はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.244 入学前準備教育 カタリバ特別プログラム

2013-03-08 17:31:39 | キャリア教育



聖学院大学は早い時期に大学入学が決定している入学予定者に対して、有料、任意の入学前準備教育講座を開講している。

入学前準備教育ははるか13年前から実施していて、他大学のようなEラーニング中心の講座ではなくて、なんと驚くなかれ11日間も大学に通って授業を受けるのである。

学ぶ科目は英語と数学と小論文。
初日のオリエンテーションでは聖学院大学の学生ならば無料で利用できる「就活NewsNavi」の活用方法の説明もある。
しかも「就活NewsNavi」を担当している共同通信社の浜村さん本人が説明してくれるのだからすごくわかりやすい。
入学前からもう就活?と思うかも知れないが、「就活NewsNavi」は就活に役立つだけではないのだ。
授業のレポートを書く資料になったりもする。
就活をはじめてからいきなり新聞を読み出しても付け焼刃になってしまう。
新聞に出てくる用語はわからないし、ニュースの背景やプロセスもわからなくて、小さな記事一つ読むのにもものすごく時間がかかってしまう。
それでも3年生になって就活をはじめて、新聞を読み出せればまだ良しとしよう。
時事問題や経済や世界に興味を持って、ニュースを読む習慣を身に付けさせたいと思っての「就活NewsNavi」なのである。


そして、
今年の入学前準備教育講座のスペシャルプログラムはNPOカタリバによる授業。

実は今日がそのカタリバの日だった。

入学前準備教育講座は2月と3月にそれぞれ実施していて、カタリバの授業はその前半に設定されている。
カタリバについての詳しい内容はこちらをご覧いただきたい。

NPOカタリバが行う授業は「カタリ場」という名称のキャリア教育プログラムである。
その授業を運営するのはキャストと呼ばれるボランティアの大学生たち。

今回の入学前準備教育での「カタリ場」を開催するにあたって、聖学院大学の学生スタッフもカタリバキャストとして登録した。
そして他大学の先輩キャストと同様に研修を重ねる。

入学前準備教育講座は基本的には入学予定者のための講座ではあるけれど、運営に関わった学生スタッフが成長するという教育効果もある。

カタリ場のプログラムの中に先輩がスケッチブックを使って紙芝居形式でプレゼンテーションをするサンプリングというプログラムがあり、2月のカタリ場、3月のカタリ場ともに本学の同じ学生がサンプリングを行った。
その出来が、クオリティが格段に高まっているのである。

これには本当に驚いた。
わずか1ヶ月でこれほど成長するとは。


ボクはキャリアカウンセラーをしていて、カウンセリングのある瞬間に学生(クライアント)の顔色が変わる瞬間と言うのを知っているが、このカタリ場でも参加者の顔色が変わる瞬間がある。

輝きだして、凜として、背筋が伸びる。

始まった時と終わりの時と明らかに参加者の顔つきが変わっている。
当然、場の雰囲気がまったく変わっている。

今日も2月もメインのファシリテータはNPOカタリバの今村亮さん(代表の久美さんの旦那さん)が務めた。
面白いようにポジティブな場がつくられていくのは彼のファシリテーション能力の高さによるところが大きい。

そして、とどめは授業終了後に帰る受講生を出口で見送り、一人ずつ声を掛けて握手をする今村亮。
人によってはハグ。(上写真)

これにはやられる。
ぐっとくる。

今村さんの掌の温かさを通して、自己の存在を確認し、自己肯定できる子どもたちがそこにいる。

もう君たちは大丈夫。

その顔つきなら絶対充実した大学4年間を送れる、
と心から思うのだった。