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社会福祉法人の合併等の推進について

2008-02-16 19:44:33 | Weblog
時事ドットコム 社会福祉法人の合併推進=都道府県に協議会,経営効率化で-厚労省

 記事には,厚労省は,社会福祉法人の合併等を推進する方針を決めた,とある。
社会福祉法第48条には「社会福祉法人は,他の社会福祉法人と合併することができる。」とある。この規定だけからはなおはっきりしないが,社会福祉法上,社会福祉法人は社会福祉法人以外の法人などとの合併は想定されていないようだ。確かに,事業内容からすれば,営利法人などとの合併には問題がありそうだ。
因みに,社会福祉法人も収益事業をおこなうことはできるが,社会福祉法第26条第1項には「その経営する社会福祉事業に支障がない限り」とある。
また,その公共性に鑑み,社会福祉法人が定款の事業目的に「その他法人の目的達成のために必要な事業」を盛り込むことは適当ではないとされている。

厚労省 社会福祉事業と社会福祉法人制度


社会福祉法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,社会福祉を目的とする事業の全分野における共通的基本事項を定め,社会福祉を目的とする他の法律と相まつて,福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉(以下「地域福祉」という。)の推進を図るとともに,社会福祉事業の公明かつ適正な実施の確保及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図り,もつて社会福祉の増進に資することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「社会福祉事業」とは,第一種社会福祉事業及び第二種社会福祉事業をいう。
2  次に掲げる事業を第一種社会福祉事業とする。
一  生活保護法 (昭和二十五年法律第百四十四号)に規定する救護施設,更生施設その他生計困難者を無料又は低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的とする施設を経営する事業及び生計困難者に対して助葬を行う事業
二  児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)に規定する乳児院,母子生活支援施設,児童養護施設,知的障害児施設,知的障害児通園施設,盲ろうあ児施設,肢体不自由児施設,重症心身障害児施設,情緒障害児短期治療施設又は児童自立支援施設を経営する事業
三  老人福祉法 (昭和三十八年法律第百三十三号)に規定する養護老人ホーム,特別養護老人ホーム又は軽費老人ホームを経営する事業
三の二  障害者自立支援法 (平成十七年法律第百二十三号)に規定する障害者支援施設を経営する事業
四  障害者自立支援法 附則第四十一条第一項 の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同項 に規定する身体障害者更生援護施設を経営する事業
五  障害者自立支援法 附則第五十八条第一項 の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同項 に規定する知的障害者援護施設を経営する事業
六  売春防止法 (昭和三十一年法律第百十八号)に規定する婦人保護施設を経営する事業
七  授産施設を経営する事業及び生計困難者に対して無利子又は低利で資金を融通する事業
3  次に掲げる事業を第二種社会福祉事業とする。
一  生計困難者に対して,その住居で衣食その他日常の生活必需品若しくはこれに要する金銭を与え,又は生活に関する相談に応ずる事業
二  児童福祉法 に規定する児童自立生活援助事業,放課後児童健全育成事業又は子育て短期支援事業,同法 に規定する助産施設,保育所,児童厚生施設又は児童家庭支援センターを経営する事業及び児童の福祉の増進について相談に応ずる事業
三  母子及び寡婦福祉法 (昭和三十九年法律第百二十九号)に規定する母子家庭等日常生活支援事業又は寡婦日常生活支援事業及び同法 に規定する母子福祉施設を経営する事業
四  老人福祉法 に規定する老人居宅介護等事業,老人デイサービス事業,老人短期入所事業,小規模多機能型居宅介護事業又は認知症対応型老人共同生活援助事業及び同法 に規定する老人デイサービスセンター,老人短期入所施設,老人福祉センター又は老人介護支援センターを経営する事業
四の二  障害者自立支援法 に規定する障害福祉サービス事業,相談支援事業又は移動支援事業及び同法 に規定する地域活動支援センター又は福祉ホームを経営する事業
五  身体障害者福祉法 (昭和二十四年法律第二百八十三号)に規定する身体障害者生活訓練等事業,手話通訳事業又は介助犬訓練事業若しくは聴導犬訓練事業,同法 に規定する身体障害者福祉センター,補装具製作施設,盲導犬訓練施設又は視聴覚障害者情報提供施設を経営する事業及び身体障害者の更生相談に応ずる事業
六  知的障害者福祉法 (昭和三十五年法律第三十七号)に規定する知的障害者の更生相談に応ずる事業
七  障害者自立支援法 附則第四十八条 の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同条 に規定する精神障害者社会復帰施設を経営する事業
八  生計困難者のために,無料又は低額な料金で,簡易住宅を貸し付け,又は宿泊所その他の施設を利用させる事業
九  生計困難者のために,無料又は低額な料金で診療を行う事業
十  生計困難者に対して,無料又は低額な費用で介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)に規定する介護老人保健施設を利用させる事業
十一  隣保事業(隣保館等の施設を設け,無料又は低額な料金でこれを利用させることその他その近隣地域における住民の生活の改善及び向上を図るための各種の事業を行うものをいう。)
十二  福祉サービス利用援助事業(精神上の理由により日常生活を営むのに支障がある者に対して,無料又は低額な料金で,福祉サービス(前項各号及び前各号の事業において提供されるものに限る。以下この号において同じ。)の利用に関し相談に応じ,及び助言を行い,並びに福祉サービスの提供を受けるために必要な手続又は福祉サービスの利用に要する費用の支払に関する便宜を供与することその他の福祉サービスの適切な利用のための一連の援助を一体的に行う事業をいう。)
十三  前項各号及び前各号の事業に関する連絡又は助成を行う事業
4  この法律における「社会福祉事業」には,次に掲げる事業は,含まれないものとする。
一  更生保護事業法 (平成七年法律第八十六号)に規定する更生保護事業(以下「更生保護事業」という。)
二  実施期間が六月(前項第十三号に掲げる事業にあつては,三月)を超えない事業
三  社団又は組合の行う事業であつて,社員又は組合員のためにするもの
四  第二項各号及び前項第一号から第九号までに掲げる事業であつて,常時保護を受ける者が,入所させて保護を行うものにあつては五人,その他のものにあつては二十人(政令で定めるものにあつては,十人)に満たないもの
五  前項第十三号に掲げる事業のうち,社会福祉事業の助成を行うものであつて,助成の金額が毎年度五百万円に満たないもの又は助成を受ける社会福祉事業の数が毎年度五十に満たないもの

(福祉サービスの基本的理念)
第三条  福祉サービスは,個人の尊厳の保持を旨とし,その内容は,福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され,又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして,良質かつ適切なものでなければならない。

(地域福祉の推進)
第四条  地域住民,社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者は,相互に協力し,福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み,社会,経済,文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるように,地域福祉の推進に努めなければならない。

(福祉サービスの提供の原則)
第五条  社会福祉を目的とする事業を経営する者は,その提供する多様な福祉サービスについて,利用者の意向を十分に尊重し,かつ,保健医療サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図るよう創意工夫を行いつつ,これを総合的に提供することができるようにその事業の実施に努めなければならない。

(福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び地方公共団体の責務)
第六条  国及び地方公共団体は,社会福祉を目的とする事業を経営する者と協力して,社会福祉を目的とする事業の広範かつ計画的な実施が図られるよう,福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策,福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。

(経営の原則)
第二十四条  社会福祉法人は,社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実,効果的かつ適正に行うため,自主的にその経営基盤の強化を図るとともに,その提供する福祉サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図らなければならない。

(公益事業及び収益事業)
第二十六条  社会福祉法人は,その経営する社会福祉事業に支障がない限り,公益を目的とする事業(以下「公益事業」という。)又はその収益を社会福祉事業若しくは公益事業(第二条第四項第四号に掲げる事業その他の政令で定めるものに限る。第五十七条第二号において同じ。)の経営に充てることを目的とする事業(以下「収益事業」という。)を行うことができる。
2  公益事業又は収益事業に関する会計は,それぞれ当該社会福祉法人の行う社会福祉事業に関する会計から区分し,特別の会計として経理しなければならない。

(所轄庁)
第三十条  社会福祉法人の所轄庁は,都道府県知事とする。ただし,次の各号に掲げる社会福祉法人の所轄庁は,当該各号に定める者とする。
一  主たる事務所が指定都市の区域内にある社会福祉法人であつてその行う事業が当該指定都市の区域を越えないもの及び第百九条第二項に規定する地区社会福祉協議会である社会福祉法人指定都市の長
二  主たる事務所が中核市の区域内にある社会福祉法人であつてその行う事業が当該中核市の区域を越えないもの中核市の長
2  社会福祉法人でその行う事業が二以上の都道府県の区域にわたるものにあつては,その所轄庁は,前項本文の規定にかかわらず,厚生労働大臣とする。

(申請)
第三十一条  社会福祉法人を設立しようとする者は,定款をもつて少なくとも次に掲げる事項を定め,厚生労働省令で定める手続に従い,当該定款について所轄庁の認可を受けなければならない。
一  目的
二  名称
三  社会福祉事業の種類
四  事務所の所在地
五  役員に関する事項
六  会議に関する事項
七  資産に関する事項
八  会計に関する事項
九  評議員会を置く場合には,これに関する事項
十  公益事業を行う場合には,その種類
十一  収益事業を行う場合には,その種類
十二  解散に関する事項
十三  定款の変更に関する事項
十四  公告の方法
2  設立当初の役員は,定款で定めなければならない。
3  第一項第十二号に掲げる事項中に,残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には,その者は,社会福祉法人その他社会福祉事業を行う者のうちから選定されるようにしなければならない。
4  前条第二項の社会福祉法人に係る第一項の規定による認可の申請は,当該社会福祉法人の主たる事務所の所在地の都道府県知事を経由して行わなければならない。この場合において,当該都道府県知事は,必要な調査をし,意見を付するものとする。

(認可)
第三十二条  所轄庁は,前条第一項の規定による認可の申請があつたときは,当該申請に係る社会福祉法人の資産が第二十五条の要件に該当しているかどうか,その定款の内容及び設立の手続が,法令の規定に違反していないかどうか等を審査した上で,当該定款の認可を決定しなければならない。
(合併)
第四十八条  社会福祉法人は,他の社会福祉法人と合併することができる。

(合併手続)
第四十九条  社会福祉法人が合併するには,理事の三分の二以上の同意及び定款でさらに評議員会の議決を要するものと定められている場合には,その議決がなければならない。
2  合併は,所轄庁の認可を受けなければ,その効力を生じない。
3  第三十一条第四項の規定は合併の認可の申請に,第三十二条の規定は合併の認可にそれぞれ準用する。

第五十条  社会福祉法人は,前条第二項に規定する所轄庁の認可があつたときは,その認可の通知のあつた日から二週間以内に財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。
2  社会福祉法人は,前項の期間内に,その債権者に対し,異議があれば一定の期間内に述べるべき旨を公告し,かつ,判明している債権者に対しては,各別にこれを催告しなければならない。ただし,その期間は,二月を下ることができない。

第五十一条  債権者が,前条第二項の期間内に合併に対して異議を述べなかつたときは,合併を承認したものとみなす。
2  債権者が異議を述べたときは,社会福祉法人は,これに弁済し,若しくは相当の担保を供し,又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社若しくは信託業務を営む金融機関に相当の財産を信託しなければならない。ただし,合併をしてもその債権者を害するおそれがないときは,この限りでない。

第五十二条  合併により社会福祉法人を設立する場合においては,定款の作成その他社会福祉法人の設立に関する事務は,各社会福祉法人において選任した者が共同して行わなければならない。

(合併の効果)
第五十三条  合併後存続する社会福祉法人又は合併によつて設立した社会福祉法人は,合併によつて消滅した社会福祉法人の一切の権利義務(当該社会福祉法人がその行う事業に関し行政庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。

(合併の時期)
第五十四条  社会福祉法人の合併は,合併後存続する社会福祉法人又は合併によつて設立する社会福祉法人の主たる事務所の所在地において登記をすることによつて,その効力を生ずる。

(準用等)
第五十五条  民法第七十条 ,第七十三条から第七十六条まで,第七十七条第二項(届出に関する部分に限る。)及び第七十八条から第八十三条まで(法人の解散及び清算)並びに非訟事件手続法第三十五条第二項 及び第三十六条 から第四十条 まで(法人の清算の監督)の規定は,社会福祉法人の解散及び清算に準用する。この場合において,民法第七十七条第二項 及び第八十三条 中「主務官庁」とあるのは,「所轄庁(社会福祉法第三十条に規定する所轄庁をいう。)」と読み替えるものとする。
2  社会福祉法人の解散及び清算を監督する裁判所は,社会福祉法人の業務を監督する官庁に対し,意見を求め,又は調査を嘱託することができる。
3  前項に規定する官庁は,同項に規定する裁判所に対し,意見を述べることができる。

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