百歳に向かってもう一度世界一周

百歳に向かってもう一度「歩いて世界一周」に挑戦したい。日中友好董存瑞育英基金を充実したい。富士登拝・・・

思い出の「道中日記」

2005-09-06 11:32:08 | 道中日記
9月5日

   平成17年1月1日より248 日目
    歩いた歩数   其の距離
 本日   15,545歩   10,882m
 総計 3,333,107 歩 2,333,175 m

   仮想通過地点  沖永良部島(9.05)

 去年の今日は、私たち夫婦にとっ。て忘れえぬ記念の日である。バーチャルの「歩いて世界一周」のフィナーレを飾る「本土縦断」の出発の日だ。

 歩いてきたことが本物だということを実証するためにも、歩くことが健康に役立つことを実証するためにも歩ききらねばならないし、ホームページに完璧に載せていかなければならないと思うと重くなるが、夫婦水入らずの長旅と思うと楽しみも大きい。

 ここに思い出の道中日記を読み返して、再び「老春」をエンジョイすることにする。

 第1日目 9月5日   大間町~風間浦村~大畑町

「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人也。船の上に生涯をうかべ、馬の口とらへて老いをむかふるものは日々旅にして旅を栖とす。」松尾芭蕉が東北・北陸を旅して記した「おくのほそ道」は幽玄・閑寂なすばらしい文学作品であるが、私たちの道中日記は歩いて世界一周」の「ゴール目指して」の裏付けとして、また永年連れ添った夫婦の二人三脚のありのままの姿を残して生涯の思い出にしたいものとしてこれから書き込んで行きたいと思う。

起床 5:00 出発 6:30 天候 くもり 風おさまる 大間崎~大畑町

みちくさ 奥薬研温泉

昨夜遅くまで語り明かしたバイクの青年がテントを撤収していた。5:40北海道行きのヴァーユ号にのるために爆音あげて出発した。

別れはいつもつらいものだ。つぎは私たちの番だ。小田君と「どこかで又会えるネ。キット会いましょう!」と堅い握手。言葉では尽くせないものがあるせいかどうしても手に力が入りすぎる。

  

妻には国道に出る道に出たら携帯で知らせるから、それから出発するようにと打ち合わせた。いまは妻が別れを惜しんでいることだろう。

大間の思い出は尽きない。竹村夫妻とは一期一会の付合いながら色々と学ぶべきものがあった。お幸せに!

 国道279号を南に向かって歩く。気分は大分軽くなってきたし、体調は万全・腰も膝もこちらに来てからは全く痛みを感じない。幸先のいいスタートとなった。
風間浦に入ってはじめての携帯が妻から掛かってきた。声に張りがある。本人も心が弾んでいるんだろう。風間浦には下風呂温泉があるが私が一番期待しているのはなんと言っても烏賊さまレースだ。ここを妻は通り過ぎてしまった。置いて行かれても何としても見たい一念で、会館に入ると「レースは金・土のみ」と張り紙がある。がっかりしてレースのコースを写真に収めて出た。それにしても肝心の日曜日にやらないなんて、商売気のない漁協だこと。これだから小泉さんに「民で出来るものは民に」と叫ばれてしまうんだ。「イカサマレース」だから仕方がないか。


景色の良い海岸なのでデジカメをやたらと押したが、後で「蛇浦海岸」と聞いた。磯釣りも楽しめるようだ。「易国間」という地籍に出た。
「えきこくま」ですかと尋ねると「そうだ」との返事。当たったことは当たったが変な感じだった。易国間川は秋には鮭が上がるし、渓流釣りが楽しめるし、紅葉も美しいと標準語で話してくれた。

「ふるさとの 旅なつかし 停車場の 人ごみのなかに そを聴きにゆく」と啄木さえ歌ってるのに、それにわたしはICレコーダーまで用意して来たのに・・・みなさんみんな標準語で対応してくれる。これには少々ガッカリ。やがて大畑町に入る。

       

今日のノルマはここまでなので景色の良い海が見渡せる駐車場を終点と決めて、妻に相談。「奥薬研温泉のカッパの湯」に行くことにした。そこに行くまでの峠の長いことには驚いた。明日はその峠を歩いて通らなくてはならない。たいへんだ!と思うと同時に偵察できてよかったと思った。

時間があればこれからも翌日歩く道を偵察することにしようと決めた。段々と日が翳りだした渓谷を分け入ると、竹村夫妻から聞いていた「男女混浴」しかも「タダ」の露天風呂があるではないか。しかし男性ばかりなので妻は遠慮する。

青く澄んだ少し熱めの湯がとても心地よい。ここではじめて地のことばで話すきのこ談義を聞いた。耳をまして聞いていても真実はわからない。ただ概要は大掴みで判るので気持ちがいい。ゆっくりときのこの自慢話を聞いてあがったがこんなすばらしい温泉を見ただけで妻を帰すわけにはいかないと思い、夫婦かっぱの湯に入るよう説得する。ようやく納得して出かけた妻はほんとに気に入った様子。薬研温泉の大きな駐車場での夜食は小言を聞く事もなくゆっくり飲めた。飲んだ後2時間ほどかけて日記を書き上げた。

仕上がったがどうも写真が気に入らないので差し替えようとすると、保存しますか?いいえですか、と聞いてきたので「いいえ」とやった途端、全部いっぺんに消えてしまった。もう10時を回っていたのでやり返す気力もなくし、不貞寝する。だがなかなか悔しくて眠れない。