玄翁の話しつづき
浩樹さんのHPで紹介されている事と重複する箇所も多いが、おさらいも兼ねて進めて行きたい。
1)抜けにくい櫃穴とは?
棒状のものを手に持っている時、引っ張られて抜けにくいのは、指2本でつまんでいる時よりも5本全部でしっかり握っている方なのは、容易に想像出来る。
接地面積が多く、木部が隙間なく櫃穴内部に密着している状態が良い。その為には穴の壁面は真っ直ぐが良い。(実際には完全なストレートでは無く、穴あけの際に目打ちが抜けるだけの僅かな勾配あり。完全ストレートも作ったが、緩み始めると抜けやすいとの事)
2)穴に対して柄の寸法
※穴が正確である事前提として、縦横ともにプラス0.6㎜大きく柄をつくる。穴の周りの面取りは、巾0.3㎜45度で取った後、その角を更に22.5度で面取りする。
私の経験として柄の材質によって、グミや桜の様な少し柔らかい木は、もう少し大き目(プラス0.8㎜~)にしないと直ぐに緩んでくる。
気候にもよるが私の目安として、柄を打ち込む際にシリコンを付けてガンガンに打ち込んでも~7割で止まる位。後日またガンガンに打ち込んで、1ミリづつ位しか入って行かない堅さで、また日を改めて何回にも分けて仕込む位でないと本当に抜けない仕込みにはなっていない。
3)柄の材質
加工や入手し易さで言うと、白樫が無難な材。同じ白樫でも色々な硬さがある、流通量が多いと選択肢が多いので好みの材が選べるとの事。
浩樹さんいわく、「樫は丈夫で良いが、使い込む内にツルツルして滑る。桜も良いが割れやすい。タモは緩みやすいがフィット感が一番好き」だそうだ。
浩樹さんの火造り用槌:柄は白樫
私的には80匁以下での比較的軽作業ならば、柔い材でもOKだと思うが、1日中作業するとかもっと重いサイズ(150匁~)になると強度とか、粘りが必要に感じる。もちろん柄の長さや、形状のバランスもそれなりになっていての話。
最近使って良かったのは、山仕事の人が、ここ一番強度が必要な所に使う「ガマズミ」と言う材。戴いた物なので細めで、しかも割れが結構入っていたが、加工時の刃物切れも良く握ったフィット感も良い。
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