■2000.2.29(第450話) 発表2000年2月
評価 ★★★★
依頼人 台湾陸軍特殊部隊 韓文尊 参謀長
ターゲット 中国の放ったミサイルの被弾阻止
報酬 不明
今回弾丸発射数 1/ 通算弾丸発射数 2,404
今回殺害人数 0/ 通算殺害人数 4,693
今回まぐわい回数 1/ 通算まぐわい回数 112
<ストーリー>
コンピューターが日付を正しく認識できないという”2000年問題”をクリアしたのもつかの間、”2000年閏年問題”が浮上、混乱に乗じて中国が台湾にミサイルを・・・
<この一言>
急げ!時間が惜しい!
<もう一言>
可能性は・・・三%以下の、確率だ・・・
<さらに一言>
お前が本物のプログラマーなら、僅かな可能性でも探るはずだ・・・
<解説>
中国・海南島のミサイル基地のコンピュータ・システム部署に勤務する『漕李魁』補佐は、うだつの上がらないオタク技師。同僚女性『楊』に思いを寄せるも、気色悪く思われ嫌われている。しかし、その容貌とは裏腹に北京大学在籍中は数式で学内ナンバーワンの頭脳を持っていた。
西暦の下2桁で日付を管理していたコンピューターが、2000年の到来とともに1900年なのか2000年なのか特定できなくなり、不具合を生ずるとされた”2000年問題”。コンピュータで制御されるミサイルもこの問題とは無縁ではなかったが、『胞主任』以下のシステム担当の働きによりこの問題をクリアした。ミサイル基地を視察に訪れた共産党幹部『劉書記』は、胞主任の功績を称えるも漕の存在を知るや、2000年対策が遺漏なくなされたのは漕の手腕によるものだということを見抜く。劉から漕の能力を伝えられた胞は、嫉妬に駆られ漕のプログラムミスを探す。4で割り切れる西暦には閏年とするが、100で割り切れる西暦は閏年としない、ただし、400で割り切れる年は閏年とする、という決まりがある。2000年は例外的に2月29日が存在する年であるが、漕は1カ所だけプログラムの変更を失念していた。これに目をつけた胞は、漕を失墜させるため、劉に密告する。胞は、閏年問題の混乱に乗じてミサイルを台湾に撃ち込み、台湾の迎撃態勢データを入手し、自らの地位を向上させようと目論む。
この陰謀に気付いた漕は、コンピューター・ルームに侵入し、プログラム改変とミサイル発射ストップを試みるも、劉の妨害により為す術がなくなる。インターネットを通じ、台湾側に事態を報告する漕。漕のメッセージを見た台湾側は急遽ゴルゴにコンタクトをとり、事態の打開を依頼する。残された時間は1時間20分、限られた時間のなかで漕とゴルゴの連携がなされ、漕からネット経由で送られた配電図をもとにゴルゴは一発の弾丸を撃ち込む。ゴルゴが放った弾丸は、普通電話回線と非常用予備回線の交錯する点に刺さり、漕の手配したミサイル自爆命令をホスト・コンピュータに伝えることに成功、ミサイルが台湾に降り注ぐことを未然に防ぐ。
キモいオタクの漕が、プロフェッショナル振りを発揮、綺麗どころの楊をものにし、更には台湾の危機を救うというミラクル・ストーリー。世のオタク達が本作を見て歓喜したことは想像に難くない・・・。個人的にはうだつのあがらないキャラは大好きなので、漕の活躍はうれしいところだが、漕と楊のピロー・トークが非常にイタい。曰く、
「コンピュータの中でより、生身の私を・・・・愛して!」
「私の体から消去して!!汚らわしい胞のメモリーをっ!!」
「や、書き換えてやるっ、すべて書き換えてやるっ!!すべて、僕のプログラム漬けにっ!!」
「電脳の話より二人で暴走したい!」
「いいわ!朝まで暴走しちゃう!」
ちなみに、ゴルゴへのコンタクトにはラジオで「13番目のタンクが爆発炎上」とのアナウンスが用いられている。女を抱いていたゴルゴは、燃え上がっている女を放置して静かに仕事に向かう。真のプロフェッショナルは、かくありたい。