やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

渡邉博史さんのトークショー

2012-09-21 | photo
渡邉博史さんのトークショーが銀座ニコンサロンの
個展中
に開催。ここに書いたようにこのプロジェクトを
アプリで作らせてもらったんだけど、新たに気づいた
ことも多く、奥が深いって思う。

対談相手にお願いした三重綾子さんは、アメリカ留学中に
日系人コミニティへの取材経験があり、日系人問題に詳しい。
JapanTimesへの記事を独自に書きはったし、アプリの解説も
書いてもらって、お世話になる。


渡邉さんが最初に撮影したのがこの写真。強制収容所が
乾燥湖の上にあったことから、掘れば貝ががでてきたそうで
花びらに使っているブローチだ。これは形見として遺された
もの。サンホセの美術館に保管されていた。

渡邉さんはこういったクラフト品だけでなく、生活用品と
して捨てられていた「もの」も撮ってはる。Tule Lakeと
いう最大最北の日系収容所に出向くと、ゴミ捨て場だった
とこらしきに多くのものがまだ埋まってたそうだ。


ゴミ捨て場付近の全景



当時の住居が残っている。当時の絵のままだ。

三重さんによれば、戦後収容所から出所がきまった日系人が
ゴミ置き場に捨てたのは日本人としての過去やアイデンティティ
ではないかと。アメリカ人として生きていく決意をしたのでは
ないかと文学的な解釈をしていた。

日系人のなかには、戦後日本に戻ろうとして、日本人の
外見なのに日本語が喋れないといって差別をうけた人もいる。

米国社会で成功をおさめた日系人も多く、日米の橋渡し役を
買って出ようとして人達がいたのに日本政府から冷たい足らいを
受けたことがあり、昨今の日本政府からの要請に対して非積極的な
人も多いそうだ。

渡邉さんはもっと本格的にTule Lakeの収容所跡を掘り返して
いきたいそうで、お手伝いを募っていた。