以前鍛冶屋さんにねじれ直しについて教えて頂いたのだが、自分でやっても一つも上手くいかないので再度訪ねてきた。
まず、「ねじれは、研ぐ前に直すのが基本。研いであると、どうねじれているか解かりづらくなる」との事。
次に、叩く事の力量分布として「ねじれに作用するのが2~3割。残りの7~8割がねじれとは関係ない部分に作用している事を承知しておいて」と前置きされた。
要するにちょっと叩けば、関係ない所の方が動いているので、常にどう言う状態かチェックし軌道修正しなければならないと言う事。
更に叩く位置や巾は勿論の事、元々の作り(=すき具合、厚みや地金の硬さなど)も影響して来るので、どういう治療をして行くかの方針だてが出来ていないと収拾がつかなくなる。御本家は手元に小さい差し金を置いて、こごみ具合やすき具合を絶えずチェックされていた。
簡略化した例として上の様にねじれている場合、左のこごみ具合が次の画像
右が次の通り
右側の方が比較的まっすぐなので、左の反りのきつい方を叩いて平ら方向へ直す方針へと言った感じ。
さて、横から見た時の作りで一般によくあるタイプの作りが次①
判りずらいが実際の写真;上下空いて中が定規面に着いている。
この作りだと砥石乗せる位置で裏の当たり方がその都度変わってしまうので、御本家の最近の作は次の様にかい先までべたっと砥石に乗せても、裏しか当たらない様になっている。②
しかしこの作りでも、使っている内に縦裏が広がって来るので理想形として次③
どんな下手くそが研いでも必ず刃先の裏が砥石に当たるとの事。
話を聞いただけなので、図が間違っているかもしれない。いわゆる裏出し不要鉋とは違う作りで、使いつづけるとひょうたん裏になるそうだ。最近売り出された「ひょうたん印 軟木用」がこのタイプと思われる。
元々①の作りの鉋を無理を言って②の作りにして貰った例;手前の頭側が反り上がっている。
ちなみに下図の叩き方で左右それぞれ直されていた。
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