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語彙と研究5 史的研究

2019-08-15 | 日本語語彙

語彙に体系があるか、恩師はそう言って、あるとも、ないとも、語ることはなかった。ちょうど、その講義を学生、院生として聞いていたころである。講義、特殊講義、特殊研究のそれぞれに続けていたテーマをまとめて、心身語彙の史的研究 明治書院 1979年 を上梓し、研究成果を示されたので、そこにその問いをよすがとするものがあると、思っていた。師説は史的研究であることをうたうので、時系列に体系を見ることができ、心身語彙、精神活動の語彙に空間をみる。雪月花、つきゆきはな の対比は、時空を超える体系を持つ。さて、体系については、>体系とは各部分が有機的にむすびついて一つの全体をつくっているものである、という、岩波講座日本語、宮島 1977 語彙の体系 によるものであったから、語彙を統一体と見る。語彙の歴史研究は、このころに国語語彙史研究会を発足していて、この研究会の多様な取り組みをもって、語誌、語史、語彙史のかかわりをみることになる。




https://db3.ninjal.ac.jp/SJL/txtview.php
第124集1981-03-30
著者:浅見徹;
タイトル:宮地敦子著『身心語彙の史的研究』

第一部としては、まずは頭部、次には頭身の分離の表現、さらに心身の分離から遺体に関する語彙、心臓と精神活動の座に関する語彙、というように有機的連関を伴って展開し、後半に入って、前後・内外・表裏・上下・高低・高深・深浅と空間へ連なり、対の意識に及ぶ、というこの書の構造が詳しく説かれる。この構造は当然第二部にも引き継がれ、愛憎・好嫌に関する語彙をめぐる問題から、愛にかかわる語、愛から美へと変貌した語の系譜、美的対象として定着した「雪月花」をめぐる諸問題が、外国文化との接触、日本語内部での位相・文法・音韻・表記・意識などとからみ合って変貌してゆくさまを追求するという意図が示されている。







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