ある旅人の〇〇な日々

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支那のカニバリズム

2005年07月18日 | Weblog
つい最近、ネットで中国においては胎児が食べられているという記事をみて驚いた。胎児を切り刻み、料理している画像付きのものでとても気持ち悪いものであった。
以前、本で清代に親の結核を治すために、その息子が自分の股の肉を切り取って食べさせていたというのを読んで、カルチャーショックを受けたこともあった。作家の黄文雄や小室直樹もカニバリズム(人食い)が中国の文化の特徴だと述べていた。孔子は弟子の子路が斬り殺されて切り刻まれ「なます」にされたとき、塩漬肉を食べるのを断ったという。また、ある村に役人が巡察にやってきたとき、貧しい家の娘がもてなすのに自分を食べさせたという。これは夜伽ではなく、油をたぎらせた大鍋に裸身で飛び込んで自らを空揚げにしたのである。こういう記録がいっぱい残っているのだ。
正史にさえ、飢饉の時は共食いが行われたことが百回以上も記録されている。北京原人の化石にさえ、骨が焼かれた痕跡があるので共食いが推測されている。

(左:『食人宴席』(カッパブックス) 右:『カニバリズム論』(福武文庫))
中国の亡命作家鄭義の『食人宴席』(カッパブックス)に数十年前の文化大革命時の広西での9万人の虐殺と食人犠牲者を調査した結果をまとめている。とても酷たらしい内容である。何の罪もない人が批判糾弾され、殴殺され、肉を削がれ、肝が切り取られ、人肉料理の宴会が始まるのである。中国人は、殺しても憎しみが消えず、さらにバラバラにして食ってしまうのである。これはA級戦犯靖国合祀問題に関する中国のしつこさが分かるような気がする。日本では死んだら神様になるが、中国では憎い死者を食わなければ気が済まないのだ。
中野美代子の『カニバリズム論』(福武文庫)に魯迅の「狂人日記」や「薬」の作品がカリバニズムとして紹介されている。さらに「戦国策」には主君が人肉が食ったことがないので、料理人が我が子を蒸して献じた話もある。元代の優れた学者のエッセイに、人肉の味は「小児を以て上となし、婦女これに次ぎ、男子またこれに次ぐ」と言って人肉料理法をしるしている。宋代の「鶏肋編」によれば、「子どもの肉は骨ごとよく煮える、女の肉は羊よりもうまい、男の肉はたいまつよりまし」となっている。人肉一般は「両脚羊」と呼ばれ市場で売られていたのだ。現代のシナ人は、子どもの肉より胎児の肉がうまいことを発見したのかもしれない。
日本は人食い文化の中国と親しくやっていくには深い河がありそうだ。