ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『シン・エヴァンゲリオン』

2023-04-03 17:55:03 | アニメーション

ようやく観ました! 2021年に大ヒットを飛ばした、庵野秀明 脚本&総監督によるアニメ「エヴァンゲリオン」新劇場版シリーズの完結編です。

評判を耳にしながら劇場へは行かず、レンタルDVDで鑑賞となったのは、前作の『Q』にイマイチ乗り切れなかったから。またウジウジ悩み始めるんかい!?って、ちょっと辟易しちゃったんですね。

それが『エヴァ〜』って作品なんだと分かってはいるけど、新シリーズはまた違うのかも?って勝手に思ってたから。違うものにしたくてリメイクしたんと違うの?って。



率直な感想は、9割以上「よく解んない」でしたw けど、庵野さんの気持ちは凄くダイレクトに伝わって来ました。

私はストーリー上の「謎解き」には興味が無くて、作者が我々に伝えたいこと(つまりテーマ)に共感できたか否かを一番の評価ポイントに置いてるから、今回は大満足です。

要するに、やっぱ人は独りじゃ生きていけないって事ですよね? 面倒だし、傷つくことばかりだけど、人間は「完全」じゃないから助け合わなきゃサバイバル出来ない。

それを否定して「完全」を目指した超モラトリアムな父親が自滅していくストーリーであり、そんな父を反面教師にして大人になってく息子の成長ドラマ。

結果的に『スター・ウォーズ』と似たような話になったかも知れません。いや、物語をキッチリと着地させるには、このパターンしかやりようが無いんでしょう。

そんなありきたりなパターンに収めたくなかったから、庵野さんは旧シリーズを「カオス」なまま強引に終わらせちゃった。そうして「逃げた」ことを激しく後悔してリメイクに踏み切られたのでは?

例えありきたりなパターンでも、人は独りじゃ生きていけないってことを次世代(特に『エヴァ』が大好きなオタクたち)にちゃんと解りやすく伝えなきゃいけない。結婚して子供もできて「大人になった」庵野さんに、そういう責任感が芽生えた……なんて推理もありきたりかも知れないけど、そうとしか考えられません。


それともう1つ、庵野さんはどうしても嘘がつけない、正直すぎるほど正直な人である、とも言えるかも?

究極のモラトリアム男である碇ゲンドウにせよ、受け継いだその血にさんざん苦しまされた息子=シンジにせよ、庵野さんそっくりな「分身」であるのは間違いない。

たぶん、まだ独身だったであろう旧シリーズの頃の庵野さんは、分身1号のゲンドウみたくモラトリアムにどっぷり囚われたままで、分身2号のシンジが大人に成長することが「大嘘」に感じられて、そう描くのがイヤでイヤで仕方なかった。

理性ではキレイにまとめなきゃと思いつつ、本能がどうしても許さなくて、葛藤に次ぐ葛藤でいよいよワケが分かんなくなり、あんなことにw

その葛藤してる感じにこそハマった人は、収まるべきところに収まった今回の完結編はかなり物足りないかも?


ストーリーは9割以上解んないって書いたけど、新劇場版は旧シリーズのパラレルワールドであり、昨今流行りの「マルチバース」を先取りしてたのだけは解ります。

「モラトリアムからの脱却」とか「親子の確執」といった、誰もが身に覚えある普遍的な葛藤をSFアクションに置き換えて描いた手法といい、こないだ観たハリウッド映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』とよく似てます。『エヴァ』の方がずっと早いけど。

というか、古今東西のあらゆるストーリーが普遍的な「人の悩み」のメタファーなんですよね、きっと。そこから外れると「中身がない」とか「ドラマがない」って言われちゃう。

だから、いくら考え抜いても結末は「成長」か「挫折」の2種類しかあり得ない。ポジティブな方を選ぶしかなかった庵野監督は、まぎれもなく大人です。



果たして自分はどうなんだろう?って考えさせられます。「孤独上等!」を連呼してた私は碇ゲンドウと同じ「究極のモラトリアム人間」かも知れません。

だけどプータローになって「人は独りじゃ生きていけない」と痛感してる今の私は、ちょっとだけ大人になれたのかも? 還暦まであと2年半だけどw

なにか?


 

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「さやかさんのパンティー」

2023-01-01 00:00:04 | アニメーション

「年末のお買い物 PART3」として載せるつもりだった記事ですが、読んで頂く頃には年が明けちゃってると思うので、いちばん伝えたいテーマをそのままタイトルにしましたw

イラストレーター、越智一裕さんの画集「スーパーロボット&ヒーロー ARTWORKS」(玄光社) です。



’22年7月に発売されてたのを私は知らなくて、通販サイトで超合金魂マジンガーZの到着日を調べてたら、関連商品として表示され、慌てて購入した次第。ホントよく出来たシステムですw

越智一裕さんはアニメーターご出身で、近年はマジンガーシリーズを中心に’70年代アニメのDVDやBlu-rayのジャケット、ボックス、ポスター等のアートワークを数多く手掛けられ、前回ご紹介した超合金魂「D.C.」シリーズや「革進」でデザイン監修もされてます。 



いわゆるアニメ絵なんだけど、前回書いた通り、昭和アニメは複数のスタジオがローテーションで作画してたもんで、登場人物やロボットの顔、プロポーション、配色まで回によって違ったりする。

つまり「これが正解!」っていうのが無いワケだけど、それを限りなく正解に近づけるというか、多くの視聴者が抱くイメージの平均値を見事に形にしてくれたのが、越智さんのイラスト。これは簡単そうに見えて実は相当難しい、強い思い入れと熟練の技あればこそのアートだろうと思います。



越智さんは私より3つ歳上で、まさにリアルタイムで’70年代アニメを観て育った世代。だから当時の視聴者=我々が、番組のどういう場面にときめいたか、どのキャラクターに思い入れがあるかを熟知されてる!

ロボットやヒーローたちの決めポーズはもちろんマスト、しかし絶対に欠かせないのがヒロインたちのボイン、そしてパンティーですよ! パンティー! パンティー! パンティー!



↑『マジンガーZ』の弓さやか。彼女のパンティーで性に目覚めた昭和男子、数知れず!



↑『グレートマジンガー』の炎ジュン。おそらく日本アニメ史上初、もしかしたら唯一無二?の褐色ヒロイン。ボインぼよよ〜ん!



↑『UFOロボ グレンダイザー』の牧葉ひかる。当時、女性ファンからバッシングされてたそうです。ようやくアニメが市民権を得てきた証拠と言えるかも?



↑『UFOロボ グレンダイザー』の第2ヒロイン、グレース・マリア・フリード。さやかさんを彷彿させる勝ち気キャラで、ひかるさんより人気ありました。



↑『ゲッターロボ』の早乙女ミチル。戦闘服に乳首をつけるセンスが凄い!



↑『鋼鉄ジーグ』の卯月美和。なぜ、わざわざミニスカートで? ありがとう!



↑『デビルマン』の牧村ミキ。ブラジャーに足の裏までありがとう!



↑『ドロロンえん魔くん』の雪子姫。ノーブラ&ノーパンで最もエッチなヒロイン。本当にありがとう!



↑もちろん如月ハニーも参戦! ここでは永井豪&ダイナミックプロ作品に絞りましたが、他にもガイキングやダンガードA、スタージンガーやキャプテンフューチャー等もラインナップされてます。



書いてる間に年明けが迫って来たので、これを2023年1発目の記事にしますw 実にこのブログらしい!

喪中につき、新年の挨拶はやめときます。私にとっても皆さんにとっても良い年になりますように!

KTさん、症状が軽くてホント良かった! 今年もよろしくです!

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『映像研~』に創作者の真実をみた!

2020-12-27 17:50:03 | アニメーション





 
2020年で私が一番ハマったエンタメ作品は、NHKで放映された30分アニメ『映像研には手を出すな!』全12話でした。

クオリティーが高い、センスがいい、これと似た作品を他に知らない、恋愛要素がいっさい無い、商売っ気を感じさせない(視聴者に媚びてない)、伊藤沙莉さんの声が素晴らしい!等々、惹かれた理由は多々あるんだけど、なんと言ってもエンタメ作品を創りだすことの面白さと難しさと、創ってる人たちの心情をこれほどリアルに描いた作品を、私はこれまで観たことがない。それに尽きると思います。

私がそこに強く惹かれる理由はもちろん、かつて自分も映像作品を創ってたからだけど、自主制作の舞台裏を描いたような作品を私はこれまで、むしろ毛嫌いしてたんですよね。

なぜなら、ちっともリアルじゃなかったから。いや、ドキュメンタリーじゃないから嘘はあっても構わないんだけど、その嘘のつき方が気に食わなかったんですね。

監督を務める主人公は大抵ナイーブでストイックな青年で、クラスのマドンナ的な女の子を撮影しながら「この輝きを永遠にぼくのフィルムに焼きつけるんだ」みたいなことをほざくワケですよw

周りのスタッフ達もみんな真剣で、作品の方向性を巡って議論したり殴り合ったりなんかして、とにかくみんな内面が二枚目なワケです。

んなヤツらはおらんやろぉーっ!!って、私は思っちゃうワケですw

私はかつて自分のチームで監督を務めただけでなく、役者として数多くのチームに参加してました(やたら色んな作品に顔を出すから『自主映画界の大杉漣』と呼ばれたりした)から、アマチュアの制作現場がどんなものか人一倍よく知ってるワケです。

若い連中の創作活動なんて、そんなカッコいいもんじゃ絶対ない。もっと下らなくて自分勝手でドロドロで、とても映画やドラマのネタに出来るようなもんじゃない。

映画やドラマで映像制作の舞台裏を描くってことはつまり、創り手が自分自身を主人公にしてるようなもんですよね? そんなつもりは無くても観る側はそう感じてしまう。

嘘をつくなよ!ってことです。自分を美化して描くほど恥ずかしいことは無いやろ!ってことです。

ところが! 『映像研~』の登場人物たちには、そういうこっ恥ずかしさがいっさい無い! みんな自分の欲望に対してのみ忠実で、友情だの絆だのと嘘臭いことは言わない!(彼女たちは仲間というより同志です)

アニメの制作過程もリアルに描かれてるけど、それより私は登場人物たちのリアルさ、生々しさがとにかく可笑しくて、いとおしくて、もちろんかつての(人生で一番輝いてたであろう時期の)自分自身を投影したりもして、とにかく居心地がよくて何でもない場面で涙が出て来ちゃう。

私と一緒に映画を創ってくれた仲間には感謝してるし、好きだけど、もし自分1人だけで創れるもんならそうしたかった。『映像研~』の主人公=浅草氏もそういうキャラクターです。

そりゃあ自主映画作家も色々ですから、中にはみんなでワイワイ騒ぐのが好きでやってるヤツもいただろうけど、そんなヤツの創った作品は絶対つまんないと私は断言しますw

だってそんなの本気じゃないし、そもそも作品創りとは出産と同じで苦しいものなんです。皆で楽しくワイワイやってて優れた作品が生み出せるワケがない! 

さらに『映像研~』が凄いのは、作品を創るための資金をどうやって調達するか、出来上がった作品をどうやって売り込むかっていう、ビジネスの部分までしっかり(しかもめっぽう面白く)描いてるところ。

私自身にはそういう才覚がまったく無かったもんで、金森氏みたいに優秀なプロデューサーと出逢えたらどんなに良かっただろう? 人生変わってたかも?って、そんなことまで考えちゃう。

そして何より私の心を震わせてくれたのは、浅草氏や水崎氏の飽くなき創作意欲! 先に書いた「自分の欲望に対してのみ忠実」っていうのは、言い換えれば「ピュア」ってことです。

とにかく描きたいものがあって、それを形にしたい欲望に突き動かされ闇雲に突っ走る。私も最初はそうでした。それがいつしか創ること自体が目的になって、その為のネタとして描くものを絞り出すという本末転倒なことになり、やがて枯渇しちゃう。

才能って、普通の人とは違った発想が出来るとか、1つの要素に飛び抜けた力を発揮するとか、そういうイメージがあるけど、実はそれより何より、創作意欲をずっと持ち続けられる事こそが、クリエイターにとって最も必要な才能なんだと、それを失った私はつくづく思い知らされました。

だから、今はそれしか無い浅草氏や水崎氏がとても眩しく見えるし、それを的確に支援してくれる金森氏みたいな存在がいることがもう、羨ましくって羨ましくって仕方がない。

どうやら『映像研~』って、クリエイター筋にすごく支持されてるみたいです。創作者にとって究極の理想郷と、真実がそこにあるからでしょう。そう、決して美化してないことが大きなポイント。

そんなワケで、創作に興味がない人には、もしかすると何も響かない作品なのかも知れません。そういう方が無理して観る必要はないと思います。けど、私みたいにかつて創作に夢中になった方、今まさにやろうとしてる方は絶対観た方がいい。

ただし、実写版の連ドラと映画は観なくて良いと思います。映画の方は観てないけど、連ドラの作者は上記に書いた『映像研~』の魅力、その肝を完全に見誤っており、原作の良さをぶち壊しちゃいました。映画版も同じスタッフみたいだから同様でしょう。

そこはやっぱり、原作のどこが良かったのかを的確に読み取り、さらにバージョンアップさせたアニメ版の監督=湯浅政明さんの「才能」でしょう。本当に羨ましい!
 
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『映像研には手を出すな!』最終回

2020-03-26 00:00:07 | アニメーション








 
ふだんアニメはほとんど観ないけど、ちょうど私がテレビを観る時間に放映されてたこと、かなり個性的な女子高生たちが主役であること、伊藤沙莉さんが声優に初挑戦されてること、そして創作をテーマにしてること等、観たくなる条件が絶妙に重なりました。

そりゃ隈無く観ていけばアニメにも面白い作品、優れた作品が沢山あるのは知ってるけど、私がこれほどハマるようなのは滅多に無い筈です。

以前ご紹介した通り、部活でアニメを創る女子高生トリオのお話で、同じアニメ製作でも朝ドラ『なつぞら』で描かれた昔ながらのセル画方式じゃなく、パソコンを使った(つまりアマチュアでも可能な)現代ならではの手法を詳細に見せてくれます。

だけどこの作品の面白さは、もっと別なところにある。その1つが、創作の「現場」だけじゃなく「制作」と「宣伝」の部分にまでスポットを当ててること。

いくら才能があっても、製作資金を調達する交渉力と、作品を世に出す宣伝力が無ければ、創作活動を継続していくことはまず不可能。そこをリアルに描いた作品って、アニメに限らず今までほとんど無かったように思います。

主人公=浅草氏はどうやら物凄い才能を秘めてるんだけど、人づき合いも人前に出るのもチョー苦手。そんな彼女がひょんな事から、守銭奴で弁の立つ金森氏と、有名な雑誌モデルなんだけど実はアニメーターになりたい水崎氏と出逢う。金森氏がプロデューサーとなって「制作」を担い、水崎氏が広告塔となって「宣伝」を担うことで「現場」に集中できるようになった浅草氏が、その才能を開花させて行く。

性格も家柄もまるで違う3人が、アニメ創りを通して絆を育んでいく青春ドラマでもあるし、おそらく将来とてつもない作品を生み出すであろう(例えば『エヴァンゲリオン』のガイナックスみたいな)チームの誕生を描いたサクセスストーリーでもある。

そして何より観てて心踊るのは、この作品が創作の難しさと苦しさ、それがあればこその楽しさを、実際に創った経験のある人にしか分からないリアルさで詳細に描いてくれてる点。(原作者の大童澄瞳さんは実際に高校の映画部でアニメを創ってらしたそうです)

最終回では、苦労に苦労を重ね、さぁ後はBGMをつければほぼ完成っていう段階で、仕上がって来た楽曲がこちらのイメージするのと全く違うものになってることが判明。納期は目前で曲を一から創り直してもらう時間は無い。一体どうすりゃいいんじゃいっ!?

ここで、浅草氏が真の才能を発揮するんですよね。そりゃあ何の制約もトラブルも無く、100%作者のイメージ通りに創れたらそれに越したことは無いけど、なかなかそうはいかないのが現実。プロであろうがアマチュアであろうが、予定通りいかなくなった時にどう対処するか、発想の転換がうまく出来るかどうか、そこが天才と凡才の分かれ道になるんだと私は思います。

そこで浅草氏がどう発想を転換させ、どのように対処したか、それをここで説明するのはあまりに面倒なので割愛しますが、出来上がった作品は明らかに、当初予定してたものよりも素晴らしくなってました。

そこが創作の面白さであり、醍醐味なんですよね! 例えば、ショーケンさんのワガママが『太陽にほえろ!』を、藤岡弘さんの大事故が『仮面ライダー』を、それぞれ結果的に爆発的ヒットへと導いたような奇跡。

例えば三谷幸喜さんが戦時中の日本を舞台に書かれた戯曲『笑の大学』では、軍からの厳しすぎる検閲により、主人公の舞台作家が本来やりたかった演劇の内容を変えなきゃいけなくなるんだけど、なぜか変えれば変えるほど前より面白くなっちゃう不思議が描かれてました。

創作の現場では、そういうことがよく起こる。勿論それは魔法でも何でもなく、他者の意見が入ることによってストーリーやキャラクターがより多面的になったり、作者自身が思いもしなかったアイデアが浮かんだりする等の、論理的な裏付けがちゃんとある。だけどそれは、誰にでも出来ることじゃない。そんな時にこそ才能が試されるワケです。

そしてもう1つ、浅草氏が物凄い才能を持ってるに違いないと、私に確信させたのがラストシーンの台詞。

徹夜続きで疲れ果てた浅草氏は、完成した作品を初めて自分で鑑賞しながら途中で眠っちゃう。一緒にいた金森氏と水崎氏は呆れながらも「ま、浅草氏がなんて言うか、聞かなくても分かるけどね」って言ってそのまま寝かしちゃう。

で、翌日。今度こそ作品を最後まで観た浅草氏は、さて何と言ったか? 私はその台詞を聞いて、思いがけず泣いちゃいました。彼女は、しれっと笑いながらこう言ったんです。

「まだまだ、改善の余地ばかりだ」

あれだけ苦労したのに! そして明らかに凄い傑作が生まれたというのに! 彼女はこれっぽっちも満足していない!

私が泣いたのは多分、そんな浅草氏が羨ましくて仕方ないから。私もかつて(アニメじゃないけど)創作活動をして、短期間ながらプロにもなって、自分に何が一番足りてないかを思い知らされたんです。

それがこの浅草氏の台詞に集約されてます。つまり、簡単には満足しない探究心と、飽くなき創作意欲。一言で言えば「情熱」です。それこそがクリエイターに最も必要な「才能」だと思うワケです。こればっかりは持とうと意識して持てるもんじゃない。

そんな浅草氏を、ウチらが全力で支えてあげるんだ!なんて、金森氏と水崎氏がこれっぽっちも思ってないのがまた良いんですよねw 金森氏はただお金を儲けることが好きだから、水崎氏は自分がアニメーターになりたいから、つまり利害が一致するから一緒にやってるだけのこと。だからこそ強いんです。

いやあ~、これは本当にハマりました。アニメ番組のBlu-ray BOXを、生まれて初めて予約しちゃいました。この作品には、私の夢が詰まってる。

4月からは実写版の連ドラが、5月にはその劇場版が公開されるそうだけど、アイドルタレント主演によるそれらがアニメ版を超えることは、まず100%無いだろうと思います。

が、それでも、創作の難しさと楽しさをリアルに描く根本のスピリットさえ外さなければ、それなりに面白い作品にはなる筈。同じ話を実写でやることでどういう部分が変わっていくか、私は楽しみにしてます。
 

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『映像研には手を出すな!』#01~#04

2020-01-31 00:00:10 | アニメーション








 
NHK総合の日曜深夜「アニメワールド」枠で放映中の30分アニメ番組。もしかすると私が今、一番ハマってる番組はこれかも知れません。大童澄瞳さんの人気コミックをアニメ化した作品で、夏には実写映画も公開されるそうです。

☆☆☆☆
高校1年生の浅草みどり(声=伊藤沙莉)は、アニメーションは「設定が命」と力説するアニメ好き。スケッチブックにアイデアを描き貯めながら、1人では行動できないとアニメ制作への一歩を踏み出せずにいた。

そんな浅草の才能に、プロデューサー気質の同級生・金森さやか(声=田村睦心)はいち早く気づいていた。さらに、同じく同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメ(声=松岡美里)が、実はアニメーター志望であることが判明。

3人は脳内にある「最強の世界」を表現すべく映像研究同好会、略して“映像研”を設立、活動を開始する。(公式ホームページより抜粋)
☆☆☆☆

アニメ制作をアニメで描く珍しい作品で、主人公たちがアニメ世界の中に入って物語や背景を構築していく、アニメならではの描き方がとても新鮮で面白いです。

彼女らが本職のアニメーターじゃなく普通の女子高生である点がミソで、かなり個性の強い三人組っていうのがまた、テレ朝の深夜ドラマ『女子高生の無駄づかい』と被ってて笑えますw

伊藤沙莉さん節が見事にハマってる主人公=浅草さんの可愛らしさもさることながら、長身でなぜかいつも歯を食いしばってて、仲間のことを「○○氏」と呼ぶ金森さんのキャラクターが最高に面白いですw

企画の立ち上げや資金調達から詳細に描かれるアニメ創りの過程は極めて現実的で、なのに映像は極めてファンタジックっていうギャップがまた、独特な世界観を生んでて一度観ればクセになります。

その面白さは文章じゃとても伝えきれないので、百聞は一見にしかず。ちょうど今週末の日曜日(2/2)午後4時15分から第1話~第4話が一挙再放送されるので、是非ご覧になってみて下さい。

アニメファンでなくても創作に興味がおありの方なら確実に楽しめるし、女子高生コメディとしても秀逸で、これは超オススメです。
 

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