朝夕の風に秋の訪れを感じる季節になりました。
黄金色に実った稲穂が日ごとに刈り取られ、落ち穂をついばむ小鳥たちの声が、高い青空によく響きます。
■ 新たな「秋の季語」
さて最近では、この季節の季語に「総裁選」を加えても良いのではないかと思うほど、毎年この時期になると、自民党の「出来レース」が繰り広げられます。
今回も5名の「演者」たちと、その周囲の人々が盛り上がり、その姿は、さながら「秋祭り」のような賑わいを見せています。
洋の東西を問わず、この「秋祭り」は「収穫に対する感謝」という意味を持ちますが、彼らは一体どのような「種」を蒔いた上で、「収穫」を行おうとしているのでしょうか。
■ 生活を破壊した「小泉改革」
いま政治に求められるものは何でしょうか。もちろん様々な問題がありますが、何よりもまず格差の是正、国民生活の安定が挙げられます。
医療・介護・年金・雇用・障がい者福祉・貧困対策など社会保障政策の充実、それを担う自治体への財政措置、増やし過ぎた非正規雇用の正規化促進などが、柱として挙げられるでしょう。
こうした現在の問題点、すなわち格差の拡大や社会保障の切捨てを生み出した「元凶」は何だったでしょうか。それは言うまでもなく「小泉改革」です。
「小泉改革」は、市場原理主義と無差別な規制緩和により、医療を切り捨て、介護を見捨て、年金を切り下げ、雇用を破壊し、障がい者を見捨て、「ワーキングプア」と呼ばれる新たな貧困層を増大させ、地方の財源を取り上げ、まるで中国の「先富論」のような「企業利益優先」に走る余り、そこで働く人々を窮地に追い込みました。
■ 「戦後最大の失政」
こうした「小泉改革」には、与党内からも反省の声が出ました。
「いざなぎ超え」と呼ばれた「戦後最長の好景気」の時期でも、国民の平均所得が下がり続けたことへの批判に対し、自民党は昨年の参院選でのスローガンを「成長を実感に」としました。
それを掲げた安倍氏の後に首相になった福田氏も「生活に安心」「消費者が第一」「安心実現内閣」などを掲げました。
しかし、「掛け声」ばかりだっただけでなく、一方で「改革路線を堅持」を明言したために、両政権は実に情けない幕切れを演じました。
これこそが「戦後最大の失政」とも言える「小泉改革」の「政治的評価」と言えるでしょう。
■ 小泉内閣の「一員」たち
さて、5名の「総裁候補」がいます。
彼らは全て、この国民生活を破壊してきた小泉内閣の一員たちばかりです。
麻生氏は総務大臣、石原氏は行革担当大臣・国土交通大臣ほか、石破氏は防衛庁長官、小池氏は環境大臣、与謝野氏は金融担当特命大臣を務めた人物なのです。
あらゆる内閣の方針は「閣議決定」を経て、法案ならば国会に、政省令ならば各省庁に出されますが、この「閣議決定」は全会一致が原則です。
しっかりとした政治信念を持ち、この国のあり方を真剣に考えてきた人物ならば、閣僚だったときに「異論」を唱えることもできたはずです。
それもせず、小泉内閣の中で、小泉氏とともに「戦後最大の失政」という「種」を蒔いてきた5名が、「劇場ごっこ」を必死で盛り上げようと、屁理屈をこねまわしています。
本来ならば、12日から始まる国会で多くの議論が行われる予定でしたが、自民党という一政党の都合だけで、2週間程度「停滞」が続くのです。実に愚かしい話だと思います。
■ 「適当」
小泉氏・安倍氏・福田氏、世論調査で彼らを「支持する」と答えた人々も少なからず、いました。
その理由として、ほとんどの場合トップはこういうものでした。
「ほかに適当な人がいないから」
つまり、そのときの首相が辞めれば、もう「該当者なし」です。
また、このような理由でしか支持されないような自民党の総裁選に一体、どのような興味を持て、とメディアは言うのでしょうか。
総裁選のニュースをどれだけ熱く語っても所詮は「秋」の季語。
煽ろうとする「風」も、今年は「秋風」のように冷ややかなことでしょう。
私たち一般の国民からすれば、首相として「適当ではない人」ばかりなのですから。
黄金色に実った稲穂が日ごとに刈り取られ、落ち穂をついばむ小鳥たちの声が、高い青空によく響きます。
■ 新たな「秋の季語」
さて最近では、この季節の季語に「総裁選」を加えても良いのではないかと思うほど、毎年この時期になると、自民党の「出来レース」が繰り広げられます。
今回も5名の「演者」たちと、その周囲の人々が盛り上がり、その姿は、さながら「秋祭り」のような賑わいを見せています。
洋の東西を問わず、この「秋祭り」は「収穫に対する感謝」という意味を持ちますが、彼らは一体どのような「種」を蒔いた上で、「収穫」を行おうとしているのでしょうか。
■ 生活を破壊した「小泉改革」
いま政治に求められるものは何でしょうか。もちろん様々な問題がありますが、何よりもまず格差の是正、国民生活の安定が挙げられます。
医療・介護・年金・雇用・障がい者福祉・貧困対策など社会保障政策の充実、それを担う自治体への財政措置、増やし過ぎた非正規雇用の正規化促進などが、柱として挙げられるでしょう。
こうした現在の問題点、すなわち格差の拡大や社会保障の切捨てを生み出した「元凶」は何だったでしょうか。それは言うまでもなく「小泉改革」です。
「小泉改革」は、市場原理主義と無差別な規制緩和により、医療を切り捨て、介護を見捨て、年金を切り下げ、雇用を破壊し、障がい者を見捨て、「ワーキングプア」と呼ばれる新たな貧困層を増大させ、地方の財源を取り上げ、まるで中国の「先富論」のような「企業利益優先」に走る余り、そこで働く人々を窮地に追い込みました。
■ 「戦後最大の失政」
こうした「小泉改革」には、与党内からも反省の声が出ました。
「いざなぎ超え」と呼ばれた「戦後最長の好景気」の時期でも、国民の平均所得が下がり続けたことへの批判に対し、自民党は昨年の参院選でのスローガンを「成長を実感に」としました。
それを掲げた安倍氏の後に首相になった福田氏も「生活に安心」「消費者が第一」「安心実現内閣」などを掲げました。
しかし、「掛け声」ばかりだっただけでなく、一方で「改革路線を堅持」を明言したために、両政権は実に情けない幕切れを演じました。
これこそが「戦後最大の失政」とも言える「小泉改革」の「政治的評価」と言えるでしょう。
■ 小泉内閣の「一員」たち
さて、5名の「総裁候補」がいます。
彼らは全て、この国民生活を破壊してきた小泉内閣の一員たちばかりです。
麻生氏は総務大臣、石原氏は行革担当大臣・国土交通大臣ほか、石破氏は防衛庁長官、小池氏は環境大臣、与謝野氏は金融担当特命大臣を務めた人物なのです。
あらゆる内閣の方針は「閣議決定」を経て、法案ならば国会に、政省令ならば各省庁に出されますが、この「閣議決定」は全会一致が原則です。
しっかりとした政治信念を持ち、この国のあり方を真剣に考えてきた人物ならば、閣僚だったときに「異論」を唱えることもできたはずです。
それもせず、小泉内閣の中で、小泉氏とともに「戦後最大の失政」という「種」を蒔いてきた5名が、「劇場ごっこ」を必死で盛り上げようと、屁理屈をこねまわしています。
本来ならば、12日から始まる国会で多くの議論が行われる予定でしたが、自民党という一政党の都合だけで、2週間程度「停滞」が続くのです。実に愚かしい話だと思います。
■ 「適当」
小泉氏・安倍氏・福田氏、世論調査で彼らを「支持する」と答えた人々も少なからず、いました。
その理由として、ほとんどの場合トップはこういうものでした。
「ほかに適当な人がいないから」
つまり、そのときの首相が辞めれば、もう「該当者なし」です。
また、このような理由でしか支持されないような自民党の総裁選に一体、どのような興味を持て、とメディアは言うのでしょうか。
総裁選のニュースをどれだけ熱く語っても所詮は「秋」の季語。
煽ろうとする「風」も、今年は「秋風」のように冷ややかなことでしょう。
私たち一般の国民からすれば、首相として「適当ではない人」ばかりなのですから。