読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

寺の鐘

2011-02-12 10:46:59 | 読書
私の近くに禅寺が有る。朝五時に十一の鐘が鳴る。なぜ十一なのかは解らない。信仰上の意味と
時刻を知らせる意味が有るのだろう。
江戸時代では鐘の音は時刻を告げるものになっていたが、その鐘は寺院の鐘とは限っていなかったらしい。寺院の鐘であったとしてもそれを鳴らすことは寺僧とはまったく無関係だった。
つまり、時刻を告げる鐘を寺僧が撞くことはなかった。鐘撞番と言う専門職の男たちがいて、時の鐘を鳴らすことだけを一日の仕事にしていたのである。僧侶が撞く鐘は寺院のためだけの合図なっていたのである。例えば、芝の増上寺は一日に二度の鐘を撞いたが、広い境内に朝夕の勤行のときを知らせるためだけのものだった。
笹沢佐保著「俳人一茶捕物帳」光文社刊から


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