ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「老いるということの切なさ」

2022-01-21 00:20:44 | 日記

今朝、買い物から帰って来たら、隣家のお母さんがガレージのシャッターに手を掛けたまま静止しておられました。

挨拶したあと「シャッター上がらないんですか?」と尋ねたら「力が出なくて」と仰るので、私が代わりに持ち上げてみたら難なく上がってしまい……

なんだか切ない気持ちになりました。歳を取ると、こんな微々たる力も出なくなっちゃうのかって。そして、隣家のお母さんもそんなお歳になっちゃったのかって。

私が小学生の頃、隣家と我が家は犬猿の仲でしたw っていうか、隣家のお母さんとウチの母がいがみ合ってたんですね。両家とも旦那は穏やかなのに妻は神経質で、まぁありがちな似た者どうしの対立です。だからお互い挨拶もしなかった。

それが40年以上の月日を経て、隣家の旦那さんは他界され、娘さんは結婚してよそへ行き、今お母さんは独居状態。一方、我が家は両親とも認知症で要介護の状態。もはや隣どうしで喧嘩するような機会も無ければエネルギーも無い。

今やこうして挨拶を交わし、困ったことがあれば助け合える仲。素晴らしい! なのに、なんだか切ない……



そして今日、ある決断をしました。今のところ父は介護施設でロング・ショート(ショートステイの長いバージョン)で月に1回、2泊3日だけ帰宅する形になってるんだけど、その2泊3日すら自宅介護が不可能になって来たので、いよいよ施設に預けっ放しにするしかない、っていう決断。

施設まで車で迎えに行き、帰宅して車から玄関まで父を連れて行く事すらもう困難。父は立つことも出来なくなってるから、背後から抱えて引きずって行かなきゃ移動出来ない。雨に降られただけでもうアウトです。

で、こないだ帰宅した日の翌朝、寝室に父を起こしに行ったら、なぜか布団から出て下半身ハダカの状態で寝ていた! 同じ部屋で寝てる母はとっくに目覚め、それに気づいてたのに、ずっと放置していた!

暖房はかけてたけど底冷えしますから、もし発見がもっと遅かったら、父は少なくとも風邪は引いてた筈。95歳を越え、心不全の基礎疾患もあるから風邪だけでも命取り。ゾッとしました。

ここまで来たらもう、24時間付き添ってないと介護はムリ。当然、外で働いてる私にそんなことが出来るワケない。

何より、自宅に帰って来ることが父自身にとって負担にしかなってない! そして私もしんどいし、母もしんどい。しんどい者どうしでピリピリもするし、何一つ良いことが無い!

決断するなら早い方がいい。何かあってからじゃ遅い。取り返しがつかなくなる。プロに任せるしかない。

罪悪感は無い。けど、たまらなく切ないです。自分で建てて何十年も守って来た家に、帰って来れなくなっちゃう父が不憫でなりません。けど、もう他に選択肢がありません。

これが、老いるということの現実なのか…… 切ないとしか言いようがありません。

 

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『DCU/手錠を持ったダイバー』2022

2022-01-19 00:30:07 | 刑事ドラマ HISTORY

2022年冬シーズン、TBS系列の日曜夜9時「日曜劇場」枠でスタートした、TBS&ケシェット・インターナショナル&ファセット4メディアの制作による警察ドラマ。

「ハリウッドとの共同制作」と謳われており、海外放映や映画化を前提にした作品のようで、ホント日曜劇場のやる事はいちいち大袈裟ですw

海上保安庁に新設された、水中事件や事故の捜査を行う架空のスペシャリスト集団「D.C.U」(Deep Crime Unit=潜水特殊捜査隊) が、従来の海上水域だけでなく警察の捜査では困難な「危険極まりない日本全国の河川や湖」などあらゆる水中に潜り、隠された証拠を探して「水中未解決事件」を解決していく、いわば『海猿』の警察版……っていうか謎解きバージョン。

ちなみにWikipediaによると「証拠品が水中にあるからといって専門知識を持たない海上保安官が捜査を主導することは100%有り得ない」そうで、また『手錠を持ったダイバー』ってサブタイトルについても「そもそも海上保安官には元から逮捕権があるから手錠は持ってて当たり前」なんだそうですw 身も蓋もありませんw



いつものごとく傲慢キャラのDCU隊長=新名に扮するのは阿部寛。以下、新名と対立する副隊長=西野に高橋光臣、隊員(ダイバー)の成合に中村アン、大友に有輝(土佐兄弟)、森田に岡崎体育、サイバー担当の神田に趣里、科学捜査担当で新名と同棲チョメチョメ中の黒江に市川実日子、警視庁公安部のナルシスト刑事=清水に山崎育三郎、そして新名と深い因縁がある新人ダイバーの瀬能に横浜流星、といった豪華レギュラーキャストの顔ぶれ。



とりあえず『海猿』シリーズを観てなかった私としては、水上&水中を舞台にしたサスペンスっていう点に興味を引かれたし、日本の刑事ドラマとしても前例の無い設定ゆえ新鮮な気持ちで観ることが出来ました。

リアリティーはさておき、タイムリミットが迫る中で証拠品を見つけるべく、捨て身のダイビングをする主人公たちにも素直にカッコイイ!と思えました。

水深100メートルを超える湖底に潜るだけでも立派なアクションですから、ただ突っ立って謎解きするだけの紙芝居ドラマよりよっぽどイイ! 素晴らしい! けど……

例によって、昨今の連ドラにどうしても付きまとう、主人公の暗い過去とか秘密を小出しにして興味を引っ張ろうとする作劇が、私からすれば超うっとおしい! ウルトラめんどくさい! 心底どーでもいい!

本作の場合、幼少期に隊長の阿部ちゃんに海で救助され、彼に憧れてダイバーになった流星くんが、かくかくしかじか(説明がめんどくさい!)で最も憎むべき相手が実は阿部ちゃんだった!って話になってるんだけど、そんなもん最終的に「誤解でした」「やっぱ阿部ちゃんはヒーローでした」ってなるに決まってますよねw

他の番組なら違った展開も考えられるけど、こと日曜劇場に限っては結末は1つしか有り得ない。なぜなら、日曜劇場は必ず視聴者を「泣かせ」にかかって来るから。「泣かせ」なきゃ数字が取れないと思い込んでるから。もうねぇ、ふだんの行いですよ!w

あの設定で最後に「泣かせ」るにはこの結末しか有り得ないワケです。「やっぱ隊長は悪い人でした」じゃ誰も泣きませんから。

そんな見え透いた謎解きで時間を稼ぐより、1話1話の面白さだけで勝負してみろよ!って私は思う。

これは日曜劇場に限らず昨今の連ドラすべてに言いたいこと。あんなわざとらしい過去やら秘密やらで興味を引かなくたって、1話1話の内容がちゃんと面白ければみんな観るでしょ?って話です。創ってる人たちはそんなに自信が無いの?って、いつも思う。

いかにも阿部ちゃんを悪いヤツに見せるミスリード演出に、私は心底ウンザリしました。やっぱしょせん日曜劇場やなあって。ああ、やれやれ。そしてチョメチョメ。



ただし1つだけ私がハマりそうになったのが、公安部の刑事を演じる山崎育三郎くんのナルシストぶりw シリアスなドラマでシリアスなキャラなのに、出てくる度にいちいちポーズを決めてるのが可笑しくって仕方がないw

当然それも創り手の「狙い」でしょうから、まんまと術中にハマってますw けど、そういう茶目っ気は大歓迎ですよ! そんな風に肩の力を抜いて、もっとフランクな内容だったら毎週観る気になったかも知れません。ハリウッドと共同制作だとか大袈裟な事するからおかしくなるんです。残念!



本作を彩る女優陣は、クールなオペレーター役の趣里さんと、お茶目な奥さん役の市川実日子さん。お二人とも他の作品でそっくりな役を演じてたような気が…… いわゆるタイプキャストですよね。

そして、この人!



DCUの紅一点を演じる中村アンさん! 前作『日本沈没/希望のひと』から間髪入れずに続投!という異例のキャスティング。日曜劇場さん、よっぽどお気に入りなんですな!

というワケで今回もセクシーショットは中村アンさんです。


 

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『ケイ☓ヤク/あぶない相棒』2022

2022-01-17 18:00:06 | 刑事ドラマ HISTORY

2022年の冬シーズン、日本テレビ系列の木曜深夜「モクドラF」枠でスタートした、読売テレビ&ギークピクチュアズの制作によるサスペンスドラマ。薫原好江さんの漫画を映像化した作品です。

警視庁公安部の潜入捜査官=国下一狼(鈴木伸之)が、3年前に突然失踪し殉職扱いとされた先輩捜査官=央莉音(栗山千明)の未解決事件を解明すべく、彼女の弟だと名乗るヤクザの若頭=英獅郎(犬飼貴丈)と密かに手を組み、政府官邸まで絡む巨悪に立ち向かって行くというストーリー。

いかにも怪しい公安部の部長に徳井義実、ゲイの総理大臣に板尾創路、その息子に吉村界人、主人公の幼馴染みに萩原みのりが扮してます。



基本設定はまぁ、ありがちだけど私好み。だけど予告映像を観た時点で「こりゃオレが観る番組じゃない」とすぐに判りました。いや、と言うより「オレなんか相手にしてない番組」なんですよね。

そう感じた理由が、これw↓



いかにも女子に媚びたキャスティングもさる事ながら、それより何より、ヤクザの若頭が「男娼」みたいな事をやってて、刑事と手を組んでるのがバレないよう「恋人契約」を結ぶという設定よ!w

そこにリアリティがあるか無いかが問題じゃなくて、そういう描写にどうしても抵抗がある、私みたいな男はハナから「お呼びじゃない」ってワケです。だから、こんなブログ(刑事物の連ドラはとにかく全部チェックしてます)さえやってなきゃ頼まれても観ませんよ! でも仕事(?)だから観なきゃしょうがないw

無論このご時世だし、同性愛を描くこと自体に文句を言うつもりはありません。むしろレズビアンなら積極的にお願いしたい!

ただ、男どうしがイチャイチャするのだけは、生理的にどうしても受けつけられないんです。こればっかりは仕方がないんです。分かって下さいよ、2つで充分ですよ!

いやあ~、ついに刑事物のジャンルにも来ちゃいましたか、LGBTの波が! そこに逆らうつもりは毛頭ないけど、ムリしてまで向き合う道理も無いと思うんで、初回チェックだけで勘弁して下さいm(__)m

ゲイ描写はやっぱテレビ番組だけあって「匂わせる」程度で安心したけど、むしろバイオレンス描写の方が生々しくて「おいおい」って思いました。

ボーイズラブを観に来た視聴者は引いちゃうんじゃないですか? いったい誰に見せたくて創ってるの?って、老婆心ながら思いました。それとも、ゲイを好む人は血なまぐさいのも好む、みたいなデータがあったりするんでしょうか?

あと、主役である鈴木伸之くんの演技が凡庸でつまんないです。これは致命的。相手役の犬飼貴丈くんに色気があるから何とか観てられるけど、所属グループ(劇団EXILEの人だそうです)の人気だけでキャスティングするのはホントやめて欲しい。

ただ、主役2人がやたらカッコつけてるのは香港ノワール(チョウ・ユンファとか)を彷彿させて面白いんですけどw



私が眼を引かれたのはそれと、ヒロインの栗山千明さんだけ。これじゃゲイ描写があろうと無かろうと観続けるモチベーションには繋がりませんm(__)m


 

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『管理官キング』2022.1.6

2022-01-16 19:50:14 | 刑事ドラマ2000年~

2022年のお正月に放映された、テレビ朝日&東映の制作によるオリジナル企画の単発スペシャルドラマ。

鋭い洞察力と回転の速い頭脳を誇りながら、横柄で協調性に欠けるためアウトローなポジションにいるハミダシ刑事、警視庁捜査一課の管理官「キング」こと王賀統一(沢村一樹)が殺人事件の謎を解きます。

沢村一樹さんはオファーを受けて「また刑事役!?」って思われたそうだけど、我々視聴者からもそっくり同じ言葉を返させて頂きますw



正直言って沢村さんの刑事役はもう見飽きたし、内容もこれと言った新味が見当たらないミステリーだからスルーしようかと思ったけど、私としては……と言うよりこのブログとしてはスルー出来ない要素が2つあったので、レビューする事にしました。

そのまず1つめが、捜査一課2係の若手刑事=美山千秋を演じるこの人、成海璃子さん! ルックス的に私のストライクど真ん中な女優さんで、たぶん初めての刑事役だから見過ごすワケにいきません。



正義感溢れる熱血刑事ってタイプじゃなく、出来れば早く仕事を終わらせてデートに行きたいマジョリティな「女子」の感覚を持ったキャラクター。

で、新米弁護士の瑛人(中村 蒼)と順調にチョメチョメな交際を進めてるんだけど、自分が警察官であることは秘密にしてる。

それを知ったとたん逃げてく男が多いからだけど、瑛人が嘘つきな父親との折り合いが悪く「嘘つくヤツが一番キライだ」なんて言うもんだから、余計に言い出せなくなっちゃう。

で、皆さんお察しかも知れないけど、その瑛人の嘘つき最低ファーザーがなんと、千秋の上司であるキング管理官だった!

まぁこれも既視感のある設定ではあるけど、いつ彼にバレるかバレないか?の軽いスリルが、退屈な謎解きの良いスパイスになってくれてます。



そしてもう1つ見過ごせなかったのが、千秋の先輩で2係の主任だけど、キングのパシリなもんでちっとも尊敬してもらえない、二瓶刑事に扮した大倉孝二さん。

別に大倉さんの大ファンってワケじゃないんだけど、沢村一樹さんと刑事役で共演となると『デカワンコ』を連想せずにいられない!



『デカワンコ』は2011年冬シーズンに放映されたコメディータッチの刑事ドラマで、主演の多部未華子さんを一気にメジャーへと押し上げたヒット番組。

多部ちゃんだけでなく、沢村さんに大倉さん、升毅さん、吹越満さん、石塚英彦さん、佐野史郎さん、田口トモロヲさん、そして渡辺直美さん等、レギュラー陣がみんな売れっ子になり過ぎて続編が不可能になっちゃったほど。

それより何より、私自身が多部未華子という女優さんの虜になり、タベリストという新たな仲間たちとも出逢い、懐かしドラマだけじゃなく現在進行形の連ドラにも眼を向け始める、そのキッカケとなった2010年代ベスト1のTV番組なんですよね。



しかも大倉孝二さん演じる二瓶主任は、鑑識係の七瀬さん(国仲涼子)と夫婦なんだけど愛想を尽かされ只今別居中、同じ職場にいながら半径2メートル以内に近づけない。

『デカワンコ』の大倉さんも確か、離婚調停中で息子に会えない設定でしたw 悲惨なんだけど大倉さんがやると笑えちゃうw これもまた絶妙なスパイスになってます。



さらに、亡くなったキングの妻として乙葉さん、殺された女子高生として川島鈴遥さん、千秋が通うBARのバーテンとして八木優希さんも出演されてます。



川島鈴遥さんも八木優希さんも、子役から活躍されてる若きベテラン女優。川島さんはオダギリジョー監督による初の長編映画『ある船頭の話』でヒロインに抜擢され、再び注目を浴びておられます。

そして八木優希さんは生後4ヶ月で出演された『仮面ライダーアギト』がデビュー作で、『デカワンコ』ゲスト出演も記憶に新しい……と言っても既に11年前! そりゃもう、すっかりオトナになっておられ……と言ってもまだ21歳! マジかっ!?

たぶんこれまで学業を優先されて来たと思われ、今回は久々のドラマ出演。これからますます活躍される事でしょう。なんか、眩しいですよね。若いって素晴らしい!



キャスティングの事ばかり書いたけど、ミステリー好きの方なら内容的にも満足出来たんじゃないかと思います。千秋が刑事である事はまだ瑛人にバレてないし、まぁテレ朝&東映作品の常套手段だけど続編や連ドラ化も視野に入ってそうです。

セクシーショットは成海璃子さん、国仲涼子さん、そして乙葉さんのボインぼよよん3連発! いやぁ、おっぱいって本当にいいもんですね。


 

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『太陽にほえろ!』#447ー2

2022-01-14 23:50:04 | 刑事ドラマ'80年代

〜前半のおさらい〜

妊娠中の令子さん(長谷直美)がアパートのドアを開けたら、そこにズブ濡れの志賀勝が立っていた! きゃあああぁぁぁーーーっ!!!

かつて逮捕した傷害犯の矢沢(志賀 勝)が出所し、職が決まるまで泊めて欲しいと言って来たもんで、困り果てたロッキー(木之元 亮)は顔を毛むくじゃらにしながらも受け入れます。

ところが矢沢はなかなか職を決めずアパートに居座り、ロッキーの留守中にその「顔面凶器」で令子さんを驚かせ、うっかり(?)怪我をさせてしまう! 矢沢の目的はもしかして、ロッキーへの復讐なのか!?



令子さんが負傷したと聞き、ロッキーは慌てて病院へ駆けつけますが、幸い大した怪我じゃありませんでした。

謝罪する矢沢に、ロッキーは言います。

「間違えたんだから、仕方ないだろう」

「……ホントに、そう思ってくれますか?」

「ああ。ここはオレが替わるから休んでくれ」

ロッキーはまだ矢沢を信じてるみたいだけど、怪我させられた令子さんはたまったもんじゃありません。



「私、あの人が灯り消したの、わざとだと思う」

「ええ? なぜ?」

「……なぜだか分かんないけど」

「分かんないって、お前……ワケも無くそんなバカなことする筈ないだろう? オレが憎いならオレを襲う筈だし、お前が狙いなら襲うチャンスはいくらでもあった筈だ。そうだろ?」

「でも……そんな気がするの」

「…………」

もちろん、令子さんの方が正しいに決まってますw アホのロッキーは、矢沢が病院の公衆電話で、竜神会の親分にこんな報告をしてる事にも全く気づきません。

「言われた通り、上手くやったつもりですが……」

『ご苦労さん。もうじきカタがつく。お前は早く消えろ』

「あ、そうスか。それじゃ失礼します」

やっぱり! 職探しにモタついてロッキーをさんざん振り回したのも、挙げ句に令子さんに怪我させたのも、全て計算ずくだった!

矢沢は恐らく、組を抜けて足を洗う条件としてその役目を授かった。しかしいったい、なぜ竜神会はそんな事を?

「どこへ電話してたんだ?」

病室から出てきたロッキーにツッコまれ、さすがに矢沢も慌てます。

「あ、いや……クニの親戚です。やっぱりオレ、クニに帰ります」

「ええ? どうしちまったんだよ、急に」

「いや、それはですね……旦那や奥さんに迷惑掛けちまったから……」

「矢沢!」

ほら来た! いくらお人好しと言ってもロッキーは刑事です。矢沢の焦りを見逃さない筈がありません!



「な……なにか?」

「結局……オレはあんたに何もしてやれなかった。すまなかったな」

なにぃーっ!?w ホントにまったく、どこまでお人好しで毛むくじゃらなんだロッキー刑事ぃーっ!?

「……いえ、気にしないで下さい。それじゃ……」

「おいちょ待てよ!」

おっと、ほら来た! 今度こそ! そそくさと立ち去ろうとする矢沢を追いかけ、ロッキーがふところから取り出したのは拳銃? それとも手錠?



ロッキーがふところから取り出し、矢沢に手渡したのはなんと、数枚のお札でした。たぶん、なけなしの小遣い全額です。

「クニでいい仕事見つけろよ。な?」

「…………」

やっぱり最後まで矢沢の正体に気づかない、果てしなくお人好しなロッキー刑事なのでした。



一方、竜神会VS響組の動きを探ってた藤堂チームは、海外逃亡した筈の殺し屋=高岡(浜田 晃)が東京に舞い戻ったらしいという情報をキャッチ。恐らくそいつが響組の大幹部を暗殺するに違いない!

「あっ、こいつ……あいつだ!」

高岡の手配写真を見てロッキーが驚きます。なんとアホのロッキー、3日前に新宿で高岡と顔を合わせてたのに、それが誰なのか思い出せないまま忘れてたのでした。

「おいちょ待てよ、ロッキー。3日前と言えば……」

そう、矢沢という名の志賀勝がズブ濡れになってロッキー宅を訪ねて来たのは、ちょうどその日の夜だった!

「ヤツがお前にまとわり付いたのは、それを思い出させない為だ!」

う〜む、ちょっとムリを感じる設定ではあるけど、意外とヤクザってのは姑息で用心深い人種ですから、決して有り得ない話でもないと思います。

「矢沢、あの野郎おぉぉぉーっ!!」

今さら怒り出すロッキーに、冷静なボス(石原裕次郎)が言います。

「待て。今は矢沢より高岡だ」

そう、敵の狙いが判ったからには、全力で阻止するのみ!



ここはトットと進めましょう。高岡の狙撃地点を先読みした藤堂チームは、可能性のある場所を全員で徹底マーク。ドック(神田正輝)&ロッキーのコンビがいち早く高岡を発見し……



見事な連携プレーで暗殺を阻止! 二大勢力の全面戦争はひとまず不発に終わりました。

けど、高岡を捕まえたところで、彼が自白しなければ竜神会との繋がりは証明出来ず、火種はくすぶったまま。プロの殺し屋が口を割るとは到底思えません。

「あいつが証言してくれたらなあ……」

ロッキーはふと、パチキ入りパンチパーマ男の怖い怖い顔を思い浮かべながら、退院した令子さんをマイ・スイートホームへと送り届けます。

するとどうでしょう! アパートの階段にちょこんと、一度見たら一生忘れられない、あのパチキ入りパンチパーマが!



「矢沢! お前、なんで此処にいるんだよ!?」

駆け寄るロッキーに、矢沢は気まずそうに、申し訳なさそうに、そして恥ずかしそうに言います。

「いや、なぜだか……変な方向に足が向いちまって……」

「変な方向?」

「これ……買って来ました」



矢沢がおずおずと差し出したのは、安産祈願で有名な「水天宮」のお守り。令子さんが欲しがってたのを、矢沢はちゃんと憶えてたのでした。

「これで勘弁して下さい」

「矢沢……」



きっと矢沢は、竜神会の企みも洗いざらい証言してくれる事でしょう。彼を最後まで信じ抜いたロッキーのお手柄です。



『太陽にほえろ!』としては異色のサイコ・スリラーかと思いきや、実は極めて『太陽〜』らしいヒューマン・ストーリーでした。

根っからの悪人はいない。現実はそうとも言い切れないと私は思うけど、そうであって欲しいっていう願いをドラマに込めるのは「あり」だとも思います。

これは何げに名作ですよね! なんつっても志賀勝さんが一世一代のハマり役!

同じ「顔面凶器」系のアクターでも、例えば小沢仁志さんだとこの感動はたぶん生みだせない。ただイカツいだけじゃなく、素朴さとか哀愁なんかも同時に感じさせる、志賀勝さんが演じてこその感動だと思います。

今、志賀さんの代わりが務まるアクターって見当たらないですよね。昭和を代表する名優のお一人だったと、しみじみ思わずにいられません。


 

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