４月の勤務表に自分の名前が載っていない。

アルバイト先の自分の課の課長、もう４月の勤務表を作っていた。気が早いな・・・。もちろん先を見越して人事戦略を考える意味もあるのだろうが、うちの課長はそれだけ暇なのである。

気付いたが、同然のことながら自分の名前が載っていなかった。そう、３月で自分は退職するのだ。そのことを視覚的にも今日初めて認識した。

「なんか違和感あるよね、名前がないと」

一緒に見ていた社員さんはそう言った。そりゃそうだ、３年以上も居座り続けているのだから。

でも、数えてみると出勤回数ものこりわずか。この事実を考えると、相当に悲しくなる。途方もなく悲しくなる。自分はもう、ここで仕事できないのか・・・。

まだまだ、この場所で、この仕事を、この人たちと、続けたい・・・叶わぬ願いを背負い、自分は残り少ない時間を過ごしていく。恐怖でもある。当たり前の出勤が、金輪際一切、皆無になるのだ。

そして、最近、悩む。自分はこの３年と数ヶ月の間で、会社に何をすることができたのか。お客様に何をすることができたのか。自分でしかできない接客を、目指してきたつもりだが、それがどう受け止められてきたのか。お客様の心の中に、わずかでいいから、何かしらの印象を残せれば。この想いは通じたのか。

といっても、今日は失敗の連続。自分の怠惰な案内のせいで周りに迷惑をかけたり、商品を渡し忘れたり、お客様に大きな声で不満をぶちまけられたり・・・・。