ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『宇宙刑事ギャバン』#01~#02

2023-04-10 19:29:21 | 特撮ヒーロー

『宇宙刑事ギャバン』は1982年3月から'83年2月まで、テレビ朝日系列の金曜夜7時30分枠で全44話が放送された、東映の制作による特撮テレビドラマ。

ディアゴスティーニ・ジャパン社が『メタルヒーローDVDコレクション』としてDVDマガジンを隔週ペースで発行しており、例によって特別価格の第1巻だけ買わせて頂きました。



このブログの読者さんならご存知かと思いますが、本作は『宇宙刑事シャリバン』『宇宙刑事シャイダー』と続く「宇宙刑事三部作」の第1弾であり、さらに1998年まで続いた「メタルヒーローシリーズ」の原点でもあります。

クレジットに「原作 八手三郎」と表記されてるけど、これは『太陽にほえろ!』の「原作 魔久平」と似たようなもんで東映テレビ班の共同ペンネーム。元は『仮面ライダー』シリーズで知られる平山亨プロデューサーの別名義だったそうです。この前レビューした『ザ・カゲスター』も「原作 八手三郎」になってました。



説明しよう! ふだんは乗馬クラブで働くゴリラ顔の好青年・一条寺 烈(大葉健二)の正体は、もっとゴリラ顔の宇宙刑事=ボイザー(千葉真一)が派遣先の地球で日本人女性とチョメチョメしてつくった息子であり、失踪した父に代わって地球を護るべく銀河連邦警察からやって来た宇宙刑事=ギャバンなのだ!



一条寺烈がスーツ装着コード「蒸着!」指令を発することにより、地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元高速機「ドルギラン」のコンピュータが作動し、粒子状に分解され瞬間的に電送されてくる特殊軽合金「グラニウム」が烈の身体に吹き付けられ、わずか0.05秒間でアーマーの装着を完了するのだ!



……てな感じで、主人公の「変身」に科学チックな理屈をこじつけ、そのプロセスを具体的に映像化することで(雰囲気だけにせよ)リアリティーを示したことが、従来のヒーロー番組にまとわり付いてきた「子供だまし」のイメージをみごと払拭!

本放映当時すでに高校生だった私も「これなら毎週観ても(それをクラスメイトに知られても)恥ずかしくない」って感じたし、実際、金曜夜のテレビ鑑賞は『カックラキン大放送』をやめて『宇宙刑事シリーズ』→『太陽にほえろ!』がルーティンになりました。



主役のヒーローだけじゃなく、敵の宇宙犯罪組織「マクー」が送り出す怪人や戦闘員たちのデザインも格段にスタイリッシュ化し、従来の「子供だまし」イメージを打破してくれました。

これはもう完全に、アメリカのSF映画『スター・ウォーズ』や『エイリアン』が起こした革命による恩恵でしょう。デザインだけじゃなく、当時「SFX」と呼ばれた特撮技術の進歩にも目を瞠るものがありました。



そしてもう1つ、敵組織が毎回ギャバンを誘い込む異次元ワールド「魔空空間」の斬新さ!

どういう理屈だか解んないけど、その空間内だと敵怪人のパワー&スキルが3倍までアップされちゃう!



もしかすると、天気に左右されないし移動も要らない、スタジオのブルーバックでぜんぶ撮れちゃうから「便利で安上がり」ってな裏事情があったのかも知れないけど、これも非科学的なアクションに何となく説得力を持たせた(『マトリックス』の仮想空間に匹敵する)画期的なアイデアじゃないでしょうか?



ビジュアル的にもメリハリがつくし、何より日常風景の泥臭さを完全に払拭した功績は大きい!

しかもこれ、CGじゃないですから! ミニチュア撮影やオプティカル合成、マットペインティング等を駆使したアナログ(手づくり)特撮の、言わば到達点。

ジャパンアクションクラブによる殺陣とその見せ方(撮影や編集のテクニック)も『ロボット刑事』の頃より格段に進歩してるし!

今までのヒーロー物とは全然違う!って当時ホントに感じたし、やがて『仮面ライダー』や『ウルトラマン』のシリーズも「子供だまし」を卒業していく大きなキッカケになった作品が、たぶんコレ。

いや、子供だましって言うより、以前のヒーロー物が嘲笑されがちだったのは、創り手が子供たちに媚を売り過ぎたから。子供の目線に降りて創ろうとし過ぎたんですよね。子供からすれば「子供扱い」されるのが一番不愉快なのに!

そういう思いをしながらヒーロー物を観てきた世代が成長し、この『宇宙刑事シリーズ』あたりから創り手側に参入してきた。たぶん、そういう事でしょう。



↑レギュラーキャストはギャバン=大葉健二のほか、銀河連邦警察の最高責任者=コム長官に西沢利明、その秘書=マリーンに名代杏子。



↑そしてコム長官の愛娘にしてギャバンのパートナー=ミミーに、叶和貴子!



↑どうやら好意を寄せてくれてて、頼みもしないのに地球までついて来た上、こんなコスチュームでベタベタされた日にゃあ、ギャバンも父に倣ってチョメチョメするしかありません。

叶和貴子さんは当時26歳ぐらい。和服がよく似合う女優さんゆえ時代劇への出演が多く、刑事に類する役は本作のミミーが唯一だったかも知れません。


 

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『ロボット刑事』#01~#02

2023-04-09 18:50:13 | 特撮ヒーロー

『ロボット刑事』は1973年4月から同年9月まで、フジテレビ系列の木曜夜7時枠で全26話が放送された、石森章太郎原作&東映制作による特撮テレビドラマ。先日「東映チャンネル」で集中放映されました。

水木一郎アニキが主題歌で「K! K! ロボット刑事K!K!K!」ってシャウトされてたから、タイトルにも「K」が付くと思い込んでる人が多いと思う(私もそうでした)けど、実際は『ロボット刑事』が正式タイトルです。

映画『シン・仮面ライダー』で松坂桃李くんが声をあてた「K」は刑事じゃなさそうだけど、このロボット刑事がゲスト出演したようなもんですよね。丁寧かつソフトな口調も忠実に再現されてました。



密室殺人事件の現場を検証中だった芝刑事(高品 格)と新條刑事(千葉治郎)の前に突如現れた「K」は、警視庁・特別科学捜査室に配属された犯罪捜査用ロボットだった!

のちの『ロボコップ』みたいに誕生までのいきさつが紹介されることも無く、ホントにいきなり登場して刑事を名乗るもんだから、そりゃ劇中の刑事たちは驚くし、我々視聴者だって面食らいます。



↑この女神像みたいな巨大要塞「マザー」がどうやらKの生まれ故郷で、そこに開発者の霧島博士(君 夕子)が住んでるらしいけど、最初の2話では何の前触れもなく突如現れるもんで、我々視聴者はまた面食らいますw



これまでの経験が活かせない科学捜査をメインとする部署の室長にいきなり任命され、Kの面倒を見る羽目になった芝刑事は、彼を「機械人形」「鉄屑野郎」と呼んで毛嫌いします。

だけどその背景には、愛する妻を交通事故で亡くした(つまり機械に奪われた)トラウマがあるようで、やがてKの真っすぐな正義感や人間以上の優しさに触れ、徐々に彼を認めるようになります。



芝の娘たち(紅景子、加賀由美子)は早くからKを支援。ちなみにK専用のパトカー「ジョーカー」は西部署のスーパーZばりにガルウィング仕様、おまけに空も飛べちゃいます。最高飛行速度は時速800キロメートル!



本作はJAC(ジャパンアクションクラブ)が初めて単独でアクションを担当したテレビ番組ってことで、総師=千葉真一さんが最初の2話だけ、新條刑事の兄=新條弁護士としてゲスト出演!



実弟=千葉治郎さんとの共演作は他にもあれど、役柄上でも兄弟って設定なのはレア(もしかして唯一)かも?



Kは最初からロボットなので「変身しない特撮ヒーロー」として異色の存在。創り手は本作をヒーロー番組というより「刑事ドラマの1バリエーション」と捉えておられたようで、確かに戦い方も(ロボットどうしなのに)人間臭いです。



敵組織「バドー犯罪シンジケート」が送り出す(正確には巷の犯罪者どもにレンタルする)毎回のロボットたちがまた個性的! これには当時大ヒット中だったアニメ『マジンガーZ』(に出てくる機械獣) の影響もあったみたいです。



カッコ良さでは仮面ライダーやキカイダーに及ばないけど、Kの素朴なキャラクターが好ましいし、SFサスペンスとしての面白さに刑事物らしいペーソスもあり、この唯一無二の世界観こそ現在の技術でリメイクすべきかも?って、私は思いました。


 

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『シン・仮面ライダー』

2023-03-22 00:00:21 | 特撮ヒーロー

庵野秀明 脚本&監督による特撮ヒーロー映画にしてシン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバースの最終作『シン・仮面ライダー』を観て来ました。

ネタばらしは一切しません。昭和の『仮面ライダー』を観て育った世代(特にシリーズ初期のテイストや、石ノ森章太郎さんの原作が好きな人)は絶対観に行くべし!とだけ言っておきます。

仮面ライダー1号=本郷猛に池松壮亮、ヒロイン=緑川ルリ子に浜辺美波、仮面ライダー2号=一文字隼人に柄本佑が扮するほか、森山未來、竹野内豊、斎藤工、長澤まさみ、西野七瀬etc…という豪華キャスト陣。



私が観てどう感じたかをここで語っても、意味が無い気がしてます。とにかく観に行って、ご自分で感じて下さいとしか言いようがない。

とりあえず、庵野監督のコメントを抜粋しておきます。

「僕の考えた『仮面ライダー』を作りたいではなく、『仮面ライダー』という作品に恩返しがしたかった」

「オリジナル作品を自作で超えるのではなく、オリジナルの魅力を社会に拡げ、オリジナルの面白さを再認識してもらうこと」

「子供の頃から抱いていた大人の夢を叶える作品を目指しています」

「ないないづくしの制作現場の状況下で、可能なかぎり作品のクオリティーが保たれる為の、最良の選択をするのが自分の仕事だと思っています」

「スタッフもキャストも自分も、やれることは全てやったと自負できる作品です」

本当に、全くその通りの作品になってると思うので、私から言い加えたいことが何も浮かばない。



ただ1つ、強烈に感じたのが、どんなに映像や演技が素晴らしくても、音楽の力にだけは勝てない!ってこと。

私が最も心を揺さぶられ、鳥肌が立って涙腺が緩んだのは、仮面ライダーが初めてサイクロン号をかっ飛ばす場面で、超カッコよくアレンジされたテーマ曲「レッツゴー!仮面ライダー」が流れる瞬間でした。

勿論、めちゃくちゃカッコいいビジュアルとの相乗効果なんだけど、もし、そこで流れるBGMが全くの新曲だったら、涙腺まで刺激されることは無かったはず。

子供時代にさんざん聴いた懐かしいメロディーだからこその感動。『シン・ウルトラマン』や『劇場版マジンガーZ/INFINITY』の出撃シーンでもそうでした。

あの場面を観られた(聴けた)だけで大阪まで出向いた甲斐があったし、その感動をまた味わう為にBlu-rayは必ず買うだろうと思います。あ、その前にサントラCDも。



だから、子供時代に昭和ライダーを観てなかった人が、この映画を観てどう感じるかは皆目見当がつきません。

『シン・ゴジラ』は単純に面白い!と思ったけど、本作と『シン・ウルトラマン』に関してはオリジナルに対する思い入れが強すぎて、評論めいたことを考える気になれない。だから、とにかく観てちょんまげ!としか言えません。



それと、浜辺美波さんが好きな人も絶対観に行くべし! ドラマとしては完全に彼女が主人公だし、これまた超カッコいいですから!

ほんと、それくらいしか言いたい事がありません。

あえて付け足すなら、有名作のリメイクやリブートを手掛けるクリエイターたちに、庵野さんの「オリジナル作品に恩返しがしたい」っていう姿勢を全面的に見習うべし!ってのは、声を大にして言いたいです。


 

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『ザ・カゲスター』#11

2023-02-24 17:17:24 | 特撮ヒーロー

『ザ・カゲスター』は1976年4月から同年11月まで、全34話がNET系列の月曜夜7時枠で放映された、東映制作による特撮テレビドラマ。

今年から東映チャンネルに入会し、多種多様な特撮ヒーロー番組を観てきた中で、私はもしかするとコレが一番お気に入りかも知れません。



主役のヒーローが男女のペアで、しかも2人の「影」にそれぞれ魂が乗り移って変身、というより「分身」して活躍する異色の設定。だから、初期にはこんなシーンも観られました。オリジナルと分身の掛け合い。↓



が、なぜか1クールを過ぎた辺りからこういうツーショットが無くなり、普通に「変身」してるように見せる演出になっちゃった。

あと、敵になるのがショッカーみたいな大組織じゃなく、それぞれ独立した犯罪者グループで、改造人間やロボットでなく生身の人間がコスプレしてるだけっていう設定も、1クールを過ぎたところで「サタン帝国」なる大組織が現れ、従来通りの構図にシフトチェンジ。

分身が闘うんじゃ主人公が頑張ってる感じがしないとか、悪党とはいえ生身の人間を強いヒーローが叩きのめすのは後味悪いとか、そういう意見が出るのは理解できるけど、結果的に番組の個性がどんどん奪われ、みんな似たり寄ったりの内容になっちゃうのは残念なこと。これはもう、テレビの宿命だから仕方ないんだけど。



主人公は風村コンツェルンという会社の秘書課に務めるサラリーマン=影夫(立花直樹)と、社長令嬢の鈴子(早川絵美)。アメコミの『スーパーマン』や『バットマン』を彷彿させるこの人物設定も、なぜか2クール目から二人とも小さな釣具屋さんに転職してフツーになっちゃうw

ただ、鈴子の方が影夫より社会的地位が上っていう構図はそのまま残ってて良かったです。ユニークな関係だし、互いに「さん」付けで呼び合う距離感が心地良いんですよね。



そして特撮ヒーロー物でも刑事物でもお馴染みのレジェンド=小林昭二さんが、本作では鈴子にデレデレの屯田警部に扮し、部下の業平刑事(星 純夫)とコンビでコメディーリリーフをご担当。



さらに鈴子の父=風村社長(天草四郎)と、総務部長の神成(小松政夫)も絡んで毎回ミニコントを繰り広げてくれたけど、このお二人も2クール目から出番が激減しちゃいます。

まぁとにかく、私はやっぱり明るい作風が好きみたいです。それと、他の番組とはひと味違った個性。どんなジャンルにせよ常にそれを求めてます。

だから、前回記事(『キカイダー01』のレビュー)を読んで頂いてもお分かりのように、エロ目線なんか一切ありません。

たとえアップした画像に、ヒロインの緊縛姿とか悶え顔とか、パンチラなんかが写ってたとしても、そんなの偶然に決まってるんだから誤解するのもホントいい加減にして頂きたい!💢💢💨



ヒロイン=鈴子に扮する早川絵美さんは、分身して「ベルスター」になっても顔半分は露出されますから、よっぽど危険なスタントでない限り、全部ご自身で立ち回りも演じておられます。

当然「見せパン」を穿いておられるにせよ、それでもこれだけ思い切りよく見せられると感動すら覚えちゃう。それを皆さんはエロ目線だとおっしゃるっ!?💢💢💨💨💨



石森史郎さん脚本によるこの第11話は、なかなか恐ろしい造形のオオカミ怪人が大暴れ。聴くと頭に激痛が走る怪音波が遠吠えに仕込まれており、今回も鈴子さんが悶えてくれます。



変身……いや、分身の掛け声は「影よ、ゆけ!」。



マントで円を描くアクションも特徴の1つで、そりゃスカートもめくれますよ。自然なことです。私のせいじゃなーいっ!!💥💨💨

分身直後の「俺は、カゲスター!」「私は、ベルスター!」っていう口上も実にシンプルで好印象。今で言う「キモかわいい」コスチュームと相まって親近感が湧きます。



二人が駆るスーパーマシン=カゲローカーとベルカーのデザインもまた独創的! なんだこれはっ? (岡本太郎風)



「フラッシャー」と呼ばれるピストルは、武器というよりマシンを出現させる際に使うアイテム。これで空飛ぶマシン「カゲボーシー」も呼び出せます。



一方、敵はフツーに中古の乗用車w 財力の差をまざまざと見せつけられます。これぞリアル!



さて、クライマックス。今回は断崖が舞台とあって高低差が存分に活かされ、ベルスターを下からカメラがあおりまくり。たまたま偶然、そういう回をレビューに選んでしまいました。偶然です。たまたまです。なんだこれはっ!?



私がいくら避けようとしても、写ってしまうんだから仕方がない。たまたまなんです。仕方なく載せてるんです。それがなぜ解らないっ!?💢💢💨💨💨



ついでにカゲスターも頑張ってます。こちらも影夫役の立花直樹さんが演じてる事になってるけど、動きの美しさもスピードも半端じゃなく、さすがに吹替えだろうと私は見てます。



とどめはカゲスターの更に影から現れる「カゲロベェ」がオオカミ男を握り潰してジ・エンドw これもキモかわいいと言うかグロかわいくて、ほんと俺ジナルに溢れてます!



だけど怪人は死なず、通常の人間態に戻ったところで屯田警部に逮捕されるのが毎回のお約束。お陰で警部は何もしないまま手柄を立てまくるというw、格差社会のこれまたリアル。

我が身の境遇を恨んで悪事を働いたって、なにも報われやしない。それぞれの現実を受け入れ、それぞれの身の丈に合った生き方をしましょうねっていう教訓かな?



早川絵美さんは’74年の映画『女必殺拳』で志穂美悦子さんの相棒役でデビューされた、生粋の東映アクトレス。元より少林寺拳法を特技とされ、そりゃアクションはお手のものってワケです。

特撮ヒーロー物へのご出演も多いけど、時代劇、そして刑事ドラマへの客演も数多く、誠直也さんとは『ゴレンジャー』でも『ファイヤーマン』でもなく『特捜最前線』での共演が縁でご結婚。『太陽にほえろ!』にも#485と#584の2回、ゲスト出演されてます。


日焼け跡が完全にベルスター!  なんか、イイですよね。

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『キカイダー01』#30~#31

2023-02-22 22:22:04 | 特撮ヒーロー

東映チャンネルで絶賛放映中の『キカイダー01』に、いよいよあのキャラクターが登場しました。

悪の組織「シャドウ」がキカイダー01=イチロー(池田駿介)暗殺用に送り込んだ美しき刺客、その名はビジンダー!!



ジロー(キカイダー)はアコースティックギター、イチロー(01)はトランペットでバラードを演奏しながら登場するのがお約束で、その流れを汲むビジンダーは武器(弓矢)としても使えるハープがトレードマーク。



そして必殺技「ビジンダーレザー」を放つのは、ビジンダーのおっぱい! おっぱい! おっぱい!



このビジンダーのビジュアルに格好良さが見いだせないし、おっぱい光線を放つときの「びよ〜ん!」って効果音もマヌケだし、そもそもビジンダーって名前が恥ずかし過ぎてw、当時ガキンチョだった私は(ガキンチョだからこそ)この新キャラを手放しに歓迎出来ませんでした。

けど、ビジンダーの変身前、人間としての仮の姿である「マリ」はあまりに魅力的だった!

そう、当時まだ一般的には無名だった、後に日本随一の女性アクションスターとなられる、志穂美悦子さん!



これがデビュー作ではないけど、少なくとも我々世代は、このマリ役で志穂美さんの存在を頭に刻んだ人がほとんどでしょう。

あれほどシャープに動けて、アクションポーズがあんなに格好良くキマる女優さんは見たこと無かったし、しかも可愛い!

そりゃあ所属事務所=ジャパンアクションクラブの総師たる千葉真一さんが是非に!と推薦され、この登場篇では撮影現場まで駆けつけて、自ら殺陣を指導するほど熱を入れられたのも当然!

そして生まれたアクションシーンの数々が、これです。色んな意味で素晴らしい!



ハリソン君ってヤツは竹野内豊そっくりな顔しながら、何でもかんでもエロ目線でしか見られんのかい!?って、皆さん思われてるに決まってるけど、ちがあーうっ!!💢💢💨 失敬なあぁぁーっ!!💢💢💢💨💨💨💨



そのエロ目線こそが、敵組織シャドウの狙いなんですよ! ヤツらがなぜ、ビジンダーの人間態にこんな可愛い容姿を持たせたのか?

ゼロワン=イチロー最大の弱点が「女・子供に優しいこと」だと睨んだシャドウは、ビジンダーがマリの姿でいる時だけ「天使の心」を持つよう、今風に言えば彼女のA.I.にインプットした。その目的はなにか?



そう、ハニートラップ! イチローが彼女に好意を抱き、チョメチョメしたくなるよう仕向けたワケです! チョメチョメしたくなるように! チョメチョメしたくなるように! チョメチョメしたくなるように!

こども向け番組でそんな事あるワケないって? はあ? この、バカチン之助がああぁぁあーーっ!!!💢💢💢💢💨💨💨💨💨💨💨



この前レビューした第21話をお忘れかっ!?💢💢 若い女の血液を採取するのにいちいちシャツを引きちぎり、その胎内から悪魔のロボットを産ませたのがシャドウって組織であり『キカイダー01』っていう番組なんです。もちろん脚本家は今回も同じ、長坂秀佳!💨💨💨

その長坂さんが実際に「ポルノ的サスペンス」を狙ったと明言されてる、イチロー暗殺計画のクライマックスはここから。

実はマリ=ビジンダーの体内には超小型の核爆弾が仕込まれており、ブラウスの第3ボタンを外すと起爆する仕掛けになっている!

だから彼女は、イチローがブラウスを脱がすように誘導しなきゃならない。近づいて来た瞬間に自分でスイッチを押せば簡単なのに!w

で、シャドウは遠隔操作で、マリの体内に仕込んだ激痛回路を起動させる。核爆弾を起動させた方が早いのに!w

「ああっ、ダメ! 我慢できない! お願い、脱がせて! 胸のボタンを外して!」



「えっ、でも……」

「早く!」

この場面に流れる岡部政明さんのナレーションがひどい!

『危ない、離れろゼロワン! その女を放り出せっ!!』w



で、イチローが鼻息を荒くし、身体の一部をHOT! HOT!!にしながらマリのボタンを外して行くんだけど、第3ボタンに指が掛かったところで彼女が言うワケです。

「も、もう大丈夫です!」

「えっ、そんな!?」



そりゃそうです。マリの姿でいる間、ビジンダーには天使の心が宿るようプログラムされてるんだから。シャドウ、頭悪すぎ!

てなワケでイチロー暗殺計画は大失敗! アジトに戻ったマリを、怒り狂ったハカイダーたちが八つ当たりのフルボッコ。



ポルノ的サスペンスの次は、ポルノ的バイオレンス! こども番組なんやでっ!?



ちなみに首領のビッグシャドウに扮したのは、悪役商会リーダーの八名信夫さん。天下一品です!

いや〜、しかし。可哀想と言えばあまりに可哀想なビジンダー。今あらためて見ると、洗脳組織から逃げ出した脱会信者そのものですよね。

しかも最初から自分の中で善と悪が、つまり人格が真っ二つに分裂してる。そういう精神疾患のメタファーでもあるんでしょう。そりゃガキンチョには解からんて!

再びイチローを殺しに向かうビジンダーだけど、マリに命を救われた子供たちが、彼女を庇ってイチローに歯向かいます。

「ビジンダーを殺さないで!」



「おどき! 黒焦げになるよ!」

「嘘をつくなビジンダー! 今、キミの眼から流れてるソレはいったい何だッ!!」

「!?」



「キミは涙を流すことが出来る、唯一のロボットだ。キミさえその気になれば、シャドウを抜け出すことも出来るんだ!」

「おだまりッ!!」

植え付けられた悪魔の心に勝てないビジンダーは、映画『エクソシスト』で魂を乗っ取られた少女の姿ともダブります。

イチローは仕方なく、キカイダー01にチェンジ!



「イクぞ、ビジンダー!」



「おいで、ゼロワン!!」



「ええい、貴様たちのヤルことは生ぬるくて見ておれんっ!!」



かくしてキカイダー、ビジンダー、ハカイダーの三つ巴の戦いが展開され、シリーズは終盤へと向かいます。

長坂さんはじめ制作陣がみんなビジンダーに肩入れし、最後の方は彼女が主役みたいになっちゃうんだけど、さもありなん。今あらためて見るとガキンチョには解からん魅力に溢れてます。



石森章太郎さんならではの悲劇的ストーリーと、多面的キャラクター。そして逸材中の逸材である志穂美悦子さんのアクションと、パンチラ! 無敵です!

 

 

 

なんだこれは!?
 

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