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毎年恒例の松本研修会、今年は講師に相田浩樹さんを迎えお題は「玄翁の話」。
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基本的にはご自身のHPに書かれている「玄翁の話」「玄翁随感」をベースに話されておられたのだが、文章だけの随筆と違い図説と非常にわかりやすい実験(体感?)によって90分程の講義はあっという間に終わってしまった。
正直、玄翁の話だけで間が持つの?材質がとか硬度とか難しいデータが出て来て、退屈なんじゃないかと心配したが全くそんな心配は不要だった。
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講義の詳しい内容はさておき、項目だけ箇条書きにすると:
・玄翁の歴史
・外国人は何故いまだに木槌を使い続けているのか?
・抜けにくいひつ穴の形状とは?
・くさびがいけない理由
・ひつ穴が長方形の理由
・抜けない柄の仕込み方
・ひつ穴の縦横比率
・大きなひつ穴がもたらす弊害
・形状別による用途の違い、穴の縦横比にもどう影響してくるか
・柄の材質は何の木が良いか
と、まあ書いてしまえば、ふう~んと思うかもしれないが私にとってはかなり有意義な内容だった。
少し脱線するが、以前自分の仕事場を建てる際に、大工仕事を少しお手伝いさせてもらう事があった。
刻みから始まり、建前での野地板打ち、間柱いれ、壁貼、床貼等々全体的に建具屋なんかと比較にならない程、手道具と丸ノコをよく使った。
そんな中、鑿の冠と玄翁仕込みが悪く途中で何度も直したりで仕事がはかどらず、もっときちっとした仕込み方を覚えていないと、いざという時ダメだなと強く実感した。
その後以前の記事を見てもらえば分かる通り、あれこれやって見てようやく今の形に辿り着いた訳である。
ところで、鉋削りに熱心な大工さんでも意外と玄翁に無頓着だったり、雑に仕込まれている方多い様に感じる。恐らく大多数の方が柄の仕込みをやった事が無いか、面倒でやらないのでは無いだろうか。
浩樹さんは、柄尻から握る部分を指して「ここを作るのに相当練習がいった」と言われていたが、普段木を削る大工さんでもちょっと勝手が違うのかもしれない。
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柄の長さについても唯一目新しい話といえば、小川三夫さんが「玄翁は肘まで、ちょうなは肩まで、斧は胸までの長さで体を中心にして回転させる」と言われていた事だったが、阿保さんの様に重さによって柄の長さを変えるなんて言う話は、意外にも一つも出なかった。
さて話を戻して、講義内容で一番なるほどと思ったのは、ひつ穴を開ける道具=目打ちがねの材質が難しいと言う話。
と言うのも1000度の高温で穴を開けるので、先ずその高温に耐えつつ、数をこなしても角がだれずにピシッと仕上げられる物となるとそれ相応の材質でないとならないとの事。
浩樹さんは、メッカンダイス鋼?(よく聞き取れなかった)とかいう高温に強い材を使っているそうだ。
ところで、浩樹さんの場合こういった技術的な話もだが、何気ない雑談の一つひとつが理路整然としていて人を惹きつける人、上へ登って行く人達がまとうオーラが滲み出ていた。
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その理由を裏付けるかの様に次のような話しをされていた。
「何かを覚えるのに身近な人に聞いて済ますのは、最悪です。必ずその道のトップの人に逢いに行って、教えてもらう事。」
「自分の場合人を雇うにあたり、人材コンサルティングの創始者でナンバーワンの方と知り合いになって、東京まで行って話しを聞いて来た。」
以前からFBで仕事の宣伝的な記事一切書かず、哲学的な発言をする人だなぁと思っていたが、今回実際にお話ししたり文章を読ましてもらうと、ずっと考えて答えを自分で見つけてこられたんだろうなと思った。
私も自分の方向性に自信を頂きつつ、もっと見習わねばと感じた。
熱間ダイス鋼だと思います。
主に高温環境下での金型などに使われる金属で、高温の樹脂を受け止めて製品の形にしたり強い圧力や衝撃の加わるプレス加工用金型金属です。
金属は温度が高くなればなるほど強度が低下してしまうので、高温時でも金属を加工できるだけの硬度があり、高温で軟化しにくい金属として熱間ダイス鋼を選択しているのでしょう。
熱間ダイス鋼ならば300~400度程度まで比較的強度が保たれます。
それ以上の熱抵抗性を持つ金属であるハイス鋼を使用しないのは硬すぎて耐衝撃性の面で不安があるから使わないのかもしれません。
色々検索してみたのですが、分からなかった事がやっとわかりました。
文面から金属知識の深い造詣伺えます、貴重な情報ありがとうございました。