本間美術館の清遠閣の売店で、シナ織りのペンケースを見つけた。
シナ布は、科(シナ)の木、オオパボダイジュなどの木の甘皮を繊維状にして繋いで糸にして織られた布だ。歴史は古く平安時代にもその記録が残されている古代織りで、芭蕉布や葛布と合わせて三大古代布と呼ばれている。多分、その起源は縄文の頃から伝えられているのかなと思う。この辺りも縄文の遺跡や遺物が沢山発掘される地域なのである。
シナ織りは冬の農閑期に織り継がれてきたが、今は鶴岡市の温海温泉近くの関川の周辺(新潟県村上市も含む)しか残っていない。昔は様々な物に使われていたのだろう。結構ごわごわした肌触りで、身につける服には向かないのではと思われる。最近のシナ織りは日用品と言うよりも工芸品や贅沢品と呼べるほど高価だ。
私が買えたペンケースは、皆に知らせたくないほど安かった。鶴岡市大山のシナ織り創芸石田さんちでは、帽子とか日傘とかウン万円の品が売られているが、このペンケースはその石田さん経由だった。やれ嬉しい。