百歳に向かってもう一度世界一周

百歳に向かってもう一度「歩いて世界一周」に挑戦したい。日中友好董存瑞育英基金を充実したい。富士登拝・・・

赤い紙と赤紙

2006-02-20 19:25:19 | Weblog

2月20日 (月)  
         平成17年1月1日より416日目
             歩いた歩数     其の距離  
         本日    16,796歩     11,757m
         総計  5,758,620 歩   4,031,034 m
         只今南支那海上、香港まで残り221,966m

  従兄弟の家に居候をして居た昭和18年の夏のある日、町役場の吏員が赤い紙を持ってやってきた。従兄宛のものだった。受け取った私は予感がしたので従妹に託して家を出た。それは赤紙だったのだ。それから一週間ほどして従兄は出征した。その赤い紙は赤紙(召集令状)だったのだ。

  形容詞のついた名詞が形容詞と合体した名詞とでは、本来は同じ意味である筈だが、日本語では形容詞のついた名詞の持つ意味を絞って特別の性格を持ったものに特化してしまう。長い社会生活の中に日本人はそれを理解しているが、日本語を学習したとしても外国人には全く違う性格を持っていると言うようには理解し難いであろうと思う。

  白い紙 白紙=契約を解除する
  古い紙 古紙=廃物になった紙
  安い物 安物=本物でない下級品
  昔の話 昔話=おとぎ話
  黒い幕 黒幕=影の実力者
  北の風 北風=北からふく冷たい風

  昭和20年2月28日 私は金沢の陸軍病院で衛生兵の教育を受けていた。その夜の点呼で班長が言った。「戦地に行きたい者は手を挙げろ!」衛生兵は全員手を挙げた。が私だけ手を挙げなかった。班長は「班長室に来い」と言った。私は体罰を覚悟して付いて行った。「どうして戦地へ行かないのか?」と言った。私は「行きたい者は手を挙げろ・・・と言われたので挙げませんでした。戦地へ行くことになったと言われれば行きます。」と答えた。翌日私は「帰休兵除隊を命ず」という命令で一人帰郷した。3月26日「現役復帰を命ず」という白い紙の召集令状が来た。25日間の特別休暇を貰ったようなものだったが、懐かしい思い出だ。

      飯山雪風景
              駅裏の踏み切り