無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

耐震強度不足 その2

2006-12-28 13:11:47 | 建築・都市・港
今朝のニュースで、耐震強度不足が報じられた。
国交省が無作為に選んだ建物の内、7%に強度不足が見つかったそうだ。姉歯事件は建築界の氷山の一角でしかないと、言う人も多いが、何故不正をするのだろう。地域で生き残る為には、良い建物を造っていこう。安全な物を造ろうとするのは当然の事なのに、いつからこんな体質になってしまったんだろう。
設計書の段階で見つかった物や、設計書と施工図との不具合や、施工での検査で発覚したようだ。その建物の所在地や建物名を、国交省は発表していない。内々で、所在地の県に詳細の調査を開始すると言う。

1件の建物では、基準の半分以下の強度だったようだ。今朝届いた国交省からのメールにも、この事は記載されていない。きちんと発表しないのはどうしてだろう。責任の先が判って、告発があるのだろうか。偽装を行った者や手抜きをした者が一番悪いに決まっているけど、国交省はきっと自分の所の責任は無しにして、建築界を締め上げるのだろうな。

朝日新聞の記事

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耐震強度不足

2006-12-28 13:01:00 | 建築・都市・港
姉歯事件は、個人の罪として180万円の罰金と実刑で幕が下りた。本当の闇の部分には踏み込もうとせず、国交省の責任も追及されぬまま、終わりを告げようとしている。しかし、その余波は限りなく、基準法の改正を伴う建築界への締め付けは大きい。

冬の時代を迎えた建築界は、日本の人口の減少と伴い、ストックの時代へ入ったと言う。これからは新築ではなく、リフォームが多くなると行政は見込んでいる。口ではリフォームをせよと言いながら、大きな問題を覆い隠している。

1981年に新耐震の法律が出来てから、建築はより安全になった。と言うか、それ以前の建物は安全ではないと証明した様なものだ。姉歯建築士が耐震偽造をしたよりも、もっと危険な建物が日本に充満している。公共の建物は税金で、改修をしていけるけど、その時代に国交省(建設省)がお墨付きをだした建物を、個人は勝手に改修せよと言うのだ。
しかも、リフォームをせよなんて、どんなに工事費が嵩むのか判っていて言うのだろうか。新たに建築し直した方が安くなる場合も多い。

ならば、増築と言う方法を考えた時、大きな落とし穴が待っている。施工令137条の2に、既存の構造上不適格の建築物に増築する場合は、エキスパンションを取る事によって、増築が可能だとする法律が出来た。一見、増築する側を考慮した優しい法律のような気にさせられるが、結局は新耐震以前の建物に対する責任逃れと、担当者によっては既存建築の構造の改修も含まれると言う噂も聞こえてくる。中高層の建物ばかりではない。木造2階建ての中間検査が、実施されている県から漏れてくる話は、増築部分以外の既存の建物をも、この中間検査に当て嵌めるのだそうだ。筋違や金物などによる建物の耐震化で、増築を諦める建て主が増えているのが現状のようだ。

こうして、ますます建築は真冬の時を迎える。
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