現代日本語百科   けふも  お元気ですか

gooブログはじめました!日本語百科です。
現代日本語百科 ⓒ2013gooksky

日本語とはどういう言語か

2017-06-22 | 本を買いました
本を買ってしまった、しまったというのは、もう買うことがないだろうと、買わない、買うのをやめると言ったような思いが、この3か月であるが、買わないわけではなくて、買ってしまって、しまったというわけである。しかしそうまでして何を買ったのか。駅前のゲートタワ-8fに上がったのが、どうにもならない、御託があるわけでない、ごたごたいうのはさておき、石川九楊全集の1冊を見つけてしまった。手にしたのは、3巻:日本語とはどういう言語か 言語論 である。もう一冊、5巻:漢字がつくった東アジア 東アジア論 が書棚にあった。言語編を購入した。これはいままで、この著作、著者のものに多く親しんだ内容のものであろう。

標題の、日本語はどういう言語か、という問いについて、石川九楊氏のいうところは、それは、日本語とは漢字と平仮名と片仮名という三つの文字を使う、世界に特異な言語である、という一言に始まり、またその一言に終わる。


http://www.shinchosha.co.jp/writer/753/

著者プロフィール

1945年福井生まれ。京都大学法学部卒業。「書は筆蝕の芸術である」ことを解き明かし、書家、評論家として活動。京都精華大学教授。1990年、『書の終焉』でサントリー学芸賞、2002年、『日本書史』で毎日出版文化賞、2009年、『近代書史』で大佛次郎賞を受賞。著書に『中國書史』『説き語り 日本書史』『書に通ず』『万葉仮名でよむ「万葉集」』など。編著に『書の宇宙』全24冊。作品集には『石川九楊 源氏物語書巻 五十五帖』などがある。



http://rakushokai.jp/?p=458
>「石川九楊著作集(全12巻)」発刊

これほど多くの本を書くことになろうとは思ってもみなかった。ただ、ひとりの書の実作者として、もっとも身近な書について、これはいったい何者であるかを、ああでもないと考え、その姿を追い詰めようと心がけてきた。
その過程で「筆触」という思いがけない言葉にであった時、私はいっきに見晴らしのよい地点に導かれた。そこからは、近代・現代の呪縛から解き放たれた書字や文字、日本語、東アジア達の活き活き伸び伸びとした姿が手にとるように見えてきた。
この著作集は、その「書の苑」「文の苑」「言葉の苑」の探訪記である。読者諸兄姉と共にその楽苑を散策できれば、これほどうれしいことはない。

「本著作集の特色」
言葉の生まれ来るところー
一点一画を書字の実作者として凝視しつづけることからその生成の現場と日本文化の深層を解き明かした比類なき〈書字文明学〉の集大成!単行本として刊行された代表作を中心に、テーマ・内容によりジャンル別に構成。各巻の巻末に多彩な執筆陣による書き下ろし「解説」を付す。
判型・造本:A5判・上製カバー装・表紙布クロス・特製美麗貼函入
装幀:各巻毎に石川九楊作品からの装画による著者自装
頁数:各巻平均680頁
定価:各巻本体9000円(税別)
発刊:ミネルヴァ書房
配本:2016年7月9日刊行開始、以降毎月1巻ずつ配本予定

「各巻内容」
1巻:見失った手 状況論
2巻:日本の文字 文字論
3巻:日本語とはどういう言語か 言語論
4巻:二重言語国家・日本 国家論
5巻:漢字がつくった東アジア 東アジア論
6巻:書とはどういう芸術か 書論
7巻:筆触の構造 書字論
8巻:書の風景 作品論
9巻:書の宇宙 書史論
別巻1:完本・一日一書
別巻2:中国書史
別巻3:遠望の地平 未収録論考

特価期間:2016年9月末日=10%off
全巻一時払い特価 税込104,976円
通常価格 揃定価 税込116,640円



http://www.sankei.com/life/news/160919/lif1609190022-n1.html
産経ニュース
>2016.9.19 11:28
書くことから見える歴史観 書家・石川九楊さんの「著作集」


「書」の視点から文明論を熱っぽく語る石川九楊さん
 書家としての視点からユニークな文化論を展開する石川九楊さん(71)の全集『石川九楊著作集』(全12冊、ミネルヴァ書房)の刊行が始まった。数多くの著書を「言語論」や「作品論」「書史論」などのジャンル別に構成した「書字文明学」の集大成。状況論をまとめた第1巻『見失った手』には、『書と文字は面白い』『書字ノススメ』など4冊の著書を収録。「書く」という行為から日本が抱えている問題を見つめる筆者に話を聞いた。

 「書の作品は登録を始めて1千点。その記念に来年7月、東京・上野の森美術館で個展を開きます。著書の方も編著を含めると100冊を超えましたが、文庫にならず、手に入りにくいものもある。著作集がほしいという声も聞かれるようになったので」と、全集刊行のきっかけを語る。

 小学生の頃から書を始め、京都大学進学後もグループ展を開催したり、書論の雑誌を作ったりした。33歳のとき会社勤めを辞め、京都で書道教室を始めた。

 書家として活動する一方、平成2年に『書の終焉(しゅうえん)』でサントリー学芸賞、21年に『近代書史』で大仏次郎賞を受賞するなど、執筆活動も精力的に展開する。「大学に入って、田村隆一や吉本隆明らの詩が胸に迫ってきたんです。それを書にしたいが、自分の教わってきた書の表現では、戦後の詩誌『荒地』の詩人の詩を書いても辱めるだけだ、と。ここで言葉の問題と筆蝕(ひつしょく)の問題に直面した。そうするうちに書くというのはどういうことかが見えてきた。書くというのは刻み込むところから出てくる、つまり筆蝕であると」

 こうした思索と経験を経ながら、言葉の世界に踏み込んでいったのは必然だったといってもいい。だから、文字から派生した日本語、およびその教育の問題は、彼の著作のなかでも大きなテーマになっている。

 「日本の近代の一番の問題は何か。やはり教育だと思う。幕末・明治の頃、国策として漢字を制限しようという動きがあらわれた。後進国に甘んじているのは漢字があるからだと、漢字や漢語のパージが始まる。さらに1970年代半ば、文字は子供が書けるようにという方向になり、幼稚な社会ができてきた」

 なぜ、幼稚な社会になったのか。石川さんの論によれば、政治や哲学、倫理などの分野は、ひらがなではなく漢字が受け持っているのだという。「漢字は漢語、ひらがなは和語といったように、西洋の言語では考えられないような構造を、日本語はもっている。憲法を『のりののり』とは表現できないでしょう。日本語の構造がどういうものか分かれば、漢字排除は誤った教育だと分かるはずです」

 漢字をないがしろにした結果、社会的な教育力まで失われてしまった、と石川さんは言う。「儒教=漢字文化」に負うところが大きかった日本人の倫理観の崩壊に、文部省(当時)が主導してきた漢字パージが影を落としている。

 「文字論」をまとめた第2巻『日本の文字』がすでに出版され、今月には第3巻も刊行される。その後、月1回の刊行で別巻3巻とあわせて計12冊(各巻9千円+税)の全集となる。

 「書くということから、違う歴史観が見えてくる。書くということは、考えるということです。もちろん批判もけっこう。まず、みなさんに読んでいただきたいと思っています」(正木利和)
               ◇
【プロフィル】石川九楊

 いしかわ・きゅうよう 書家。批評家。京都精華大客員教授。昭和20年、福井県越前市生まれ。京都大法学部卒。主な著書に「筆蝕の構造」「漢字がつくった東アジア」など。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。