シルヴィ・ヴァルタンとオリヴィア・ニュートンジョン
の話の続編です。
フランス、英国ときたら、
イタリアを抜かすわけにはいきません。
イタリアの当時の(70~80年代)歌姫と
いうと、ジリオラ・チンクエッティでしょう。
彼女は、英仏の歌姫のどちらの
個性や雰囲気を合わせ持つ
不思議な(?)歌手だと思います。
容貌は、同じラテン系のせいで、
シルヴィー・ヴァルタンに
雰囲気(顔は違いますが)は
似ています。
でも、同時に華やかさがあり、
可憐なところは、オリヴィア似です。
可憐でおしゃまな娘が
太陽の日差しをたっぷり浴びた
ような明るさで、軽快に歌う
姿は、シルヴィーとオリヴィアの
中間的な匂いが漂います。
彼女の代表的な曲は
『雨』です。
『雨』というと、日本では嫌なもの、
ネガティブなイメージがありますが、
この彼女の歌う『雨』は、いかにも
イタリア人のカンツォーネらしく、
全編ポジティブな明るさが
漂います。
♪
あなたが見ていてくれてたら
雨に濡れても構わない
傘なんか捨てましょう! ♪
こういう歌詞をポジティブに歌う
ところなんか、イタリア人らしく
人生を恋を楽しみたいという
国民性がふんだんに
感じられます。
シルヴィーの芯の強さや凛々しさ
はなく、オリヴィアの軽快な
スマートさはありません。
でも、多少泥臭いながら
人生を単純に楽しもうとする
可愛らしさを感じます。
イタリアのルーツは、古代に
さかのぼれば、あのローマ帝国
です。
異民族を同化しながら、ヨーロッパや
中東アジア、アフリカまでも進出し、
広大な領地を治めた帝国です。
ガリア(今のフランス)も
ブリタニア(今の英国)も征服
されています。
なのに、どこでどう変化したのか、
現代のイタリアは、野望を
失ったかのように、
自分の人生を謳歌するという
市民的な楽しみに浸って
きました。その流れでの
チンクエッティの歌声!!
不思議な国であり、
また不思議な歌であります。
日本で♪傘なんていらないわ♪
と歌ったら、日本人なら
かなり違和感を覚える
でしょうね。
それくらい恋に夢中に
なってしまいたいという
ことなんですが、ここらあたりの
いい意味での集中心は、
実は私は好きです。
ひと目や一般論を気にせず、
自分の好きなこと、思うところに
進もうとするからです。
3国3様のお国柄と歌・・・・・・・
歌は世につれ国につれ・・・・♪
なんでしょうね。