建築士会女性部のふるさと探検で、鶴岡市の致道博物館周辺を見学した時に、丁度工事中の為に中に入る事が出来なかった旧警察署だが、鶴岡支部と(株)山口工務店の計らいで見学することが出来た。
基礎石。これは利用できる物。これでは足らずに関西から運ぶそうだ。
工期は平成29年6月10日である。
不同沈下が激しいので、一度建物を持ち上げて、ついでに道路側から1m移動する為、基礎工事が行われていた。
捨てコンクリートの上に、基礎石を設置する。
Kさん撮影
建物は骨組みを残して、すべてはぎ取られていた。ただし文化庁の仕事なので、使える物は使う方針である。単なる耐震や補強では無く、明治時代に建てられた当時に近づける為の工事になっている。基礎石はかなりが破損していたそうだ。
Kさん撮影
建物をすっぽりと覆う仮設の鉄骨の上屋は、基礎もちゃんとしていた。工事が終わると基礎まですっかり取り壊すと言う。最初は単に屋根だけ掛かればと思っていたが、季節風の厳しい庄内では廻りも防風ネットがないと仕事が出来ない。
上部の黒い短冊金物は当時の物。赤いL字の金物は後期に補修した時の物。
木材も出来るだけ使う。腐ってどうしようもない箇所のみ継ぎ手を施す。中央のは今回の継ぎ手。手前は以前の補修のようだ。工法も直接見られる良い機会だったと思う。渡された資料に面白い継ぎ方の部材があったが、それは別の場所で保管されている土台らしい。見ることが叶わずに残念。
この反対側はえぐれた古い部分が多かった。これで良いのかと尋ねたら、設計者(公益法人 文化財建造物保存技術協会)の指示によるらしい。
小屋組
最も不同沈下の起きた場所が、この回り階段の中央柱の下。工事前に入った事のある鶴岡のSさんは、「階段を上ると斜めになって身体がかしぐほど。」だったらしい。しかもこの階段は中2階と正式な2階に上る階段だが、1階の大屋根の上にバランス良く2階を見せたいデザインが先行していて、3階分もありそうな高さなのである。
継ぎ手も、ああなってこうなってと、見ているだけで楽しい。
飾りの基礎石も一緒に持ち上げる。多分柱が抜けない構造になっていると思われる。
建物は鉄骨材で挟んで持ち上げる。
現場に入ると言うので、ヘルメット持参するが、それに気を取られてカメラを忘れた馬鹿者が私。今回は携帯で撮す。内部が暗いのであまり綺麗に写らなかった。
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