無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

空港

2006-12-16 15:20:41 | 
フランスのシャルル・ドゴール空港の、空港職員が数十名リストラされたのだそうだ。その大半が、移民とイスラム教信者だそうで、過去にインドやパキスタンに旅行に行った者は率先して解雇通知を受けた。テロ防止に名を借りた立派な人権侵害だと、解雇された者や組合は怒っている。

フランスには過去に一度、建築の仲間と渡った事がある。芸術の大好きな人なら、行く価値はある。美術館巡りをするのも良いだろう。商業デザインでは、色彩の使い方も勉強になる。お洒落にしても、モノトーンに包まれて歩いているだけで、絵になる人もいた。ピカソ美術館では、小学校の絵の授業を見る事が出来た。あんなに幼い内に、本物を見ながら勉強できるのだもの、レベルは高くなる訳だと感心する。

その中で一番印象的だったのは、有名ブティックの女性店員の目だった。「いらっしゃいませ」と笑顔で近寄っては来るが、目は笑っていなかった。「何しに来たの、この猿達。」と言わんばかりの目だった。時はバブルの頃で、ブランド漁りで日本人が押し寄せていた。何処に行っても日本人はいて、修学旅行の団体も多かった。確かに、行儀の良い日本人ばかりではないだろうが、あんなに蔑んだ目をされたのは初めてだった。私は、買い物をする友達の横にくっついて、店内を見て回っただけだったから、「アンタから買わないよ。」って言うか、買えなかったのだけど、クィッと顎を上げた。

私の感じたフランスの印象は、優雅な国と言うだけのものではなかった。数々の植民地を過去に持ち、世界でも精鋭の外人部隊や核兵器を持っていて、誇りと言うか優越感を持っている国民だった。表だって人種差別とは言わないが、アジアやアフリカ、中東の人間を、同一の目線で見る事はないだろう。

何故、フランスに行ったかと言うと、スペインのバロセロナに行くのに、エールフランスでパリ経由だったからだ。なのに、滞在はバロセロナが2泊3日で、パリが1週間だった。1時間でも長くバロセロナに居たいと思っていた処、駐在員さんが朗報を伝えてくれた。バロセロナの空港でストライキがあり、もしかすると飛行機は飛ばないかもと言う知らせだった。小躍りして喜び、帰って来る事を前提に、一応念の為空港へ向かったが、エールフランスは、スペイン人の空港職員をあてにせず、自分達で荷物を運び、私達客を滑走路の真ん中まで歩かせ、時間通りに離陸させた。フランス人は強かった。

私達がこの旅行から帰国して1週間も経たない内に、アルジェリアからパリへ向かう旅客機がハイジャックされた。ハイジャック犯達は、フランスの特殊部隊に全員射殺された。乗客にも怪我人や死者はでたが、先日、その時のドキュメントを見る機会があった。ハイジャック犯達は、旅客機でパリの街へ突っ込む気でいたようだ。阻止出来なければ、9.11の先を行った事になる。フランスは、ハイジャック犯の要求を呑む事はなかった。
コメント
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