芭屋框組(はなや かまちぐみ)

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三木への旅(その1)

2009-03-29 17:20:13 | 道具、砥ぎの話
3月1日兵庫県三木市でミニ削ろう会が行われた。若手の注目鉋鍛冶、内橋圭介氏が裏出しと研ぎの実演をするというふれこみだったので、思い切って行ってみることにする。

午前10時からの開始なので、移動時間を考えて、前日大阪で1泊する日程とした。

2月28日の朝に長野を出発して1時30分には最初の目的地の大阪高槻市に到着した。ここ高槻市は実は自分が中学高校時代通学していた場所なので、なんとなく里帰りするようなイメージで駅を降り立ったが、25年も年月が経っていると、全く知らない場所になっていた。

とにかくインターネットで事前にめぼしをつけていた、鳴川金物へ足を運び、特に当てもないままに店内を見ていると「何かおさがしですか」と声を掛けられたので「清忠さんの鑿ありますか」と聞くとやはりないとのこと。

しょうがないので、砥石を見せてもらうことにした。すると思いの外、店員さんがやる気満々で試し研ぎの場所や砥石を用意し始めた。次の日の削ろう会用に鉋をいくつか持っていたので、その内の一つを使い、早速試し研ぎ開始だ。

まず、思い入れのある山の産地や層、好きな硬さを質問され、店員さんが適当な物を見繕って次から次へ研がせてくれる。その度に評価を告げ、段々ピンポイントで希望の砥石を見つけ出してくれるシステムだ。

浅黄色の中山で、硬めの仕上げ砥を持っているが、それに当てる前の中仕上げの物をということで、色々出してもらっていたのだが、結局は刃艶よく仕上がる同じような硬さの物がいいですねなどと言っていて、妙に盛り上がってしまった。

10丁以上研いでいると幾つかのパターンがあるのが分かってきて、気に入った物が3つぐらいに絞り込めてきたので、その時点で詳しい石の産地や値段などを聞く。

財布と相談して、結局渦巻き状の中山と店員さんもよく分からないが、シロという少し荒めの石(といっても充分仕上げ砥)を購入した。

その後2時間くらいも次々と石を出してきてくれ、お腹一杯になるくらい試し研ぎをさせてくれた。又、目の保養にと、とっておきの鉋や鑿を次から次へと手にとって見せてもらい、予想外に有意義な時間を過ごせた。

この店は元々鋸の目立て屋さんらしく、現在は先代のお弟子さんで、目立て職人の方が店長を務められ、先代の息子さんと2人で店をきりもりされている。2人とも30代40代と若く、何よりも道具が好きでしょうがないといった雰囲気で、漫才のようにテンポよく、色々な説明をしてくれる。又機会があれば行って見たい。

さて、気づけば、6時少し前、7時に梅田で旧友と会う約束をしていたので慌てて店を出る。

その日は結局深夜1時半頃まで旧友達と語り合い床についた。  つづく・・・・

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