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祝辞の原稿

2018-03-07 | まさごと
卒業謝恩会の招待を受けて、来賓の一言を依頼された。そこで、原稿を書いたので、披露しよう。いつものことなので、何がいつもかというと、講演、スピーチなど、大体において原稿を書き、読み上げることにしている。肩ひじ張らないで、この周囲から取材をして仕立てる。これHア大脳の話と、映画の話と、痛みを伝える話としてまとめている。映画は空海で、俳優のこと、主人公がかわいかったというのだけれど、空海入唐の青年をかわいいと言ってしまうのはどうだろうといぶかりながら、演出がそうであるし、聞きやすいところで、おもしろかったっと話した。イメージの長安と、すくりーーの西安の古跡、その遺跡にロケーションをしているのを、創造として、古都のイメージがあっても、宴が時間を飛ばしたきらびやかな風景だったので、何か一言を言いたかったのだろう。白楽天が出てきたので、そこでもう、イマジネーションは消えたのである。さて、祝辞の内容はありていに言えば、実体験であるからわかってほしくてのたまった、というわけである。





卒業おめでとうございます。本日は、卒業謝恩会にお招きをいただき、ありがとうございます。こころより、ここまでご指導くださった先生がたとともに、お慶び申します。ご指名をいただきました、入学すぐに科目を担当していました。 高いところからではありますが、一言、お祝いの言葉を申します。

中学生のころ、脳の話という本を読みました。時実俊彦著作、一九六二年、岩波新書の本でした。いま脳についての科学は飛躍的な進歩を遂げています。いささか古いのですが、覚えています。大脳の前頭葉が大切な部位である、前頭前野に、そこにイメージする力がある、イマジネーションを持って、この額のちょうど裏側だとして、そのスクリーンに、いろいろとしたいこと、しようとすることを描きます。文学研究の源でした。

文字を書き綴ったり、ものを造形したり、創作するだけでなく、勉強のスタイルとなりました。前頭葉を鍛える、創造の力をもって、人間の想像のアイデアが生まれます。

いかにその力が、勉強の方法に役立つかということではありますが、ここでは現実にある、そのスクリーンが実際のものとしてある、映画のお話から、はじめます。
最近封切りした、空海という映画を観ました。空海 美しき王妃の謎、というタイトルです。日中共同製作映画、最大のビッグプロジェクトと、いまヒット中です。

原題は、妖猫伝 Legend of the Demon Cat というのですから、小説、夢枕さんの、沙門空海唐の国にて鬼と宴す、というのと、また趣が異なります。ネタばれは避けて、メインキャストの、染谷将太さんが、それはまあ、かわいかったので、おもしろかったです。日本からの俳優陣は、阿部寛さん、松坂慶子さん、そして日野正平さんでした。

ほかの登場人物がすべて日本語をしゃべるのでびっくりしました。吹き替えで、ちょっとイメージが変わってしまって、空海に、白楽天が出てきて、探し回ったり、怪しい猫で、中国怪奇小説になったり、という感想です。長安の都、現在の西安の古い遺跡をロケしています。その一方で城郭が修復された壁が出てきたのはアンバランスでした。
楊貴妃、長恨歌の話に、わたしのイメージと違いました

さて、脳がいかに優れていても、現実の体験と、脳のイメージすることは、百聞は一見に如かず、経験の後のイメージは固定してしまいます。西安には、実は、三回出かけています。わたしの記憶にある古都のイメージです。大脳前頭葉は、それがだんだんと文学の想像になって、さらには人の心を知ることが、すこし、できるようになります。

そこで患者様の持つ痛みについて、イメージとして考えます。わたしは、がんサバイバー七年目です。麻酔注射、肺切除の痛み、これは術後の管を何本もつけて動けない痛みでした。人の痛みは、大きい、動けなくなる痛みも、小さな切り傷の痛みも、それが、ほかの人には、わからないのです。どんなに想像しても、その経験がないとわからない、経験しても個々の違いでいえば、やっぱりわからないので、こうだろう、ああだろうということです。痛みがなくなるということは、そのまま治るか、あるいは治らないかで、症状が変化していきます。そのときに、三ケ月前には大変な経験をしました。

ガン発病前の同時期に、リウマチになるかという、多発性関節炎を起こしていました。それはどうだったか・・・体がこわばってきて、動けない、ほんとに脳が命令できないか、動かなくなるというか、寝たきりになるのを想像して、それで、ステロイドによる劇的なる回復をしたのです。信じられないくらい、あっという間の、それは想像外でした。

看護師となられる皆さんが、人の痛みを知る、その痛みを解決する、痛みがなくなるケアを方法として行う、という、そのことを日常の中で経験をしていきます。痛みをすべて経験することはできない、むしろ痛みは知らなかった方がよい、わたしの個人の思いですが、しかし、そこで思います。

痛みを自分のなかの経験から類推する、その類推が想像によって、どう看護を行うか、ケアをするか、人の痛みを知ることは、看護師として、患者様のその痛みを解決することにつながると考えてみてはいかがでしょう。緩和ケアは、そうでしょうか。

大脳の働きにあるスクリーンと、映画のスクリーンと、そこに映し出すことのできるのは、素晴らしい人間の想像です。日々、それを意識するかどうかということがあっても、わたしたちには、人の心を知る、人のことを思いやる、その働きを人間として行って、支えあっています。

痛みを伝える、痛みをわかる、痛みを見つめる、その言葉をきっぱりととらえるとこが大事だと思います。

どうぞ、これからを想像してみてください。看護師になる、いま、ここから巣立っていかれます。あたらしい環境になります。
皆様のご活躍を祈って、お祝いの言葉といたします。

ありがとうございました。




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