おもいをめぐらす、情けは心にある、その形容を思い浮かべる意味が、想字にある。オモウという訓義は、おもふ について、おもゆ おもほゆ などに、おも となる語根が見出せる。なお、これには、重 主 面 などの漢字を充てて語源説とするようである。
思う、漢字の仕組みを白川静説で、見ると面白い。
辞書に、思う/▽想う/▽憶う/▽念う と、あて読みをする例がある。恋う というのもあるようだが。
田のかたちは、脳の蓋が正字にあるようである。そこに心臓の形に象る心がつく。
>会意。心と、囟(しん)(子どもの頭のひよめき。田は変わった形)とから成り、心と頭で考える意。
角川新字源 改訂新版
思
>正字は ―略ー 脳蓋の象形。人の思惟するはたらきのあるところ。 字通
想
>形容を思いうかべることをいう。その人を慕う意がある。
訓義[1] おもう、おもいうかべる、おもいしたう、ねがう、おもいめぐらす。
[2] かんがえ、おもわく。
古辞書の訓
〔名義抄〕想 オモフ・オソル/想像 オモヒヤレ 〔字鏡集〕想 コヒ・オモフ・オソル