読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

電子書籍リーダー時代はもう終わってしまった?

2013-01-06 10:36:28 | 読書

wsj日本版から

私もグーグルタブレットを使っていて、書籍専用のキンドルなどは使おうとは思わない。
電子書籍を読むための専用端末、電子書籍リーダーはここ5~6年の間、話題の的だった。しかし、タブレット型端末の小型化が進み、廉価版が発売されるようになった今、ネット通販大手アマゾンの「キンドル」や米書店大手バーンズ・アンド・ノーブルの「ヌック」などの読むことにしか使えない端末の運命が問われている。

 市場調査会社IDCによると、2012年の電子書籍リーダーの世界出荷台数は推計1990万台となり、前年の2770万台から28%減少した。これに対して、2012年のタブレット端末の出荷台数は推計1億2230万台に上った。

 


Bloomberg
バーンズ・アンド・ノーブルの「ヌック」

 調査会社HISアイサプライの集計はこれとは異なるものの、同じような傾向を示している。同社の推計では、専用の電子書籍リーダーの出荷台数は2011年にピークに達しており、2012年は前年比36%減の1490万台だった。同社は出荷台数が2015年までに780万台にまで落ち込むと予想している。

 問題の一つは、電子書籍リーダーを購入したユーザーの一部が早く次の端末を買いたい、とは特に思っていないことだ。薬物乱用カウンセラーとして働くオハイオ州ストウ在住のジュリー・カーティスさんはもっぱら、2年前に買ったキンドルを使っているという。カーティスさんは「ちゃんと動くし、新しいものを買う理由がない。最新版を買う気になっていたら、キンドルファイアのようなタブレット型端末を選んでいたと思う」と話した。

 2007年に流行り出したとき、電子書籍リーダーは画期的な商品に見えた。1台の端末に数百冊もの本を収納して読むことができる上、重さは大抵のハードカバーの本よりも軽く、大したスペースもとらない。しかも、電子書籍は紙の本より安いのだ。

 その後、電子書籍リーダーのデザインが改良され、見た目も読みやすさも向上した。軽量化が進み、ページをめくる速度も上がり、さらに多くの本が収納できるようになった。無線通信機能が搭載され、ユーザーがいつ、どこにいても小説や雑誌、新聞をダウンロードできるようになった。今では、暗い所でも本が読める機能も搭載されている。

 「電子書籍リーダーの真のイノベーションとは、コンピューターを使わずにワイヤレスで本が買える利便性を消費者に与えたことだ」と指摘するのは調査会社フォレスター・リサーチのアナリスト、サラ・ロットマン・エップス氏だ。「まさに消費者の自分の手の上にオンラインショップをもたらしたという意味で、電子書籍リーダーは『事件』だった」とエップス氏は話している。

 しかし、消費者の好みも技術も変化した。人が本を読むのをやめたわけではない。世論調査機関ピュー・リサーチ・センターの最近の報告書によると、電子書籍リーダーではなくタブレット型端末で電子書籍を読む人がますます増える可能性が高くなっている。同社の調査では、電子書籍を読んだことのある米国人の割合は2011年には16%だったが、2012年には23%にまで上昇した。

 廉価版のタブレット型端末は高機能の電子書籍リーダーとしてだけではなく、インターネットブラウザーやゲーム機、カメラとして使うこともできる。IDCのタブレット担当のリサーチ・ディレクター、トム・メイネリ氏は「ほとんどの消費者にとっては、さまざまな使い方ができるタブレット型端末のほうが都合がよく、タブレット型端末が消費者にとって買う気になる価格になったときはなおさらだ」と話す。メイネリ氏は「電子書籍リーダーは最終的には隙間商品になるだろう」と話している。


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