法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

消費者を偽る環境ラベルの使用について

2008-02-06 20:21:36 | Weblog
NHKオンライン インク業界に再発防止要求へ

 景品表示法第4条は,禁止されるべき不当な表示行為に係る規定。その第1項第1号には「商品又は役務の品質,規格その他の内容について,一般消費者に対し,実際のものよりも著しく優良であると示し,又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより,不当に顧客を誘引し,公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示」とある。
程度問題だが,基準を充たしていないにもかかわらずエコマークを表示する行為,上記の優良誤認表示に該当する可能性もある。

エコマークは財団法人日本環境協会が運営する環境ラベル。売りのひとつということだろうか,環境省HPの環境ラベルのページには,エコマークにつき「ISOの規格(ISO14024)に則った我が国唯一のタイプI環境ラベル制度」とある。使用契約に基づき,日本環境協会には使用者から売上高等に応じ使用料が支払われる仕組みのようだ。
記事は経産省が業界61社に調査を指示するものだが,日本環境協会が今般の問題につきどのような対応をとるのか注目される。傍観しているようでは,エコマークそのものに対する信頼が揺らぐのではなかろうか。
因みに,「エコマーク使用契約書」を覗くと,エコマークの不適正使用があった場合,日本環境協会は使用契約を解除し,また,損害賠償を請求できるとある(第24条参照)。

環境省 環境ラベル等データベース

(財)日本環境協会 エコマーク事務局 「エコマーク使用契約書」について

公正取引委員会 優良誤認とは


「不当景品類及び不当表示防止法」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 (昭和二十二年法律第五十四号)の特例を定めることにより,公正な競争を確保し,もつて一般消費者の利益を保護することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律で「景品類」とは,顧客を誘引するための手段として,その方法が直接的であるか間接的であるかを問わず,くじの方法によるかどうかを問わず,事業者が自己の供給する商品又は役務の取引(不動産に関する取引を含む。以下同じ。)に附随して相手方に提供する物品,金銭その他の経済上の利益であつて,公正取引委員会が指定するものをいう。
2  この法律で「表示」とは,顧客を誘引するための手段として,事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行なう広告その他の表示であつて,公正取引委員会が指定するものをいう。

(景品類の制限及び禁止)
第三条  公正取引委員会は,不当な顧客の誘引を防止するため必要があると認めるときは,景品類の価額の最高額若しくは総額,種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し,又は景品類の提供を禁止することができる。

(不当な表示の禁止)
第四条  事業者は,自己の供給する商品又は役務の取引について,次の各号に掲げる表示をしてはならない。
一  商品又は役務の品質,規格その他の内容について,一般消費者に対し,実際のものよりも著しく優良であると示し,又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより,不当に顧客を誘引し,公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示
二  商品又は役務の価格その他の取引条件について,実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるため,不当に顧客を誘引し,公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示
三  前二号に掲げるもののほか,商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて,不当に顧客を誘引し,公正な競争を阻害するおそれがあると認めて公正取引委員会が指定するもの
2  公正取引委員会は,前項第一号に該当する表示か否かを判断するため必要があると認めるときは,当該表示をした事業者に対し,期間を定めて,当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において,当該事業者が当該資料を提出しないときは,第六条第一項及び第二項の規定の適用については,当該表示は同号に該当する表示とみなす。

(公聴会及び告示)
第五条  公正取引委員会は,第二条若しくは前条第一項第三号の規定による指定若しくは第三条の規定による制限若しくは禁止をし,又はこれらの変更若しくは廃止をしようとするときは,公正取引委員会規則で定めるところにより,公聴会を開き,関係事業者及び一般の意見を求めるものとする。
2  前項に規定する指定並びに制限及び禁止並びにこれらの変更及び廃止は,告示によつて行うものとする。

(排除命令)
第六条  公正取引委員会は,第三条の規定による制限若しくは禁止又は第四条第一項の規定に違反する行為があるときは,当該事業者に対し,その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。その命令(以下「排除命令」という。)は,当該違反行為が既になくなつている場合においても,することができる。
2  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第八条の二 ,第二十条,第二十五条,第二十六条及び第八章第二節(第四十六条,第四十九条第三項から第五項まで,第五十条,第五十一条,第五十三条,第五十五条第二項,第五項及び第六項,第五十九条第二項,第六十五条,第六十七条,第六十九条第三項,第七十条の二第四項,第七十条の九から第七十条の十一まで並びに第七十条の十二第一項を除く。)の規定の適用については,前項に規定する違反行為は同法第十九条 の規定に違反する行為(事業者団体が事業者に当該行為に該当する行為をさせるようにする場合にあつては,同法第八条第一項第五号 の不公正な取引方法に該当する行為)と,排除命令は排除措置命令とみなす。この場合において,同法第四十九条第一項 中「排除措置命令書」とあるのは「排除命令書」と,「違反行為を排除し,又は違反行為が排除されたことを確保するために必要な措置」とあるのは「その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項」と,同条第二項 中「排除措置命令書」とあるのは「排除命令書」と,同条第六項 中「排除措置命令書」とあるのは「排除命令書」と,「六十日」とあるのは「三十日」と,同法第七十条の十五 中「排除措置命令書」とあるのは「排除命令書」と,同法第七十条の二十一 中「第三章 」とあるのは「第三章 (第十三条第一項及び第三節を除く。)」とする。
3  排除命令は,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第九十条第三号 ,第九十二条,第九十五条第一項第二号,第二項第二号及び第三項,第九十五条の二並びに第九十五条の三(それぞれ同法第九十条第三号 に係る部分に限る。)並びに第九十七条の規定の適用については,排除措置命令とみなす。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする