先日のOPEN SHOW TOKYOで発表いただいた
写真家・片野田斉さんのハンセン病のことを、
ここで書いたけど、続きを。
これがきっかけで遅まきながらハンセン病のことを
知ることができた。
☆
熱に弱く感染性も弱いことが判明し、治療法が確立し、
世界でも病棟隔離することは無くなった後でも、
日本(政府)は隔離政策であり根絶政策を続けた。
動き出した政策がなかなか変えられないっていう
コトなのだろうか。
隔離政策は療養所への封じ込めであり、根絶政策は
具体的には、結婚する場合でも子どもを作らない
ことが条件で許可された。結婚にも国の許可が必要
だったわけで、あとは推してしるべし。
結婚生活にも人権がなかったそうで、奥さんのきみ江さん
曰く、
「プライバシーはなく、共有部屋だったのよ。
4カップルと2人の独身が一緒の家に住んでたから
1人身の人は、じっとしているか外に散歩へでたのよ」
子どもが「間違って」妊娠した場合は、強制中絶が横行し、
出産した新生児を職員が殺害した例も多数ある。
2001年熊本地裁が国の隔離政策の継続は違憲であると
判断し、当時の小泉純一郎首相が謝罪をもって、控訴を
断念したことは記憶にある。
☆
その後、差別や偏見がなくなるわけではない。晴れて
自由の身になれた、山内夫妻は療養所をでて、アパート
暮らしを始めようとするが、借りられない。
元ハンセン病患者(とっくに治癒している)であることが
判明すると大家が契約を拒否。やっとのことで近くの中古の
マンションを手に入れる。これが世間だ。
そこでの水入らずの普通の暮らしをどんなに楽しんだことか。
かえって若い世代はハンセン病へ知識や偏見がないから、
彼女に触ってくるという象徴的な写真と片野田さんが
紹介した1枚。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/fb/e4f985839d5fbc251d5ce04b0d793137.jpg)
いじめも差別もなくならない。ヒトの心の闇。
暴力だって犯罪だってなくならない。
☆
現在日本で発症するのことはほとんどない。でも
ブラジル、インド、インドネシア、タイを始め
経済的に恵まれない、南半球の国々での発症は
毎年25万人単位だ。北半球では発症しないのは
寒いからだろうか。適切な医療により、
残念ながら夫の定さんは昨年2011年84歳で亡く
なる。50余年を社会と隔離された場所で生きなくては
ならなかった。
☆
きみ江さんが話していた「指がないのも、必要が
ないから無くなったのよ。それでも生きてこれるし、
料理だって大好きよ」
「洋裁の糸通しに30回失敗したら、31回目を
やればいいの。できるまでやれば必ずできる」
78歳とは思えない元気のいいおばあちゃんだ。片野田
さんによれば、いろんな人に接することが嬉しくて
たまらないそうだ。紹介いただいたボクにもたくさん
話をしてくださって、止まらない感じで楽しかった。
写真展「生きるって、楽しくって
~ハンセン病を生きた山内夫妻の愛情物語~」
は多摩全生園で、9/30まで。写真集はクラッセから
9/25発売。
写真家・片野田斉さんのハンセン病のことを、
ここで書いたけど、続きを。
これがきっかけで遅まきながらハンセン病のことを
知ることができた。
☆
熱に弱く感染性も弱いことが判明し、治療法が確立し、
世界でも病棟隔離することは無くなった後でも、
日本(政府)は隔離政策であり根絶政策を続けた。
動き出した政策がなかなか変えられないっていう
コトなのだろうか。
隔離政策は療養所への封じ込めであり、根絶政策は
具体的には、結婚する場合でも子どもを作らない
ことが条件で許可された。結婚にも国の許可が必要
だったわけで、あとは推してしるべし。
結婚生活にも人権がなかったそうで、奥さんのきみ江さん
曰く、
「プライバシーはなく、共有部屋だったのよ。
4カップルと2人の独身が一緒の家に住んでたから
1人身の人は、じっとしているか外に散歩へでたのよ」
子どもが「間違って」妊娠した場合は、強制中絶が横行し、
出産した新生児を職員が殺害した例も多数ある。
2001年熊本地裁が国の隔離政策の継続は違憲であると
判断し、当時の小泉純一郎首相が謝罪をもって、控訴を
断念したことは記憶にある。
☆
その後、差別や偏見がなくなるわけではない。晴れて
自由の身になれた、山内夫妻は療養所をでて、アパート
暮らしを始めようとするが、借りられない。
元ハンセン病患者(とっくに治癒している)であることが
判明すると大家が契約を拒否。やっとのことで近くの中古の
マンションを手に入れる。これが世間だ。
そこでの水入らずの普通の暮らしをどんなに楽しんだことか。
かえって若い世代はハンセン病へ知識や偏見がないから、
彼女に触ってくるという象徴的な写真と片野田さんが
紹介した1枚。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/fb/e4f985839d5fbc251d5ce04b0d793137.jpg)
いじめも差別もなくならない。ヒトの心の闇。
暴力だって犯罪だってなくならない。
☆
現在日本で発症するのことはほとんどない。でも
ブラジル、インド、インドネシア、タイを始め
経済的に恵まれない、南半球の国々での発症は
毎年25万人単位だ。北半球では発症しないのは
寒いからだろうか。適切な医療により、
残念ながら夫の定さんは昨年2011年84歳で亡く
なる。50余年を社会と隔離された場所で生きなくては
ならなかった。
☆
きみ江さんが話していた「指がないのも、必要が
ないから無くなったのよ。それでも生きてこれるし、
料理だって大好きよ」
「洋裁の糸通しに30回失敗したら、31回目を
やればいいの。できるまでやれば必ずできる」
78歳とは思えない元気のいいおばあちゃんだ。片野田
さんによれば、いろんな人に接することが嬉しくて
たまらないそうだ。紹介いただいたボクにもたくさん
話をしてくださって、止まらない感じで楽しかった。
写真展「生きるって、楽しくって
~ハンセン病を生きた山内夫妻の愛情物語~」
は多摩全生園で、9/30まで。写真集はクラッセから
9/25発売。