やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

写楽「謎の絵師」という迷妄

2012-06-30 | art
写楽は謎っていう気がしていた。曰く、誰が
はっきりしていない、制作期間が半年は短すぎる、、
そして本屋にいけば、写楽の謎に迫るという
類の本がいっぱいあるから。

でもちゃんと自分で読んだり、調べていないから
謎って思いこんでいただけってことが、狩野博幸
さんの「江戸絵画の不都合な真実」(2010)を
読んでわかる。



1979年の美術全集に彼はこう書いたそうだ、
「中野三敏の二論文の綿密周到な考証によって
写楽の実像がほぼ結びかけている。」
なのに写楽謎説は増殖を続けている。



それは、と本書で、江戸時代の身分制がわかっていない
からだと。身分制が法的になくなった戦後に数多くの
写楽説が生まれたのはそこに原因があると。

歌舞伎役者はいまと違って、身分的には低いというか、
士農工商の外側にいた。だから武士や狩野派の画家が
歌舞伎を楽しむことはできても、役者達のすがたを
描くことは許されず、いわゆる浮世絵師の仕事だった。


「諸家人名 江戸方角分」に「号写楽斎」が住んでいたと明記

なのに徳島藩の武士、斎藤十郎兵衛が
役者絵を描いたことがわかっている。

描いてはいけなかったけれど、非番の時に
身分を隠して描いたものだったんだね。
非番が半年か一年交替だったから、その
半年を利用したそうだ。

そこまでして描きたかった斎藤十郎兵衛に
逆に興味が湧く。

よく見えない写真・上野公園

2012-06-29 | photo
写真をいろんな形でみることが多くなっている。
プリント、写真集、スライド、PC・・など写真家が
撮ったものを見る機会がおおくって面白い。

そのぶん自分で撮るのが減ってるのは間違いない。
撮りたいときは撮るけど、それは対象が面白かったり、
美しかったり、ヘンだったり、興味のおもむくままで、
写真としてのスタイルっていうか、テーマなんてあらしない。
写真家にはよく聞くのにね。

本ブログも当初は写真掲載は少なかったのに、
載せるのが当たり前になっている。その方が
わかりやすかったり、美しいかなって思うから。
実験的な写真とかって載せたことない。



ここまでが前振りで、見えるか見えないか、
実験的な写真を載せてみようって思った。

上野公園で晩ごはん食べた後、美しい樹があった。
カメラで撮ると殆ど見えない。これでもASA1600って
いってカメラ(RICHO-GR)で一番明るく撮れるモード。

肉眼って暗いところでいかに見えるかを再認識する。
写ったか写ってないかわからない写真も載せてみようと
思った。



こちらは東京文化会館の奥の壁。城壁の様でも
あるけど、なにか見えるかな?画面の角度を変えると
浮かび上がるかもしれない。

前川國夫の設計で1961年の竣工。ボクの生まれた年だ。
東京都開都500年の記念事業として建設。戦後早くも、
舞台芸術を鑑賞するためのホールを求める声が強くなった
っていうのも驚きだけど、その動きが結実。

その当時こんなものを作れたんだから大したもの。
日本初の本格的ホールだ。1999年に改装して生まれ変わり
今でも第一線で活躍している。

市橋織江さん-IMPRESSIONNISME-

2012-06-28 | photo
市橋織江さんの写真展-IMPRESSIONNISME-
銀座のポーラミュージアムアネックスへ見に行く。
7/16日まで。



一橋さんの写真は3月頃「スターバックスのある風景」展を
やっぱり銀座、しかもポーラビルにほど近いスタバで見た。

一貫するスタイル。そしてMPRESSIONNISME印象主義という
ことばに出会って、「空気と印象を写したいと願うことは
決して間違いではないのだと」思ったそうだ。



印象派というのも悪くないけど、彼女の制作スタイルは、
奈良美智さんのように、好きなものを撮ってるというのに
近いのではと睨んでいる。

写真の出現により、絵画のあり方が印象派へと変わった事実に
対し、今、写実の象徴である写真を使い、印象を写そうという
逆説的なこともちょっと面白いものだと思っています。



写真は彼女の事務所のサイトより。

第2回 Open Show Tokyo

2012-06-27 | photo
6/27のこと。ばたばたして書くのが遅れてるね・・
2回目のOpen Show Tokyo を開催した。

当初は会場選びが難航したというか決めあぐねて
いた。1回目が5/15だから1ヶ月以上あったけど、
終わってから会場探しをした次第。

押さえはあるんだけど、サプライズ感というか、
へぇ~、そこでやるのっていう場所を諦めず探して
いたら、今回の写真美術館のアトリエを写真の編集者の
方に教わったのね。

現像施設やいろんな機器(ボクにはわからない)が
おいてあって、きっと写真に関する現場作業を学べる
部屋なんだろう。

軽く100名は入れるけれど、椅子の数が50。どれくらい
お客さんが来るか心配したけど、フタを開けてみれば、
37。とてもイイ感じ。ご来場ありがとうごさいました。

もうちょっと少なくってもいい位で、写真好きがあつまる
コミニティができるといいですね、という声が写真家からも
あった。



PRとかなどでも書いたけど発表いただいた方々と
テーマを記すと;
郡山総一郎さん   「福島の1年
原田京子さん    「シェルターに暮らす動物たち
オズボーンさん   「親子の日
田中亜紀さん    「游ぐ太陽

印象的だったことは
郡山さん「説明的なことは消費されて残らない。記録と
して残るのではなく、みる人の記録に残る写真を撮りたい。
構成、表情、光、色しか気にしてなかった」と。フォトジャーナ
リズムとアートの融合宣言に聞こえて面白かった。


原田さん「かわいそうだという状況は撮りたくない。
シェルターに保護される動物もタフで感受性が強い。
一個の魂としての交流ができることを撮っていきたい」
そうなんですよね、飼ってる猫のことだけど、すべて
わかりあっているっていう気がする、魂のレベルでね。
動物保護の仲間も来て下さっていた。


オズボーンさん プレゼンが上手い。「OYAKO」って
英語がないって不思議さや、日米の親子比較など論理的に
文化論を展開して面白い。日本は親子でも集団の心理的
行動的特徴を、野性的で独立心旺盛なアメリカの親子関係と
比較するのも。奥様も来て下さっていた。


田中さん 太陽と東京の桜を題材に心象風景を撮った。
揺れ動く自分の感覚を動かない太陽や自然がささえる
構造になっているという、論理性も兼ね備えた感覚写真
だったことがわかる。写真だけではわからないこと。


みなさんありがとうごさいました。

2回目だから慣れたところもあるけど、まだまだ。
不手際も多くってごめんなさい。まだまだ試行錯誤の
最中。ボランティアのみなさん、ごくろうさまでした!
次回は7月21日(土)14:30~同じ写真美術館のアトリエで。
よろしくです!

深川不動堂

2012-06-26 | カルチャー
第2回のOpen Show Tokyoのイヴェントをやってたので
ブログに手が回らなかった・・もうだいぶ昔になった
気がするけど、深川不動堂のコト。

新本堂が昨年完成し、復興し隆盛している様がここ
あちこに見られる。お経の彫刻が外壁としてたちがる
という独創的な建物。



太鼓とお経が外まで聞こえてくる。本堂の中にはいると
護摩祈祷が行われていて、2人が太鼓を鳴らし、
数人の僧侶がお経を唱和していて、空気や
床からの振動が直接響いてくる。

奥には9000体のクリスタル五輪塔からなる
祈りの回廊があって、ここもとてもユニーク。
ここを通ることで、あの世とこの世の橋渡しを
体感するらしい。



深川不動堂は信仰が荒波にあった標本だと思う。
江戸時代、成田山の不動明王の「出開帳」(
東博で「特別公開展」を行う様なもの)が12回
開かれたんだけど、その会場が永代寺。

永代寺は別当寺として富岡八幡宮を管理する偉い
立場だった・・江戸っ子からするとどちらが偉いって
意識があったかどうか知らないけど、お寺と神社を
それぞれ一体的にお参りしていたと思う。

現代でいうと、初詣にお寺と神社を区別しないような
もの。鶴岡八幡宮にも行くし、長谷寺にもいくような。

神仏習合が数百年かけて人々のなかに浸透していたから。
それを悪法である神仏分離令が明治政府からだされて、
永大寺は廃寺の憂き目にあう。。再興するのが1896年。



永大寺が廃寺になっても人々の不動信仰は変わらず、
1878年に現在の場所に「深川不動堂」として存続する
ことが東京府により認められた。1881年本堂が完成。

ところがこの本堂が関東大震災、東京大空襲で2度も
焼失。それにもめげない。千葉県印西市の龍腹寺の堂
を移築して本堂としたのが1950年のことらしい。

それから60年。復興どころか隆盛を感じる。平日でも
多くの参拝者がお参りにきて、護摩祈祷にふれている。

富岡八幡宮

2012-06-25 | カルチャー
門前仲町に打合せで行ったから、富岡八幡宮と深川不動堂に
寄ってみる。隣接してるからね。両方まとめて書こうって
思ったら、さすが東京を代表する宗教施設だから、役者が
多いっていうか書くことが多い。

なのでまずは富岡八幡宮から。東京都最大の八幡神社。
なにが最大って日本最大の神輿がある、そっちか?



本祭りの告知があって、3年に1度の年なんだと思ったら、
実は去年だった。311が起こったから今年にずらしたそうだ。
震災の影響がここにも。一年待った分さぞ盛りあがるやろう。

日枝神社の山王祭、神田明神の神田祭と並ぶ「江戸三大祭」
の一に数えられたのは江戸時代からだそうだ。



相撲ゆかりの大きな石碑がたくさん建ってると
思って調べると、江戸勧進相撲の発祥の地だったとは。
しばしば境内で本場所も開催されたとは驚き。


左から超五十連勝力士碑・横綱力士碑・出羽海一門友愛之碑

明治維新以降、幕府や大名家の加護を失った
相撲界が、神道色を鮮明にすることで生き残りを
はかったためもあり、結びつきが強まったそうだ。

さしずめ今なら生き残りをかけて文科省色を鮮明に
している!?現在も新横綱誕生のおりの奉納土俵入りなどの
式典が行われるとか。



伊能忠敬翁の銅像もある。50歳を過ぎてから天文学・測量術を
学び、江戸時代に来たヨーロッパ人をして日本の測量は不要だと
感嘆させた伊能忠敬翁。

翁は門前仲町1丁目に住み、測量旅行出発にあたっては必ず富岡
八幡宮を参拝したんだって。銅像が建てられて当然か。とはいえ
測量開始から200年経った2001年に建てられたのは遅咲きw
50歳まで暮らした故郷香取市には1919年建造の銅像がある。

ウッディアレン「ミッドナイト・イン・パリ」

2012-06-24 | 映画
ウッディアレンの新作「ミッドナイト・イン・パリ」は
彼の映画で一番稼いでいるそうだ。アカデミー賞脚本賞も
射止め、輝く76歳!

引退する気はさらさらなくて、パンフには今後の公開予定が
2作品も載っていた。本作品は前作「人生万歳!」同様人生賛歌に
充ちているから、きっとそういう作品になるのか?それとも
違う方向性になるのか楽しみ。



パリを舞台にした、タイムマシンもの。主人公が愛して
やまない1920年代のパリへタイムスリップするところから
物語が動き始める。

F・スコット・フィッツジェラルド、妻ゼルダ、ヘミングウェイ
などなど出会っていく様がほんと楽しい。当時を再現するセットが
いいし、役者が似てる感じがするしね。



作家志望の主人公がヘミングウェイに自分の処女小説を読んで
くれないかともちかけたら、ガートルード・スタインを紹介
してもらったり。

主人公を演じるオーウェン・ウィルソンにどんどん感情移入
していく。そして、考え方といい言い方といい、若き日の
ウッディアレンなんだなぁ。それもまた楽しい。



「テルマエロマエ」といいタイムマシン系が流行ってる?!わけは
無いんだろうけど、何度も行き来する点、過去を変える点を気に
しない点など、共通しているなぁ。

現実と過去を行き来するうちに、本当にやりたかったことを
決断する。パリの雨を嫌うお金持ちのフィアンセと分かれ、
アメリカからパリへの移住を決め、パリの雨が好きな新しい
恋人と夜に消えていく。



それも若い頃、パリがとっても気に入ったのに、移住しなかった
アレン監督のほろ苦い、甘い追憶がこめられている。


代々木VILLAGE・プラントハンター

2012-06-23 | 農・生物
再び、代々木VILLAGEへ。先日は夜ごはんを食べに
行ったので、昼間に打合せでカフェへ。魅力的な
植栽をちゃんと見たかったから。

世界中から集められた植物たち、その数100種類。


各植物に対して名札で解説してるんだけど、とおり一変ではなく、
活き活きしたメッセージ性や物語性が感じられて面白いでしょ。


兵庫で幕末より140年以上つづく植物卸屋"花宇"の五代目、
西畠清順さんが植栽をプロデュースしたそうだ。

日本中はもとより世界中を駆け巡って集めてきた植物
1万種類以上を扱い、植物に関するいろんなプロジェクトに
応えているそうだ。

彼のブログに、2008年10月の荻巣樹徳先生との出会いが
書かれている。「日本の誇る植物学者であり、植物分類学
ではトップの知識と実績、まちがいなく日本最強のプラント
ハンター」が彼らが集めた植物を見に来るくだりがあるのね。

長くなるけど、抜粋しながらピックアップすると;

荻巣先生の話していると体がゾクゾクしてくるんやけど、
一番驚いたのが、いけばなが抱える一番おおきな問題点。

いけばなの作品を創作するときに使うたまに使う何十年、
何百年という年数を経た枝や木。これを思うがままに切り
続けて使いつづけることに荻巣先生は懸念を抱いている。
おれがいつも声を大にして訴えてる問題点そのものやった。

自然や環境をまず第一に考えないとこれからのいけばなの
未来はないというおれの持論をそのまま同じ考えを持って
おられたのには驚いた。

なぜなら毎日毎日山へ年数の凝縮した枝を探して切りにいく
ことがおれの毎日の仕事なので、こういう話を人へ訴えると
いうことは、自分のやっている仕事を真っ向から否定する
ことになりえると勘違いしていたし、なによりそれを訴えて、
お客さんたちが遠のいていくのが恐れていたから。
でもいまは違う。

 

おれは本気でうちの会社のいけばな花材の売り上げが減ること
よりも、いけばな界がいつかこの問題に直面して大変なことに
なるほうが心配やから。

おれもいままではめちゃくちゃに木を切っていた。 でもいまは
違う。一度大きな過ちを犯し、強烈な経験し、反省してからおれは
生まれかわってん。

そう、木は、正しい知識を持って、切るべき枝は切る、切らざる
木は残す、再生可能な場所、再生可能な種類、そうでないもの、
切る時期、切っていい場所、そうでない場所、切り方。
そうすべては知識があればすべて解決すると思ってる。 

荻巣先生が言っておられた今日の言葉はそんな考えを毎日抱いている
おれを、肯定してくれた業界で初めての人のように思えた。

荻巣さんは、これからは、”花材がどういう過程を経てでてきたか、
花材にストーリーを持たせる時代です”と言っておられた。

この言葉には涙とうんこがもれそうなくらい感動した。
そしてその言葉はこのぶろぐの目的の一つの、
そのまんまでもあった。

西畠清順さんも荻巣樹徳先生も代々木VILLAGEへ行って初めて
知った方。おそまきながら彼らの考えに接していきたいって思う。

いけばなを初めとして植物と人間の関係を変えようとしている
ように思えるから。写真はここやここから

写真家・原田京子さん

2012-06-22 | photo
来週6/27(水)に近づいたOPEN SHOW TOKYO。
まだお席に余裕があるので、よかったらお越しを。
19:30~恵比寿の写真美術館のアトリエ。天井高も
高いし素敵な空間ですよ。

そして面白い写真家達が4人がトークショーを行います。
詳しくは、こちらとかこことか参照ください。



その4人の写真家の一人、原田京子さんにお会いして、
打合せをする。ボランティアで参加してくれてる・・というか
ひきこんだ岸本さんのご紹介。ごくろうさん~

原田京子さんは独立して21年目で、フリーの写真家として
様々な分野で活躍されている。NY ADCや東京ADCにも
入選してる。今回はお話しいただくテーマは、動物保護。



2006年よりNPOアニマルレフュージ関西(ARK) に
ライフワークとして撮影で参加。シェルターの動物たちと
その環境を撮り続けている。

このARKっていうのが意義深い活動をされていて、日本での
動物保護団体の草分け。捨て犬、捨て猫の保護、里親捜し、
ケア、育てるといった活動を行っている。

創始者で代表であるエリザベスさんはイギリス出身。
英国のエリザベス女王(即位60周年だよね)の選定する
Birthday Honours Listっていう女王の誕生日に
与えられる叙勲一覧に選ばれたらしい。今年。



そんなエリザベスさんに2006年を雑誌で知って電話をして
関西まで会いに行ったところ、意気投合、写真も気に入って
もらえたそうだ。

そこで出会った動物たちの写真を選んでもらってるトコロ
なんだけど、1枚1枚に物語があって、選ぶのに苦労されてる
とのこと。無理言ってすみません。

言いたいことの一つが、「動物保護だといってもかわいそうって
思うのはヒトの見方ですよ」と。シェルターにいる動物たちは
割に順応して元気に暮らしてるんだとか。



独立して最初の仕事がベストドレッサー賞
受賞者の撮影だったことなども話題にのぼる。

1991年から5年間担当されたとか。その最初の
一人が資生堂会長の福原義春さんで、彼が館長で
ある写真美術館でトークショーをするのも縁かも。

写真は彼女のサイトから。

テレビドラマ「外事警察」

2012-06-21 | エンタメ
NHK「ハゲタカ」のチームが取り組んだ
外事警察」というドラマがあったらしい。

2009年の放送だったけど知らなくって、
映画公開(ハゲタカと同じ好きくない
パターン。そのことはこちらに書いた)で
そんなのがあったんだって知る。



6/2映画公開にあわせて、再放送が始まったので録画して
見る。6回シリーズが終わったとこ。1回目からのめり込む
ように見た。

「外事警察」っていうのは国際テロを担当する警視庁外事課の
仕事ぶりを描いたモノ。そういうのは公安が対応してるのかな、と
いう程度のうっすらした認識しかなかったから、外事課があって
1課~3課に分かれているだなんて・・初めて知る。



爆弾、盗聴、スパイ、アジトって遠い国の話みたいなことが東京を
舞台にして、テロリストと外事警察の攻防が描かれる。

そこには官邸(余貴美子さん演じる内閣官房長官もよかった)が
からんだり、警視庁が偽造パスポートや1億円をポンと準備したり。
CIAやアメリカのテロ警備会社が登場する設定で、ホントのことは
知らないけど、説得力があったねぇ。

主役は渡部篤郎さん演じる外事警察の主任なんだけど、好演。
所轄から異動になった部下(尾野真千子さん、カーネーションの
主役、もいい)が戸惑いながら溶けこんで、ある種成長して
いくんだけど、人間関係が危険極まりない。



とくに協力者(石田ゆりこさんがはまり役)と呼んでたけどスパイの
関係がたまらなく面白い。互いに騙し合い、信用し合い、利用し合い、
互いを求め合う。

そこまで言うかっていう本音と本気の科白を渡部篤郎さんが静かに
ぼそっと連発する。それに協力者が仕事をこえて応えていくところに
圧倒される。

この世に真実なんかどこにもない。
それでも人は何かを信じる。
騙されようと、裏切られようと。
信じぬくことでしか救われないからだ。

信じること、認められてると信じなければやっていけないコトが
あるのでは。