種から芽が出て花が咲き

はまっているあれこれ
(今はFTISLAND、いろいろ)

素敵な老いじたく―姑(はは)の残してくれたもの

2014年06月17日 | 
(集英社文庫)
吉沢久子
集英社


吉沢久子さんは御年96歳で現役の家事評論家で、最近ずっといくつもの著書を読んでいるお気に入りの作家です。

ご主人の死後、ずっと30数年ひとり暮らしをされていて、著書を読んでいると、吉沢久子さんの健康の秘訣は食にあるようだと思うほど、食べ物の描写が素敵で、紹介されている料理のいくつかを試してみたりしています。

この本は、ご主人のお母様、お姑さんと暮らした日々の思い出と晩年の介護について書かれた本です。

吉沢久子さんは、お姑さんである義理のお母様が本当に大好きだったのだなあと伝わってくるような描写がたくさんあります。お姑さんがとても魅力的な人なのですね。

一言でいうなら、お姑さんは、恋をして、夫も5人の子どももおいて、家を飛び出して、その恋を実らせたという生き方をした人です。でも、そんなことがあった子どもたちが晩年はずっとそのお母さんのそばにいて、慕っていたという人生なのです。

どうしてこんなに暖かく優しく、その人のよい部分に光をあてられるのでしょうか。吉沢久子さんの文章の丸みを帯びた温かさにふれられる本です。そして厳しく大変だったこともさりげなく書かれていて、奥行きのある本です。


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