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文章を文体の様式に

2022-08-20 | 日本語文章

日本語文章を文章史によって述べる。文章に歴史があるというが、はたしてその史観には何あろう。それは文章様式の変遷を視点とするという。文体は文章様式のことであるとするとらえ方もあるので、文体の変遷と重なる。



文体史は文章表記史か
2017-04-30 | 日本語史

文体史は文章体にある、それは文章表記体に見る歴史であると国語学の泰斗は言い、国語の静態を指摘した。文体史が文章表記史にあるのは、日本語の歴史に見る特異な現象である。当初は書記としての見方であったが、それを表記行動に写してみるなら、表記の選択には言語の担い手にある想像、創造による作業があったのである。静態に見る規範は必ずしも動態の規範を制約するものではない。表記主体の文体の選択はいつの時代にも言語にある意思の表れである。通史を現在からみるか、時間をさかのぼる、その時点から始めるか、それは出来事による起点でもあるが、その立場によって記述はことなってくることがあるだろう。表記史に漢文か、和文か、あるいは真名文か、仮名文か、それは書記された結果による分類でしかないから、和化漢文の実態を明らかにするのは、漢文と日本文の経過をみるに過ぎなくなり、そこに起こった言語現象の価値判断は困難である。個々の意思に解釈が施されることになるからである。

日本語に漢語が移入されて、漢文を学び、習い、漢文訓読をすることから始まった。そこには文字の模倣があった。日本語発音に合わせた音読みと翻訳をする訓読みと、それを表記する手段を作り出すことであった。漢文に対する位置づけに、漢字書体の草をもって、和文とすることが、文芸の歌によって行われた。漢字音の音韻を得て声とし、その子音を組み合わせた音韻はその母音を響きと簡素化して、文字一字を工夫した。漢文の翻訳文は訓読文として表記されて、文章体を形成する。漢文を崩した日本文は漢字仮名混交文となり、いまの漢字かな交じりを編み出していく。物語文には和歌の文章体が影響し、説話には経典による漢文が表わされ、軍記物には漢文の手法を入れて文体を創成していく。ひらがなが、なにをもって平仮名としたか、真名書きに対する、日本語発音のとらえ方である。仮名書きはすでに漢字との交ぜ書きに移ったからである。こうして、ひらがなによる書記法と漢文訓読の書記法とが行われて、日本語の意識が芽生えるのは、欧文文字の伝来によるところが社会変化にある。



文体史 宮地裕他編 (講座日本語学 / 森岡健二他編, 7, 8)明治書院, 1982。
収録内容
1: 文章洋式における制約と創造 / 樺島忠夫 [執筆]
現代共通語文の成立 / 中村明 [執筆]
言文一致体と明治普通文体 / 岡本勲 [執筆]
欧文翻訳と現代共通語文 / 柳父章 [執筆]
和文の文体史 / 神谷かをる [執筆]
訓読文の文体史 / 白藤禮幸 [執筆]
変体漢文の文体史 / 小山登久 [執筆]
和漢混淆文の文体史 / 西田直敏 [執筆]
江戸時代の訓法と現代の訓法 / 大島晃 [執筆]
尚古・擬古意識と文体史へのその反映 / 山口明穂 [執筆]
2: 文章様式論 / 安本善典 [執筆]
物語の文体 / 峰岸明 [執筆]
小説の文体 / 大久保典夫 [執筆]
日記の文体 / 甲斐睦朗 [執筆]
手紙の文体 / 橘豊 [執筆]
講義の文体 / 大塚光信 [執筆]
説教の文体 / 山内啓介 [執筆]
瓦版の文体 / 平井隆太郎 [執筆]
新聞の文体 / 鈴木英夫 [執筆]
放送文章の文体 / 稲垣吉彦 [執筆]
公用文の文体 / 天沼寧 [執筆]
辞典の意味記述の文体 / 岩野靖則 [執筆]


ぶん‐しょう【文章】‥シヤウ
(モンジョウとも)
①(「文」は青と赤のあや、「章」は赤と白のあや)表おもてにあらわれた文あや模様。また、容儀。平家物語3「およそはこの大臣―うるはしうして心に忠を存じ」
②文字を連ねてまとまった思想を表現したもの。普通には韻文に対して散文をいう。
③文よりも大きい言語単位で、通常は複数の文から構成されるもの。それ自身完結し統一ある思想・感情を伝達する。
⇒ぶんしょう‐か【文章家】
⇒ぶんしょう‐ご【文章語】
⇒ぶんしょう‐たい【文章体】
⇒ぶんしょう‐ほう【文章法】
⇒ぶんしょう‐ろん【文章論】
⇒文章は経国の大業、不朽の盛事なり
○文章は経国の大業、不朽の盛事なりぶんしょうはけいこくのたいぎょうふきゅうのせいじなり
[魏文帝、典論論文]文章は治国の大事業で、永久に朽ちない盛大な事業である。すぐれた文章は不滅で永久に伝えられるものだ。


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