現代日本語文法文章論 題材は、タイトルが、ポケットの中の郷土史 とある。副題に、偉人伝や昔話収載、北海道「ところ文庫」30号到達 とある。エッセイである。日本経済新聞の文化面、20141015付けである。執筆者は、 佐々木覚氏である。なお、有料会員サイトであり、著作の全文をこのように言語分析に資料としているので、そのことをお断りするとともに、ここにお礼を申したい。
冒頭の文は、次である。
>北海道の東部、オホーツク海に面した旧常呂町(現北見市)で毎年発行される本がある。
末尾の文は、次である。
>来春には「常呂町の歴史資料3」を出し、「カーリングのあゆみ」の続編も再来年には出したい。
書き出しの文段は、次のようである。
>北海道の東部、オホーツク海に面した旧常呂町(現北見市)で毎年発行される本がある。足かけ30年続く「ところ文庫」だ。現在は私が事務局長を務める常呂町郷土研究同好会で1985年に刊行を始め、今春30号を出した。
末尾の文段は、次のようである。
>会員数の減少や補助金の減額もあり、やりくりは楽ではない。在庫のない号もあるが、700~1200円(送料込み)で頒布。以前は500部刷っていたが、近年は300部に抑え、ページ数も減らして、何とか出版を続けている。来春には「常呂町の歴史資料3」を出し、「カーリングのあゆみ」の続編も再来年には出したい。
段落は、見出しのもと、次のようである。
> 松浦武四郎を紹介
歴史分野では、幕末から明治にかけて活躍した探検家で北海道の名付け親として知られる松浦武四郎や、江戸時代の文献に描かれた常呂の様子などを紹介した。開拓の歴史も取り上げた。町民の声などを収録した「常呂町の昔話」は計3巻に及び、高知県や岐阜県から入植した人たちの苦労話を収めた。
> 常呂遺跡を詳細に
竪穴住居の数では日本最大級の常呂遺跡を中心に、町内の遺跡や遺物も取り上げている。95年には常呂遺跡の発見者である故大西信武さんの功績を紹介した「大西信武と常呂遺跡」を刊行した。
> カーリング秘話も
常呂というとカーリングを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。常呂は冬季五輪で活躍するカーリング選手を輩出。私も子ども大会の世話役を務めたことがあり、その中には後に五輪で活躍する選手もいた。
2014/10/15付
日本経済新聞 朝刊
「日本人立ち入り禁止」。終戦後の東京などにはGHQ(連合国軍総司令部)が接収したビルやホテル、住宅があちこちに出現した。「オフ・リミット」の看板ひとつでその先は日本であって日本ではなくなる。占領とはなんと無体なものかと泣いた人は多かったろう。
銀座の松屋や和光がPX(軍人軍属専用の売店)に衣替えしたのは有名な話だ。足を踏み込めぬ店内を想像してうらやましさも募ったに違いないが、そういうのも今は昔……では必ずしもないらしい。今国会での成立がとりざたされるカジノ合法化法案をめぐり、利用を外国人に限定する案が浮かんだり消えたりしている。
慎重論が少なくないなかで、とにかく施設をつくってしまうのが先決だ、と議員連盟の面々は考えたのかもしれない。先週、いったんは日本人オフ・リミットへと法案を修正する方針を決めた。ところがこれに推進派の仲間うちから疑義が噴き出したため、数日後に撤回を余儀なくされた。ずいぶん場当たり的ではないか。
カジノといえば格好よく聞こえるが、ようするに鉄火場である。刑法で禁じられた賭博を特別に認めようというのだから、占領下のPXみたいにする案まで出てくるのだろう。そうまでして開帳すべき座であるかどうか、ここはよくよく思案がいる。これからの議論には日本人あまねく、遠慮せずに立ち入ったほうがいい。
冒頭の文は、次である。
>北海道の東部、オホーツク海に面した旧常呂町(現北見市)で毎年発行される本がある。
末尾の文は、次である。
>来春には「常呂町の歴史資料3」を出し、「カーリングのあゆみ」の続編も再来年には出したい。
書き出しの文段は、次のようである。
>北海道の東部、オホーツク海に面した旧常呂町(現北見市)で毎年発行される本がある。足かけ30年続く「ところ文庫」だ。現在は私が事務局長を務める常呂町郷土研究同好会で1985年に刊行を始め、今春30号を出した。
末尾の文段は、次のようである。
>会員数の減少や補助金の減額もあり、やりくりは楽ではない。在庫のない号もあるが、700~1200円(送料込み)で頒布。以前は500部刷っていたが、近年は300部に抑え、ページ数も減らして、何とか出版を続けている。来春には「常呂町の歴史資料3」を出し、「カーリングのあゆみ」の続編も再来年には出したい。
段落は、見出しのもと、次のようである。
> 松浦武四郎を紹介
歴史分野では、幕末から明治にかけて活躍した探検家で北海道の名付け親として知られる松浦武四郎や、江戸時代の文献に描かれた常呂の様子などを紹介した。開拓の歴史も取り上げた。町民の声などを収録した「常呂町の昔話」は計3巻に及び、高知県や岐阜県から入植した人たちの苦労話を収めた。
> 常呂遺跡を詳細に
竪穴住居の数では日本最大級の常呂遺跡を中心に、町内の遺跡や遺物も取り上げている。95年には常呂遺跡の発見者である故大西信武さんの功績を紹介した「大西信武と常呂遺跡」を刊行した。
> カーリング秘話も
常呂というとカーリングを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。常呂は冬季五輪で活躍するカーリング選手を輩出。私も子ども大会の世話役を務めたことがあり、その中には後に五輪で活躍する選手もいた。
2014/10/15付
日本経済新聞 朝刊
「日本人立ち入り禁止」。終戦後の東京などにはGHQ(連合国軍総司令部)が接収したビルやホテル、住宅があちこちに出現した。「オフ・リミット」の看板ひとつでその先は日本であって日本ではなくなる。占領とはなんと無体なものかと泣いた人は多かったろう。
銀座の松屋や和光がPX(軍人軍属専用の売店)に衣替えしたのは有名な話だ。足を踏み込めぬ店内を想像してうらやましさも募ったに違いないが、そういうのも今は昔……では必ずしもないらしい。今国会での成立がとりざたされるカジノ合法化法案をめぐり、利用を外国人に限定する案が浮かんだり消えたりしている。
慎重論が少なくないなかで、とにかく施設をつくってしまうのが先決だ、と議員連盟の面々は考えたのかもしれない。先週、いったんは日本人オフ・リミットへと法案を修正する方針を決めた。ところがこれに推進派の仲間うちから疑義が噴き出したため、数日後に撤回を余儀なくされた。ずいぶん場当たり的ではないか。
カジノといえば格好よく聞こえるが、ようするに鉄火場である。刑法で禁じられた賭博を特別に認めようというのだから、占領下のPXみたいにする案まで出てくるのだろう。そうまでして開帳すべき座であるかどうか、ここはよくよく思案がいる。これからの議論には日本人あまねく、遠慮せずに立ち入ったほうがいい。