法律の周辺

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半年で初の400万人台を記録した外国人観光客について

2008-07-28 22:10:28 | Weblog
1―6月の訪日外国人,初の400万人台に 政府観光局 NIKKEI NET

 2008年1~6月に日本を訪れた外国人は約433万人とか。
この点,昨年6月に策定された「観光立国推進基本計画」には,「観光立国の実現のための基本的な目標」として,「訪日外国人旅行者数を平成22年までに1,000万人にすることを目標とし,将来的には,日本人の海外旅行者数と同程度にすることを目指す。」とある。記事には,初の400万人台とあるが,目標達成には未だ少し開きがあるようだ。
この数値,日本政府観光局(JNTO)(正式名「独立行政法人国際観光振興機構」)の発表によるものだが,上記基本計画の「国際観光の振興」には,この団体に関し,次のようにある。

(独立行政法人国際観光振興機構の活動の充実)
独立行政法人国際観光振興機構は,外国人観光客の来訪促進の中核を担う我が国の政府観光局である。このため,観光宣伝活動や国際会議誘致活動の拠点となる海外観光宣伝事務所の積極的な活用とその活動の充実を図る。


本年10月1日には国交省の外局として観光庁が置かれる。観光庁の任務に関しては,改正国土交通省設置法第43条に「観光庁は,観光立国の実現に向けて,魅力ある観光地の形成,国際観光の振興その他の観光に関する事務を行うことを任務とする。」とある。
観光立国実現を効率よく進めるには,観光庁と日本政府観光局(JNTO)との役割分担を明確にする必要がある。このあたり,「観光立国推進基本計画」にもなにがしか盛り込むことになるのでは。

最後になったが,このところ,国・地域別で来邦者が一番多い韓国との関係が芳しくない。7~12月の数値,どうなるかは不透明だ。

国交省 観光立国推進基本計画について

日本政府観光局(JNTO)

西日本新聞 外国人連泊,横手市トップ 国交省旅行統計調査

釜山市,本県への中高生派遣を中止 竹島記述問題で反発 - さきがけ on the Web


観光立国推進基本法の関連条文

 観光基本法(昭和三十八年法律第百七号)の全部を改正する。観光は,国際平和と国民生活の安定を象徴するものであって,その持続的な発展は,恒久の平和と国際社会の相互理解の増進を念願し,健康で文化的な生活を享受しようとする我らの理想とするところである。また,観光は,地域経済の活性化,雇用の機会の増大等国民経済のあらゆる領域にわたりその発展に寄与するとともに,健康の増進,潤いのある豊かな生活環境の創造等を通じて国民生活の安定向上に貢献するものであることに加え,国際相互理解を増進するものである。我らは,このような使命を有する観光が,今後,我が国において世界に例を見ない水準の少子高齢社会の到来と本格的な国際交流の進展が見込まれる中で,地域における創意工夫を生かした主体的な取組を尊重しつつ,地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の実現を促進し,我が国固有の文化,歴史等に関する理解を深めるものとしてその意義を一層高めるとともに,豊かな国民生活の実現と国際社会における名誉ある地位の確立に極めて重要な役割を担っていくものと確信する。しかるに,現状をみるに,観光がその使命を果たすことができる観光立国の実現に向けた環境の整備は,いまだ不十分な状態である。また,国民のゆとりと安らぎを求める志向の高まり等を背景とした観光旅行者の需要の高度化,少人数による観光旅行の増加等観光旅行の形態の多様化,観光分野における国際競争の一層の激化等の近年の観光をめぐる諸情勢の著しい変化への的確な対応は,十分に行われていない。これに加え,我が国を来訪する外国人観光旅客数等の状況も,国際社会において我が国の占める地位にふさわしいものとはなっていない。これらに適切に対処し,地域において国際競争力の高い魅力ある観光地を形成するとともに,観光産業の国際競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成,国際観光の振興を図ること等により,観光立国を実現することは,二十一世紀の我が国経済社会の発展のために不可欠な重要課題である。ここに,観光立国の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため,この法律を制定する。

(目的)
第一条  この法律は,二十一世紀の我が国経済社会の発展のために観光立国を実現することが極めて重要であることにかんがみ,観光立国の実現に関する施策に関し,基本理念を定め,並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに,観光立国の実現に関する施策の基本となる事項を定めることにより,観光立国の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって国民経済の発展,国民生活の安定向上及び国際相互理解の増進に寄与することを目的とする。

(施策の基本理念)
第二条  観光立国の実現に関する施策は,地域における創意工夫を生かした主体的な取組を尊重しつつ,地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の持続可能な発展を通じて国内外からの観光旅行を促進することが,将来にわたる豊かな国民生活の実現のため特に重要であるという認識の下に講ぜられなければならない。
2  観光立国の実現に関する施策は,観光が健康的でゆとりのある生活を実現する上で果たす役割の重要性にかんがみ,国民の観光旅行の促進が図られるよう講ぜられなければならない。
3  観光立国の実現に関する施策は,観光が国際相互理解の増進とこれを通じた国際平和のために果たす役割の重要性にかんがみ,国際的視点に立って講ぜられなければならない。
4  観光立国の実現に関する施策を講ずるに当たっては,観光産業が,多様な事業の分野における特色ある事業活動から構成され,多様な就業の機会を提供すること等により我が国及び地域の経済社会において重要な役割を担っていることにかんがみ,国,地方公共団体,住民,事業者等による相互の連携が確保されるよう配慮されなければならない。

(国の責務)
第三条  国は,前条の施策の基本理念(次条第一項において「基本理念」という。)にのっとり,観光立国の実現に関する施策を総合的に策定し,及び実施する責務を有する。

(地方公共団体の責務)
第四条  地方公共団体は,基本理念にのっとり,観光立国の実現に関し,国との適切な役割分担を踏まえて,自主的かつ主体的に,その地方公共団体の区域の特性を生かした施策を策定し,及び実施する責務を有する。
2  地方公共団体は,前項の施策を実施するに当たっては,その効果的な実施を図るため地方公共団体相互の広域的な連携協力に努めなければならない。

(住民の役割)
第五条  住民は,観光立国の意義に対する理解を深め,魅力ある観光地の形成に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。

(観光事業者の努力)
第六条  観光に関する事業(第十六条において「観光事業」という。)を営む者(以下「観光事業者」という。)は,その事業活動を行うに際しては,住民の福祉に配慮するとともに,観光立国の実現に主体的に取り組むよう努めるものとする。

(法制上の措置等)
第七条  政府は,観光立国の実現に関する施策を実施するため必要な法制上,財政上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない。

(年次報告等)
第八条  政府は,毎年,国会に,観光の状況及び政府が観光立国の実現に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。
2  政府は,毎年,交通政策審議会の意見を聴いて,前項の報告に係る観光の状況を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し,これを国会に提出しなければならない。

(観光立国推進基本計画の策定等)
第十条  政府は,観光立国の実現に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,観光立国の実現に関する基本的な計画(以下「観光立国推進基本計画」という。)を定めなければならない。
2  観光立国推進基本計画は,次に掲げる事項について定めるものとする。
一  観光立国の実現に関する施策についての基本的な方針
二  観光立国の実現に関する目標
三  観光立国の実現に関し,政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策
四  前三号に掲げるもののほか,観光立国の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3  国土交通大臣は,交通政策審議会の意見を聴いて,観光立国推進基本計画の案を作成し,閣議の決定を求めなければならない。
4  国土交通大臣は,前項の規定による閣議の決定があったときは,遅滞なく,観光立国推進基本計画を国会に報告するとともに,公表しなければならない。
5  前二項の規定は,観光立国推進基本計画の変更について準用する。

(観光立国推進基本計画と国の他の計画との関係)
第十一条  観光立国推進基本計画以外の国の計画は,観光立国の実現に関しては,観光立国推進基本計画を基本とするものとする。

(国際競争力の高い魅力ある観光地の形成)
第十二条  国は,国際競争力の高い魅力ある観光地の形成を図るため,地方公共団体と観光事業者その他の関係者との連携による観光地の特性を生かした良質なサービスの提供の確保並びに宿泊施設,食事施設,案内施設その他の旅行に関連する施設(以下「旅行関連施設」という。)及び公共施設の整備等に必要な施策を講ずるものとする。

(観光資源の活用による地域の特性を生かした魅力ある観光地の形成)
第十三条  国は,観光資源の活用による地域の特性を生かした魅力ある観光地の形成を図るため,史跡,名勝,天然記念物等の文化財,歴史的風土,優れた自然の風景地,良好な景観,温泉その他文化,産業等に関する観光資源の保護,育成及び開発に必要な施策を講ずるものとする。

(観光旅行者の来訪の促進に必要な交通施設の総合的な整備)
第十四条  国は,観光旅行者の国際競争力の高い魅力ある観光地への来訪の促進に必要な交通施設の総合的な整備を図るため,国際交通機関及びこれに関連する施設並びに国際競争力の高い魅力ある観光地及びその観光地間を連絡する経路における空港,港湾,鉄道,道路,駐車場,旅客船その他の観光の基盤となる交通施設の整備等に必要な施策を講ずるものとする。

(観光産業の国際競争力の強化)
第十五条  国は,観光産業の国際競争力の強化を図るため,観光事業者相互の有機的な連携の推進,観光旅行者の需要の高度化及び観光旅行の形態の多様化に対応したサービスの提供の確保等に必要な施策を講ずるものとする。

(観光の振興に寄与する人材の育成)
第十六条  国は,観光の振興に寄与する人材の育成を図るため,観光地及び観光産業の国際競争力の強化に資する高等教育の充実,観光事業に従事する者の知識及び能力の向上,地域の固有の文化,歴史等に関する知識の普及の促進等に必要な施策を講ずるものとする。

(外国人観光旅客の来訪の促進)
第十七条  国は,外国人観光旅客の来訪の促進を図るため,我が国の伝統,文化等を生かした海外における観光宣伝活動の重点的かつ効果的な実施,国内における交通,宿泊その他の観光旅行に要する費用に関する情報の提供,国際会議その他の国際的な規模で開催される行事の誘致の促進,外国人観光旅客の出入国に関する措置の改善,通訳案内のサービスの向上その他の外国人観光旅客の受入れの体制の確保等に必要な施策を講ずるものとする。

(国際相互交流の促進)
第十八条  国は,観光分野における国際相互交流の促進を図るため,外国政府との協力の推進,我が国と外国との間における地域間の交流の促進,青少年による国際交流の促進等に必要な施策を講ずるものとする。

(観光に関する統計の整備)
第二十五条  国は,観光立国の実現に関する施策の策定及び実施に資するため,観光旅行に係る消費の状況に関する統計,観光旅行者の宿泊の状況に関する統計その他の観光に関する統計の整備に必要な施策を講ずるものとする。

改正国土交通省設置法(未施行)の関連条文

第四十一条 国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて,国土交通省に,次の外局を置く。
観光庁
気象庁
2 前項に定めるもののほか,国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて国土交通省に置かれる外局は,次のとおりとする。
運輸安全委員会
海上保安庁

(長官)
第四十二条 観光庁の長は,観光庁長官とする。

(任務)
第四十三条 観光庁は,観光立国の実現に向けて,魅力ある観光地の形成,国際観光の振興その他の観光に関する事務を行うことを任務とする。

(所掌事務)
第四十四条 観光庁は,前条の任務を達成するため,第四条第二十一号から第二十三号まで,第百二十五号及び第百二十八号に掲げる事務をつかさどる。

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