つい顔なのに温かみを感じさせる苅谷さん。そんな二人の得難い個性が心地よい余韻を残します。

この淡いロマンスは好評を得たようで、後の『西部警察』でも「ジン」こと兼子刑事(五代高之)を主役に、同じく長谷さんゲスト&柏原さん脚本でリメイクされてます。(第41話『バニシング・レディ』)

確かに、長谷さんのセクシーさと純朴さ、苅谷さんの武骨さと優しさ等、キャラクターの多面性を活かしたナイスなエピソードだと思います。

しかし、それにしても長谷直美さん、可愛いです。後の『太陽にほえろ!』におけるマミー刑事役も、この可愛らしさをもっと活かして欲しかったですね。
 
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『大都会 PART III 』#32

2018-11-07 00:00:22 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第32話『城西市街戦』(1979.5.15.OA/脚本=大野武雄/監督=長谷部安春)

『大都会』シリーズもパート3中盤まで行くと、世界観が後の『西部警察』にかなり近くなって、パッと見ただけじゃ見分けがつきません。

渡 哲也さんが「団長」じゃなくてまだ「デカチョウ」と呼ばれ、石原裕次郎さんが医者役で、レギュラー刑事の顔ぶれがちょっと違うぐらい。

あと、エンディング主題歌が裕次郎さんじゃなく渡さんの歌唱で、必ずラストシーンは黒岩デカチョウの独り歩きなのが『西部警察』とは違うポイント。

なんでいつも、黒岩は独りで歩いて行くんだ? どうやって署まで帰るんだよ?って、あまりに続くワンパターンにストレスを溜めた渡さんが、ある日ブチ切れたとかいう話を、何かの記事で読んだ記憶があります。

だからなのか、放映局を引っ越した続編『西部警察』のラストシーンは、レギュラー刑事全員が横並びに「Gメン歩き」するのが定番になりました。それはそれで「署まで並んで帰るんかい!?」って話ですけどw

犯人がマシンガンやバズーカ砲を使うのも日常茶飯事。とにかくやたら撃ちまくる銃撃戦はますます大味になり、もはや緊迫感のカケラもありませんw

まぁ、そこが良いと言えば良いんですよね。ラストシーンのワンパターンも含めて『水戸黄門』や『サザエさん』に通ずる安心感があり、視聴者にとってある種の癒しになってる。

その内容は壮絶なる殺し合いなんですけどねw この第32話じゃジロー(寺尾 聰)がハヤタ隊員(黒部 進)を火炎放射器で車ごと焼き殺してますw しかも、そのあと満面の笑顔w ほんと癒されますw

ただし『西部警察』は夜8時台の放映、しかも高視聴率を稼いだお陰で、そうした残虐描写は逆に抑えられ、健全路線にシフトして行くことになります。

なので、石原プロのバイオレンス路線はこの『大都会 PART III』がピーク。暴力で癒されたい方には、これがオススメです。
 
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