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理屈の論

2023-08-13 | 日本語文法論議23





日本語文法議論23813    
      
理論というよりは理屈だと思ったから、reason、 theory のいずれか、当初には国語文法はだめであると言い続けるこじつけのようにも思っていたので、なぜかというと、こう
見えて一方の側しか見えてこない論理の立て方であった。それをいわなければならないようで、なんだったんだろう。

時系列に見れば、現代語法序説ーインタクスの試みー1953 に、まず拠ることになる。
第2章73ページ以下、次の引用は79ページ、

>史上東西の二大帝国の語法から外れている点で歩が悪いが、日本文の「甲ガ」は語順上特別な位置を占めることもなく、まして動詞の活用語尾と呼応する傾向などは夢にも持っていない。平面的に
   甲ガ¬
   乙ニ |紹介シ――タ
   丙ヲ 」
 と書いたらその性質をよく表すような述語一本建てである。日本文には主語という用語を適用すべき対象がてんで存在しないのである。

と述べて、甲、乙、丙について「同じ補語仲間に踏みとどまっている」とする。この前後の説明で

>前に我が主格はロオマの音なしい丙犬だと言ったのはこのことである。西洋人の頭には彼等の特殊な言語習慣がしみ込んでいるためかには主格、与格、対格の論英的対等性ということはよほど思いつきにくいようである。

補語というのをどう規定するか、動詞の意味関係に現れる語であるらしい。それが日本文では補語と現れるというが、動詞に対する主語というものがなくなると、補語は補語でなくなってしまう。文法で一等格で語順で絶対的位置を与えられる西洋文法の主語を基準とする見方には、三上文法だけではなくとも文法用語に主語を持つものは、対比的に主語があるのでそれをもって補語の役割を説明できるということになるので、てんで存在しない日本文といい、レジュメに次のように見える

>日本文には主語と名付けるべき成分はない決してあらわれない。だから「主語」は日本文法に関する限り全く無益な用語である。無益であるのみならず、正当な問題から注意をそらせる傾向がある点で、有害な用語である。

と述べて書き表わしている主語についての議論は、著わす書に日本語の主語ばかりを言うのは用語と数式の文法書であるから、いっそのこと主語を用いないで日本語文法を記述してみればよかろうものをとその論法に思ってしまう。

三上理論は膠着現象と日本語の伝統用法を知らないふりをした現代語記述の理屈になっているようである。
いますこし、新説もたどってみよう。

日本語教育文法を考えてみて、英語話者に限らず、文法の用語説明に主語がない前提で対照の実践をすることを想定すれば、実際に三上理論の後継はそれを実践しているかどうかであろう。ひどいのは、その洗礼で、文節は全く無効概念と扱う風潮が手つだって、その結果には国語を学習する日本語話者との疎通はどうなんだろう。

日本語に主語はないんだよとする、日本語教師の、それほど効率の悪い、授業方法や文法説明の難しい教育法はないだろうと思う。実際に文法説明を共通言語であれ翻訳語であれ授業ですることを言っているのではない。文型練習法であればそれはそれで、コミュニカティブアプローチであれば、それはそれで、言語を修得する過程で生得の言語と日本語の対照文法に主語と思い込み、そう捉えていたら、多くは英語を媒介としている、その先にあるのはどのような言語使用であるか。

日本語教科書に主語を教えないような文型で組み立てるものがあり、経験には中国語の環境で文法の概念にむずかしい帰国者の教育法もあったりしてきたので、文法のアイデンティティーを問う結果となる主語廃止論は説明によほど間違いがあることを知らなければならない。




 
   
      




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