読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

魚の目は涙

2013-08-28 09:30:34 | 読書
芭蕉の句に「行く春や 鳥鳴き 魚の目は涙」がある。
昔からこの魚の目は涙の部分の解釈が不明で、ネットで
調べても納得行く解釈は無かった。専門家に拠る解釈、分析
文法解釈も何か核心を突いていなかった。
私はヘルニアで二ヶ月ほど寝ていた事が有った。その間ベッドで
読書するしか無く、白川静の中公文庫「漢字百話」の三度目を
読み返していた。そのときに、「魚の目は涙」を一文字で表す
漢字を見つけた。「鰥」である。かんと読む。その意味は
年老いてから妻を亡くした男の意であると言う。
この漢字をみたとき、前掲の句の前解釈が出来たと思った。
つまり、魚の目は涙は「鰥」であり結婚した事のない芭蕉自身の
事を行っていたのである。この句は別れの句で芭蕉自身も別れに
涙したと言う二つの意味を掛けていたのである。


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