Happy-sanになろう!

Happy-sanな日々をご紹介するブログ。旅のお話もいっぱい♪

ココロの機微

2007年09月05日 | sweet & bitter story
ココロの機微




本棚を何となく開いてみると
小池真理子さんの小説が、
目にとまる。


私は小説、ことに女流作家では
小池真理子さんが、一番好きだ。

吉本ばななさんの天才的な文章能力に
圧倒されることもあるが

小池真理子さんの小説の、

吸い込まれるようなストーリーや
官能的な描写の美しさが、好きだ。

同じ官能的な表現でも

煙草をくゆらせながら、

高級な赤ワインのうんちくを語りながら
飲むような・・・

そんな品の無い表現をする女流作家とは
比べ物に、ならない。


私は久しぶりに、
休むことなく一気に読み終えた。


・・・時計は午前3時近くになっていた。











絶対、納期を守ってくれるので
ビジネス上で信頼している
クリエイターのホシノさんとは

たまに、打ち合わせのための
コーヒーを飲みながら
人生相談にのってもらうことが、ある。

というのも

ホシノさんは年上で、男性だし、
フリーで色々な人と仕事をしている人だから
幅広く、客観的なアドバイスを
してもらえるからだ。



”・・・最近、鈍感な人が、
増えているように思います・・・
人のココロの機微っていうのか、
そういうものを感じない・・・”


コーヒーを飲みながらの、
ホシノさんの言葉。

まさに 

私がココロで感じていたことだった。




人のココロの機微、
ひだまで考えている余裕がないほど
忙しい毎日。

(”忙しい”とは、心を亡くす、
と書きますよね)


・・・食べて、飲んで、笑顔で、お金がもうかればいい。

かたいこと言わずに、重いこと考えずに

楽しく行こう、軽くいこう。・・・




こういう人のほうが、元気で長生きだし
ビョーキも近づいてこない。

(先日、ナナちゃんとも
こんな話、したよね・・・)


・・・分かる。確かに、分かる。

私だって、楽しいほうが好きだし、うれしい。

どちらかといえば、Positiveだし
立ち直りが早いと人に言われるし
もちろん、Happy-san目指して
モノゴトや人を見るときは、

”Look on the bright side"

を心がけている。





でも、最近、ちょっと、感じていた。


ココロの機微ってものが、あるだろう・・・

人には、と。










私は、私の中では何に傷ついているのかを
分析し終わっているのだが、
男性の立場としての、
コメントをホシノさんに聞いてみた。


ホシノさんは楽しそうに笑いながら

”その人に、女流作家の小説を読むように
勧めてみたら、どうですか?”

と返してきた。


私は、

女流作家なら、小池真理子さんが好きだ、
と話した。


すると、


ホシノさんはまたまた楽しそうに笑いながら
自分の仕事用の鞄から、一冊の本を取り出し
カバーを外してみせる。


”・・・小池真理子・・・


私も、ホシノさんも
偶然、小池真理子さんの小説を読んでいた、
というわけ。











ココロの機微、ひだ・・というものについて
考えていた時に
偶然読んだ、小池真理子さんの小説。

またそれを読んで、
ココロの機微について感じていたホシノさん。


シンクロを感じながら、私は思った。




私は、前に向かって歩いていくのだけれど

ただ突っ走るのではなくて


”感じる人”でいたい、と思う。


”感じる”・・・


それは時には、

ネガティヴな感情を
引き起こすことがあったとしても

それを乗り越えていくところに、



人として、

魂としての、成長があるのだと、思うから。









夏の終わりの、シャンパーニュ

2007年08月28日 | sweet & bitter story
夏の終わりの、シャンパーニュ













西麻布にある、シャンパン・ブティックに行った。

最初はBarみたいなところなのかな、と
思ったら
しっかりお食事が出来て、自分のお部屋みたいな
インテリアのお店。


礼儀正しいサービスの方と
明るく、大物らしき器のオーナーシェフの方たちと

色んなおしゃべりが飛び交う中
この夏の終わりを告げるシャンパーニュ、で乾杯。









素材の味がしっかり伝わる
フレンチを頂く。

少量で、女性にも頂きやすいお料理。

もちろん、
シャンパンをより美味しくするお料理、
お料理をより美味しくするシャンパン、と

お互いがとてもいい
パートナーシップを保っている。



朝からシュークリーム1個しか
食べていなかったので
次々出されるお料理が、
とっても嬉しい







ご一緒だったナガノ先生と
オーナーシェフの方は古くからのお知り合いのようで
色々とお仕事のお話などを
なさっている間、

私は、リーデルの美しいグラスに
丁寧に注がれたシャンパーニュの泡が
うっすらと立ち上るさまに
しばし、見とれていた。




・・・・・・・・・・





シャンパーニュのゴールドの
煌きは、饒舌で、軽く
柔らかく見えるがために

つい、飲んでしまうのだけれど

しばらくして

なんとなあく、ぼんやりして

本当のことが、見えなくなってしまう。



本当のことが、見えなくなるように

大人は、お酒を飲むように、

なるのかも、しれない。

そして、上手に嘘をつくために・・・。



・・・・・・・・


と、そんなことを考えていた。











西麻布に、こんな可愛い看板をみつけたら


そこが、

今日、

夏の終わりの、シャンパーニュを頂いた、場所。








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真夏の夜の夢

2007年08月26日 | sweet & bitter story
真夏の夜の夢





私の高校時代の一番の思い出は

シェイクスピアの<真夏の夜の夢>の公演。


演劇部という枠を超えた大掛かりな公演で

イギリスの進学校である

”Christ Hospital”という学校のホールで行った。

(・・・そう、私は演劇部員でしたぁ~


私は、Peter Quinceというおどけた役だったが
ひどく長い台詞があり
よくも、シェイクスピアの(古文的な)英語を
覚えて
ずうずうしくも、イギリス人の前で演じたものだと
いまさらながら思う。

主役の妖精Puckの役は姉が演じた。
姉たちの学年は高校3年という受験生だったにも
関わらず、この演劇公演に殆ど全員が携わり

東大ストレート合格候補の3人が主役だったけれど
みんな、(この公演のせいとはいわないが)
1浪して、東大へ行った。


でも、この公演に出た思い出は
みんなにとってのココロのきら星であることは、
間違いない


満点の星空のもとで
ダンスや演劇の練習にあけくれたあの16才の夏。

私の青春の大切な、思い出。







B86 オベロン





この涼しげなクリア&ターコイズのボトルの
名前は<オベロン>。

オベロンはシェイクスピアの真夏の夜の夢に
出てくる妖精の王様の名前。

このボトルは

夢などを通して潜在意識とつながり、
過去の知恵をいきいきと人に伝えることが
出来る人が、選ぶボトル。

オベロンは、自分の感情とつながり
ブロックを取り除いて
ハートがオープンになるのを助けてくれる。


この日差しが照りつける夏には
オベロンのクリア&ターコイズのボトルに
魅かれてしまう。










私は昨夜、真夏の夜の夢をみた。


甘くて、優しい、夢だった。


クリーム色の半月より太ったお月様が
何重にもやわらかい雲につつまれて
光っていた・・・。


その夢は、

16歳の夏に演じたシェイクスピアの
真夏の夜の夢のお話と同じく

現実なのか、

夢をみているのか、

わからないような、不思議な夢・・・











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Kevin君の、クイズ

2007年06月06日 | sweet & bitter story
Kevin君の、クイズ






Kevin君と私は、いつも横浜駅で待ち合わせをした。

当時、代官山に住んでいた私と、
茅ヶ崎に住んでいたKevin君の中間地点だった。

今でも、横浜駅に降り立つと
少し、胸がキュン、となったり、する。





大学2年生の、時。

横浜駅ビルの屋上庭園を二人で散歩していると、
Kevin君からクイズが出された。




”オマエに、クイズ。

世界にはさ、すっごい金持ちがいるだろ。

と同時にさ、

家も無く、食べるものも無いような貧しい人もいるだろ。

でも、神様が全ての人に共通に与えているものが、あるんだ。

・・・それは、何だと思う













先週、友達に聞かれた。


”ねえ、何でそんなに忙しいの?”


・・・目を閉じて、その質問に答えようと、するが
上手く説明出来ない。




よほど自分で、”空(KU)”の時間を
意を決してとらないかぎり、

日常化された、たたみかけるような
スケジュールをこなす日々。



仕事や家のこと、子供のこと、
そして、
自分のこと・・・。



時々、いっぱい いっぱいになっていると感じると、

このKevin君からの、クイズを思い出す。













貴方は、もう、答え、分かりましたか?








”時間、だよ。


時間は、世界中、どんな人にも平等に、
1日24時間与えられているんだ。

その与えられた24時間を、
どう使っていくか、が

その人の人生をかたち作っていくんだ。”






同じ年なのに、
いつもこんなふうに、私に何かを教えてくれる人だった。



驚異的な時間の使い方をしたのだろう。

Kevin君は大学卒業後、
商社マンとして、世界を駆け巡りながら

パイロットになる勉強をはじめて、
試験に何度かトライして、
そして、パイロットになった。

今は、アメリカの空を飛んでいる。






時を刻み続ける・・・





今、こうしていても

確実に時は刻まれている・・・


今日、精一杯やれたのかな。

自分に無理なく、
他人に無茶なく、

”その時””この時”を過ごせたのかな。


過ぎていく時間の中で
自分を見失うことが、ありませんように。


”時間に追われている”と感じてしまうとき、
Kevin君のクイズは私を救ってくれる。



世界中、全ての人に共通に与えられた
神様からの贈り物。


”この時”



を大切に生きていこう











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バウムクーヘン Lover

2007年04月22日 | sweet & bitter story
バウムクーヘン Lover



スターバックスのレジ横や
プロント、そして
コンビニでも、

必ずバウムクーヘンが置いてある。


・・・ということは、

私のような、バウムクーヘンLoverが
結構いる、ということだろうか。




バウムクーヘン



殆ど、私の昼食はバウムクーヘン1個と水である。

水は、このブログでご紹介した
朝摘みローズ天然水だったり、
Contolexだったり、

いずれもそれにエッセンスを入れて飲む。


食の仕事をしていると

”毎日豪華なランチが食べられていいですね

なんて言われるが、とんでもない。

よほど、皆さんのほうが
ランチをご堪能していらっしゃる。


まず、ランチタイムは忙しいのだ。



時々、仕事やお付き合いでランチ、というのをするけれど
午後の仕事がどうもすすまない。
のんびりしたくなってしまうのだ。



だから私は、ランチタイムが忙しくなる前の

丁度、午前中のTEA TIME(お十時というの?)に
バウムクーヘンを頂く。




あなたの好きなスイーツは?





私にはとっても素敵なお友達がいて、
私がバウムクーヘン Loverだと知ると

時々 日本橋三越B1Fにある
”クラブ ハリエ”のバウムクーヘンを届けてくださる。

このクラブ ハリエは、いつも大行列の出来る
バウムクーヘン屋さんで、

時々日本橋三越に行くとのぞいてみるがいつも長い行列。

私は何か買うのでも
何か食べるのでも、行列はパス。

そうやって並んでまでも
私にクラブハリエのバウムを差し入れてくださる
大切なお友達に感謝




もう一軒、学芸大学のマッターホーンという
お店のバウムクーヘンが美味しい、というのを聞いて

”食べたい、食べたい

とオフィスで、騒いでみた。


そうすると、翌朝、デスクの上に

マッターホーンのバウムクーヘンが・・・・。


そう、こうして私は素敵な方々に囲まれて仕事をし、
おまけにバウムクーヘンまで差し入れていただいているのだ。







樹木の年輪のように、
ふわふわの生地が幾重にも幾重にも重なる。

すこしづつ、それを頂く。

一度にガバッと食べるお菓子ではないので
ゆっくりと少しづつ頂けるので
満足感も・・・。


食べ物には、”マイブーム”というのが
あるようなので、
このバウムクーヘン Loverもいつかは
終止符が打たれるのだろうか・・・?



・・・本当はグルメでなくてはいけない私の、
質素なランチタイムの、お話。















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バレンタインデーいかが過ごされましたか?

2007年02月18日 | sweet & bitter story
バレンタインデーいかが過ごされましたか?



今日、Queen's Isetanに週末恒例の
買出しに出かけると

今度はもう、”White Day"にむけての
キャンディーやクッキーやチョコレートの
コーナーが大きく作られている

その前で、何人かの男性が立ち止まっていた。

女性がチョコを買う姿もいいけれど、
男性がお返しを探している姿もなかなか
微笑ましくて、Happyな気分になる





ホワイトデーには、こんな優しい春の花もいいかも。



~本命か、義理か~

ということが重要かもしれないけれど

チョコを選んだり、あげたりするということは

”今の自分にとって、貴方がいてくれて、嬉しい。”ということ。


恋人だけでなくても、友達でも、職場の人でも。

私が今いるのは、あなたの”おかげ”。
思い、思われ、行動になり、形になっていく。
毎日って、
そういうふうに流れていっているって
思いませんか?


それを確認出来るのが、
私の中のバレンタインデー。


でも・・・

毎年、密かに本命をつくる、というのもいいかも。

その人にだけは、チョコ プラス α・・・

その”プラス α ”を何にするのかを
考えるのも楽しい

どうやって渡すかを考えるのも、楽しい

ワクワクしているときは

どうやら ”魂”が喜んでいる時らしい。

だから、そんな魂が喜ぶ作業を
バレンタインデーにしてみるのも、いいかも。


・・・で、今年の ”プラス α ”は
渡せたかって???



答えは、

何を渡したかは、内緒だけど、ね。
ホントに、ちょこっとしたおまけをつけました







*今週のgooのお題
”バレンタインデーはいかが過ごしましたか?”に
よせて、書いてみました*








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Kevin君のテーブルマナー

2007年02月12日 | sweet & bitter story
Kevin君のテーブルマナー





私は、職業柄
超有名なホテルのシェフやレストランのオーナーたちと
食事をする機会がある。

フランス帰り、というようなすこし
Snobbyなレストランのマネジャーとかは
そんなことないのだが、

わりと年配の方々は、マナーをご存じない方が多い。

例えば、トゥールダルジャンで会食の時、
そのテーブルでどんな話題になったか。


”自分の家の猫のキャットフードについて”

である。 

あのゴージャスな雰囲気で、一流のサービスをうけながら、
キャットフードの中味についてが
話題だったりするのだ。

もしくは、

”古女房”の愚痴だったり

ひどいのは、相手のお店を揶揄し始めるシェフもいる。



私のあくまで、個人的な考え方だが、
食事というのは、
”味”そのものを楽しむだけのものではない。

だから、あんまりしつこく 

”~産の~畑の~さんの作った~”と薀蓄を
並べられても、(確かに味は良いのだけれど)
モソモソとそれを食するより、

楽しくお話出来る人と食べる一皿は
たとえそれが、特別なシェフの料理でなくても、
何にもかえられない、美味しい一皿に感じたりする。


会話と、心地よさ。
五感全部で感じられるお料理が最高。



空間全てで、美味しさが決まる






昨年のクリスマス時期の会食会でのこと。

その時も私はとても有名なシェフの隣だった。
8人の丸テーブルだったけれど、
自分の前にお皿が置かれると
間髪いれずに食べ始める。

・・もう少し、まわりの人のお皿がそろうまで
待てばいいのになあ・・・

その会が終わりの頃のスピーチで
こんなことが話された。

”・・・皆さん、どうやら本来のテーブルマナーでは
ご婦人が食べ始めるまでは、食べだしてはいけないそうですぞ。”


へぇ~
はぁ~
そうなんですかぁ・・・

口々に驚いたような声をあげる。
さらに、

”そして、ご婦人が食べ終わるまで
自分は食べ終わってはいけないそうですぞ。”


へぇ~
そりゃ、初めて聞きますなぁ・・・
大変ですなぁ・・・



それを聞いて、ある1人の同級生を思い出した。 

Kevin君だ。
(日本人なのだけど、自分で自分のことKevinというので)
彼は、若干13歳で、完璧なまでに
そのマナーをこなしていた、Gentleman。



皆、そろってから・・・。





私は、中高時代をイギリスにある寮生活の学校で過ごした。
食事の時間は、
強制的に先生が独断で決める”食事の席”で3食いただく。

この食事の席は、小5から高3の男女がバラバラに
配置されて、1学期間変えられない。

楽しい人や好きな人が隣や周りにいれば
毎食すごく楽しいし、

陰気な人や意地悪な人が隣や周りにいれば
毎食地獄となる。

テーブルは18人テーブル。
お祈りの後、一斉に食べ始める。

当然、高校生の男子は早く食べ終わり
低学年の女子が遅くなってしまう。
でも、テーブル18人、
さらに、ダイニング全員が食べ終わらないと
食事の時間は終わらない。

少しでも、食事を早く終わらせて
自由時間を楽しみたい。

”早くしろよ。”そういう目で見られる中で
最後まで食べている人は
食べなくてはならない。

食べるのが遅い人には、すごく
プレッシャーがかかる、食事の時間だ。


Kevin君は、当然男性なので、食べるのは早い。

でも、必ず、一口お皿に残して
フォークとナイフを休ませておく。

同じテーブルの一番最後になってしまった
女の子がやっと食べ終わるのを見届けると、
Kevin君は、残しておいた一口を食べる。

そう、女の子が”一番最後”になるのを
かばって、自分が一番最後になってあげるのだ。

中学1年の時だから、
若干13歳で、彼はこんなことが出来るGentlemanだった。




心も、豊かになる食卓を。





日本人の食卓は、本当に贅沢だ。

世界中の美味しいものが
ほんの少ししか採れない貴重なものが

すこし背伸びをすれば、食することが出来る。

だから、みんなグルメだし
食べ歩きが趣味という人もいっぱいいる。

予約がとれないレストランもいっぱいあるし、
どんどん色々なお店がオープンする。

でもここで私たちはそろそろ、
”食べる”ことそのものへの関心よりも
”食文化”みたいな流れに
シフトしていっても良いのではないのかな、と思う。


”食”に携わる仕事をしている私たちから発信しなければ。












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嗅覚・・・。

2007年02月09日 | sweet & bitter story
 嗅覚・・・。



”心理テストね。

貴女が結婚したい男性に
3つの絶対条件、絶対ハズせないものは何


ヨーコさんが突然聞いてくる。
とっさに私は、

1.健康  2.心がよいこと  3.尊敬できること

をあげた。

するとヨーコさんが続ける。


”その3つの条件がそろった人が
100人いるとします。
その中から、たった1人を決めるとすると
それは、何で決めますか?”


・・・100人の中から、1人・・・

貴女はどうやって、決める? 




”・・・・う~ん、嗅覚。”


私は自分でも思っていなかったような答えを
口にしていた。 ・・・嗅覚・・・。



”それが、本当の貴女の決め手なんだって
と、ヨーコさん。




嗅覚・・・。



そういえば、たった一度、
その人の香りに、恋をした、
ということがあった・・・。




香りの、遠い記憶



私は、煙草が大嫌い。
父も、煙草が大嫌い。
当然、母も嫌いだったし、姉も。

個性が強いファミリーだが
”嫌煙”というところだけは一致していたように、思う。

”灰皿”が無い家・・・とまで人に言われたことがある。

そして、どういうわけか
私の周りには煙草をすう人がいなかった。

仲のいいボーイフレンド達も、誰もすわない。
おつきあいしたことのある人も、誰もすわない。
高校の同窓会とかでも、誰もすわない。

会社の人は別だけれどね。

おろしたてのお洋服を着ていったレストランで
隣のテーブルから煙草の煙が流れてきたりしたら、
もう、すぐにクリーニングに出すほど
その臭いが嫌いだった。


・・・たった一人の人の煙草の香り以外は・・・



すごいヘビースモーカーだった。

”私は、煙草すう人、好きじゃないのよ。”

そう言っても、知らんぷりですい続ける。

あっという間に灰皿が山になるほど、すう。


レストランやバーで

”禁煙と喫煙、どちらになさいますか?”

と聞かれ、当たり前のように
禁煙席に向かおうとすると、

勝手に喫煙席に座ってしまうような、
マナーの悪い人だった。


そんなに、煙草をすうのに、

不思議なことに、彼からは
煙草の臭いが全然しないのだった。

話をしていても、
隣に座っていても、
・・・もうちょこっと近づいても・・・。



それだけではない。

苦いような、甘いような
ウィスキーのような、ジンのような
いい人のような、危険な人のような

そんな香りが、した。

いつも、その香りで、恋におちた。



どんな香りの記憶がある?


その人がいつも車に積んでいた
Vixenの双眼鏡がある。

その双眼鏡はしっかりとした
皮のBOXに入っている。

それを、頂いた。


その箱からは、かすかに
その人がすっていた煙草の臭いがする。

はじめて、煙草の臭いから
甘い気持ちになった。


そして、その人もまた私に聞いた。

”・・・いい香りだね。何をつけてるの?・・・”

”・・・Happy・・・。” と答える。


きっと、その人は私のことを忘れていても
どこかで”Happy”の香りを嗅ぐと
私を思い出すかも、しれない。


人は、色々なものを頼りに
記憶を呼び起こす。

あの頃聴いていた曲、を聴けば
まざまざと、あの頃が浮かんでくる。

あの時見た映画、を見れば
一緒に見に行った人やその時の会話を思い出す。

あの時美味しかったもの、を食べれば
嬉しかったあの時を懐かしく思う。


煙草の、私にとって
甘いような、苦いような香りは
あの恋を辿るたったひとつの記憶の鍵。





”嗅覚で人を好きになるなんて、動物的

そう思った貴方。

貴方だって、嗅覚を使っているハズ。

好きな人の香り、嫌いじゃないはず。
パートナーの香り、嫌いじゃないはず。
自分の大切な人の香り、嫌いじゃないはず。



人は五感をいっぱい使っていくうちに、
やがて第六感も研ぎ澄まされてくるという。



心理テストで出た結果で思い出した

遠い日の、嗅覚で落ちた”恋”の話。











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