過酷な条件のゴルフが教えてくれること

2012-10-14 20:56:37 | ゴルフウイークリー

ゴルフの醍醐味って何だろう?

と考えていますと、

ひと言でいうと『人生』と

似通っていることかな、と感じます。

月並みかもしれませんが、

最近とみにそれを

実感し始めました。

ゴルフラウンドでは、自分では

どうにもならない過酷な自然条件で

プレーすることもあります。

強風、大雨、雪、泣きそうになるくらい

つらいボールのライ、不安に

おしつぶされそうになるくらい

立ちはだかる池、森、谷越えの状況。

そしてフェアウェイのうねり、

深いラフ、グリーンの速さや

複雑なアンジュレーションなどなど。

私にも過酷な条件でプレーした

経験がありますが、その中の

1ラウンド。マレーシアのコース

(アーノルド・パーマー設計)での

話です。

東南アジアのコースは、湿気の

高い環境とスコールなんかの

突発的な雨が多い地域ですので、

自然のトラブルになりやすいのです。

一緒にラウンドしたのは、インドと

オーストラリア゛のジャーナリストと

地元マレーシアの

コース管理の人でした。

両ジャーナリストは、アーニー・エルス

かと見まがうほどの長身で

腕も長く、足も長く、私とは

体でアドバンテージがあるという

組み合わせでした。当日は、

新ぺリア方式のコンペだったのです。

3ホールくらい回った後、

現地は雨が降り出し、次第に強く

なっていきました。これが、

東南アジアゴルフの洗礼かと

感じましたが、淡々とプレーする

つもりだったのです。

ところが、これに風が加わって

きたのです。そして、徐々に

雨がウェアにしみ込み、

体が冷たくなってきたのです。

湿気のある冷たさ・・・・・・これは、

かなり違和感を覚えます。

雨は弱くなったり急に強くなったり、

そんな状況でのプレーでした。

ここで、何が難しかったのかと

いいますと、先ず洗礼を受けたのが、

ボールのライにてこずったことです。

日本のようにフェアウェイで芝が

密集していなくて、裸地みたいな

ライもちらほら。そんなところに

止まったボールは、じるい地面に

やや沈んだ状況になっていました。

最初は、これにおかまいなく

アイアンショットしていましたが、

トップやポッコンが連発。

ヘッドを上から入れても、手前の

じるい地面に引っかかって

ヘッドが抜けませんでした。

こういうライこそ、ダウンブローの

基本技術がしっかりと身について

いないと、化けの皮が

はがれてしまうのですね。

あまりに距離が出ないから、

途中でボールを右寄りに置き、

ヘッドを上からぶつけて終わりの

付け焼刃的なスウィングで対応

するのが精一杯!!

でも、ダウンブローに打てる技術が

あれば、上からボールをクリーンに

とらえ、ヘッドが低く抜けますから、

悪ライの影響が少なくなります。

ヘッドが薄めに入ろうが深めに

入ろうが、距離はしっかりと出ます。

この技術について書くのは今回は

省略しますが、ダウンブローに

打てるのと、そうでないのとでは、

ショットの結果に

天地の差が出てしまいます。

そんなわけで、アイアンに関しては、

こんな悪ライ(技術のある人に

とっては悪ライではないでしょう)では、

応急処置でいくしかなかったのです。

それと、雨風が強いのに、コースは

容赦なく池越えのシビアなショットを

要求してきました。

長い(450ヤードクラス)のパー4の

セカンドで、ピンまで真正面に

たちはだかったり、左ドッグの

左サイドにグリーンまで

食い込んでいたり・・・・・・・

したのが池(ウォーターハザード)

でした。

雨風の中での池越えのロングショット!

キャリーで200ヤードきっちと打たないと

池に入ってしまう状況で、

4番ウッドかハイブリッドを選ぶしか

ありません。

確率を考えたら4番ウッドはリスク

大です。少しでもダフれば、

お陀仏です。かといって、

ハイブリッドでは、ヒットしても

キャリー不足になる恐れが

あります。冷たい雨でしたので、

キャリーも相当落ちると読んで

いたからです。

こんな状況で、インド人ジャーナリストは、

果敢にロングアイアンで

攻めていきましたが、

ほんの数ヤードキャリーが足らず

池へ。私は実力と状況を

考え、6番アイアンで安全な

ルートに刻む決断をしました。

これで池は回避でき、

インド人のように大叩きしないで

すんだのです。

悪条件での判断。これは、

欲との戦いになります。

この2つの事例。ライへの

対応と状況判断。この2つは、

プレー条件が過酷になれば

なるほど、とても重要に

なることに気づかされました。

それと勉強になったのは、

自然条件が過酷なほど、

忍耐心を継続させ、望みを

捨てないタフさを持つ

ことが必要なのを

実感しました。

他の組みでリタイアする

プレーヤーが出る状況で、

最後まで諦めずに

自分の実力なりの判断と

プレーを続けることができるか。

これがとても大切でした。

プレー後は、体も心も

くたくたになりました。

シューズの中も、ウェアに

しみた多量の水もプレーの

妨げになりました。

悪条件になるほどガマン、

ガマン! その先には、

喜びが待っている。

それを信じることだと

思いました。

途中でやめたら、その喜びは

決して味わえません。

逃げ出したくなるような悪条件

ほど逃げずに集中して

自分の実力を最大に発揮できる

よう頭も体もフル回転!

この姿勢が自分を磨いてくれます。

これは、ゴルフも人生も

同じでは?と実感した

ラウンドでした。

ちなみに、コンペの成績は

2位でした(トロフィも

いただきました。)

何か、逆境があってこそ

そこを少しでもいいから

乗り越える努力を

した後の充実感とでも

いうのでしょうか?

それにしても、ボールのライ

ひとつとっても世界は広いって

実感しました。1つの

技術では通用しません。

とてもためになった

ラウンドでした。

ただし、ゴルフで雷だけは生命の

危険があるので勇気を持って避難下さい。

これは過酷な自然条件で

のガマンのゴルフとはまた別の

次元の話になりますので。