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サントリー美術館「東洋陶磁の美」

2012-02-06 | art
サントリー美術館に行く。1982年開館の大阪市立
東洋陶磁美術館
所有の名品が100点以上来ている。
4/1まで。

空調工事のため閉館する期間を狙って企画された
もの。重要コレクションが一度にでるのは初めて
だそうだ。

もともとは1977年(昭和52年)に経営破綻した
総合商社の安宅産業がもっていたコレクション。
国宝2件、重要文化財12件を含む貴重なもの。
倒産は遠く昔にニュースになったことをかすかに
覚えている。美術館設立に至る経緯はwikiに詳しい。



印象に残ったのが国宝の油滴天目茶碗という茶器。
やっぱ国宝は違う?ってわかるはずもなく、青磁や
白磁が多かった中で黒がきわだっていた。



南宋時代(12~13世紀)の作で、直径12.2cm。
中国から日本に渡って、関白秀次、西本願寺、
京都三井家、若狭酒井家などが所有してきた。
所有者がかわるところに物語がありそうやね。

秀次は秀吉の縁者で2代目関白なった人物。
金、銀、紺に輝く斑文が、内にも外にも
びっしりとある華やかさに惹かれたのかも。
ベースは黒だから利休のわびにも押さえている
気もするし。。ほんとかどうか定かでないが。

もうひとつ、同じく南宋時代の青磁で長頸瓶。
 銘は「鎹」でかすがい、って読む。「子は鎹」
のかすがい。



建築で木と木を組み合わせるのが鎹と思ってたら、
陶器のひびも、中国では鎹で留めるらしい。
日本では漆や金で継ぐけどね。この金具の
存在感が印象に残る。