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その日から十年後

2013-01-09 | 日本語新百科
日本誤百科というコラムに、日本語新百科をこしらえようとして、日本語はどうなっているかと、日本語珍百科を書いてしまいました。コラムの著者には解説を簡潔に書いていくという制約があるでしょうに、ご苦労を思いつつ、このようなブログを書くきっかけをくださって感謝いたします。

日本語誤百科 735
その日から10年後 を、例題にしている。どこが誤りか。
十年後を使いたければ、その日の十年後に と、するのがよいとする。
その日から十年から の言い方で、から と、後 を、同語反復とみている。
今日から と言えば、今日よりも後の期日だということ と説明する、ポイントだろうか。
つまり、その日より十年 と言えば、よいのであるが、いかが。

コラムの解説は、十年後の表現に注目しているが、一方でまた、から が問題だともいえる。
この例文は、から より 使い分けに焦点を当ててみると、どうなるか。

より は本来的に起点を表していた。10時より会議 と言う。
から はその用法を持つようになった。10時から会議 と言う。
しかし、この用法は聞くものをして、10時から12時までかな、というふうに、起点に対する到達点を思わせるような言い方である。つまり、~から~まで の用法を意味するようになった。これは、まで に対する、~より の代用であるが、~から~まで と、定着をしたのは、英語教育の影響であるともみられる。
本題であるが、その日から10年、と言ってしまえば、その10年の間を意味するのか、どうかである。
その日より10年 と言えば、その日より後の、それこそ10年後を意味して、またその日のめぐりで、10年後の、いわば起点となる。
その日の10年後はわかりよさそうであるが、よく聞いていると、少し意味解釈が困難である。
その日から10年 は、その日から10年のいつまでと、10年間を意味すると受け取られかねないので、またその日を強調して言えば、その日から10年後のその日となり、その日 という繰り返しをを避ける表現である。
から と、 より はどうちがうのか。古典語から近代語へかけての用法の違いとなるが、その近代は20世紀半ばまでに及ぶことになる。
ただ、10時から会議です と、言えば、お知らせをするのにふさわしくないと注意を受けたものだった。いつまでも会議が続く、あるいはそこで終わってしまうか、だからからである。


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