ある旅人の〇〇な日々

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映画「かもめ食堂」

2009年11月22日 | Weblog
「めがね」に続いて「かもめ食堂」をみた。荻上直子監督ワールドは面白い。主な出演者は、サチエ(小林聡美)、ミドリ(片桐はいり)、マサコ(もたいまさこ)である。
サチエはフィンランドのヘルシンキで「かもめ食堂」という和食の小さなレストランを開店した。でも客はなかなか来店せず、グラスを磨いて時間をつぶしている。ヘルシンキのかもめは丸々と太っているので好きだという。それで「かもめ食堂」と名づけたようだ。なぜヘルシンキにやってきたか分からない。
ある日、町の書店でミドリに出会う。「旅をしようと世界地図の前で目をつぶり、指した所がフィンランドだった」というミドリ。サチエは、彼女を自宅に泊めて、やがて食堂を手伝ってもらうことになった。
一方、マサコは、両親の看護という務めを終え、息抜きにヘルシンキに着いたものの、荷物を紛失してしまう。荷物を探す間にかもめ食堂へたどりつき、彼女も食堂を手伝うこととなる。マサコはニュースでたまたまフィンランドで開催されたエアギターのコンテストをみて行きたくなったというから面白い。
「めがね」は南の島の宿が主要な舞台だったが、「かもめ食堂」はヘルシンキの食堂がそれである。どちらも奇妙な人々が集まってストーリーが静かに展開していくのである。
かもめ食堂のメインメニューはおにぎりである。シナモンロール、トンカツ、トリの空揚げ、鮭の塩焼き、イモ煮、肉の照り焼きなど調理している様子も撮られている。それに美味しいコーヒーもある。この映画でも「めがね」と同じフードスタイリストがスタッフになっている。
美男美女の俳優が出演しなくても、みる人を満足させる映画の典型であろう。小林聡美は、むかし大林監督の「転校生」というのに出演していた。尾美としのりと共演していたが、まだティーンエイジャーのころだろう。パンツと小さな胸をみせるお茶目な役だったが、いい女優になった。片桐はいりは演技以前に顔がすごい。もたいまさこもユニークな女優だ。この映画、2006年に当初、東京と神奈川の2館のみで公開されたそうだが好評だったので全国の映画館で公開されることになったというからすばらしい。
そうだ。エンディング曲が井上陽水の「クレイジーラブ」だったのには驚いた。

かもめ食堂の料理


満席になったかもめ食堂