ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『太陽にほえろ!』#164

2019-05-23 00:00:09 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第164話『バラの好きな君へ』

(1975.9.5.OA/脚本=鴨井達比古/監督=竹林 進)

銀行強盗グループの主犯=安田(横光克彦)が逃走の果てにスナックに籠城、その店でピアノを弾く純子(水沢有美)を人質にとります。

純子は、最近モテモテなテキサス(勝野 洋)の、一番新しいガールフレンド。なぜか今回の事件に発端から関わってる彼女に、テキサス以外の刑事たちは疑惑を抱きます。そう、実は純子は安田の恋人だった!

恒例の「好きになった彼女が犯罪者だった」シリーズの一編で、ちょっと強引な展開や陳腐な描写も目立つ、決して良く出来てるとは言い難いエピソードです。

けれど、本作が描こうとしてるのは事件でも謎解きでもなく、登場からちょうど丸1年経った新人刑事=テキサスの成長ぶりなんですね。もうホント、事件なんかどーでもいいんですw

ボス(石原裕次郎)はあえて、純子が強盗の共犯者であるか否かの判断を、よりによってテキサスに委ねちゃう。本来なら、その判断力が最も鈍る立場にいるテキサスに!

いよいよ純子を盾にし、逃走を謀る安田。その前に立ちはだかったテキサスは、銃口を安田にではなく、純子に向けます。

「撃て。そしたら俺はその女を撃つ。お前は素人、俺は刑事だ。お前、1発で俺を殺すことは出来んだろう。だが俺の弾は、必ず女に命中する。それで良ければ撃て」

土壇場まで純子の無実を信じてたテキサスが、いくつかの状況証拠から冷静に推理を組み立て、彼女が安田と愛し合ってる=共犯者だと確信したワケです。

私情を抑え、あくまで刑事として行動し、みごと事件を解決させたテキサスを、仲間の刑事たちが称えます。

みんな何も言わず、一人一人テキサスの肩を叩いて、アイコンタクトだけで想いを伝えて去っていく。そんな描写にいちいち時間を割くのが『太陽にほえろ!』なんですよねw

で、視聴者は胸騒ぎを覚えるワケです。マカロニ(萩原健一)もジーパン(松田優作)もちょうど丸1年、すっかり成長したところで殉職しました。これはいわゆる「死亡フラグ」みたいなもんです。新人刑事は「死」に向かって成長していくワケで、思えば恐ろしく残酷な番組ですよねw

尚、この時期から、当時の七曲署の制式拳銃だった「MGCハイパト」にバリエーションが加わります。ゴリさん(竜 雷太)専用のM15マスターピース風カスタムと、殿下(小野寺 昭)専用のM19コンバットマグナム風カスタム。いずれも銃身を2.5インチ位に切り詰めたオリジナルモデルで、後に『大追跡』等のドラマにも流用される事になります。

ゲストの水沢有美さんは当時24歳。日テレ青春シリーズの常連女優さんで、特に『俺たちの旅』における「いろは食堂」の看板娘=奈美役は人気を博しました。青春シリーズの兄弟番組とも言える『太陽にほえろ!』にも、PART2に至るまで計9回ゲスト出演されており、本エピソードがその第1弾。

歌手としても精力的に活動、ふるや杏さんとのユニット「乙女座」として、また西郷輝彦さんや谷村新司さん、そして小野寺昭さん(!)とのデュエット曲などもリリースされてます。

犯人役の横光克彦さん(当時のクレジットは横光勝彦)は後に更正され、ライバル番組『特捜最前線』の紅林刑事役、そして国会議員にまで出世なさいました。
 
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『富豪刑事』シリーズ '05~'06

2019-05-22 00:00:15 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2005年の冬シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜9時枠で全10話が放映された、筒井康隆 原作、テレビ朝日&東宝の制作によるコメディータッチの刑事ドラマ。

翌'06年には朝日放送&テレビ朝日の制作による続編『富豪刑事デラックス』全10話が金曜夜9時枠で放映されました。

大富豪の孫娘=神戸美和子(深田恭子)が刑事となって、カネの力だけで事件を解決していきますw

と言っても買収みたいな小賢しい手を使うんじゃなくて、例えば第1シリーズ第1話では5億円を強奪した犯人を炙り出すため、2人の容疑者に思いっきり贅沢を味わわせ、隠し持った現金を使いたくなるように仕向けます。

そういった戦略を実行すべく、わざわざ新しい会社を設立したり、世界中のセレブをパーティーに招いたり等、とにかく豪快にカネを使いまくりますw

もちろん署へは運転手付きのリムジンで通い、遅刻しそうな時は自家用ヘリを飛ばしますw

おまけに「たった5億円ぽっちの為に犯罪を犯すなんて……」とか真顔で言うもんだから、同僚たち全員から嫌われるんだけどw、本人は全く気にしてない。っていうか気づいてないw もちろん、湯水のように使われるカネは彼女自身が稼いだものではなく、全て祖父=喜久右衛門(夏八木 勲)の財産w

喜久右衛門は数々の悪業によって富を築いたことを心から悔やんでおり、溺愛する孫娘が正義の為に財産を使い果たしてくれる事を望んでるのに、捜査の為に設立した会社が莫大な利益を上げてしまう等、結局いつも金儲けしてしまって落胆する日々w

そんな無茶苦茶な背景を持つ主人公に実在感をもたらし、なおかつ視聴者に嫌われないキャラとして成立させられる役者は、深田恭子さんをおいて他にいません。まさにハマリ役!

とは言え、本放映当時はあまりにバカバカし過ぎてw、私は無視してました。それが今あらためて観るとめっぽう面白い。それは多分、最近の刑事ドラマがあまりにリアリティーに縛られ過ぎて、どんどんつまらなくなってるから。

もちろんリアルなドラマ創り自体が悪いんじゃなくて、どれもこれも似たような世界観になっちゃうのがつまんない。一方で本作や『ケータイ刑事』『デカワンコ』みたいにぶっ飛んだ作品が無いと、リアルな作品も輝きません。

特に私は、現実の警察にどれだけ近いか?なんていうリアリズムなどクソ食らえって思ってますから、無茶苦茶な設定こそ大歓迎です。もちろん、その有り得ないウソを有り得るように見せる為の工夫、そういう意味でのリアリティーは必要不可欠なんだけど。

この『富豪刑事』のリアリティーは、やっぱり深田恭子さんの存在に尽きます。深キョンあってこその富豪刑事。原作の主人公は男性なんだけど、思いきって女性に変えたのは大正解だと思います。

ほか、焼畑警察署捜査課の課長に山下真司、署長に西岡徳馬、刑事たちに寺島 進、升 毅、相島一之、鈴木一真、載寧龍二、交通課婦警に野波麻帆、中山 恵、神戸家の秘書に市毛良枝、運転手に虎牙光揮、といったレギュラーキャスト陣。第1シリーズ最終回には謎の大物政治家として原作者=筒井康隆さんも登場。

山下真司さんは、本作における鎌倉課長の役で、他局の番組『ケータイ刑事/銭形 零』にも(五代刑事役と2役で)登場されてますw そういうお遊びが出来るキャパシティーの広さも、ぶっ飛んだドラマの利点ですよね。

こういう思いきった設定、振りきった笑いの刑事ドラマを、そろそろまた観たいもんです。
 
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『西部警察SPECIAL』2004

2019-05-21 00:00:06 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2003年、石原裕次郎17回忌&テレビ朝日開局45周年&石原プロモーション設立40周年の記念番組として制作されるも、それに続く連ドラ版撮影中の交通事故により、放映が見送られた曰く付きの2時間スペシャルです。

実際に放映されたのは翌'04年の10月ですが、その時に観た印象は「がっかり」「つまんない」そして「戸田菜穂さんの芝居が熱すぎる」というものでしたw

だけど、それから15年以上の月日が経ってるし、アクションドラマがすっかり絶滅しちゃった今ならこの作品の価値が見いだせるかも知れないと思い、あらためて観直しました。

で、その感想を率直に述べますと、「がっかり」「つまんない」「戸田菜穂さんの芝居が熱すぎる」というものでしたw

まず何が「がっかり」かって、これを言ってもしょうがないのは分かってるんだけど、やっぱりビデオ撮影による映像の安っぽさに尽きます。

ビデオ撮影そのものを否定してるワケじゃないんです。私が言いたいのは、究極のファンタジーとも言える『西部警察』の世界観に、ビデオの生々しい映像は全くそぐわないという事なんです。

パトカーが次から次とクラッシュしたり、建物が爆破され凄まじい炎に包まれたりしても、ビデオ撮影の映像だと「引田天功の脱出マジックショー」みたいに軽く感じて(天功さん、すみませんw)緊迫感が削がれちゃうんですよね。

あと、レイバンのサングラスがすっかり似合わなくなっちゃった大門くぅ~ん(渡 哲也)にもガッカリでした。ていうか、なんでアンタ生きとんねん!?って話ですから。

壮絶かつヒロイックな最期を3時間もかけて描き、木暮課長=石原裕次郎さんに素の涙を流させておきながら、「どっきりカメラ」の看板を持って「うっそぴょ~ん!」って、物陰から出て来てヘラヘラ笑ってるようなもんでしょう?

裕次郎さん亡き今、木暮課長のポジションを引き継げるのは渡さんしかいないって事なんでしょうけど、ファンの気持ちをないがしろにしてまで、それを引き継ぐ必要が果たしてあったんでしょうか?

渡さんはそもそも、刑事アクションを演じること自体に早くからウンザリされてたそうだし、交通事故の件と併せて、元凶は企業存続の使命に取り憑かれた小林専務にあるんだろうと思われます。

そういった「がっかり」な要素は、旧シリーズを楽しんで観てたファンならではのもんだけど、そんな感情を差し引いて客観的に観ても、この復活スペシャルは「つまんない」と言わざるを得ません。オールドファンだから我慢して観てられるようなもんで、初見の時も今回も、観ながら何度も眠りに落ちてしまった程に、ドラマとしては退屈な内容です。

要は国際テロ組織による爆破テロを西部署「鳩村軍団」が阻止する話なんだけど、時代を反映してか中途半端にリアリズムを持ち込んでるのが、かえって嘘臭さに拍車をかけてます。

リアリティを気にし出したら『西部警察』の世界観自体が成立しなくなっちゃうワケで、逆にマンガ(虚構)に徹するべきなんです。だから、これはフィルムで撮らなきゃダメなんです。

そして「戸田菜穂さんの芝居が熱すぎる」件ですが、そのこと自体は素晴らしいんです。この作品で唯一の見所と言っても過言じゃありません。

菜穂さんは警視庁爆弾処理班から何故か所轄の西部署に出向してる設定で、警察幹部であるお父さん(大杉 漣)がテロリスト達の人質にされてるもんだから、終始MAXのテンションなのは無理もないワケです。

で、赤外線ビームのトラップで守られた爆弾を解体する為に、いきなり服を脱いでビームをすり抜けちゃう思い切りの良さがあるんだけど、なぜか隊員服の下にレオタードを着ていた!という用意周到ぶりw

そんな『西部~』らしからぬお色気サービスまで請け負っての大熱演ですから、菜穂さんばかりが印象に残っちゃう。それこそが最大の問題なんじゃないでしょうか?

つまり、本来の主役である石原軍団のホープ達(徳重 聡、木村 昇、池田 努、金児憲史)が、ゲストである菜穂さんに完全に食われちゃってるワケです。

彼らは彼らなりに一生懸命やってるのは分かるんだけど、実力のみならず迫力の面でも菜穂さんの足元にも及んでない! だから彼らの印象が全く残らないんです。

「21世紀の石原裕次郎を探せ!」なる大々的なオーディションで選ばれ、何年かの修行を経て遂にデビューした金の卵たちが、別にアクション女優ってワケでもない戸田菜穂さんの陰に隠れて、まったく輝いてないというシャレにならない事態。

新団長である鳩村=舘ひろしさんも、課長に昇進した大門くぅ~んの幽霊も、彼らに花を持たせる為に今回は一歩も二歩も引いておられるもんだから、ほとんど戸田菜穂さんの一人舞台。お色気レオタードの圧勝ですw

もちろん、菜穂さんはゲスト女優としての責務を懸命に果たされただけで、彼女には何の罪もありません。問題は4人がかりでも彼女に勝てなかった軍団のホープ達にあります。

石原裕次郎&渡哲也が並び立つ前でも対等に輝いて見せた、寺尾 聰、舘ひろし、峰 竜太、苅谷俊介らに比べて、21世紀の裕次郎たちはあまりに凡庸過ぎた。この復活スペシャルがつまんない最大の原因は、間違いなくそこでしょう。

だから別に、あの運命の事故が彼らの未来を奪ったワケでも何でもない。もし連ドラ版が予定通り1クール放映されたとしても、彼らがスターになる事は無かっただろうと私は思います。

やっぱり、時代が変わっちゃった……としか言いようが無い。つくづく現在の若手男優たちは、アクションを演じるよりも繊細な心情を表現する方が輝くんだって事を、昨今の連ドラを観てると実感させられます。

アクション物を今やるなら、主役は若手女優か、かつてアクションを演じたオヤジ達でなければ成立しない。ハリウッド映画界も同じ状況になってますよね。

ちなみに連ドラ版『西部警察/WESTERN POLICE 2003』に戸田菜穂さんは登場せず、代わりに中山 忍さんが鳩村軍団の一員に加わる予定だったそうです。

『西部警察SPECIAL』のキャストは他に、鳩村軍団の「おやっさん」枠に田山涼成、テロリストに神田正輝&西岡徳馬、そして木暮課長との思い出を語るバーのママに高橋惠子。

高橋さんは『太陽にほえろ!2001』でも舘さん(新ボス)と絡んで、裕次郎さん(旧ボス)との思い出を語っておられました。西部署と七曲署はやっぱり、切っても切れない義兄弟って感じがしますね。


PS. 上の記事を書いてから更に月日が経ち、今こうして刑事ドラマの歴史を辿りながら『西部警察SPECIAL』について考えると、あの冬の時代にこんなアクション満載の番組を世に出そうとした石原プロの心意気は、やっぱり凄いです。

私もアクションジャンルの復活を本気で望むなら、しのごの文句ばかり言わず、もっと素直に応援すべきだったのかも?って、今更ながら反省しました。

でも、いずれにせよあの事故は起こってしまうワケで、私が応援しようがしまいが結果は同じ。そして上にも書いた通り、仮に事故が起こらず連ドラ版が無事放映されたとしても、やっぱりヒットはしなかっただろうと思います。

時代がすっかり変わっちゃったんですよね。取り調べでいっさい暴力を振るわない(振るえない)鳩村軍団を見て、今の日本に彼らの居場所はもう無いんだなって、つくづく思いました。
 
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『警視庁鑑識班2004』2004

2019-05-20 16:20:02 | 刑事ドラマ HISTORY







 
2004年の冬シーズンに日本テレビ系列の水曜夜10時枠で全10話が放映された連続ドラマ。

元々は「火曜サスペンス劇場」枠で1996年から2005年まで全19作が制作された2時間ドラマの人気シリーズで、これは「火サス」から連ドラ化に至った唯一の作品なんだそうです。

主役は警視庁刑事部鑑識課の第一現場鑑識班員=中山淳彦(西村和彦)で、彼を中心に鑑識班の仕事ぶりが詳細に無駄なく描かれ、上層部からの圧力だの他の部署との確執だのといった、余計な対立ドラマは一切ありません。私はそこに好感を抱きました。

優秀な仕事をし、素晴らしい結果を出してるのに「お荷物部署」と言われたり、やれ「所轄が」「ノンキャリアが」「女が」「新米が」「乳首が」「足の裏が」って、いちいち差別されたりバカにされたりする描写って、本当に必要なの?っていつも思いますから。

主人公が見事に事件を解決させ、最後にそいつらの鼻を明かすような描写があるならまだしも、特にそんな場面も無く終わっちゃう番組も結構あったりする。そんなの視聴者を不快にすること以外、何の効果も無いですよね。

ヒットした番組にそういう描写があったからって、ただ真似すりゃいいってもんじゃない。必要なければバッサリ削って、そのぶん美女の着替えや入浴シーンなど真に重要な描写に全力を注ぎなはれ!って話です。

とは言え、ただ捜査&謎解きを描くだけじゃドラマになりませんから、初回は八丈島で起きた殺人事件の捜査がきっかけで、15年前に主人公=中山の父親を射殺した強盗犯=日野(杉本哲太)が島に潜伏してることが判明します。

その事件は時効寸前で、どうやら日野を匿ってるらしい妻(南 果歩)は「15年も静かに過ごして来た夫はもう更正してる」って言うんだけど、中山は夫妻の幼い息子をオトリに使ったり等、手段を選ばず日野の発見に執念を燃やします。

中山は鑑識課員であり、しかも事件被害者の遺族なもんで捜査から外されており、逮捕権もありません。にも関わらず、休暇を取って独りで日野を追ってる。彼の目的は復讐なのか?

執念の捜査が実り、中山が日野を追い詰めた時、彼の本当の目的が明かされます。日野に殺された中山の父親は、捜査課の刑事でした。日野たちが現金輸送車を襲撃する現場に1人で現れ、射殺されたのでした。

警察内部では、中山の父が強盗計画を事前に察知しながら、1人で手柄を立てるために誰にも言わなかったと噂され、その真意を知るのは彼を射殺した日野だけ。

そう、中山はただ、父が1人で強盗現場に現れた本当の理由が知りたかっただけ。日野に復讐するどころか、逮捕する気も無かったのでした。

で、中山の父は以前から日野に眼をかけており、犯行をやめさせたくて1人で現場へ出向いたこと、そして日野は相手が誰だか判らず反射的に撃ってしまい、殺す気など無かったことが判り、物語は幕を下ろします。

その後、日野が逃げたのか自首したのかは判りません。第2話以降でそれが描かれるのかも知れないけど、少なくとも第1話のテーマはそこじゃないワケです。

かように、徹底して無駄がないドラマなんですよね。今回の場合は事件うんぬんよりも、父親への想いを丹念に描くことで、主人公=中山淳彦の人物像を掘り下げることに注力したんだろうと思います。鑑識の仕事とは直接関係ないけど、それは2時間シリーズでさんざん見せて来たからって事でしょう。

それにしても、主人公が幼い子供をオトリに使っちゃう描写は、なかなかリスキーな賭けですよね。視聴者がそこで彼に共感出来なくなり、チャンネルを変えちゃう恐れがある。保守に凝り固まった現在の民放ドラマじゃ出来ない芸当かも知れません。

レギュラーキャストは、鑑識班メンバーに雛形あきこ、千原靖史、小林すすむ、松永久仁彦、主任にベンガル、係長に角野卓造、管理官に清水章吾、捜査一課刑事に森口瑶子、伊東貴明、三浦浩一、科捜研技官に本田博太郎、中山の母に草笛光子、妹に中山エミリが扮するほか、根岸季衣、柴田理恵、増田未亜といった布陣でした。
 
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『顔』2003

2019-05-20 00:00:07 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2003年の春シーズン、フジテレビ系列の火曜夜9時枠で全11話が放映された、フジテレビ&共同テレビの制作による刑事ドラマ。原作は松本清張さん……ではなく、横山秀夫さんの推理小説『D県警シリーズ/顔 FACE』。

神奈川県警本部の鑑識課員=平野瑞穂(仲間由紀恵)が、上層部のゴタゴタに巻き込まれた挙げ句に広報課へ飛ばされるも、同じように本庁から飛ばされて来た捜査一課の西島刑事(オダギリジョー)と共に、特技の似顔絵を武器に事件を解決していくストーリー。

瑞穂と親しい警務課の婦警に京野ことみ、捜査一課長に升毅、刑事に益岡 徹、矢島健一、品川 祐、菅原大吉、河原さぶ、専属カウンセラーに余貴美子が扮するほか、近藤芳正、黒坂真美、立川絵理、田中律子、海東 健、そして後に仲間由紀恵さんと結婚する田中哲司(由紀恵ちゃんを返せ!)etc…といったレギュラーキャスト陣。

基本は1話完結のミステリーだけど、専属カウンセラーが登場して刑事たちの心をケアする描写が目新しく、仲間さんもオダギリさんもトラウマを抱え、それを克服していくサイドストーリーが縦軸になってます。

それまでの刑事物で心理学と言えばサイコパスを扱うのが定番だったけど、本作では心を癒す手段として用いられており、PTSDやセラピーが注目され始めた世相を反映してるようで興味深いです。

仲間さん扮する主人公は、犯人や事件関係者の似顔絵を描くことで相手の気持ちを読み取り、それを糸口に心を解きほぐして事件解決へと導いていく、言わば彼女自身もカウンセラーなんですよね。

彼女と関わることで事件関係者たちが自分自身と向き合い、トラウマを乗り越えて再出発を遂げるという毎回のストーリーは、おそらくセラピーがモチーフになってるんだろうと思います。この時期から、そういった「心の癒し」や「魂の再生」をテーマにした番組が増えていったような気がします。

だから、本作は単なる謎解きゲームだけで終わらない深さがあるし、仲間由紀恵&オダギリジョーが部署や性別の垣根を越えて共闘するバディ物の要素もあり、多面的で面白いです。

なお、2003年は冬シーズンにTBS系列の水曜夜10時枠で加藤晴彦、菊川 怜、津川雅彦らの出演による刑事ドラマ『刑事☆イチロー』(全9話) も放映されました。
 
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