やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

ハンセン病夫婦の愛情物語

2012-09-16 | photo
この19日(水)の第4回OPEN SHOW
TOKYOで発表いただく写真家・片野田
斉さんの写真展「生きるって、楽しくって
~ハンセン病を生きた山内夫妻の愛情物語~

を多摩全生園へ見に行く。9/30まで。



多摩全生園は国立ハンセン病療養所の一つで、
1909年(M42年)東村山に設立。関東圏の患者を
カバーする。

ハンセン病に関しては知らないことだらけ。
東村山に療養所があることにまず驚く。。と
片野田さんに伝えると、彼も東村山の地元に
住んでいても知らなかったそうだ。

話題にすることもタブーだったんだろうが、
知らないっていうことは存在しない。こう
いった国立療養所が全国にある数が13カ所
ってことも知らなかった。



車で入口ゲートをくぐる・・守衛がいるわけでも
なく、道路を中心としたパブリックスペースは
基本立ち入りOKだ。いつからのことなんだろう。

とても静かで植栽が豊かで森みたい。11万坪と
いう広大な土地に平屋か低層階の建物が広がる。
宗教施設、郵便局や集会所、お店、など通り過ぎる。



一番奥に国立ハンセン病資料館がある。もともとは
高松宮記念ハンセン病資料館といって1993年開館。
設計はMOTや新国立劇場をてがけた柳澤孝彦さん。

故高松宮殿下は長らくハンセン病問題に関わられた
ことを追慕したものらしい。ハンセン病に対する正しい
知識の普及啓発によって、偏見・差別の解消及び患者・
元患者の名誉回復を図ることを理念とする。

皇室は全国の療養所によく慰問に行かれるそうで、
そのたびにローカルメディアは取りあげるそうだ。



外に開けたエリアで写真展はこじんまりと開催されて
いた。片野田斉さんだけでなく、写真の主役山内きみ江
さんにも会えて、いろいろお話を伺えたのはとても
貴重だったし、とてもポジティブで、信仰に篤い方だ。

残念ながらご主人の定さんは去年1月に亡くなられた
そうだ。享年85歳。

こういったハンセン病患者の記録を追った写真展なり
写真集はほとんど無いそうだ。2001年に国も謝罪し
終わったように思えるハンセン病だが、偏見も差別も
とくに年配の方々に残っているそうだ。

いまだにマスコミや世間に登場する人は殆どいない。
全生園からでた人もほとんどいない。

その意味で、社会との接点を望み、ハンセン病の語り部に
なろうというきみ江さんはどんなに貴重な存在か。そして
いまやいいたい放題の信頼がある片野田さんは凄いなぁ。

詳しくはまた後日。